BLOG

外国製の住宅用防災警報器はなぜ設置が認められることがあるのか|総務大臣が個別に認める基準の特例制度を解説

海外製や新技術の住宅用防災警報器に対する基準の特例制度をイメージした住宅の天井に設置された警報器の写真

海外で買った住宅用防災警報器を、日本の家でもそのまま設置できると思っていないでしょうか。
住宅用防災警報器は消防法に基づく省令で技術上の規格が定められており、原則としてこの規格に適合したものしか設置できません。
ただし規格には、例外的に別の機器を認める仕組みも用意されています。
この記事では、外国製や新技術の住宅用防災警報器が認められる基準の特例制度の仕組みと、確認しておきたいポイントを整理します。

海外で買った住宅用防災警報器を、日本の家でもそのまま使えますか。

原則はできません。
ただし総務大臣が個別に認める例外があります。

例外があるなら、うちで検討している製品にも使えるかもしれませんね。

対象になる機器には条件が決まっています
順番に見ていきましょう。

この記事の結論
  • 住宅用防災警報器は原則、日本の規格に適合したものしか設置できません
  • 根拠は住宅用防災警報器及び住宅用防災報知設備に係る技術上の規格を定める省令第十一条(基準の特例)です
  • 総務大臣が個別に認めれば、規格省令によらない技術上の規格で設置が認められます
  • 対象は新たな技術開発に係る機器と、外国において製造された住宅用防災警報器の2種類です
  • 申請は消防庁予防課への提出が必要で、審査を経て初めて特例が使えます

住宅用防災警報器の基準の特例制度で新技術に係る機器と外国製の機器が総務大臣の個別認定を経て設置できるようになる流れを示した図解

なぜ外国製の住宅用防災警報器を設置できることがあるのか

住宅用防災警報器の実物と適合の証となる公的な認定証を並べたイメージ
住宅用防災警報器は、どんな製品でも自由に取り付けられるわけではありません。
設置できるのは、法令が定める規格に適合した製品が原則です。
住宅用防災警報器及び住宅用防災報知設備に係る技術上の規格を定める省令第十一条(基準の特例) 新たな技術開発に係る住宅用防災警報器又は住宅用防災報知設備の補助警報装置について、その形状、構造、材質及び性能から判断して、この省令の規定に適合するものと同等以上の性能があると総務大臣が認めた場合は、この省令の規定にかかわらず、総務大臣が定める技術上の規格によることができる。
総務大臣が個別に認めれば、規格省令の規定によらない別の技術上の規格で設置が認められる制度があります
条文の文言だけを読むと新たな技術開発に係る機器だけが対象のようにも見えます。
実際にどんな機器が対象になるかは、消防庁予防課長通知が具体的に示しています。
まずはこの通知の中身から確認していきましょう。

条文には外国製とは書いていないんですね。

対象は通知で具体的に示されています。
次を見てみましょう。

特例の対象になるのはどんな機器なのか

歯車のアイコンが付いた新技術の警報器と地球儀のアイコンが付いた海外製の警報器を並べたイメージ
通知では、特例の対象になる機器が二つに整理されています。
それぞれの中身を確認します。
消防予第78号「住宅用防災警報器及び住宅用防災報知設備の技術上の規格を定める省令第十一条の運用等について」(平成18年2月20日) 基準の特例制度は、次の(1)又は(2)について、その形状、構造、材質及び性能から判断して、住警器等規格省令に適合するものと同等以上の性能があると総務大臣が認めた場合に、総務大臣が定める技術上の規格によることができることとするものである。(1) 新たな技術開発に係る住宅用防災警報器又は住宅用防災報知設備の補助警報装置 (2) 外国において製造された住宅用防災警報器
特例の対象は、新たな技術開発に係る機器と、外国において製造された住宅用防災警報器の2種類です
通知はさらに、海外製品について諸外国の規格認証を受けたものが対象になりやすいと補足しています。
ただし海外の認証だけで足りるわけではなく、住警器等規格省令の基準に直接適合する場合も対象になります。
いずれの場合も、最終的な判断は総務大臣が個別に行います。

海外の認証があれば、それだけで十分なんでしょうか。

認証だけでは足りません。
総務大臣の個別の認定が必要です。

総務大臣の認定にはどんな資料が必要なのか

書類の束と評価検討会の会議机を並べたイメージ
特例を使うには、まず申請者が総務大臣に申請する必要があります。
通知は、申請にあたって提出すべき資料の項目まで示しています。
消防予第78号 記2(1) 申請に当たっては、(略)申請書に、当該申請に係る機器の下記の事項等が住警器等規格省令に適合するものと同等以上であることを説明するために必要な資料を添えて消防庁予防課へ提出することとする。ア 形状の設置、維持管理の容易さ イ 構造の使用、維持管理の容易さ ウ 材質の壊れにくさ エ 作動の確実さ及び耐久性 オ 火災感知の確実さ及び誤作動のしにくさ カ 火災報知の確実さ
提出する資料は、形状から火災報知の確実さまで6項目にわたり、それぞれ規格省令と同等以上であることを説明する必要があります
海外の評価機関による評価結果を添付する場合は、日本語に翻訳したものを併せて添付することとされています。
提出先は消防庁予防課で、資料だけでは判断できない場合は追加資料を求められることもあります。
審査は、学識経験者らでつくる住宅用防災警報器等評価検討会が技術的な見地から行います。

