BLOG

光警報装置のガイドラインはなぜ改定されたのか|標識ピクトグラムの新しい表示ルールを解説

光警報装置のガイドラインはなぜ改定されたのか|標識ピクトグラムの新しい表示ルールを解説

光警報装置は、音の警報ではなく光の点滅で火災を知らせる設備です。
消防庁は令和7年1月、聴覚障がい者等への周知を進めるため、ガイドラインに標識(ピクトグラム)の規定を追記する改定を行いました。
改定のきっかけは、JIS Z8210に光警報装置の案内図記号が制定されたことです。
光警報装置が設置されていることを利用者に知らせる標識のルールが、今回はじめて示されました。

光警報装置のガイドラインって、平成28年からあるんですよね。

はい。
今回はじめて標識のルールが加わりました

標識まで決まっているのは知りませんでした。

はい。
順番に見ていきましょう。

この記事の結論
  • 消防庁は令和7年1月30日、「光警報装置の設置に係るガイドライン」の改定を通知しました。
  • 今回の改定は、JIS Z8210に光警報装置の案内図記号が制定されたことを踏まえたものです。
  • 標識(ピクトグラム)の大きさは9㎝角以上とし、出入口や設置室の扉など周知しやすい場所に設置することが望ましいとされています。
  • 標識には日本語と英語の説明文をあわせて表示することが求められています。
  • 緊急地震速報を受信した際に光警報装置が点滅する設定の場合は、その旨も標識にあわせて表示することが望ましいとされています。

光警報装置のガイドライン改定で標識ピクトグラムが追記された流れを示す図解

光警報装置のガイドラインはなぜ改定されたのか

光警報装置とJIS規格の証明書を並べた図
光警報装置のガイドラインは、平成28年に一度まとめられています。
今回の改定は、その後にできた新しい工業規格がきっかけです。
光警報装置は、聴覚障がい者等に対して火災時の情報を有効に伝達する手段の一つとして効果が期待されることから、「光警報装置の設置に係るガイドラインの策定について」(平成28年9月6日付け消防予第264号)により光警報装置の設置に係るガイドライン(以下「ガイドライン」という。)を示しているところです。先般、日本産業規格JIS Z8210に光警報装置(火災用)図記号がまとめられたことを踏まえ、ガイドライン第六に光警報装置の標識について追記し、別紙のとおり改定しました。(「光警報装置の設置に係るガイドラインの改定について」令和7年1月30日付け消防予第30号)
消防庁長官は、必要に応じ、消防に関する事項について都道府県又は市町村に対して助言を与え、勧告し、又は指導を行うことができる。(消防組織法第37条)
光警報装置のガイドラインは、平成28年の策定からおよそ9年で初めて改定されました。
きっかけは、JIS Z8210に光警報装置の案内図記号が制定されたことです。
これまでのガイドラインは、光警報装置そのものの設置場所や性能を定めていました。
今回の改定で、初めて「標識」についての規定が加わりました。
本通知は消防組織法第37条に基づく助言として発出され、罰則を伴う義務ではありません。

光警報装置のガイドラインって、もうずいぶん前からあるんですよね。

はい。
今回初めて標識のルールが加わりました

標識(ピクトグラム)はどんな光警報装置に必要になるのか

建物の出入口の扉と標識プレートを並べた図
標識が必要になるのは、もとのガイドラインで設置が望ましいとされている光警報装置です。
空港や駅、聴覚障がい者が利用する施設などが対象です。
光警報装置は、次に掲げる防火対象物又はその部分に設置することが望ましい。1 令別表第一(10)項に掲げる防火対象物のうち大規模な空港、駅その他これらに類する防火対象物 2 令別表第一(6)項ロ及びハに掲げる防火対象物のうち主に聴覚障がい者が利用する防火対象物(前掲別紙「光警報装置の設置に係るガイドライン」第二「設置対象物」)
(十) 車両の停車場又は船舶若しくは航空機の発着場(旅客の乗降又は待合いの用に供する建築物に限る。)(消防法施行令別表第一)
標識が必要になるのは、空港や駅、聴覚障がい者が利用する施設などにある光警報装置です。
対象はもとのガイドラインで設置が望ましいとされている場所と同じです。
(10)項の空港・駅と、(6)項ロ・ハの障がい者福祉施設等が代表例です。
すでに光警報装置を設置している建物は、標識も対象になると考えて確認しましょう。
複合用途の建物でも、光警報装置がある部分だけを確認すれば足ります。

うちの建物には光警報装置が付いていますが、対象になりますか。

はい。
設置済みの光警報装置はすべて標識の対象です

標識は具体的に何を満たせばよいのか

標識プレートと測定用の物差しを並べた図
標識の大きさや表示方法には、細かい基準が定められています。
日本語と英語をあわせて表示することも求められています。
防火対象物の利用者に光警報装置が設置されていることを周知するため、出入口等にJIS Z8210に規定する光警報装置の案内図記号(以下「光警報装置ピクトグラム」という。)を設置することが望ましい。(1)光警報装置ピクトグラムの大きさは、9㎝角以上とすること。(2)建物の出入口や設置室の扉など、利用者に周知しやすい場所に設置すること。(4)光警報装置ピクトグラムに加えて、日本語及び英語の説明文を併記すること。(前掲別紙 第六「光警報装置の標識」)
標識の大きさは9㎝角以上とすることが求められています。
設置場所は建物の出入口や設置室の扉など、利用者が気付きやすい位置です。
表示は日本語と英語を併記することが基本です。
緊急地震速報を受信して光警報装置が点滅する設定の場合は、その旨もあわせて表示することが望ましいとされています。
記載例には「Fire alarm system with flashing light is installed in this building」のような英語表現も示されています。

