指定数量未満の危険物であっても、火を使わない、整理整頓するといった日常の管理だけで済むわけではありません。
指定数量の五分の一を超えると、貯蔵し、又は取り扱う場所の位置、構造及び設備そのものにも基準がかかります。
屋外に置くか、屋内に置くか、タンクに入れるかで、求められる構造は大きく変わります。
火災予防条例(例)が定める、少量危険物の場所と設備ごとの構造基準をわかりやすく解説します
うちは指定数量よりずっと少ない量しか置いていないので、届出さえしておけば大丈夫ですよね。
いえ、指定数量の五分の一を超えると置き場所の構造にも基準がかかります。
具体的にはどこを見ればいいんですか。
屋外か屋内か、タンクかで基準が分かれます。
順番に見ていきましょう。
- 少量危険物も指定数量の五分の一を超えると、場所の構造にも基準が及びます。
- 屋外で貯蔵するときは、架台の高さや周囲の空地又は塀が必要です。
- 屋内で貯蔵するときは、壁や床を不燃材料にし、出入口に防火戸を設けます。
- タンクで貯蔵するときは、鋼板の厚さと水圧試験に適合した構造が求められます。
- 移動タンクで運ぶときは、静電気を除去する接地などの措置が必要です。
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目次
少量危険物になぜ置き場所の構造まで基準が及ぶのか

条例が定める基準は、日常の管理だけでなく置き場所の構造にも及びます。
指定数量の五分の一という量は、日常の管理だけでは足りないと考えられる境目です。
この境目を超えると、置き場所そのものの位置・構造・設備に基準がかかります。
基準の中身は、屋外・屋内・タンク・移動タンクといった置き方の種類ごとに分かれています。
自分の施設がどの区分に当たるかを最初に確認することが、対応の第一歩です。
うちの倉庫、指定数量の五分の一なんて意識したことがありませんでした。
数量を一度計算してみることをおすすめします。
次から具体的な基準を見ていきます。
屋外で貯蔵するときはどんな基準がかかるのか

架台を使うときの高さにも上限があります。
屋外で架台を使って貯蔵する場合、容器を収納する高さは六メートルまでに制限されます。
周囲には数量に応じた幅の空地を確保するか、防火上有効な塀を設ける必要があります。
液状の危険物を扱う設備では、地盤面への浸透を防ぐ覆いや傾斜、ためますも欠かせません。
架台そのものも不燃材料で堅固に造ることが求められます。
屋外に棚を置いているだけなので、高さまでは気にしていませんでした。
六メートルという上限があります。
一度棚の高さを測ってみてください。
屋内で貯蔵するときはどんな構造が必要になるのか

壁や出入口だけでなく、換気の設備まで求められます。
壁・柱・床・天井は不燃材料で造るか、覆う必要があります。
窓や出入口には防火戸を設け、延焼を防ぎます。
液状の危険物を扱う床は浸透しない構造にし、傾斜とためますで漏れを受け止めます。
可燃性の蒸気がたまりやすい場合は、屋外の高所へ排出する設備も必要です。
棚を防火戸のある部屋に移すだけでは足りないんですね。
はい。
換気設備まで含めて一体で確認してください。
タンクで貯蔵するときに見落としやすいのはどこか

地上のタンクと地下のタンクでは、求められる構造がさらに異なります。
タンクは容量に応じた厚さの鋼板で気密に造り、水圧試験で漏れや変形が無いことを確かめます。
地震で転倒しない措置やさび止めも必要で、見やすい位置には量を自動表示する装置を設けます。
地下タンクは、専用のタンク室に設置するか、危険物の漏れを防止できる構造で地盤面下に設置します。
上部から荷重を受けるおそれがある地下タンクには、荷重がかからないふたも欠かせません。
地上のタンクと地下のタンクで、そんなに基準が違うとは思いませんでした。
地下タンクは特に構造が細かく決まっています。
設置前に必ず確認してください。
移動タンクで運ぶときは何を確認すればよいのか

静電気対策と容器への詰め替えの扱いが特に重要です。
移動タンクから液体の危険物を容器に詰め替えることは原則できません。
引火点が四十度以上の第四類の危険物を、安全な速度で決まったノズルで詰め替える場合だけ例外になります。
静電気による災害のおそれがある液体を出し入れするときは、タンクを有効に接地する必要があります。
明日からできることとして、接地の器具が積み下ろしのたびに使われているかを確認してみてください。
容器に詰め替えるのは普通にやっていました。
原則できません。
例外の条件を必ず確認してください。
よくある質問
まとめ
置き場所ごとに基準が違うこと、よく分かりました!
置き場所の点検から始めてみてください。
㈱防災屋でもご相談を承っております。
㈱防災屋 代表取締役/消防設備士
平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!
本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。
詳しい経歴・保有資格を見る
- 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
- 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
- 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
- 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
- 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
- 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
- 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
- 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
- eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了
趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)
参考・出典
- 消防法第九条の四(指定数量未満の危険物に関する基準)
- 火災予防条例(例)第三十一条・第三十一条の三・第三十一条の三の二・第三十一条の四・第三十一条の六
※本記事は公表されている法令および消防庁等の資料に基づく一般的な解説です。実際の運用は施設の許可内容や所轄消防署の指導によって異なる場合があります。個別の判断は所轄消防署にご確認ください。





