パッケージ型消火設備は、消火薬剤の量や放射性能だけでなく、器具そのものの性能にも細かな基準があります。
確実に作動すること、材質が薬剤や外気に耐えること、部品がしっかり取り付けられていること。
そして消火薬剤貯蔵容器等の弁が手動でも開閉できること。
この記事では、器具そのものに求められる一般性能の基準を、告示の条文から確認していきます。
うちのパッケージ型消火設備、器具そのものの基準なんて考えたことなかったです。
実は薬剤や放射性能だけでなく器具そのものにも基準があるんです。
材質や部品の取り付け方まで決まってるんですか。
はい、弁を手で開け閉めできることまで条件になっています。
- パッケージ型消火設備は確実に作動し、取扱い・点検整備が容易で、耐久性を有することが求められます
- 消火薬剤に接触する部分は薬剤に侵されない材料か耐食加工、外気に触れる部分はさびにくい材料か防錆加工が必要です
- 部品は機能に異常を生じないよう的確に、かつ容易に緩まないように取り付けなければなりません
- 消火薬剤貯蔵容器等の容器弁又は放出弁は手動で容易に開閉できるものであることが条件です
- これらはすべて告示第五(パッケージ型消火設備の一般性能等)に定められた基準です
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目次
パッケージ型消火設備はなぜ「確実に作動する」ことまで基準に明記されているのか

いざというときに動かない設備では意味がありません。
条文はまず確実に作動することを挙げ、続けて取扱いが容易であることを求めています。
取扱いの容易さは使用者が操作するときの分かりやすさを指し、いざというときに迷わず動かせることが前提です。
「確実に作動する」は感覚的な表現ではなく、設置後も維持し続けるべき性能として読む必要があります。
次の章では、同じ号に続く点検整備の容易さと耐久性の基準を見ていきます。
確実に作動するかどうかって、感覚的な話だと思ってました。
いえ、告示の性能基準として明記されているんです。
点検や整備のしやすさと耐久性はなぜ同じ号でセットに定められているのか

使うときの操作性と、点検するときの分かりやすさは別の話です。
取扱いは使用時の操作性、点検整備は維持管理のしやすさを指し、条文はこの2つを区別せず一つの号にまとめています。
そして耐久性が同じ号に並んでいるのは、点検や整備を繰り返しながら長期間使い続けることが前提だからです。
点検のしやすさと耐久性は、いずれも設置してからの時間の経過を見据えた基準だといえます。
次の章では、器具の材質そのものに求められる耐食性の基準を見ていきます。
取扱いやすさと点検のしやすさって、同じことだと思っていました。
使うときと維持するときで、条文は観点を分けています。
消火薬剤に触れる部分の材質はなぜ薬剤に侵されないことが条件なのか

良質な材料というだけでは足りません。
消火薬剤に接触する部分は、その薬剤に侵されない材料で造るか、耐食加工を施すことが条件です。
薬剤は強化液や機械泡など種類によって成分が異なるため、内側からの腐食を防ぐ材質が必要になります。
これは外気に触れる部分の防錆とは別の話で、容器の内側と外側で求められる耐食性の相手が違うということです。
次の章では、この材質を踏まえたうえで部品の取り付け方について見ていきます。
容器の内側と外側で、錆びない基準が別々になってるんですね。
はい、薬剤に触れる部分と外気に触れる部分は条文でも別扱いです。
部品の取り付け基準はなぜ「機能に異常なく」「緩まない」の2つが求められるのか

部品の取り付けにも告示は条件を定めています。
機能に異常を生じないよう的確に取り付けることは、部品本来の働きを妨げない位置と方法で組み付けることを指します。
そのうえで容易に緩まないように取り付けることが加わっているのは、振動や経年劣化でねじや接続部が緩むことを想定しているためです。
点検のときにねじの緩みや部品のがたつきを見るのは、この基準を維持できているかを確かめる作業にほかなりません。
次の章では、消火薬剤貯蔵容器等の弁の開閉についての基準を見ていきます。
部品の緩みも、点検で見るポイントになるんですね。
はい、緩まないように取り付けることまで告示の条件です。
容器弁や放出弁はなぜ手動で開閉できることが条件なのか

自動化されたイメージがあるかもしれませんが、条文は手動での操作性を求めています。
容器弁は消火薬剤貯蔵容器の元栓にあたる弁、放出弁は薬剤をホース側へ送り出す弁で、どちらも構造上の役割が異なります。
それでも条文が両方に同じ手動開閉の条件を課しているのは、緊急時や点検時に確実に操作できることを優先しているためです。
力を入れなければ回らない、固着して動かないといった状態は、この基準を満たせていないことになります。
ここまで見てきた確実な作動・材質・部品の取り付け・弁の開閉は、いずれも器具そのものの信頼性を支える基準です。
容器弁も放出弁も、どちらも手で開け閉めできることが条件なんですね。
はい、緊急時や点検時に確実に操作できることが前提です。
よくある質問
まとめ
材質や部品の取り付け、弁の開閉も次の点検で確認します!
㈱防災屋でもご相談を承っております。
㈱防災屋 代表取締役/消防設備士
平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!
本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。
詳しい経歴・保有資格を見る
- 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
- 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
- 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
- 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
- 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
- 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
- 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
- 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
- eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了
趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)
参考・出典
- パッケージ型消火設備の設置及び維持に関する技術上の基準を定める件(平成16年5月31日消防庁告示第12号)第五
※本記事は公表されている法令および消防庁等の資料に基づく一般的な解説です。条例や運用は市町村ごとに異なる場合があります。個別の判断は所轄消防署にご確認ください。





