古紙や木くず、わら類などの指定可燃物は、少しの量なら気にせず積み上げてしまいがちです。
しかし基準量を超えてまとめて置く(集積する)場合には、面積で区切る基準がかかります。
区切った一つひとつの塊(集積単位)の間には、決められた距離を保たなければなりません。
火災予防条例(例)が定める、綿花類等を集積するときの面積と距離の基準をわかりやすく解説します
倉庫のわらや古紙は、届出さえしておけば量が多くても大丈夫ですよね。
いえ、基準量を超えてまとめて置くと面積で区切る基準がかかります。
区切るというのは、具体的にどうすればいいんですか。
一つの塊を面積で区分し、塊同士の間に距離を保ちます。
順番に見ていきましょう。
- 廃棄物固形化燃料等及び合成樹脂類以外の指定可燃物をまとめて置くときは、一集積単位の面積を区分しなければなりません。
- 対象になるのは、わら製品・木毛及びかんなくず・ぼろ及び紙くず・糸類・わら類・再生資源燃料・石炭及び木炭類・木材加工品及び木くずです。
- 区分した集積単位の相互間には、面積に応じた距離を保たなければなりません。
- 石炭・木炭類等は、温度計等による監視と散水設備等の設置があれば距離の規定によらないことがあります。
- 対象になる品目と基準数量は、危険物の規制に関する政令別表第四で確認できます。
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目次
指定可燃物をまとめて置くとなぜ面積で区切る基準があるのか

集積する量が増えるほど、火災が広がったときの被害も大きくなります。
条文が定める境目は、一集積単位の面積が二百平方メートルを超えるかどうかです。
面積の区分は、火が一つの塊から隣の塊へ燃え広がる速さを抑える狙いがあります。
区分した塊の間には、あとで見る距離の基準も別に定められています。
自分の倉庫や作業場にある集積が、この面積の区分を超えていないかがまず出発点です。
面積で区切るなんて、今まで意識したことがありませんでした。
一度、積んである塊の面積を測ってみてください。
次から対象になる品目を見ていきます。
どの品目がこの集積基準の対象になるのか

まずは自分の施設にある物品がどの品目に当たるかを確認します。
綿花類・木毛及びかんなくず・ぼろ及び紙くず・糸類・わら類・再生資源燃料・石炭及び木炭類・木材加工品及び木くずが該当します。
合成樹脂類は別の号で集積単位の面積が五百平方メートルまで認められ、区画の基準も異なります。
廃棄物固形化燃料等は水分や温度の管理を求める号が別に定められています。
自分が扱う品目が、面積の区分と発熱の管理のどちらの号に当たるかを取り違えないことが大切です。
うちは古紙とわら類だけなので、この基準がそのまま当てはまるんですね。
そのとおりです。
合成樹脂類が混ざっていないかだけ確認してください。
集積単位相互にどれだけ距離を保つのか

距離は塊の面積によって二段階に分かれています。
この条文と同じ表現を採用している複数の市の火災予防条例を確認すると、面積が五十平方メートル以下の塊同士は一メートル以上の距離で足ります。
面積が五十平方メートルを超え二百平方メートル以下になると、距離は二メートル以上に広がります。
表そのものの数値は火災予防条例(例)の条文本文には現れず、条例を制定する各市町村が条文中の表として定める形になっています。
自分の倉庫の塊同士が、面積に応じたこの距離を実際に空けているかを測ってみることが確認の第一歩です。
塊が大きいほど、間の距離も広げないといけないんですね。
はい、そのとおりです。
面積と距離をセットで確認してください。
石炭や木炭類はなぜ距離の規定によらなくてよいことがあるのか

ただし無条件ではなく、代わりの設備が必要です。
政令別表第四の備考では、石炭・木炭類にはコークスや豆炭、練炭、活性炭なども含まれるとされています。
これらは自然発熱で内部から温度が上がることがあるため、距離よりも温度の監視が実効性を持ちます。
例外を使うには、温度計等による監視と、適温に保つための散水設備等の両方が必要です。
距離を空けるか、温度監視と散水設備を備えるかは、現場の広さと管理体制で選ぶことになります。
石炭を山積みにしているだけで、温度なんて測ったことがありません。
それなら距離の基準どおりに区分するか、温度計と散水設備を備えるかを選んでください。
明日から集積の管理で何を確認すればよいのか

最後に、現場で確認すべき手順を整理します。
まず、集積している品目が合成樹脂類や廃棄物固形化燃料等に当たらないかを確認します。
次に、一つの塊の面積を測り、二百平方メートル以下に区分されているかを確かめます。
区分した塊同士の距離が、面積に応じた一メートル又は二メートル以上あるかを測ります。
石炭や木炭類等で例外を使う場合は、温度計と散水設備等が実際に機能しているかも点検してください。
まずは面積を測るところから始めればいいんですね。
はい。
面積・距離・例外の順で確認してみてください。
よくある質問
まとめ
面積と距離のセットで確認すればいいと分かって助かりました!
まずは面積の実測から始めてみてください。
㈱防災屋でもご相談を承っております。
㈱防災屋 代表取締役/消防設備士
平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!
本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。
詳しい経歴・保有資格を見る
- 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
- 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
- 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
- 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
- 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
- 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
- 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
- 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
- eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了
趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)
参考・出典
- 消防法第九条の四(指定数量未満の危険物及び指定可燃物に関する基準)
- 火災予防条例(例)第三十四条第二項第二号(昭和三十六年十一月二十二日 自消甲予発第七十三号 消防庁長官通知)
- 危険物の規制に関する政令別表第四(第一条の十二関係)
- 横浜市火災予防条例第四十三条第二項第二号・広島市火災予防条例第三十五条第二項第二号(火災予防条例(例)第三十四条第二項第二号に相当する規定を確認)
※本記事は公表されている法令および消防庁等の資料に基づく一般的な解説です。条例や運用は市町村ごとに異なる場合があります。個別の判断は所轄消防署にご確認ください。





