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消防防災用設備機器類の認証はなぜ6つの区分に分かれているのか|ガス漏れ検知器はガスの種類で検定機関が変わる仕組みを解説

消防用設備の認証はどう分かれているのか

消火器やスプリンクラーヘッドには、丸い印影のようなマークが付いていることがあります。
点検のときに見かけても、あのマークが何を証明しているのか意識したことは少ないのではないでしょうか。
実は消防法は、設備や機器の種類ごとに、確認する機関や手続きを細かく分けています。
この記事では消防防災用設備機器類の認証がなぜ複数の区分に分かれているのかを解説します。

点検のとき、消火器に丸いマークが付いているのを見ました。
あれって全部同じ意味なんでしょうか。

実はマークによって証明している中身が違うんです。
今日はその仕組みを整理しましょう。

ガス漏れ警報器にも似たようなマークがありますよね。
あれも同じ仕組みですか。

実はガス漏れ検知器はガスの種類で確認する機関自体が変わるんですよ。
順番に見ていきましょう。

この記事の結論
  • 消防防災用設備機器類の認証は、検定・検定認証・自主表示・認定・評価・性能評定等という6つの区分に分かれており、それぞれ根拠となる法令と確認する機関が異なります
  • 消火器や感知器など12品目は検定対象機械器具等として消防法第21条の2に基づき日本消防検定協会が検定します
  • ガス漏れ検知器は液化石油ガス用が高圧ガス保安協会、都市ガス用が一般財団法人日本ガス機器検査協会という別々の機関の検査を受けます
  • 特殊消防用設備等の構成機器のうち上記の認証を受けないものは、設備等設置維持計画に従って性能が確認された旨の表示が付きます
  • 着工届の概要表に型式番号や認定番号を書くときは、その番号がどの区分の認証に基づくものかを取り違えないようにします

検定自主表示認定性能評価という4つの区分のアイコンが並び下部に表示を見れば区分がわかるという帯が付いた図解

消防防災用設備機器類の認証はなぜ6つの区分に分かれているのか

検定の丸い印影が消火器や感知器などの上に重なる様子
防火対象物に置く消火器や、天井に付ける感知器は、誰でも自由に作って売ってよいわけではありません。
技術基準に適合しているかどうかを誰がどう確かめるのか、その仕組みを見ていきます。
消防の用に供する機械器具若しくは設備、消火薬剤又は防火塗料、防火液その他の防火薬品(略)のうち、一定の形状、構造、材質、成分及び性能を有しないときは火災の予防若しくは警戒、消火又は人命の救助等のために重大な支障を生ずるおそれのあるものであり、かつ、その使用状況からみて当該形状等を有することについてあらかじめ検査を受ける必要があると認められるものであつて、政令で定めるもの(以下「検定対象機械器具等」という。)については、この節に定めるところにより検定をするものとする。(消防法第21条の2第1項)
検定対象機械器具等は、あらかじめ検査を受ける必要があるものとして政令で決められています。
検定のほかにも、製造者自身が確認する自主表示、民間の登録認定機関による認定、日本消防検定協会等による評価、各認証機関が任意に行う性能評定等まで含めると、区分は全部で6つになります。
どの区分になるかは、対象になる設備等の種類と、それを裏付ける法令によって決まっています。
次は、検定対象になる具体的な品目を見ていきましょう。

