移送取扱所でポンプや弁を取り替えるとき、そのたびに消防署の許可がいるのか気になったことはありませんか。
平成14年3月の消防危第49号通知は、許可がいらない「軽微な変更工事」の範囲を設備ごとの表で示してきました。
令和6年3月、この表のうち移送取扱所の部分が見直され、感震装置や漏えい検知装置なども加わりました。
この記事では見直し後の表の読み方と、実務で見落としやすい注意点を解説します。
ポンプや弁を取り替えるだけでも、そのたびに消防署の許可がいるんでしょうか。
工事の内容によります。
令和6年3月に、その判断基準の表が見直されたところです。
うちは移送取扱所なので、パイプラインの設備がいろいろあるんです。
感震装置や漏えい検知装置も、今回の見直しで表に加わりました。
- 移送取扱所の変更工事は、消防危第49号通知の表で「許可を要しない軽微な変更工事」かどうかが判断されます
- 令和6年3月の消防危第48号通知で、移送取扱所の部分の表が見直されました
- ポンプ設備・感震装置・漏えい検知装置など、設備ごとに○と△の区分が定められています
- 地下配管など対象外の部分があるので、表の適用範囲を最初に確認する必要があります
- 資料提出が必要な工事は電子メール等でも提出できることが明確になりました
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目次
移送取扱所の変更工事はなぜ範囲を見直す必要があったのか

ただ、工事の内容によっては、許可までは不要な「軽微な変更工事」として扱えるものがあります。
ただし、基準の内容と関係がない、あるいは保安上の問題を生じさせない工事まで一律に許可を求めると、事業者の負担が大きくなります。
そこで平成14年の消防危第49号通知は、設備の種類ごとに「許可を要しない軽微な変更工事」の範囲を表で示す仕組みを作りました。
令和6年の消防危第48号通知は、この表のうち移送取扱所の部分を見直し、近年普及した保安設備も対象に加えています。
あわせて、資料提出の方法についても電子メール等が使えることが明確になりました。
軽微な変更工事の考え方自体は、前からあったんですね。
そうです。
今回は対象設備の一覧が更新されたということです。
どの設備のどんな工事が見直しの対象になるのか

表は設備の名称ごとに、増設・移設・改造・取替・補修・撤去という工事の種類を分けて示しています。
地下配管は対象外で、地上に出ている配管や附属機器が中心です。
ポンプ設備や緊急遮断弁のように以前からあった設備に加えて、感震装置や漏えい検知装置のような近年普及した保安機器も表に位置づけられました。
ローディングアームのカプラーは、ボルトで取り付けられるものに限って軽い扱いになります。
自分の施設のどの設備がこの表のどこに当たるかを、まず特定することが最初の一歩です。
うちにも漏えい検知装置がありますが、この表に入っているんですね。
はい。
該当する行の○や△を見れば許可の要否がすぐ分かります。
見直し後の表は工事のたびに何を求めているのか

同じ設備でも、増設か補修かによって求められる対応が変わります。
△は「確認を要する変更工事」であって、必ず許可が必要という意味ではありません。
資料等で保安上の問題がないと確認できれば、△の工事も軽微な変更として扱えます。
たとえばポンプ設備の取替や補修は△に区分され、移送基地の構内に設置されているかどうかや、危険物の取扱いに変更がないことなどが確認事項になります。
逆に緊急遮断弁の撤去のように○とされている工事は、事前の資料提出なしに進められます。
△だからといって、すぐ許可が必要というわけじゃないんですね。
そのとおりです。
資料をそろえて確認を受ければ無許可で進められます。
実務で見落としやすいのはどこか

地下配管や、道路・河川をまたぐ区間は別扱いになる点に注意が必要です。
配管の取替や補修が△になるのも、地上に出ている部分に限られます。
道路や河川、海、第三者の敷地を通過する区間は、たとえ地上配管であっても表の対象から除かれています。
また、管径や板厚、材質、経路を変えてしまうと、同じ「取替」でも軽微な変更工事とは扱われません。
図面上でどの区間が表の対象になるのかを、工事の前に整理しておく必要があります。
うちの配管、一部が道路の下を通っているので確認しないといけませんね。
その区間は対象外になるので、事前に図面で切り分けておくと安心です。
明日からなにを確認すればよいのか

△の工事であれば、必要な資料をそろえて所轄の消防機関に相談しましょう。
まず自分の設備が別紙1のどの行に当たるかを表で確認します。
○であれば書類なしで工事を進めて差し支えありません。
△であれば、管径や設置場所など確認事項をまとめた資料を用意し、所轄の消防機関へ相談します。
判断に迷う工事は、着工前に㈱防災屋のような専門業者へ相談すると確実です。
まずは自分の設備が表のどこに当たるか、確認してみます。
分からない点があれば、資料をそろえる段階からお手伝いできます。
よくある質問
まとめ
見直し後の表の読み方がよく分かりました。
まずは自分の設備を表と照らし合わせてみます!
○か△かが分かれば、次にすべきことも見えてきます。
㈱防災屋でもご相談を承っております。
㈱防災屋 代表取締役/消防設備士
平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!
本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。
詳しい経歴・保有資格を見る
- 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
- 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
- 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
- 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
- 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
- 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
- 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
- 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
- eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了
趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)
参考・出典
- 「製造所等において行われる変更工事に係る取扱いについて」の一部改正について(通知)(令和6年3月18日 消防危第48号 消防庁危険物保安室長)
- 製造所等において行われる変更工事に係る取扱いについて(通知)(平成14年3月29日 消防危第49号 消防庁危険物保安室長)
- 消防法第11条第1項(製造所等の設置及び変更の許可)
- 消防法第10条第4項(製造所等の位置、構造及び設備の技術上の基準)
※本記事は公表されている法令および消防庁の通知に基づく一般的な解説です。条例や運用は市町村ごとに異なる場合があります。個別の判断は所轄消防署にご確認ください。





