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貯蔵所に危険物以外の物品を置いてよい場合はあるのか|屋内外の1メートル間隔とタンクの悪影響防止を解説

貯蔵所に危険物以外の物品を置いてよい場合はあるのかを解説する記事のアイキャッチ画像

貯蔵所には原則として、危険物以外の物品を置くことができません。
しかし総務省令には、一定の条件を満たせば例外的に貯蔵できる組み合わせが定められています。
屋内貯蔵所や屋外貯蔵所とタンク貯蔵所とでは、認められる組み合わせも条件も異なります。
原則の確認から、屋内・屋外貯蔵所とタンク貯蔵所それぞれの例外の中身までを解説します

うちの倉庫、危険物のドラム缶の横に空き段ボールや工具箱を置いているんですが、これって問題ないですか。

実は貯蔵所には危険物以外の物品を置いてはいけないのが原則です。
ただし規則で認められた組み合わせなら例外的に置けます。

じゃあどんな組み合わせなら大丈夫なんでしょうか。

屋内・屋外貯蔵所とタンク貯蔵所で条件が分かれます。
順番に見ていきましょう。

この記事の結論
  • 貯蔵所には原則として、危険物以外の物品を貯蔵できません(政令第26条第1項第1号)
  • 屋内貯蔵所・屋外貯蔵所では、規則第38条の4第一号イ〜トの組み合わせを取りまとめて貯蔵し、相互に1メートル以上の間隔を置けば例外が認められます
  • タンク貯蔵所で認められるのは第四類・第六類の危険物に対応する物品だけで、タンクの構造及び設備に悪影響を与えないことが条件です(同条第二号)
  • どちらの組み合わせも、貯蔵する危険物や物品と危険な反応を起こさないことが前提になります
  • 火薬類との混載など特殊な組み合わせは、指定された危険物に限って認められています

貯蔵所は原則危険物専用号で定める組合せなら例外一メートルの間隔を確保し反応性を確認するという図解

貯蔵所に危険物以外の物品を置いてはいけないのはなぜか

倉庫内に整然と並ぶドラム缶と離れた場所に置かれた雑多な箱のイメージ
貯蔵所は危険物だけを安全に管理するための施設として基準が組み立てられています。
まずは原則そのものを確認します。
危険物の規制に関する政令第二十六条第一項第一号
貯蔵所においては、危険物以外の物品を貯蔵しないこと。
ただし、総務省令で定める場合は、この限りでない。
貯蔵所には危険物以外の物品を置かないことが原則で、置ける場合は総務省令が定める例外に限られます
これは貯蔵所の位置・構造・設備の基準が、そこに危険物だけがあることを前提に組まれているためです。
段ボールや工具箱のような一見無害な物品でも、原則としては同じ扱いになります。
本記事では、この原則にどんな例外が認められているかを確認します。

今まで気にせず置いていましたが、原則は駄目なんですね。

はい、条文が定める組み合わせに当てはまるかどうかがポイントです。
次は屋内・屋外貯蔵所の例外を見ていきましょう。

屋内貯蔵所や屋外貯蔵所ではどんな物品なら一緒に置けるのか

倉庫内でドラム缶と梱包材を間隔を空けて並べるイメージ
屋内貯蔵所・屋外貯蔵所には、号ごとに具体的な組み合わせが定められています。
代表的な区分を確認します。
危険物の規制に関する規則第三十八条の四第一号
屋内貯蔵所又は屋外貯蔵所において次に掲げる危険物と危険物以外の物品とを貯蔵する場合で、それぞれを取りまとめて貯蔵し、かつ、相互に一メートル以上の間隔を置く場合
イ 危険物(引火性固体及び第四類の危険物を除く。)と(略)当該危険物に該当しない物品
ハ 第四類の危険物と、合成樹脂類等(略)を主成分として含有するもので危険物に該当しない物品
ヘ 危険物と、危険物に該当しない不燃性の物品(貯蔵する危険物及び危険物以外の物品と危険な反応を起こさないものに限る。)
認められるのは、その危険物と同じ成分を含む非危険物や、不燃性で危険な反応を起こさない物品に限られます
たとえば第四類の危険物と合成樹脂類(イ号・ハ号)、危険物と不燃性の物品(ヘ号)といった組み合わせです。
条件を満たすだけでなく、それぞれを取りまとめて貯蔵し、相互に1メートル以上の間隔を置くことまで求められます。
段ボールを危険物のすぐ隣に積み上げるような置き方は、組み合わせが合っていても認められません。