検定と認定と評価、名前は似ていますが
全部別の制度なんですね。

はい、法律上の位置づけがそれぞれ違うんです。
次は検定の対象になる品目を見てみましょう。

検定対象になる品目にはなにが含まれるのか

消火器や感知器など複数の消防用機器が棚に並び同じ形の証を載せている様子
検定対象機械器具等は、思いつきで決められるものではなく、政令によってあらかじめ品目が列挙されています。
消火設備の中心となる機器の多くが、この一覧に入っています。
法第二十一条の二第一項の政令で定める消防の用に供する機械器具等は、次に掲げるもの(略)とする。一 消火器 二 消火器用消火薬剤(二酸化炭素を除く。) 三 泡消火薬剤(略) 四 火災報知設備の感知器(略)又は発信機 五 (略)中継器 六 (略)受信機 七 住宅用防災警報器 八 閉鎖型スプリンクラーヘッド 九 (略)流水検知装置 十 (略)一斉開放弁 十一 金属製避難はしご 十二 緩降機(消防法施行令第37条)
この一覧に載る12品目が、消防法第21条の2にいう検定対象機械器具等です。
消火器や感知器、受信機のような火災を伝える機器から、閉鎖型スプリンクラーヘッドや一斉開放弁のような水を出す機器、金属製避難はしごや緩降機のような避難器具まで、幅広い分野の機器が対象です。
これらは形状等について型式承認を受け、実際の製品が承認どおりかを型式適合検定で確認され、合格すると検定マークが付されます。
一方で、同じ「ガス漏れ」を扱う機器でも、検知器そのものは、この一覧には入っていません。
次は、その検知器がどこで確認されているのかを見ていきましょう。

ガス漏れ火災警報設備の受信機や中継器は入っているのに、
検知器自体は入っていないんですね。

よく気づきましたね。
検知器はまったく別の法律の枠組みで確認されているんです。

ガス漏れ検知器はなぜガスの種類で確認する機関が変わるのか

ガスボンベにつながる検知器と都市ガス配管につながる検知器が異なる形の証を載せて並ぶ様子
ガス漏れ検知器は、火災報知設備の受信機や中継器のように消防法第21条の2の検定を受けるわけではありません。
対象になるガスの種類によって、確認する機関そのものが分かれています。
液化石油ガス用のガス漏れ検知器は、高圧ガス保安法の体系のもとで定められた液化石油ガス保安規則等に基づき、高圧ガス保安協会の検定を受ける。都市ガス用のガス漏れ検知器は、ガス事業法に基づく検査基準により、一般財団法人日本ガス機器検査協会の認証(JIA認証)を受ける。(高圧ガス保安協会・一般財団法人日本ガス機器検査協会の公表情報より)
同じガス漏れ検知器でも、対象ガスが液化石油ガスか都市ガスかで根拠法令も認証機関もまったく違います。
液化石油ガス用は高圧ガス保安協会が検定を行い、合格すると液化石油ガス警報器の検定合格証が貼付されます。
都市ガス用は一般財団法人日本ガス機器検査協会が検査を行い、合格するとJIA認証のマークが貼付されます。
ガスの供給を所管する法律が違うため、消防法の検定制度とは別の体系で確認されているわけです。
次は、こうした区分の狭間にある機器の扱いを見ていきましょう。

マークの形だけでなく、
確認している団体そのものが違うんですね。

そうなんです。
次は、どの認証も受けない機器がどうなるかを見てみましょう。

実務で見落としやすいのはどこか

積み重なった複数の機器のうち一つだけ測定器で確かめられている様子
特殊消防用設備等は、既存の設備とは違う設計で性能を確かめる、比較的新しい制度です。
その構成機器の扱いは、見落としやすいポイントです。
前条第三項の認定を受けようとする者は、あらかじめ、日本消防検定協会(略)又は法人であつて総務大臣の登録を受けたものが行う性能評価(設備等設置維持計画に従つて設置し、及び維持する場合における特殊消防用設備等の性能に関する評価をいう。略)を受けなければならない。(消防法第17条の2第1項)
特殊消防用設備等は、設備全体としてこの性能評価を受けて総務大臣の認定を受ける仕組みです。
その構成機器の中には、検定や自主表示、認定といった通常の認証を個別には受けていないものが使われる場合があります。
この場合、その機器は各種認証の対象品と同等以上の性能があると認められることが必要で、認められれば設備等設置維持計画に従ってその旨の表示が付されます。
つまり「マークが付いていない部品」がすべて基準未達というわけではなく、設備全体の計画の中で性能が確認されている場合があるということです。
次は、この仕組みを踏まえて明日から何を確認すればよいかを整理します。

