庁舎の受付や事務室のコンセントは、来庁者の目に触れない場所で少しずつ傷んでいきます。
令和7年5月、埼玉県白岡市の庁舎で火災が発生し、焼損によって庁舎そのものが使えなくなる事態が起きました。
消防庁はこれを受けて、全国の都道府県と市区町村の庁舎に向けて防火安全対策の徹底を求める通知を出しました。
庁舎で働く職員自身が防火管理の当事者であることを、この記事で確認します。
庁舎で火事なんて、うちには関係ない話だと思っていました。
実は庁舎も一般の建物と同じように電気火災のリスクを抱えています。
白岡市の火災も、電気系統のショートが原因ではないかと聞きました。
そうです。
消防庁もこれを重く見て、全国の庁舎に通知を出しました。
- 令和7年5月に埼玉県白岡市の庁舎で火災が発生し、電気系統のショートの可能性が指摘されました。
- 消防庁は消防予第266号で、都道府県と市区町村のすべての庁舎に防火安全対策の徹底を求めました。
- 平時は電源コードやコンセントの点検・清掃と、リチウムイオン蓄電池を使う機器の適正な管理が求められます。
- 発災時は消火器や屋内消火栓設備の設置位置を確認し、休日・夜間を想定した訓練が重要です。
- 通知は消防組織法第37条の助言として発出されており、庁舎の管理部局への周知も求められています。
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目次
庁舎の火災はなぜ全国への通知を招いたのか

何が起きたのか、まず経緯を確認します。
白岡市の庁舎火災は夜間に発生し、庁舎そのものが使えなくなるという大きな被害を出しました。
出火原因はまだ調査中ですが、電気系統のショートが疑われている点は見過ごせません。
公務員が働く庁舎だからこそ油断が生まれやすく、消防庁は同種の被害を防ぐために全国へ通知を出しました。
まずはこの通知がどんな庁舎を対象にしているのかを見ていきます。
うちの庁舎も夜は誰もいなくなります。
同じことが起きたらと思うと怖いですね。
実は多くの庁舎が同じ条件です。
次は対象範囲を確認しましょう。
どの庁舎が今回の通知の対象になるのか

どこまでの範囲に届くのかを確認します。
本庁舎だけでなく、出先機関の庁舎も除外されているわけではありません。
宛先は消防防災主管部長ですが、実際に周知が求められているのは庁舎管理部局です。
つまり消防や防災の担当課だけでなく、総務課や管財課のような庁舎そのものを管理する部署にも関わる話です。
次は、通知が平時にどんな対策を求めているのかを見ていきます。
消防や防災の担当課だけの話かと思っていました。
庁舎を管理する部署にこそ届けてほしい内容なんです。
通知は平時にどんな対策を求めているのか

具体的に何を点検すればよいのかを見ていきます。
電源コードの劣化やコンセント周辺のほこりは、目視で気づけるのに見過ごされがちな要因です。
容量の上限を超えたタコ足配線も、庁舎の事務室では起こりやすい状態です。
さらに、リチウムイオン蓄電池を使う業務用・個人用の機器は、メーカー指定の充電器を使い、落下や異常発熱に注意する必要があります。
これらは特別な工事を要さず、今日からでも始められる対策です。
モバイルバッテリーを机に置きっぱなしにしている職員もいます。
落下や異常発熱がないか、まずはその場で確認してみましょう。
実務で見落としやすいのはどこか

通知が示す初動対応の部分にこそ、見落としやすい落とし穴があります。
消火器や屋内消火栓設備の位置は知っていても、実際に触ったことがない職員は少なくありません。
防火戸や防火シャッターは、設置位置の確認だけでなく作動状況の確認まで求められています。
白岡市の火災が夜に起きたように、庁舎の火災は職員が少ない時間帯にこそ起こり得ます。
休日・夜間を想定した通報訓練まで含めて初めて、通知が意図する備えになります。
防火シャッターがちゃんと閉まるかまでは、正直確認したことがありません。
次の点検の機会に、作動状況まで一緒に確認しておきましょう。
明日から何を確認すればよいのか

最後に、明日から着手できる手順を整理します。
続いて、モバイル機器やモバイルバッテリーの充電器がメーカー指定のものかを確認します。
次に、消火器と屋内消火栓設備の設置場所を実際に歩いて確認し、操作手順を職員間で共有します。
そのうえで、休日や夜間を想定した通報訓練の日程を防火管理者が決めます。
通知に添付されたリーフレットは、そのまま庁内の周知資料として使うことができます。
やることが多そうに見えますが、順番に進めれば大丈夫そうですね。
はい。
今日できることから一つずつ進めていきましょう。
よくある質問
まとめ
うちの庁舎でも、まず電源コードの点検から始めてみます。
その積み重ねが庁舎を守ります。
㈱防災屋でもご相談を承っております。
㈱防災屋 代表取締役/消防設備士
平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!
本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。
詳しい経歴・保有資格を見る
- 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
- 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
- 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
- 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
- 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
- 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
- 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
- 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
- eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了
趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)
参考・出典
- 消防予第266号「都道府県及び市区町村の庁舎に係る防火安全対策の徹底等について」(令和7年6月25日、消防庁予防課長)
- 消防組織法(昭和22年法律第226号)第37条
※本記事は公表されている法令および消防庁の通知に基づく一般的な解説です。条例や運用は市町村ごとに異なる場合があります。個別の判断は所轄消防署にご確認ください。





