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消防同意を得ずに建築確認が行われたらどうなるのか|消防法第7条が定める同意と確認の関係を解説

消防同意を得ずに確認されたら建物はどうなるのか

建築確認の前には、消防長または消防署長の同意が必要だとご存じでしょうか。
実はこの同意には、建築主も気づきにくい落とし穴があります。
同意を得ずに確認が進んでしまうと、あとから思わぬ形で工事が止まることもあります。
この記事では、消防同意の意味と、同意を欠いた確認がどう扱われるのかを解説します。

うちの建物は去年増築したのですが、消防の同意がちゃんと取れているのか正直不安です。

消防同意は建築確認より前に必要な手続きです。
まずは同意の意味から一緒に確認しましょう。

確認さえ通っていれば、同意も済んでいると思っていました。

実務ではそこにすれ違いが起きることがあります。
今日はその中身を詳しく見ていきましょう。

この記事の結論
  • 建築物の確認等をする前に、消防長または消防署長の同意を得ることが消防法第7条で義務づけられています
  • 同意の対象になるのは建築基準法による許可・認可・確認で、他の法律の許認可は対象になりません。
  • 同意を得ずに行われた確認等は、消防同意制度の趣旨から無効と解されています
  • 防火地域・準防火地域外の一戸建て住宅など一部の建築物は、同意の対象から外れます。
  • 自分の建物で同意が取れているか不安なときは、所轄の消防本部に直接確認するのが確実です

同意のない確認がなぜ無効と扱われるのかを示した図解

消防同意はなぜ建築確認より先に必要なのか

消防同意の仕組みを表すイラスト
建物を建てるときは、建築基準法にもとづく確認とは別に、消防の目線からのチェックが入ります。
この仕組みが消防同意です。
消防法第7条第1項 建築物の新築、増築、改築、移転、修繕、模様替、用途の変更もしくは使用について許可、認可もしくは確認をする権限を有する行政庁もしくはその委任を受けた者(略)は、(略)建築物の工事施工地又は所在地を管轄する消防長又は消防署長の同意を得なければ、当該許可、認可もしくは確認(略)をすることができない
同意は確認の前提条件です。
建築確認は建築基準法にもとづく手続きですが、防火の視点は建築主事だけでは十分に見きれません。
そこで消防法第7条は、確認をする権限を持つ行政庁や指定確認検査機関に対し、あらかじめ消防長または消防署長の同意を得ることを義務づけています。
これにより、建築確認と消防の防火チェックという二つの行政手続きを1つの窓口でつなげる仕組みになっています。
つまり同意は、確認手続きに組み込まれた欠かせない一段階だと考えてください。

確認と同意って、そもそも別の手続きなんですね。

はい、建築確認は建築基準法、同意は消防法の手続きです。
両方そろって初めて着工に進めます。

どんな処分が同意の対象になるのか

同意が必要な建築物と不要な住宅を表すイラスト
同意が必要になるのは、建築基準法にもとづく処分に限られます。
すべての建築行為が対象というわけではありません。
消防法第7条第1項ただし書 (略)都市計画法第8条第1項第5号に掲げる防火地域及び準防火地域以外の区域内における住宅(長屋、共同住宅その他政令で定める住宅を除く。)である場合(略)においては、この限りでない。
消防法施行令第1条 法第7条第1項ただし書の政令で定める住宅は、一戸建ての住宅で住宅の用途以外の用途に供する部分の床面積の合計が延べ面積の二分の一以上であるもの又は五十平方メートルを超えるものとする。
住宅の一部だけが例外です。
消防法第7条の同意が必要になるのは建築基準法にもとづく許可・認可・確認だけで、火薬類取締法や高圧ガス保安法など他の法律の許認可は対象に含まれません。
さらに、防火地域・準防火地域の外にある一戸建て住宅のうち、店舗などの併用部分が延べ面積の二分の一未満かつ50平方メートル以下のものは、同意そのものが不要とされています。
一方で、共同住宅や長屋、店舗併用部分が大きい住宅は、一戸建てであっても同意の対象から外れません。
自分の建物がどちらにあたるかは、床面積の内訳まで確認しないと判断できません。

うちは店舗兼住宅なんですが、対象になるんでしょうか。

店舗部分の床面積次第で変わります。
延べ面積との割合を一度計算してみましょう。

同意を得ずに確認がされたらどう扱われるのか

同意のない確認が無効になることを表すイラスト
ここが今回の記事の核心です。
同意という手続きを飛ばして確認が進んでしまったとき、その確認はどう扱われるのでしょうか。
消防法第7条第1項 (略)消防長又は消防署長の同意を得なければ、当該許可、認可もしくは確認又は同項の規定による確認をすることができない
同意なしの確認は無効と解されています。
消防法第7条は、同意を得なければ確認等を「することができない」と定めており、同意は確認の効力そのものにかかわる要件とされています。
そのため実務上は、同意を得ずに行われた確認等は消防同意制度の趣旨からして無効であると解されています。
確認が無効であれば、その確認にもとづいて行われた工事や使用そのものの適法性も揺らぐことになりかねません。
建築主にとっては、着工後にこの問題が発覚するほど是正の負担が大きくなります。

