指定緊急避難場所に指定された施設でも、廃止や大きな変更は管理者の一存では進められません。
災害対策基本法は、廃止や重要な変更を加えようとするとき、管理者が市町村長へ届け出ると定めています。
国の通知は、届出が必要な範囲と、届出の出し方を説明しています。
通知と条文で、届出と取消しの仕組みを確かめます。
指定を受けた建物を増築するとき、何か手続が要るのでしょうか。
廃止や重要な変更を加えようとするときは、市町村長への届出が必要です。
重要な変更とは、どこまでをいうのですか。
令第20条の5が、総面積の10分の1以上の増減などを定めています。
順番に見ていきましょう。
- 指定緊急避難場所の管理者は、廃止や政令で定める重要な変更を加えようとするとき、市町村長へ届け出ます(災害対策基本法第49条の5)。
- 重要な変更には、総面積の10分の1以上の面積の増減を伴う変更などがあります(令第20条の5)。
- 通知は、面積の増減を、都道府県への通知で想定収容人数を算定する際に参考とした総面積を基に判断するよう求めています。
- 届出は、変更の内容を記載した届出書で行い、通知は、市町村に簡易な様式と方法を定めておくよう求めています。
- 廃止や基準への不適合を認めたとき、市町村長は指定を取り消し、都道府県知事へ通知して公示します(第49条の6)。
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目次
指定緊急避難場所の管理者は、なぜ廃止や変更の前に市町村長へ届け出るのか

指定を受けた施設は、管理者のものでも、指定緊急避難場所としての役割を負っています。
法と通知が、届出の趣旨を説明しています。
管理者は、廃止や重要な変更を加えようとするときに届け出ます。
第49条の5は、指定緊急避難場所を廃止し、又は現状に政令で定める重要な変更を加えようとするときは、内閣府令で定めるところにより市町村長に届け出なければならないと定めています。
届出が必要になるのは、廃止のときと、重要な変更を加えようとするときです。
通知は、指定の対象となる施設又は場所の一定以上の総面積の変更を、居住者等の安全の確保に多大な影響を及ぼすものと考えています。
届出の宛先は、都道府県ではなく市町村長です。
届出は、廃止のときだけでよいのですか。
廃止のほか、重要な変更を加えようとするときも必要です。
第49条の5で確かめます。
届出が必要になる重要な変更には、どんなものがあり、面積は何を基準に数えるのか

重要な変更の中身は、法ではなく政令が定めています。
通知と令第20条の5を照らして確かめます。
重要な変更は、令第20条の5が定めています。
通知は、「政令で定める重要な変更」の内容を、令第20条の5が定めていると説明しています。
第1号は、総面積(安全区域外にある令第20条の3第2号ロの施設は、居住者等受入用部分の総面積)の10分の1以上の面積の増減を伴う変更を挙げています。
第2号は、地震のために使うものを除く安全区域外の指定緊急避難場所について、改築又は増築による構造耐力上主要な部分の変更や、居住者等受入用部分までの避難上有効な階段その他の経路の廃止を挙げています。
第3号は、地震のときに使う施設について、改築又は増築による構造耐力上主要な部分の変更を挙げています。
面積の増減は、通知で示された総面積を基に判断します。
通知は、10分の1以上の増減があったかどうかを、市町村から都道府県への通知で想定収容人数を算定する際に参考とした総面積を基に判断するよう求めています。
面積が少し増えただけでも、届出が要るのですか。
令第20条の5第1号は、総面積の10分の1以上の増減を挙げています。
構造の変更などは、別の号が定めています。
届出は、どんな書面で、どのように出すのか

法は、届出を「内閣府令で定めるところにより」行うと定めています。
通知と施行規則が、その中身を説明しています。
届出は、変更の内容を記載した届出書で行います。
施行規則第1条の7は、変更の届出を、変更の内容を記載した届出書を提出して行うものと定めています。
通知は、具体的な様式を、法令上は特段定めていないと説明しています。
そのうえで、各市町村が、施設管理者の負担を考慮して簡易な様式を定めておくよう求めています。
通知は、届出の方法についても、簡易な方法を各市町村で検討するよう求めています。
届出書は、決まった様式で出すのですか。
通知は、様式を法令上特段定めていないと説明しています。
市町村が簡易な様式を定めておくよう求めています。
指定緊急避難場所が廃止されたり基準に適合しなくなったら、指定はどうなるのか

届出を受ける市町村長には、指定を取り消す役割もあります。
通知と法が、取消しの場面と手続を説明しています。
市町村長は、廃止や基準への不適合を認めたとき、指定を取り消します。
第49条の6第1項は、指定緊急避難場所が廃止され、又は政令で定める基準に適合しなくなったと認めるときは、市町村長が指定を取り消すものと定めています。
取り消したときは、その旨を都道府県知事に通知し、公示しなければなりません(同条第2項)。
通知は、公示の様式は定めていないが、指定を行った際の公示と同様の方式に従って居住者等へ公示するよう求めています。
通知は、管理状況の把握を、変更届出のほか、防災訓練で使用する際の状況把握などでも行うよう求めています。
指定は、いつまでも続くのですか。
廃止や基準への不適合を認めたときは、取り消すものとされています。
第49条の6で確かめます。
明日から何を確認しておけばよいのか

指定を受けた施設の管理者は、廃止や改築の予定が出たら、届出の要否を確かめておきます。
平常時に、次の点を確認します。
変更を加える前に、届出の要否を確かめます。
廃止や増築、改築の予定が決まった段階で、市町村長への届出が必要かを市町村へ確認します。
面積が変わるときは、増減が総面積の10分の1以上になるかを、市町村が把握している総面積と照らして確認します。
構造耐力上主要な部分に及ぶ改築や増築、避難上有効な階段その他の経路の廃止に当たらないかも確認します。
届出書の様式と出し方を、市町村の窓口で確認します。
個別の判断は、市町村の担当部署にご確認ください。
変更する前に、何から確かめればよいのですか。
まず、市町村へ届出の要否を確認します。
よくある質問もあわせてご確認ください。
よくある質問
まとめ
市町村への確認から、まず始めてみます!
それが一番の備えになります。
㈱防災屋でもご相談を承っております。
㈱防災屋 代表取締役/消防設備士
平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!
本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。
詳しい経歴・保有資格を見る
- 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
- 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
- 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
- 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
- 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
- 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
- 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
- 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
- eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了
趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)
参考・出典
- 災害対策基本法等(地区防災計画、指定緊急避難場所及び指定避難所関連事項)の運用について(平成26年3月26日 府政防第369号・消防災第126号)
- 災害対策基本法(昭和36年法律第223号)第49条の5、第49条の6
- 災害対策基本法施行令(昭和37年政令第288号)第20条の5
- 災害対策基本法施行規則(昭和37年総理府令第52号)第1条の7
※本記事は公表されている法令および消防庁の通知に基づく一般的な解説です。条例や運用は市町村ごとに異なる場合があります。個別の判断は所轄消防署にご確認ください。





