給油取扱所の敷地内にコンビニエンスストアや飲食店を併設したいという相談は少なくありません。
ところがこの物品の販売その他の業務は、施行令と施行規則によって行ってよい場所が細かく決められています。
原則は建物の1階だけで、2階や敷地の空地に置くには条件を満たす必要があります。
この記事では、給油取扱所で物品の販売その他の業務を行える場所の原則と例外、そして見落としやすい除外規定を条文から整理します。
うちの給油取扱所、コンビニを2階に置けないか相談されているんです。
それは規則第四十条の三の六の例外に当てはまるか確認が必要ですね。
まず原則から見ていきましょう。
原則ではどこに置けばいいんですか。
施行令が建物の1階だけと定めています。
そこから条文を順番に確認しましょう。
- 給油取扱所で物品の販売その他の業務を行う場所は、原則として建築物の1階に限られます。
- 対象になる業務は規則第四十条の三の六第一項が定め、規則第二十五条の四第一項第六号に掲げる幅広い用途が含まれます
- 1階以外では、建築物の2階または建築物の周囲の空地に設ける例外が認められています
- ただし空地の例外には、火災の予防上危険がある場合や消防の活動に支障になる場合を除くというただし書きが付いています。
- 1階であっても、防火設備で区画された部分以外は対象外になります
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目次
給油取扱所で物品を販売するときはなぜ原則が1階なのか

まず建物のどこに置けるのかという、場所そのものの原則を確認します。
物品の販売その他の業務は、給油取扱所に設ける建築物のうち一階でしか行えないというのが施行令の定めです。
屋内給油取扱所の場合は、建築物のうち屋内給油取扱所の用に供する部分だけがこの対象になります。
条文には総務省令で定める場合という例外の入り口が用意されており、次の見出しから中身を見ていきます。
うちの建物、2階に休憩スペース兼売店を作りたいと相談されているんですが、だめなんでしょうか。
原則は1階だけです。
ただし例外の条件を満たせば2階や空地も使えます。
どんな業務がこの1階限定の対象になるのか

規則がその範囲を具体的に定めています。
規則第二十五条の四第一項第六号は、消防法施行令別表第一(1)項、(3)項、(4)項、(8)項、(11)項から(13)項イまで、(14)項及び(15)項に掲げる防火対象物の用途に係る業務を指すと定めています。
劇場や飲食店、百貨店やマーケットなどの物品販売業、図書館、神社や寺院、工場や自動車車庫、倉庫といった、給油や自動車の点検・整備以外の幅広い業務がここに含まれます。
つまりコンビニだけでなく、対象になりうる業務の範囲はかなり広いということです。
コンビニだけじゃなくて、駐車場や倉庫みたいな業務も対象になるんですね。
はい、別表第一の用途に当たるかどうかで判断します。
個別の業務ごとに確認してください。
1階以外に設ける例外にはどんなものがあるのか

どんな場所なら例外として使えるのか確認しましょう。
ひとつは容易に敷地外へ避難できる建築物の2階で、もうひとつは建築物の周囲の空地です。
空地を使う場合は自動車等の通行が妨げられる部分を除くとされているため、給油や車両動線の邪魔にならない位置に限られます。
2階の避難経路の具体的な考え方は別の記事で詳しく扱っているので、ここでは空地の例外を中心に見ていきます。
空地に小さな売店を置くことも認められているんですね。
はい、ただし車両の通行を妨げない場所に限られます。
次の見出しで注意点を確認しましょう。
空地に設けても認められない場合や1階でも対象外になる部分があるのか

条文に立ち返って確認しておきましょう。
「一階(総務省令で定める部分を除く。)」の除かれる部分とは、開口部に防火設備を備えた壁等で区画されていない部分を指します。
給油空地に向かって壁が無く開放されたままの部分では、たとえ1階であっても物品の販売その他の業務を行えません。
空地の例外にも、火災の予防上危険がある場合や消防の活動に支障になる場合は使えないというただし書きがあることも合わせて確認してください。
うちの店舗、給油スペースとの間に壁が無い作りになっている気がします。
それでは防火設備で区画された部分とは認められません。
区画の有無を図面で確認しましょう。
明日から何を確認すればよいのか

条文の要件を、そのままチェック項目に置き換えます。
- 物品の販売その他の業務が規則第二十五条の四第一項第六号の用途に当たるかを確認する
- 業務を行う場所が建物の1階かどうかを確認する
- 1階以外に置く場合は2階または敷地の周囲の空地のどちらの例外に当たるかを確認する
- 売場と給油空地の間が防火設備で区画された壁等で仕切られているかを図面で確認する
- 判断に迷う場合は所轄消防署に相談する
1階か例外の場所かだけでなく、防火区画の有無も同時に確認する必要があります。
どちらか一方だけを満たしても、要件全体を満たしたことにはなりません。
チェック項目、さっそく確認してみます。
場所と区画の両方を忘れずに。
迷ったら早めに相談してくださいね。
よくある質問
まとめ
場所の原則と例外、防火区画まで一気に確認できました!
場所と防火区画の両方を忘れずに確認してください。
㈱防災屋でもご相談を承っております。
㈱防災屋 代表取締役/消防設備士
平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!
本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。
詳しい経歴・保有資格を見る
- 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
- 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
- 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
- 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
- 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
- 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
- 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
- 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
- eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了
趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)
参考・出典
- 消防法第十条第三項
- 危険物の規制に関する政令第二十七条第六項第一号ワ
- 危険物の規制に関する規則第二十五条の四第一項第六号(参照)
- 危険物の規制に関する規則第四十条の三の六
※本記事は公表されている法令および消防庁等の資料に基づく一般的な解説です。条例や運用は市町村ごとに異なる場合があります。個別の判断は所轄消防署にご確認ください。