確認が下りていれば、もう安心だと思っていました。

確認と同意はセットで初めて意味を持ちます。
片方だけでは安心材料になりません。

実務で見落としやすいのはどこか

指定確認検査機関でも同意が必要なことを表すイラスト
同意の有無は、建築主が自分で意識していないと見落としがちなポイントです。
とくに次の場面で注意が必要です。
消防法第7条第1項 (略)建築基準法第6条の2第1項(略)の規定による確認を行う指定確認検査機関(略)は、(略)消防長又は消防署長の同意を得なければ、(略)確認をすることができない。
民間審査でも同意は省略できません。
確認は自治体の建築主事だけでなく、指定確認検査機関と呼ばれる民間の審査機関が行うこともありますが、この場合も消防長または消防署長の同意を得る義務は変わりません。
建築主からすると「確認は民間に頼んだから消防とは関係ない」と誤解しやすい場面です。
また、増築や用途変更など小規模な工事ほど、同意の手続きが必要なことに気づかないまま進んでしまう例があります。
確認済証が手元にあることと、消防同意が適正に得られていることは、必ずしも同じ意味ではありません。

確認は民間の審査機関に頼んだので、消防は関係ないと思っていました。

指定確認検査機関が確認する場合も、同意の義務は同じです。
その点はよく誤解されるところです。

消防同意の有無を確認するには何をすればよいか

消防本部に同意の有無を確認する様子を表すイラスト
不安なときは、自分で調べようとせずに窓口へ確認するのが確実です。
明日からできることを整理します。
  • 確認済証を発行した建築主事または指定確認検査機関に、消防同意の記録があるかを尋ねる。
  • 工事施工地を管轄する消防本部の予防課に、同意の有無を直接問い合わせる。
  • 増築や用途変更を計画する段階から、設計者に消防同意の要否を確認してもらう。
自己判断で済ませないことが大切です。
消防同意が得られているかどうかは、設計図書や消防本部の記録を照会しないと正確には分かりません。
とくに増築・用途変更・大規模な修繕を計画する際は、着工前に設計者や施工者を通じて消防同意の要否を確認しておくと安心です。
すでに完成している建物について不安がある場合も、所轄の消防本部に相談すれば記録の有無を確認してもらえます。
早めに動くほど、万一の見落としがあっても対応の選択肢が広がります。

今度増築するので、早めに設計士さんに聞いてみます。

それが一番確実な進め方です。
着工前に確認しておけば安心して工事を進められます。

よくある質問

Q消防同意は建築主が自分で申請するのですか?
Aいいえ。消防同意は確認を行う行政庁や指定確認検査機関が消防長または消防署長に同意を求める仕組みで、建築主が自分で消防本部に申請する手続きではありません。
Q消防同意が得られないと確認はどうなりますか?
A消防長または消防署長が同意できない事由があると判断した場合、その旨が行政庁等に通知され、同意が得られるまで確認は行われません
Q完成した建物で同意漏れが見つかったら罰則はありますか?
A消防法第7条自体に建築主への直接の罰則はありませんが、確認そのものの有効性にかかわる問題のため、所轄の消防本部や建築行政の窓口に相談して事実関係を確認する必要があります。
Q住宅ならいつも消防同意は不要ですか?
Aいいえ。防火地域・準防火地域外の一戸建て住宅で、店舗などの併用部分が延べ面積の二分の一未満かつ50平方メートル以下の場合に限られます。共同住宅や長屋は対象になります。

まとめ

建築物の確認等の前には、消防長または消防署長の同意が必要です
根拠は消防法第7条で、対象は建築基準法にもとづく許可・認可・確認に限られます。
防火地域・準防火地域外の一戸建て住宅の一部は、同意の対象から外れます
同意を得ずに行われた確認等は無効と解されています
指定確認検査機関が確認を行う場合も、同意の義務は変わりません
確認済証があることと、同意が適正に得られていることは同じ意味ではありません
不安なときは、所轄の消防本部に直接確認するのが確実です。

今度の増築では、着工前に消防同意のことも必ず確認します!

それが一番確実です
㈱防災屋でもご相談を承っております。

防火管理はプロにお任せ下さい

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お問い合わせ

監修・編集者
青木 俊輔
青木 俊輔

㈱防災屋 代表取締役/消防設備士

平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!

本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。

詳しい経歴・保有資格を見る
学歴
  • 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
  • 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
  • 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
保有資格
  • 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
  • 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
  • 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
  • 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
  • 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
  • eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了

趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)

主な活動

参考・出典

  • 消防法第7条(e-Gov法令検索)
  • 消防法施行令第1条(e-Gov法令検索)

※本記事は公表されている法令および消防庁等の資料に基づく一般的な解説です。条例や運用は市町村ごとに異なる場合があります。個別の判断は所轄消防署にご確認ください。

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