マークがない部品を見つけたら
不安になりそうです。

その場合は設備等設置維持計画を確認すれば安心です。
最後に確認の手順をまとめます。

明日からなにを確認すればよいのか

作業着の人物が壁の機器の丸い証を虫眼鏡で確かめている様子
ここまでの内容を踏まえ、日常の点検や工事の発注で確認できるポイントを整理します。
表示そのものを難しく考える必要はありません。
消防庁長官が次条の規定により登録する法人は、消防用設備等又はこれらの部分である機械器具が当該消防用設備等又はこれらの部分である機械器具に係る設備等技術基準の全部又は一部に適合していることの認定を行うことができる。(略)認定を行つたときは、(略)適合している旨の表示を(略)付することができる。(消防法施行規則第31条の4第1項・第2項)
設置されている機器に付いている表示を見れば、どの区分の認証を受けたものかが分かります。
消火器や感知器なら検定マーク、動力消防ポンプや消防用ホースなら自主表示マーク、登録認定機関の認定を受けたものなら認定の表示を確認します。
ガス漏れ検知器を選ぶときは、対象になるガスに応じて高圧ガス保安協会または一般財団法人日本ガス機器検査協会の証があるかを確認します。
着工届の概要表に型式番号や認定番号を記入する際も、それがどの区分の番号なのかを工事施工者に確認しておくと、あとで迷いません。
迷ったときは、所轄消防署や施工業者に確認するのが確実です。

次に点検で見かけたら、
マークの種類を意識してみます。

それが確実です。
最後によくある質問を見ていきましょう。

よくある質問

Q検定と自主表示はなにが違うのか?
A検定は消防法第21条の2に基づき日本消防検定協会が型式承認と型式適合検定を行う制度です。自主表示は消防法第21条の16の3に基づき、製造者又は輸入者自身が技術基準への適合を検査して表示を付す制度で、確認する主体が異なります。
Q検定対象機械器具等はどうやって決まっているのか?
A消防法施行令第37条が12品目を列挙しています。消火器や感知器、受信機、閉鎖型スプリンクラーヘッド、一斉開放弁、金属製避難はしご、緩降機などが含まれ、政令で決められた品目以外は検定の対象になりません。
Qガス漏れ検知器はなぜ消防法の検定を受けないのか?
A検知器は消防法施行令第37条の12品目に含まれていません。液化石油ガス用は高圧ガス保安法の体系、都市ガス用はガス事業法の体系という、ガスの供給そのものを所管する別の法律のもとで確認されているためです。
Q特殊消防用設備等の構成機器にマークが無いのは異常なのか?
A必ずしも異常ではありません。消防法第17条の2の性能評価を受けた特殊消防用設備等では、構成機器が設備等設置維持計画に従って同等以上の性能を認められ、その旨の表示が付される場合があります。不明なときは維持計画の書類を確認します。

まとめ

消防防災用設備機器類の認証は検定・検定認証・自主表示・認定・評価・性能評定等の6区分に分かれる
検定は消防法第21条の2に基づき日本消防検定協会が行う
検定対象機械器具等は消防法施行令第37条が定める12品目に限られる
ガス漏れ検知器は液化石油ガス用と都市ガス用で確認する機関がまったく別になる
液化石油ガス用は高圧ガス保安協会、都市ガス用は一般財団法人日本ガス機器検査協会が確認する
特殊消防用設備等の構成機器は設備等設置維持計画に従い同等以上の性能が認められる場合がある
機器の表示を見ればどの区分の認証を受けたものかが分かる

マークの意味がよく分かりました
今度の点検で確かめてみます。

ぜひ確かめてみてください。
㈱防災屋でもご相談を承っております

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監修・編集者
青木 俊輔
青木 俊輔

㈱防災屋 代表取締役/消防設備士

平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!

本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。

詳しい経歴・保有資格を見る
学歴
  • 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
  • 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
  • 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
保有資格
  • 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
  • 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
  • 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
  • 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
  • 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
  • eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了

趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)

主な活動

参考・出典

  • 消防法(昭和23年法律第186号)第21条の2、第21条の16の3、第21条の36、第17条の2 e-Gov法令検索
  • 消防法施行令(昭和36年政令第37号)第37条 e-Gov法令検索
  • 消防法施行規則(昭和36年自治省令第6号)第31条の4、第44条 e-Gov法令検索
  • 高圧ガス保安協会「液化石油ガス漏れ警報器の検定」
  • 一般財団法人日本ガス機器検査協会(JIA)公表情報

※本記事は公表されている法令および関係機関の公表資料に基づく一般的な解説です。条例や運用は市町村ごとに異なる場合があります。個別の判断は所轄消防署にご確認ください。

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