第二種住居地域は、工場や店舗まで比較的幅広い用途の建築物を建てることができる地域です。
ところがキャバレーのような夜間営業の店舗は、この地域では建築そのものが認められません。
建築基準法別表第二(へ)項第一号は、準住居地域や近隣商業地域の規制をまとめて借りてくる仕組みでこれを禁止しています。
この「準用」という仕組みを理解しないと、なぜ禁止されるのか条文だけでは分かりません
知り合いが第二種住居地域にキャバレーを開業したいと言っているのですが、そのまま建てられますか。
実は建築基準法別表第二(へ)項第一号により、キャバレーのような建物は原則建てられないんです。
まず条文で仕組みを確認しましょう。
なぜ第二種住居地域なのに、他の地域の規制まで関係してくるのですか。
第一号は、準住居地域と近隣商業地域の規制をまとめて借りてくる準用という条文なんです。
順番に見ていきましょう。
- 第二種住居地域では、建築基準法第48条第6項により別表第二(へ)項に掲げる建築物は原則建てることができません。
- 別表第二(へ)項第一号は、(と)項第三号・第四号と(り)項に掲げるものをまとめて建築禁止の対象にする「準用」の条文です。
- (り)項第二号により、キャバレー、料理店その他これらに類するものは第二種住居地域で建てられません。
- (り)項第三号の個室付浴場業に係る公衆浴場も、(り)項に掲げるものとして同じく建築できません。
- (と)項第三号・第四号により、特定の事業を営む小規模工場や危険物の貯蔵・処理施設も対象になります。
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目次
第二種住居地域でキャバレーはなぜ建てられないのか

ところがキャバレーのような夜間営業の店舗は、建築そのものが制限されます。
第二号の工場や第四号の車庫、第五号の倉庫業とは違い、第一号は自分では用途を示さず、別の項をまるごと呼び出す形になっています。
これは「準用」と呼ばれる書き方で、準住居地域の規制(と項)と近隣商業地域の規制(り項)を、そのまま第二種住居地域にも当てはめる仕組みです。
つまり、準住居地域や近隣商業地域で禁止されているものは、第二種住居地域でも同様に禁止されることになります。
次は、この中でも実務で目にしやすい(り)項の中身を確認しましょう。
用途を指定せずに他の項を呼び出すなんて、条文の書き方として珍しいですね。
はい、こうした書き方を準用と呼びます。
次は(り)項の中身を見てみましょう。
(り)項に掲げるものとは具体的に何を指すのか

第二種住居地域はこの(り)項の中身をそのまま借りて禁止対象にしています。
第二号はキャバレー、料理店その他これらに類するもので、いわゆる歓楽街の飲食店や社交飲食店が該当します。
第三号は個室付浴場業に係る公衆浴場で、個室型の特殊な浴場業がここに含まれます。
第一号は(ぬ)項という商業地域の規制をさらに呼び出しており、準用の連鎖はここでも続いています。
第二種住居地域でこれらの用途を計画している場合は、規模にかかわらずこの号がそのまま効いてきます。
キャバレーだけでなく、浴場業まで含まれるんですね。
はい、り項に掲げるもの全部が対象です。
次は(と)項の中身も見てみましょう。
(と)項第三号はどんな工場を禁止しているのか

第二種住居地域では、この号に該当する工場も同じく建てられません。
金属の加工や塗料の吹き付けなど、安全上・衛生上の危険度が高いとされる事業が個別に列挙されています。
第二号(原動機を使用する工場で作業場の床面積の合計が50平方メートルを超えるもの)とは異なり、床面積の大小は関係ありません。
列挙された事業に該当するかどうかが、そのまま建築の可否を分けます。
次は、危険物を扱う第四号の中身を確認しましょう。
面積が小さくても、事業の種類次第では建てられないんですね。
はい、列挙された事業に該当するかがすべてです。
次は危険物のほうを見てみましょう。
(と)項第四号はどんな危険物を対象にしているのか

こちらも面積ではなく物品の種類そのもので判定されます。
準工業地域の規制である(る)項第一号を経由して、可燃性ガスや圧縮ガスなどの特定の物品が指定されています。
「貯蔵又は処理に供するもので政令で定めるもの」とあるとおり、実際にどこまでが対象になるかは政令でさらに絞り込まれます。
条文だけを読んでも対象範囲が確定しないため、計画段階で数量や用途を具体的に整理しておく必要があります。
次は、これらを踏まえて建てる前に確認すべき手順を整理しましょう。
消防法の危険物とは別の定義があるということですね。
はい、この別表だけの定義です。
次は確認の手順を整理しましょう。
建てる前に何を確認すればよいか

それでも建てたい場合に残る手続きも確認しておきましょう。
キャバレーや個室付浴場業に係る公衆浴場であれば(り)項第二号・第三号、特定の工場や危険物であれば(と)項第三号・第四号が根拠になります。
準用の連鎖は(り)項第一号を通じてさらに(ぬ)項にもつながっているため、自己判断で対象外と決めつけるのは危険です。
どの号に当たるか判断が難しい場合や、それでも建てたい場合は、特定行政庁の特例許可を早めに相談する必要があります。
順番に切り分けていけば、着工前に思わぬ手戻りを防ぐことができます。
自分の計画がどの号に当たるか、先に整理しておくべきなんですね。
はい、どの号に当たるかの整理が何より大切です。
次はよくある質問を見ていきましょう。
よくある質問
まとめ
知り合いにどの号に当たるかを先に確認するよう伝えてみます!
特例許可の相談も含めて、㈱防災屋でもご相談を承っております。
㈱防災屋 代表取締役/消防設備士
平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!
本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。
詳しい経歴・保有資格を見る
- 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
- 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
- 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
- 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
- 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
- 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
- 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
- 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
- eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了
趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)
参考・出典
- 建築基準法第48条第6項・第15項(e-Gov法令検索)
- 建築基準法別表第二(へ)項第一号(e-Gov法令検索)
- 建築基準法別表第二(と)項第三号・第四号、(り)項(e-Gov法令検索)
※本記事は公表されている法令に基づく一般的な解説です。該当性の判断や特例許可の可否は個別の内容によって異なる場合があります。個別の判断は所轄の特定行政庁にご確認ください。





