ガソリンスタンドや工場の地下に埋められている危険物のタンクの多くは、地盤面の下に作られた専用の部屋、タンク室の中に納められています。
タンク室に入れれば安全というわけではなく、政令はタンク室そのものに強さと防水の両方を求めています。
求められるのは自重や土圧、地震の影響に耐える構造と、水密コンクリートによる防水の措置の両方です。
この記事では危険物の規制に関する規則第二十三条の四・第二十四条が定めるタンク室の基準を、条文に沿って確認します。
うちのガソリンスタンド、地下タンクがタンク室に入ってるって聞いたんですけど。
あれって具体的にどんな基準があるんですか。
はい、政令でタンク室そのものに強さと防水が求められています。
順番に見ていきましょう。
強さと防水、両方ですか。
はい、両方です。
どちらか一方が欠けても基準を満たしません。
- 地下貯蔵タンクは地盤面下に設けられたタンク室に設置することが原則です
- タンク室は自重・土圧・地震の影響などに対して安全な構造でなければなりません
- タンク室は水密コンクリートまたは同等以上の水密性を有する材料で造る必要があります
- 鉄筋コンクリート造の目地やふたとの接合部分には雨水・地下水の浸入を防ぐ措置が必要です
- タンクの頂部は地盤面から〇・六メートル以上下にあることも同時に求められます
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目次
地下タンクをタンク室に納める方式とはどんな仕組みか

コンクリートでできた専用の部屋、タンク室の中に納められています。
タンク室は地盤面の下に掘られたコンクリートの箱で、その内部にタンク本体が収まる構造です。
土に直接タンクを埋める直接埋設方式や、鋼板を二重にした二重殻タンクを使う方式もありますが、それらは別に認められた例外の方式です。
まずはこのタンク室方式の基準を押さえておくことが実務の出発点になります。
二重殻タンクとかも聞いたことありますけど、うちは古いタイプなので普通のタンク室だと思います。
はい、タンク室方式が今も広く使われている基本形です。
次はタンク室に求められる強さを見ていきましょう。
タンク室にはどれくらいの強さが求められるのか

政令はその強さの中身を、総務省令(規則)に委ねています。
自分自身の重さやタンクの重量だけでなく、周囲の土圧や地下水圧、地震の影響まで含めた計算が必要です。
具体的な配筋間隔やコンクリートの厚さといった数値仕様は、告示で個別に定められています。
新設時はもちろん、増改築で周囲の荷重条件が変わる場合も、この計算をやり直す必要があります。
具体的な厚さとか鉄筋の間隔までは分からないです。
そこは告示で数値が定められているので、設計・施工の記録を確認すれば分かります。
次は防水の話に移ります。
タンク室の防水はどうやって確保するのか

規則は防水の方法までかなり具体的に定めています。
それだけでは足りず、目地の部分やふたとの接合部分からの浸水も防がなければなりません。
コンクリートの壁自体は水を通さなくても、継ぎ目やふたの隙間から雨水や地下水がじわじわ入り込む例は少なくありません。
点検のときは壁面だけでなく、継ぎ目やふたの周りに水の跡が無いかも確認してください。
目地とかふたの周りって、普段あまり見ていませんでした。
そこからの浸水が一番見落とされやすい場所です。
次はタンクの深さの基準を見てみましょう。
タンクの頂部の深さも見落としやすいのはなぜか

タンク自体の埋設の深さにも決まりがあります。
強度と防水ばかりに気を取られると、埋設の深さという別の要件を見落としがちです。
深さが足りないタンクは、地表からの荷重や外的な衝撃を直接受けやすくなります。
新設や増設の計画図面では、タンク室の構造だけでなく頂部の深さも必ず確認してください。
深さまでは気にしたことがなかったです。
図面に残っているはずなので、次の点検で確認しておきましょう。
明日から何を確認すればよいのか

日常の点検で見るべきポイントを整理します。
- タンク室の壁面にひび割れや漏水の跡がないかを確認する
- 目地やふたとの接合部分に水の染み出しがないかを確認する
- 設計図面でタンク頂部の埋設の深さが基準を満たしているかを確認する
日常点検では中に立ち入れないことが多いため、点検口や周辺の地表面の変化からタンク室の異常を推測する視点も必要です。
図面や検査記録を手元に残しておけば、増改築や設備更新のときにも役立ちます。
迷ったときは所轄消防署や専門業者に相談してください。
壁と継ぎ目と深さ、この三つを意識して見てみます。
それだけでも見落としはかなり減ります。
気になる点があればいつでもご相談ください。
よくある質問
まとめ
壁・継ぎ目・深さ、しっかり確認していきます!
いつでもお声がけください。
㈱防災屋でもご相談を承っております。
㈱防災屋 代表取締役/消防設備士
平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!
本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。
詳しい経歴・保有資格を見る
- 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
- 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
- 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
- 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
- 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
- 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
- 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
- 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
- eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了
趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)
参考・出典
- 危険物の規制に関する政令第十三条第一項第一号・第三号・第十四号
- 危険物の規制に関する規則第二十三条の四
- 危険物の規制に関する規則第二十四条
※本記事は公表されている法令および消防庁等の資料に基づく一般的な解説です。条例や運用は市町村ごとに異なる場合があります。個別の判断は所轄消防署にご確認ください。