英語の表示は、どこまで細かく書けばいいんでしょうか。

通知には記載例が示されています。
まずはそれを参考にしてください。

実務で見落としやすいのはどこか

光警報装置と虫眼鏡を並べた図
標識のルールは今回はじめてできたものです。
既存の光警報装置には、標識が付いていないことも多いはずです。
緊急地震速報を受信した際に、光警報装置が点滅するように設置している場合には、その旨を併記すること。なお、緊急地震速報利用者協議会のホームページにある諸手続により「緊急地震速報ピクトグラム」を利用することも可能である。(前掲別紙 第六「光警報装置の標識」(5))
一番の見落としは、すでに設置済みの光警報装置に標識が付いていないことです。
標識の規定は今回の改定で初めてできたため、既存の設備は未対応のことが多くあります。
英語表記を省いてしまうケースも見落としやすいところです。
緊急地震速報と連動させている場合は、その旨の表示も忘れずに行いましょう。
標識の大きさが9㎝角に満たないものを流用してしまう例にも注意が必要です。

うちの光警報装置には、標識が付いていませんでした。

珍しくありません。
今回の改定で初めてできた規定だからです。

明日からなにを確認すればよいのか

チェックリストと標識プレートを並べた図
まずは、建物に光警報装置があるかどうかを確認しましょう。
そこから標識の有無と表示内容を点検していきます。
光警報装置ピクトグラムの設置にあっては、次の事項に留意すること。建物の出入口や設置室の扉など、利用者に周知しやすい場所に設置すること。床面からの高さは見やすい位置とすること。(前掲別紙 第六「光警報装置の標識」)
まず、建物に光警報装置が設置されているかを確認しましょう。
設置されていれば、出入口や設置室の扉に標識があるかを点検します。
大きさが9㎝角以上あるか、日本語と英語が併記されているかも確認しましょう。
緊急地震速報と連動している場合は、その旨の表示もあわせて確認してください。
判断に迷ったときは、所轄消防署や専門家に相談するのが近道です。

今日、まず何を確認すればいいですか。

まずは光警報装置と標識の有無を見てください。

よくある質問

Q既存の光警報装置にも標識を付けなければなりませんか?
A本ガイドラインは消防組織法第37条に基づく助言であり、罰則を伴う義務ではありませんが、聴覚障がい者等への周知のため、既存の設備にも標識の設置が望ましいとされています。
Q標識は日本語だけの表示でもよいですか?
Aいいえ。ガイドラインは日本語及び英語の説明文を併記することを求めています。
Q標識の大きさに決まりはありますか?
Aあります。9㎝角以上とすることが望ましいとされています。
Q緊急地震速報との連動は表示しなくてもよいですか?
A光警報装置が緊急地震速報を受信して点滅する設定になっている場合は、その旨もあわせて表示することが望ましいとされています。

まとめ

消防庁は令和7年1月30日、「光警報装置の設置に係るガイドラインの改定について」(消防予第30号)を発出しました。
改定は、JIS Z8210に光警報装置の案内図記号が制定されたことを踏まえたものです。
ガイドライン第六に標識(ピクトグラム)の規定が新たに加わりました。
標識の大きさは9㎝角以上とすることが望ましいとされています。
設置場所は建物の出入口や設置室の扉など、利用者に周知しやすい場所です。
標識には日本語と英語の説明文をあわせて表示することが求められています。
緊急地震速報と連動して点滅する設定の場合は、その旨もあわせて表示することが望ましいとされています。

今日、うちの光警報装置と標識を確認してみます!

判断に迷ったときは、㈱防災屋でもご相談を承っております

防火管理はプロにお任せ下さい

まずはWebで無料お見積りを!

お問い合わせ

監修・編集者
青木 俊輔
青木 俊輔

㈱防災屋 代表取締役/消防設備士

平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!

本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。

詳しい経歴・保有資格を見る
学歴
  • 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
  • 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
  • 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
保有資格
  • 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
  • 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
  • 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
  • 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
  • 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
  • eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了

趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)

主な活動

参考・出典

  • 「光警報装置の設置に係るガイドラインの改定について」(令和7年1月30日付け消防予第30号 消防庁予防課長)
  • 「光警報装置の設置に係るガイドラインの策定について」(平成28年9月6日付け消防予第264号)
  • 消防組織法(昭和22年法律第226号)第37条
  • 消防法施行令(昭和36年政令第37号)別表第一(10)項・(6)項ロ・ハ

※本記事は公表されている法令および消防庁の通知に基づく一般的な解説です。条例や運用は市町村ごとに異なる場合があります。個別の判断は所轄消防署にご確認ください。

BLOGカテゴリ
最新の記事
防火管理者代行サービス
無料1分概算見積
光警報装置のガイドラインはなぜ改定されたのか|標識ピクトグラムの新しい表示ルールを解説
光警報装置は、音の警報ではなく光の点滅で火災を知らせる設備です。 消防庁は令和7年1月、聴覚障がい者等への周知を進めるため、ガイドラインに標識(ピクトグラム)の規定を追記する改定を行いました。 改定のきっかけは、JIS ...