地下タンク貯蔵所のタンクは、タンク室に入れさえすればよいというものではありません。
タンクの外面とタンク室の壁との間には、間隔と砂の詰め方まで細かく基準が定められています。
タンクを二基以上並べて設置する場合には、さらにタンク相互間の間隔の基準も加わります。
この記事では危険物の規制に関する政令第十三条第一項第二号・第四号が定める間隔の基準を解説します
うちの地下タンクもタンク室に納めていますが、壁とはくっついていないんですか。
はい、壁とタンクの間には一定の間隔を保つ基準がありますよ。
間隔があるのは知っていましたが、その隙間はどうなっているんですか。
まずは間隔そのものの基準から確認していきましょう。
タンクを複数並べる場合の基準もあわせて見ていきます。
- 地下貯蔵タンクは、タンク室の内側との間に〇・一メートル以上の間隔を保って設置する
- 対象となる規定は危険物の規制に関する政令第十三条第一項第二号・第四号である
- 間隔の隙間には当該タンクの周囲に乾燥砂をつめることが条文上の要件になっている
- タンクを二基以上隣接して設置する場合は、相互間に一メートル以上の間隔を保つ
- 容量の総和が指定数量の百倍以下であれば、間隔を〇・五メートルまで縮められる
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目次
地下タンクはなぜタンク室の壁に直接触れさせないのか

タンクとタンク室の内側との間隔についても、独立した基準が置かれています。
条文は、地下貯蔵タンクとタンク室の内側との間に〇・一メートル以上の間隔を保つことを求めています。
壁に密着させて埋めてしまうと、この間隔の基準そのものを満たせません。
施工段階で型枠や支保工の位置を誤ると、部分的に間隔が不足する事態が起こり得ます。
まずはこの間隔そのものが条文上の要件であることを押さえておきましょう。
間隔を保つだけで、隙間はそのまま空洞にしておいていいんですか。
いいえ、隙間には詰めるべきものが条文で決められています。
間隔にはなぜ乾燥砂を詰める必要があるのか

その隙間に何を詰めるかも、同じ号の中で定められています。
号二は間隔の数値だけでなく、乾燥砂をつめることまで一続きの要件として求めています。
砂の材質や粒度そのものを個別に指定した規定はなく、乾燥していることが条件になります。
過去には人工的に製造された砂を使えるかが照会された例もあり、乾燥砂の範囲は個別に判断されてきました。
埋め戻しや補修のたびに、間隔と砂の両方が条文どおりに保たれているかを確認する必要があります。
間隔だけじゃなく、砂の有無まで見ないといけないんですね。
はい。
次はタンクを複数並べる場合の基準を見ていきましょう。
タンクを二基以上並べるときの間隔はどう変わるのか

敷地内に地下タンクを複数設置する場合には、タンク相互間にも別の基準が加わります。
この間隔は、タンク室の壁との間隔(号二)とは別に求められる基準です。
敷地が限られていると、タンク同士の間隔を詰めたくなる場面が出てきます。
まずは原則の数値を押さえたうえで、次の項目で例外の条件を確認しましょう。
複数のタンクを扱う施設ほど、この間隔を見落としやすくなります。
一メートルより狭くできる場合はないんですか。
条件を満たせば縮められます。
次はその条件を見ていきましょう。
間隔を〇・五メートルに縮められるのはどんなときか

容量によって、必要な間隔そのものが変わる仕組みです。
隣接する二基以上のタンクの容量を合計した数値で判定する点に注意してください。
一基ごとの容量ではなく、隣接するタンク全体の合計で百倍を超えるかどうかが基準になります。
増設や貯蔵物の変更で総和が百倍を超えると、必要な間隔は一メートルに戻ります。
図面上の間隔だけでなく、隣接タンクの容量の合計もあわせて確認しておく必要があります。
一基だけの容量じゃなくて、合計で見るところがポイントなんですね。
そのとおりです。
最後に確認しておきたい点をまとめます。
明日からなにを確認すればよいのか

経年でずれや流出が起こりうる部分なので、定期的な確認が欠かせません。
- タンク室の点検口から、タンクと壁との間隔が図面どおり保たれているか確認する
- 乾燥砂に流出や偏りが生じていないかを確認する
- 隣接タンクを増設・変更した場合は、容量の総和と間隔の関係を再計算する
図面と現況が食い違っていないかを、点検の機会に目視で確認する習慣をつけましょう。
増設や貯蔵物の変更があったときは、必ず容量の総和を計算し直してください。
自己判断で間隔の解釈に迷う場合は、所轄消防署へ相談することをおすすめします。
間隔と砂と容量、この三つを点検のたびに確認します。
その調子です。
迷ったら所轄消防署に相談してください。
よくある質問
まとめ
間隔と乾燥砂のこと、点検のたびに確認するようにします。
対策に迷ったら、いつでもプロにご相談ください。
㈱防災屋でもご相談を承っております。
㈱防災屋 代表取締役/消防設備士
平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!
本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。
詳しい経歴・保有資格を見る
- 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
- 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
- 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
- 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
- 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
- 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
- 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
- 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
- eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了
趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)
参考・出典
- 危険物の規制に関する政令 第十三条第一項第二号・第四号(e-Gov法令検索)
※本記事は公表されている法令および消防庁等の資料に基づく一般的な解説です。条例や運用は市町村ごとに異なる場合があります。個別の判断は所轄消防署にご確認ください。





