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BCP用の携帯発電機とポータブル電源は同じ場所で使えるのか|停電時の一酸化炭素中毒と火災を防ぐ運用を解説

携帯発電機を屋外に置きポータブル電源を屋内で使用する非常用電源の安全運用

停電に備えて携帯発電機とポータブル電源を買ったものの、置き場所や使い分けが曖昧になっていませんか。
どちらも電気を供給する機器ですが、発生する危険と安全な使用場所は同じではありません。
災害時に初めて箱を開ける運用では、一酸化炭素中毒や水濡れ、誤接続による火災を招くおそれがあります。
BCPでは重要業務だけでなく電源機器ごとの安全な場所と担当者まで決めておきます。

発電機は事務所の入口付近で使えますか。

屋外でも出入口から離す必要があります。

ポータブル電源ならどこでも安全ですか。

衝撃・高温・水濡れを避けてください。

この記事の結論
  • 携帯発電機は屋内や換気の悪い場所で使用しません。
  • 屋外でも出入口や窓から離れた場所を選びます。
  • ポータブル電源は衝撃・高温・水濡れを避けます。
  • 接続前に必要電力と使用時間を確認します。
  • BCPには設置場所・担当者・停止条件を記録します。

重要業務と必要電力を確認して携帯発電機とポータブル電源の場所を分け担当者が試運転する図解

携帯発電機とポータブル電源はなぜ同じ場所で使えないのか

停電した事務所で重要業務と安全な電源確保を確認するアイソメ図
携帯発電機は燃料を燃やして発電するため、排気に一酸化炭素が含まれます。
ポータブル電源は充電式電池を内蔵するため、同じ電源機器でも注意点が異なります。
消費者庁は、携帯発電機を屋内では絶対に使用せず、屋外でも換気の悪い場所や火気を使用する場所を避け、出入口や窓、換気口から離して使うよう注意を呼びかけています。
消費者庁は、ポータブル電源について、リチウムイオン電池等を搭載した大容量の充電式電源装置と説明し、衝撃、高温、水濡れ、リコール対象製品に注意するよう案内しています。
発電機は排気を建物へ入れない配置が最優先です。
扉を開けた倉庫、地下駐車場、車庫、テント内は屋外の代わりになりません。
屋外でも窓や換気口の近くでは、排気が室内へ流れ込むおそれがあります。
一方、ポータブル電源は排気を出しませんが、電池の異常発熱や発火の可能性をなくせるわけではありません。
避難経路を塞がず、落下しにくく、熱や水から守れる乾燥した安定場所を決めます。
二つを「非常用電源」と一括りにせず、危険の違いから運用を分けましょう。

扉を開けた倉庫でも発電機は使えないんですね。

はい。
風通しのよい屋外で使います。

どの事業所と機器を対象に確認するのか

施設担当者が携帯発電機とポータブル電源と接続機器を確認するアイソメ図
非常用電源を備蓄する事務所、店舗、福祉施設、共同住宅の管理室などが確認対象です。
機器そのものだけでなく、停電時に接続する負荷と使用場所を一緒に洗い出します。
消防法第8条は、一定の防火対象物で防火管理者を選任し、消防計画に基づく防火管理上必要な業務を行わせる仕組みを定めています。消防法施行規則第3条は、火気の使用または取扱いに関する監督や、避難施設の維持管理などを消防計画へ定める仕組みを置いています。
内閣府の事業継続ガイドラインは、重要な業務を選び、その継続に必要な要員、施設、設備、情報、電力や通信などの資源を把握する考え方を示しています。
まず停電しても続ける重要業務を一つに絞ります。
照明、パソコン、ルーター、通信機器、医療・福祉機器など、使う機器を一覧にします。
そのうえで各機器の消費電力、起動時の電力、必要な使用時間を確認します。
発電機やポータブル電源の定格出力だけで判断せず、接続機器側の取扱説明書も確認してください。
消防用設備や建物設備へ接続する場合は、一般の延長コード運用と同じにせず、設備の設計者や保守業者へ相談します。
施設内には、私物の電源機器を持ち込む人も含めて対象機器の範囲を周知しましょう。

全ての機器を動かす必要はないんですね。

重要業務に必要な負荷から選びます。

停電時の設置場所と運転手順は何を決めるのか

携帯発電機を屋外に置きポータブル電源を屋内へ運ぶ手順を示すアイソメ図
停電時の手順は、運ぶ、置く、点検する、接続する、監視する、停止するの順に決めます。
暗い中でも迷わないよう、写真付きの配置図と担当者名を保管場所へ置きます。
消費者庁は、携帯発電機を使うときは取扱説明書に従い、屋外の風通しのよい場所で、出入口や窓などから離して使用するよう案内しています。
内閣府の事業継続ガイドラインは、電力や通信など重要業務の継続に必要なインフラや資源を確保し、対策が実際に機能するか教育・訓練で確認する考え方を示しています。
設置場所は平常時に決めて現地で試運転します。
発電機は水平で乾いた屋外へ置き、排気の向きと建物の開口部との位置関係を確認します。
給油や燃料保管は機器の取扱説明書と施設の火気管理ルールに従います。
ポータブル電源は避難経路を外し、転倒や落下のない場所で使用します。
接続前に本体、コード、プラグへ損傷や水濡れがないか確認し、異臭・発熱・変形があれば使用を止めます。
運転中は担当者が巡回し、残量、燃料、接続負荷、異常の有無を時刻とともに記録します。
停止する条件と代替連絡手段まで決めると、無理な継続運転を防げます。
確認項目携帯発電機ポータブル電源
設置場所屋外の風通しがよい場所屋内の乾燥した安定場所
運転前排気方向と開口部を確認損傷、発熱、変形を確認
運転中人の立入りと排気を監視残量、温度、水濡れを監視

