消防設備士免状を使わなくなったとき、どうすればよいか迷ったことはありませんか。
仕事を辞めた、他の資格に一本化したいなど、理由はさまざまです。
実は消防設備士免状には、違反による返納命令とは別に、本人が自分から返納できる制度があります。
この記事では免状の自主返納の手続きと注意点を通知から解説します。
消防設備士の仕事をもう辞めたので、免状を返してしまいたいという相談を受けたんですが。
できます。
本人からの申出があれば、免状を自主的に返納できます。
違反したときの返納命令とは違うものなんですか。
はい、まったく別の手続きです。
順番に見ていきましょう。
- 消防設備士免状は、交付を受けている本人からの申出があれば自主的に返納できます(消防設備士免状に関する事務処理要領等について 平成12年3月24日 消防予第66号 最終改正:令和6年1月26日 消防予第39号)。
- 自主返納は現に有している免状の交付を受ける資格を放棄することで、交付した知事による資格の取消しと同じ効果を持ちます。
- 複数の種類の免状のうち一部だけを返納したい場合、甲種と乙種を組み合わせて持っているときは乙種だけの返納が認められない組み合わせがあります。
- 二以上の都道府県から免状の交付を受けている場合、申請を受け付けた知事は他の免状交付知事へ通知する必要があります。
- 一部返納したときは免状の記載事項が変わるため、残りの免状の書換えもあわせて必要になります。
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目次
消防設備士免状の自主返納はなぜ制度として用意されているのか

使わなくなった免状をどう扱うか、実は制度としてきちんと決まっています。
消防設備士免状は、消防設備士試験に合格した者に都道府県知事が交付するものです。
免状を持つ資格そのものを、本人が自分の意思で手放すことができるのが自主返納です。
これは違反への制裁である返納命令とはまったく別の制度で、違反歴が無くても申し出られます。
放棄の効果は知事による資格の取消しと同じ重さを持つことを、申請の際に本人へ確認する決まりになっています。
免状を返すのって、違反したときだけかと思ってました。
いえ、本人からの申出でも返納できます。
次は全部返納と一部返納の違いを見ましょう。
全部返納と一部返納、どちらを選べるのか

持っている免状をすべて返すのか、一部だけ返すのかで手続きが変わります。
持っている免状をすべて返す全部自主返納と、種類ごとに選んで返す一部自主返納です。
どちらも申請の受け皿になるのは、その免状を交付した都道府県知事です。
複数の都道府県から免状をもらっている場合でも、一部返納ならどこか一つの知事に申請すれば足ります。
ただし一部返納には、選べない組み合わせがあるので注意が必要です。
全部返さなくても、一種類だけ返すこともできるんですね。
はい、一部自主返納という手続きです。
ただし選べない組み合わせもあります。
一部返納ができないのはどんな組み合わせか

同じ類の甲種と乙種を両方持っている場合には、例外があります。
甲種と乙種の両方を同じ類で持っている人が、乙種だけを返納しようとするケースは受け付けられません。
対象は第1類から第5類までの5つの組み合わせで、乙種しかない第6類・第7類にはこの制限は挙げられていません。
「これに準ずる場合」も含むとされているので、判断に迷ったら窓口へ確認するのが確実です。
その一方で、甲種だけを返納する場合はこの制限の対象に挙げられていません。
うちの担当者は甲種1類と乙種1類の両方を持ってるんですが、乙種だけ返せますか。
その組み合わせは受け付けられません。
甲種を残したまま乙種だけを外すことはできないんです。
複数の都道府県から免状を受けている場合に見落としやすいのはどこか

そんなとき、一部返納の手続きには一段階、追加の作業があります。
2種類以上の免状を一部返納し、それぞれ違う都道府県知事が交付していた場合、申請を受け付けた知事から他の交付知事へ通知が送られます。
通知を受けた知事は、自分が交付した免状の種類について免状台帳を抹消します。
つまり、窓口がひとつでも、免状台帳の整理は交付元ごとに行われる仕組みです。
複数の都道府県で試験に合格してきた人ほど、この仕組みを知っておくと安心です。
県をまたいで免状を持ってる場合、それぞれの県に届け出ないといけないんでしょうか。
窓口はひとつで大丈夫です。
そこから他の交付知事へ通知が回ります。
一部返納したときに残る免状はどう扱われるのか

残った免状の側にも、忘れてはいけない手続きがあります。
免状に記載された種類が減るため、令第三十六条の四が定める記載事項に変更が生じ、残った免状の書換えを受ける必要があります。
返納した種類の記載部分には、あとで書き戻せないよう穴をあける処置が取られます。
免状裏面の備考欄には、返納した種類・届出年月日・証印が記載されます。
申請のときは、返納する免状と残す免状の両方を窓口に持参しておくとスムーズです。
一部だけ返したら、残りの免状はそのままでいいんですか。
いえ、書換えが必要です。
返した種類の記載欄には穴をあける処置もされます。
よくある質問
まとめ
もう使わない免状があれば、自主返納も選択肢に入れてみます!
ぜひご相談ください。
㈱防災屋でもご相談を承っております。
㈱防災屋 代表取締役/消防設備士
平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!
本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。
詳しい経歴・保有資格を見る
- 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
- 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
- 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
- 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
- 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
- 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
- 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
- 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
- eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了
趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)
参考・出典
- 消防設備士免状に関する事務処理要領等について(平成12年3月24日 消防予第66号 消防庁予防課長 最終改正:令和6年1月26日 消防予第39号)
- 消防法(昭和23年法律第186号)第17条の7
- 消防法施行令(昭和36年政令第37号)第36条の3・第36条の4
※本記事は公表されている法令および消防庁の通知に基づく一般的な解説です。条例や運用は市町村ごとに異なる場合があります。個別の判断は所轄消防署にご確認ください。