思ったより細かい資料が必要なんですね。

6項目すべてを説明する資料が要ります。
認定後の注意点も見ておきましょう。

認定を受けても保証されないことは何か

認定を受けた警報器に貼られた表示ラベルのイメージ
総務大臣の認定を受ければ、それで安心と思うかもしれません。
ただし通知には、認定の性格についての注意も書かれています。
消防予第78号 記4(1) 特例制度の適用を受けた機器については、大臣が個別の機器の品質を保証するものではないので留意すること。(2) 当該機器については、総務大臣が定める技術上の規格において、特例制度の適用を受けた機器である旨を表示する予定であること。
総務大臣の認定は規格上の性能を認めるものであり、個別の製品の品質そのものを保証するものではありません
認定を受けた機器には、特例の適用を受けた旨の表示を付けることが予定されています。
逆に言えば、この表示が無い外国製品は、まだ日本の設置基準を満たしていない可能性があります。
見た目だけで判断せず、表示や認定の有無を確認する姿勢が欠かせません。

認定シールが無い製品は避けたほうがよさそうですね。

そのとおりです。
表示の有無がまず確認のポイントです。

海外製品を検討するときは何を確認すればよいのか

海外製の警報器のパッケージを確認しながら消防署に電話で相談しているイメージ
ここまでの制度を踏まえると、導入前に確認すべきことが見えてきます。
チェックしておきたいポイントを整理します。
  • 総務大臣の特例認定を受けた旨の表示が製品に付いているか
  • 海外の認証だけでなく、日本語に翻訳した評価資料が用意されているか
  • 販売店や輸入代理店に、消防庁予防課への申請実績を確認できるか
海外製品を選ぶときは、まず認定を受けた旨の表示があるかどうかを確認しましょう
表示が無い場合は、輸入代理店や販売店に総務大臣への申請実績があるかを問い合わせるのが確実です。
それでも判断に迷う場合は、所轄の消防署に相談することもできます。
規格に適合しない製品を自己判断で設置すると、火災時に正しく作動しない恐れがあります。

まずは表示を確認してみます。

わからないときは消防署への相談も選択肢です。
最後にポイントをまとめます。

よくある質問

Q海外の規格認証があれば、日本でもそのまま設置できますか?
Aいいえ、それだけでは足りません。実際に設置できるのは、その機器が住警器等規格省令に適合するものと同等以上の性能があると総務大臣が個別に認めた場合に限られます。
Q特例の対象になるのはどんな機器ですか?
A新たな技術開発に係る住宅用防災警報器や補助警報装置、そして外国において製造された住宅用防災警報器の2種類です。
Q認定を受けるまでどれくらいの期間がかかりますか?
A審査を行う住宅用防災警報器等評価検討会の審議は、申請からおおむね3か月以内に終えることとされています。ただし追加資料を求められる場合はさらに時間がかかります。
Q認定済みの機器を選べば、性能に問題はありませんか?
A総務大臣の認定は、あくまで規格上の性能が同等以上と認められたことを示すものです。個別の製品の品質そのものを総務大臣が保証するものではない点に注意してください。

まとめ

住宅用防災警報器は原則、住宅用防災警報器及び住宅用防災報知設備に係る技術上の規格を定める省令に適合したものしか設置できません
例外として、省令第十一条は「基準の特例」制度を定めています
特例の対象は、新たな技術開発に係る機器と外国において製造された住宅用防災警報器の2種類です
適用には、その機器が省令に適合するものと同等以上の性能があると総務大臣が個別に認める必要があります
申請では形状・構造・材質・作動の確実さなど6項目の資料を消防庁予防課へ提出します
審査は住宅用防災警報器等評価検討会が担い、申請からおおむね3か月以内に終えることとされています
認定は個別の品質を保証するものではないため、海外製品を選ぶときは認定を受けた旨の表示を必ず確認しましょう

次は表示の有無を確認してから決めます!
やみくもに諦めなくてよかったです。

表示と申請実績の両方を確認するのが安心です。
㈱防災屋でもご相談を承っております。

防火管理はプロにお任せ下さい

まずはWebで無料お見積りを!

お問い合わせ

監修・編集者
青木 俊輔
青木 俊輔

㈱防災屋 代表取締役/消防設備士

平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!

本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。

詳しい経歴・保有資格を見る
学歴
  • 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
  • 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
  • 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
保有資格
  • 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
  • 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
  • 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
  • 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
  • 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
  • eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了

趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)

主な活動

参考・出典

  • 住宅用防災警報器及び住宅用防災報知設備に係る技術上の規格を定める省令第十一条(基準の特例、平成17年総務省令第11号)
  • 消防予第78号「住宅用防災警報器及び住宅用防災報知設備の技術上の規格を定める省令第十一条の運用等について」(平成18年2月20日)

※本記事は公表されている法令および消防庁の通知に基づく一般的な解説です。特例の適用可否は個々の機器ごとに総務大臣が判断します。実際の申請や導入の判断は所轄消防署または消防庁予防課にご確認ください。

BLOGカテゴリ
最新の記事
防火管理者代行サービス
無料1分概算見積
海外製や新技術の住宅用防災警報器に対する基準の特例制度をイメージした住宅の天井に設置された警報器の写真
海外で買った住宅用防災警報器を、日本の家でもそのまま設置できると思っていないでしょうか。 住宅用防災警報器は消防法に基づく省令で技術上の規格が定められており、原則としてこの規格に適合したものしか設置できません。 ただし規...
リクルート 採用情報はこちら →
採用ページ 一緒に働く仲間を募集中 → フランチャイズ (株)防災屋と一緒に開業する → 協力業者 協力業者さん募集中 →