組み合わせが合っていても、間隔を空けないと駄目なんですね。

組み合わせと配置の両方を満たして初めて例外になります。
次はタンク貯蔵所の場合を見ましょう。

タンク貯蔵所ではなぜ対象が第四類と第六類だけに絞られるのか

屋外タンクの横に置かれた梱包材のイメージ
屋外タンク貯蔵所などタンク型の施設には、屋内・屋外貯蔵所とは別枠の基準があります。
根拠条文を確認します。
危険物の規制に関する規則第三十八条の四第二号
次に掲げる危険物を貯蔵し、又は取り扱う屋外タンク貯蔵所、屋内タンク貯蔵所、地下タンク貯蔵所又は移動タンク貯蔵所(以下「屋外タンク貯蔵所等」という。)において、それぞれ当該屋外タンク貯蔵所等について定める危険物以外の物品を当該屋外タンク貯蔵所等の構造及び設備に悪影響を与えないよう貯蔵する場合
イ 第四類の危険物を貯蔵し、又は取り扱う屋外タンク貯蔵所等 合成樹脂類等(略)又は危険物に該当しない不燃性の物品(略)
ロ 第六類の危険物を貯蔵し、又は取り扱う屋外タンク貯蔵所等 法別表第一第六類の項の品名欄に掲げる物品(略)を主成分として含有するもので危険物に該当しない物品又は危険物に該当しない不燃性の物品(略)
タンク貯蔵所で認められる組み合わせは第四類・第六類の危険物を扱う施設だけで、判断基準も「間隔」ではなく「構造及び設備への悪影響」に置き換わります
屋外タンク貯蔵所・屋内タンク貯蔵所・地下タンク貯蔵所・移動タンク貯蔵所は、いずれも危険物を密閉された容器で扱う施設で、物品を1メートル離して置く発想がそもそも成り立ちません
そのため条文は間隔ではなく、タンク本体や付属設備に悪い影響を与えないことを条件にしています。
対象の危険物も第四類(イ号)と第六類(ロ号)の2区分に絞られている点が、屋内・屋外貯蔵所の号立てとの違いです。

間隔ではなく悪影響の有無で判断するというのは、確かに違いますね。

はい、タンクの構造上の事情が基準の違いにつながっています。
次は実務で見落としやすい点を確認しましょう。

危険な反応を起こさないという条件は誰がどう判断するのか

性質の異なる2つの容器を並べて片方に禁止マークを付けたイメージ
号に当てはまる組み合わせでも、それだけで安心はできません。
見落としやすい限定を確認します。
危険物の規制に関する規則第三十八条の四第一号ヘ・ホ(抜粋)
ヘ 危険物と危険物に該当しない不燃性の物品(貯蔵する危険物及び危険物以外の物品と危険な反応を起こさないものに限る。
ホ 第七十二条第一項に規定する危険物と危険物に該当しない火薬類
不燃性の物品でも、貯蔵する危険物と危険な反応を起こすものは例外の対象になりません
「不燃性だから安全」という判断だけでは足りず、その危険物との組み合わせで反応が起きないかまで確認する必要があります。
また、ホ号のように第七十二条第一項に規定する特定の危険物と火薬類という組み合わせだけが認められる号もあり、一般の危険物にそのまま当てはめることはできません。
号の見出しだけで「うちも当てはまる」と判断せず、条件のすべてを満たしているかを確認することが欠かせません。