暗くなってから置き場所を探すのは危ないですね。

平常時に配置と動線を試すのが大切です。

雨除けや車内利用が安全とは限らないのはなぜか

非常用電源の使用場所と雨水や閉鎖空間の危険を確認するアイソメ図
屋外で使う発電機には雨対策が必要ですが、囲って換気を悪くしてはいけません。
ポータブル電源も防水性能を確認せず屋外へ出すと、浸水による異常発熱や火災のおそれがあります。
NITEは、携帯発電機を自動車内やテント内など屋内と同様の閉鎖空間で使用しないこと、ポータブル電源を屋外で使用する場合は防水・防塵性能を備えた製品を検討することなどを案内しています。
消防庁は、リチウムイオン蓄電池から火災が発生した場合、周囲へ危険を知らせ、安全を確保して119番通報し、身の危険を感じたら近づかず避難するよう案内しています。
雨を避けるために発電機を車内へ移す運用は危険です。
車の窓や扉を開けても、排気がこもらない保証にはなりません。
シートや簡易テントで覆う方法も、吸排気や機器の離隔を妨げる可能性があります。
雨天時の運用は自己流にせず、製品の取扱説明書に適合する屋外用の設置方法を事前に決めます。
ポータブル電源は防水表示の有無を確認し、水滴、冠水、ぬれた手での操作を避けます。
落下や強い衝撃を受けた機器は、外観が無事でも使用を中止して販売店やメーカーへ相談します。
発煙や発火が起きたときは初期消火に固執せず、安全確保と119番通報を優先してください。

雨の日に車内へ入れるのも駄目なんですね。

はい。
閉鎖空間では運転しないでください。

明日から非常用電源の運用をどう確認するのか

施設担当者が非常用電源の配置図と点検記録を更新するアイソメ図
最初に機器一覧と取扱説明書をそろえ、実際の保管場所と使用予定場所を歩いて確認します。
次に重要業務を一つ選び、必要な機器だけで短時間の試運転を行います。
消防法施行規則第3条は、消防計画に、自衛消防の組織、消防用設備等の点検と整備、避難施設の維持管理、火気の使用または取扱いに関する監督、その他防火管理上必要な事項を定める仕組みを置いています。
消費者庁は、ポータブル電源を長期間保管するときは箱に入れて直射日光が当たらない冷暗所に置くこと、使用前にリコール対象製品でないか確認することを案内しています。
非常用電源台帳を一枚作り設置場所と担当者を結び付けます。
台帳には製品名、型式、保管場所、使用予定場所、接続する機器、担当者、代行者を記します。
取扱説明書の所在、充電や燃料の確認日、リコール確認日も残してください。
現地では発電機の排気方向、窓、扉、換気口、避難動線を見ます。
ポータブル電源は高温になる場所や水が入る場所を避け、外観と残量を確認します。
試運転では接続機器を増やし過ぎず、担当者が異常時の停止手順まで実行します。
結果を消防計画の火気管理やBCPの資源確保へ反映し、次回確認日を決めましょう。
  • 非常用電源と取扱説明書を一覧にする
  • 重要業務と接続する機器を一つ選ぶ
  • 屋外と屋内の使用場所を現地で確認する
  • 担当者と代行者が短時間の試運転を行う
  • 停止条件と次回確認日を台帳へ記録する

次の停電訓練で実際の場所へ運んでみます。

接続前の安全確認まで試してください。

よくある質問

Q携帯発電機を扉の開いた倉庫で使用できますか?
A使用しないでください。扉が開いていても屋内です。発電機は取扱説明書に従い、風通しのよい屋外で出入口や窓から離して使用します。
Q雨の日に発電機を車内で動かしてもよいですか?
A自動車内は一酸化炭素がこもるおそれがあるため運転しません。雨天時の扱いは製品の取扱説明書を確認し、自己流の覆いや囲いを使わないでください。
Qポータブル電源は屋外でも使用できますか?
A製品ごとの防水・防塵性能と取扱説明書を確認します。性能が不明な機器を雨水へさらさず、水濡れや冠水を避けてください。
Q停電訓練では何を記録すればよいですか?
A運搬開始、設置、接続、給電開始、停止の時刻と、接続負荷、残量、燃料、異常の有無を記録します。課題には担当者と改善期限を付けます。

まとめ

携帯発電機は屋内や閉鎖空間で使用しません。
屋外でも出入口や窓から離して運転します。
排気方向と開口部を現地で確認します。
ポータブル電源は衝撃・高温・水濡れを避けます。
重要業務の必要電力と使用時間を把握します。
異常時は使用を止め安全確保と119番通報を優先します。
設置場所・担当者・停止条件をBCPへ記録します。

設置場所と担当者を台帳へ書きます。

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㈱防災屋でもご相談を承っております。

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お問い合わせ

監修・編集者
青木 俊輔
青木 俊輔

㈱防災屋 代表取締役/消防設備士

平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!

本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。

詳しい経歴・保有資格を見る
学歴
  • 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
  • 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
  • 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
保有資格
  • 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
  • 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
  • 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
  • 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
  • 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
  • eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了

趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)

主な活動

参考・出典

※本記事は公表されている法令および内閣府・消費者庁・NITE・消防庁の資料に基づく一般的な解説です。製品ごとに使用場所、定格出力、防水・防塵性能、保管方法が異なります。実際の使用は取扱説明書とメーカーの案内に従い、消防用設備や建物設備への接続、燃料の保管、施設の消防計画については設備の専門業者や所轄消防署へご確認ください。

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