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誘導灯はどんな動作で消灯試験をするのか|施錠連動点滅器・光電管点滅器と誘導音の連動停止を解説

誘導灯の点検盤とグリーンの誘導灯を配したアイキャッチ画像

誘導灯は常時点灯が原則ですが、実務では消灯方式の誘導灯も広く使われています。
消灯のしくみそのものが正しく働くかどうかは、目で見ただけでは分かりません。
設置工事が完了したときには、実際に動作させて確かめる試験が用意されています。
今回は誘導灯の消灯機能の試験方法と、誘導音装置付点滅形誘導灯の連動停止のしくみを解説します。

うちは消灯方式の誘導灯なんですが、消えているのを見ただけで安心していました。

実は目視だけでなく、動作を確かめる試験が別に用意されているんですよ。

目視で消えているのを確認するだけだと思っていました。

信号装置を使った切替動作試験で、消灯や復帰までひととおり確認します。
まずはどんな動作で試験するのか見ていきましょう。

この記事の結論
  • 消灯方式の誘導灯は、工事完了後の機能試験(切替動作試験)で実際に動作させて確かめられます
  • 試験は手動スイッチ施錠連動点滅器や光電管点滅器との連動一括スイッチの投入のいずれかで行います
  • 合否は消灯・連動・一斉点灯・正常点灯への復帰4点で判定します
  • 誘導音装置付点滅形誘導灯は階段室の停止専用煙感知器などの作動で誘導音・点滅を自動で止めます
  • 非常放送設備と連動する設備ではマイクスイッチで誘導音だけを止められます

誘導灯の消灯試験と誘導音の連動停止の流れを示す図解

誘導灯の消灯機能はなぜ検査でわざわざ確かめるのか

誘導灯とチェックリストを並べた図
誘導灯は目視で外観や設置場所を確認する試験のほかに、動作そのものを確かめる試験も別に用意されています。
消灯方式の誘導灯は、この機能試験で実際に消灯させてから確認します。
誘導灯及び誘導標識の設置に係る工事が完了した場合における試験は、試験区分及び項目に応じた試験方法及び合否の判定基準によること。誘導灯(消灯方式)の消灯機能は、機能試験の切替動作の項目として試験方法及び合否の判定基準が定められている。(消防庁「消防用設備等の試験基準」第17 誘導灯及び誘導標識)
外観試験と機能試験は別の項目です。
外観試験では設置場所構造・性能を目視で確認しますが、実際に消灯させて確かめるのは機能試験の役割です。
「いつ誘導灯を消してよいか」という設置基準側のルールとは別に、消灯のしくみそのものが正しく動くかを試験で確認します。
今回はこの機能試験の中身を見ていきます。

消灯方式の誘導灯は、消えているのを見ただけで安心してしまいます。

実は目視だけでなく、動作を確かめる試験が別に用意されているんですよ。
まずは具体的な動作から見ていきましょう。

消灯方式の誘導灯はどんな動作で試験をするのか

操作パネルと光電管センサーを並べた図
消灯方式の誘導灯は、誘導灯用信号装置を使って実際に消灯・復帰の動作をさせて確認します。
試験のやり方は一つではなく、複数の方法が認められています。
誘導灯用信号装置によって、次の動作を行う。手動スイッチによって、消灯信号を送る。照明器具及び施錠連動点滅器や光電管点滅器との連動により消灯を行う。消灯の状態で、一括スイッチを投入する。合否の判定基準は、消灯すること、連動が確実で消灯すること、一斉点灯すること、信号装置が連動し消灯から正常点灯に切り替わることとする。この試験の点検終了後、信号装置は必ず復帰スイッチによってリセットしておくこと。(消防庁「消防用設備等の試験基準」第17 誘導灯及び誘導標識)
消灯のさせ方は三通り認められています。
一つ目は誘導灯用信号装置の手動スイッチによる消灯信号です。
二つ目は照明器具や施錠連動点滅器・光電管点滅器との連動による消灯です。
三つ目は消灯の状態のまま一括スイッチを投入する方法です。
どの方法でも確実に消灯し一斉点灯し正常点灯へ戻ることまで確認したら、試験終了後に復帰スイッチでリセットします。

施錠連動点滅器とか光電管点滅器とか、聞いたことはありますが実物は分かりません。

鍵の開閉や周囲の明るさに連動して消灯させる装置です。
どの方式でも一斉点灯までは必ず確認します。

誘導音装置付点滅形誘導灯はなぜ自火報と連動して動き出すのか

煙感知器と点滅する誘導灯を並べた図
誘導音装置付点滅形誘導灯は、ふだんは点灯しているだけですが、火災時には音と点滅で避難方向を知らせます。
この誘導音・点滅の動作も、機能試験で確実に始まるかどうかを確認します。
誘導灯(誘導音装置付点滅型)の誘導音機能は、信号装置の点検スイッチによる音・点滅信号によって、誘導音と点滅動作をさせる。自動火災報知設備の火災表示試験によっても、信号装置を連動させ点滅点灯をさせる。合否の判定基準は、確実に誘導音及び点滅の動作を開始すること、信号装置が連動し誘導音の動作を開始すること、確実に切り替わることとする。(消防庁「消防用設備等の試験基準」第17 誘導灯及び誘導標識)
誘導音と点滅は自動火災報知設備と連動して始まります。
消防法施行規則第28条の3第4項第6号は、誘導灯の点滅機能・音声誘導機能を自動火災報知設備の感知器の作動と連動して起動させることを定めています。
試験では信号装置の点検スイッチのほか、自動火災報知設備の火災表示試験でも連動して動作を開始することを確認します。
器具ごとに点検スイッチがある場合は個別に、無い場合は信号装置側の試験だけで確認します。