不燃性かどうかだけ見ていました。
反応まで確認していませんでした。

不燃性であることと反応を起こさないことは別の条件です。
最後に確認事項をまとめます。

明日から貯蔵所で何を確認すればよいのか

担当者がクリップボードを手に貯蔵所内の配置を確認しているイメージ
ここまでの基準を、実際の確認作業に落とし込みます。
順番に見ていきましょう。 まず、貯蔵所に置いている危険物以外の物品が規則第38条の4のどの号に当てはまるかを洗い出してください
屋内貯蔵所・屋外貯蔵所であれば取りまとめて貯蔵し1メートル以上の間隔を置いているかを、タンク貯蔵所であればタンクの構造や設備に悪影響がないかを確認します。
どちらの場合も、置いている物品が貯蔵する危険物と危険な反応を起こさないかをあわせて見直してください。
当てはまる号が見つからない物品は、貯蔵所の外に移すか個別に所轄消防署へ相談することをおすすめします。

号を確認して、間隔と反応の両方を見直してみます!

号・間隔・反応性の3つをあわせて確認してみてください。
次によくある質問をまとめます。

よくある質問

Q貯蔵所に危険物以外の物品を置くことは原則として禁止されているのですか?
Aはい。政令第26条第1項第1号は「貯蔵所においては、危険物以外の物品を貯蔵しないこと」と定め、総務省令で定める場合に限って例外を認めています。
Q屋内貯蔵所で梱包材のような物品を一緒に置くことはできますか?
A規則第38条の4第一号の組み合わせに当てはまり、取りまとめて貯蔵したうえで1メートル以上の間隔を置けば可能です。ただし、その物品が危険物と危険な反応を起こさないことが前提です。
Q屋外タンク貯蔵所ではどんな物品でも一緒に置けますか?
Aいいえ。認められるのは第四類または第六類の危険物に対応する物品に限られ、タンクの構造及び設備に悪影響を与えないことが条件です。
Q危険な反応を起こすかどうかは誰が判断するのですか?
A条文に具体的な判定手順までは示されていません。品目ごとの性状を踏まえて事業者自身が確認し、判断に迷う場合は所轄消防署へ相談することをおすすめします。

まとめ

貯蔵所には原則として、危険物以外の物品を貯蔵できません(政令第26条第1項第1号)
屋内貯蔵所・屋外貯蔵所の例外は規則第38条の4第一号イ〜トの組み合わせに限られます
認められる組み合わせでも、取りまとめて貯蔵し1メートル以上の間隔を置くことが条件です
タンク貯蔵所の例外は第四類・第六類の危険物を扱う施設に限られます
タンク貯蔵所での例外は「構造及び設備に悪影響を与えない」ことが前提です
どの組み合わせも、危険な反応を起こさない物品であることが共通の条件です
増設や取扱品の変更のたびに、号のどれに当たるかを確認し直すことが見落とし防止になります

分かりました、号と間隔と反応性を次の点検で確認します!

号の判断に迷ったら早めにご相談ください。
㈱防災屋でもご相談を承っております。

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まずはWebで無料お見積りを!

お問い合わせ

監修・編集者
青木 俊輔
青木 俊輔

㈱防災屋 代表取締役/消防設備士

平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!

本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。

詳しい経歴・保有資格を見る
学歴
  • 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
  • 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
  • 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
保有資格
  • 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
  • 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
  • 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
  • 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
  • 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
  • eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了

趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)

主な活動

参考・出典

  • 危険物の規制に関する政令第二十六条第一項第一号
  • 危険物の規制に関する規則第三十八条の四
  • e-Gov 法令検索

※本記事は公表されている法令および消防庁等の資料に基づく一般的な解説です。条例や運用は市町村ごとに異なる場合があります。個別の判断は所轄消防署にご確認ください。

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