誘導音って火災のときに急に鳴り始めるんでしょうか。

はい、自動火災報知設備の感知器が作動すると連動して始まります。
試験でもその連動を個別に確認しますよ。

誘導音や点滅はどうやって自動で止まるのか

階段室の煙感知器と誘導灯を並べた図
誘導音や点滅は鳴らしっぱなしではなく、決められた条件で自動的に止まるしくみになっています。
止め方には二つの条件があり、どちらも機能試験で確認します。
誘導灯(誘導音装置付点滅型)の連動停止試験について、自動火災報知設備との連動停止は、作動試験によって誘導音が動作した後、階段室に設けた停止専用煙感知器又は階段室の警戒区域からの火災表示を行い、誘導音及び点滅を停止させる。放送設備との連動停止は、非常放送設備との連動停止機能を有する設備にあっては、誘導音を動作させた状態において、非常放送設備のマイクスイッチを押し、誘導音のみを連動停止させる。合否の判定基準は、前者が誘導音及び点滅が停止すること、後者が誘導音が停止することとする。(消防庁「消防用設備等の試験基準」第17 誘導灯及び誘導標識)
止め方には二つの条件があります。
一つ目は階段室に設けた停止専用煙感知器の作動、または階段室の警戒区域からの火災表示で、誘導音と点滅がまとめて止まります。
二つ目は非常放送設備との連動停止機能がある場合で、マイクスイッチを押すと誘導音のみが止まります。
点滅そのものは、この二つ目の条件では止まりません。

放送で喋っているときに誘導音まで重なると聞き取りにくそうです。

マイクスイッチを押すと誘導音だけが連動して止まる設計です。
点滅は続くので、避難の表示自体は止まりません。

明日からなにを確認すればよいのか

点検盤と点灯した誘導灯を並べた図
試験のしくみが分かれば、現場で確認する順番もはっきりします。
消灯方式かどうかから確認を始めてください。
  • 誘導灯が消灯方式かどうかを確認する
  • 消灯方式であれば、手動スイッチ・点滅器との連動・一括スイッチのいずれかで消灯試験を行う
  • 消灯・連動・一斉点灯・正常点灯への復帰の4点を確認し、信号装置を復帰スイッチでリセットする
  • 誘導音装置付点滅形誘導灯は自動火災報知設備との連動と、階段室の停止専用煙感知器による停止をあわせて確認する
  • 非常放送設備と連動している場合は、マイクスイッチでの誘導音のみの停止も確認する
五つの確認がひととおり終われば試験完了です。
消灯方式を勘違いすると、試験の対象そのものを誤ってしまいます。
誘導音装置付点滅形誘導灯は連動の起点と停止条件をあわせて確認すると、見落としを防げます。

消灯方式か点滅形か、まず種類を確認すればいいんですね。

はい、種類が分かれば試験の中身もすぐ整理できます。
次の点検のときにも役立ちます。

よくある質問

Q消灯方式ではない誘導灯にも消灯機能の試験は必要ですか?
Aいいえ、消灯機能の試験が対象になるのは消灯方式の誘導灯だけです。点滅機能や誘導音機能を持つ誘導灯には、それぞれ別に点滅機能・誘導音機能の試験が定められています。
Q施錠連動点滅器や光電管点滅器とはどんな装置ですか?
A誘導灯用信号装置と連動して、鍵の施錠状態や周囲の明るさに応じて誘導灯を消灯させる装置です。照明器具との連動もあわせて機能試験の対象になります。
Q停止専用煙感知器は一般の煙感知器と同じ扱いですか?
A試験基準は階段室に設けた停止専用煙感知器と呼んでおり、誘導音・点滅を停止させるために階段室に設置される感知器を指します。階段室の警戒区域からの火災表示でも同じように停止させられます。
Q誘導音が止まったあと、また鳴らして試験できますか?
Aできます。試験基準は試験終了後は信号装置を必ず復帰スイッチでリセットしておくことと定めています。リセットすれば通常の状態に戻せます。

まとめ

誘導灯は目視の外観試験とは別に、機能試験(切替動作試験)で消灯機能を実際に確かめる
消灯方式の試験は手動スイッチ・施錠連動点滅器や光電管点滅器との連動・一括スイッチのいずれかで行う
合否は消灯・連動・一斉点灯・正常点灯への復帰の4点で判定する
試験終了後は信号装置を必ず復帰スイッチでリセットする
誘導音装置付点滅形誘導灯は自動火災報知設備の感知器作動と連動して誘導音・点滅を始める
階段室に設けた停止専用煙感知器などの作動で誘導音・点滅は自動的に停止する
非常放送設備と連動する設備ではマイクスイッチで誘導音だけを止められる

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監修・編集者
青木 俊輔
青木 俊輔

㈱防災屋 代表取締役/消防設備士

平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!

本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。

詳しい経歴・保有資格を見る
学歴
  • 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
  • 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
  • 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
保有資格
  • 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
  • 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
  • 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
  • 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
  • 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
  • eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了

趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)

主な活動

参考・出典

  • 消防法施行規則第28条の3第4項第6号(誘導灯の点滅機能・音声誘導機能の起動及び停止の基準)
  • 誘導灯及び誘導標識の基準(平成11年3月17日消防庁告示第2号)
  • 消防庁「消防用設備等の試験基準」第17 誘導灯及び誘導標識 機能試験(切替動作試験・誘導音機能試験・連動停止試験)

※本記事は公表されている法令および消防庁等の資料に基づく一般的な解説です。条例や運用は市町村ごとに異なる場合があります。個別の判断は所轄消防署にご確認ください。

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