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AEDの設置登録情報はなぜ財団への登録が呼びかけられるのか|平成27年の消防庁通知が示す承諾と更新を解説

AEDの設置登録情報はなぜ財団への登録が呼びかけられるのかを解説する記事のアイキャッチ画像。事務所ビルの玄関ホールの壁に掛けられた白いAED格納箱の写真

職場や店舗にAEDを置いても、設置場所を外の人が知らなければ、いざという時に使ってもらえません。
では、AEDの設置場所の情報は、どこに、どのように登録されているのでしょうか。
平成27年8月25日に消防庁救急企画室長が出した通知は、財団が把握するAED設置登録情報の有効活用を都道府県に求めています。
この記事では、その通知の内容と、設置者にとっての意味を整理します。

うちにもAEDがありますが、設置場所の情報は誰がまとめているのですか。

通知は、日本救急医療財団が把握するAED設置登録情報を取り上げています。
まずは通知の中身から見ていきましょう。

登録しておかないと、何か困ることがあるのですか。

通知は、設置者への登録の呼びかけを都道府県に求めています。
くわしく見ていきます。

この記事の結論
  • 平成27年8月25日の消防庁救急企画室長通知(消防救第119号)は、財団が把握するAED設置登録情報の活用を各都道府県に求めたものです。
  • 財団に登録された情報のうち、設置者が地方公共団体への情報提供を承諾したものは、都道府県の担当部局を通じて入手できるようになりました。
  • 通知は、財団全国AEDマップの活用や、通信指令システムへの登録と口頭指導での活用を検討するよう求めています。
  • 消防機関以外の設置者には、財団への登録と適切な情報更新を呼びかけることが、都道府県に求められています。
  • 通知は都道府県への助言(消防組織法第37条)で、事業所に登録義務を課す文言は書かれていません。

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AED設置者が財団全国AEDマップへ登録し、情報が自治体や消防本部に提供されて活用される流れを示した図解

AEDの設置登録情報はなぜ消防庁から通知されたのか

学校と店舗と集会所が並び、それぞれの入口脇に白い壁掛けの箱があるイラスト
この通知は、平成27年8月25日に消防庁救急企画室長から各都道府県の消防防災主管部(局)長へ出されました。
冒頭で経緯が書かれているので、まず確認します。
(AED設置登録情報の有効活用等について 平成27年8月25日消防救第119号 消防庁救急企画室長)自動体外式除細動器(以下「AED」という。)については、平成16年に非医療従事者である一般市民にも使用が認められて以降、学校、駅、公共施設、商業施設等を中心に急速に普及してきました。この間、(略)において、AEDの効果的かつ効率的な設置拡大と応急手当の普及啓発の一層の推進をお願いしているところです。
(AED設置登録情報の有効活用等について 平成27年8月25日消防救第119号 消防庁救急企画室長)今般、厚生労働省から、一般財団法人日本救急医療財団(以下「財団」という。)が把握するAED設置登録情報の有効活用等に関して、別添のとおり、(略)が発出されました。貴職におかれましては、AEDが必要な場合に有効に使用され、地域の救命率が向上するよう、下記のとおり対応していただくとともに、貴都道府県内市町村(略)に対してもこの旨周知し、各地域における更なる取組を促進していただくようお願いします。
通知は、普及したAEDを実際に使ってもらうため、設置登録情報の活用を求めて出されました。
冒頭には、AEDが平成16年に一般市民にも使用が認められ、学校や駅、公共施設、商業施設等を中心に急速に普及してきたと書かれています。
消防庁はこれまでも、設置拡大と応急手当の普及啓発を推進するよう通知でお願いしてきました。
今回の通知は、厚生労働省から財団が把握する設置登録情報の有効活用に関する通知が出されたことを受けたものです。
特定の事故名は書かれておらず、ねらいは、AEDが必要な場合に有効に使用され、地域の救命率が向上することと示されています。

通知が出たのは、AEDで何か問題があったからなのですか。

通知の文面には、特定の事故名は書かれていません。
書かれている範囲だけで読みましょう。

どのAEDのどんな情報が通知の対象になるのか

壁掛けの白い箱と白紙の登録カード、書類箱、小さな役所の建物のイラスト
通知の第1項は、財団に登録された情報の入手と活用について書いています。
あわせて、通知が助言として出されたことも確認します。
(AED設置登録情報の有効活用等について 平成27年8月25日消防救第119号 消防庁救急企画室長)財団に登録されているAED設置登録情報(AEDが設置されている場所や使用可能時間等に関する登録情報)のうち、すでに地方公共団体への情報提供の承諾をAED設置者から得ているものについては、都道府県の担当部局を通じての入手が可能となりました。
(AED設置登録情報の有効活用等について 平成27年8月25日消防救第119号 消防庁救急企画室長)なお、本通知は、消防組織法(昭和22年法律第226号)第37条の規定に基づく助言として発出するものであることを申し添えます。
(消防組織法 第三十七条)消防庁長官は、必要に応じ、消防に関する事項について都道府県又は市町村に対して助言を与え、勧告し、又は指導を行うことができる。
対象になるのは、財団に登録された設置場所や使用可能時間等の情報です。
通知は、財団に登録された情報のうち、設置者が地方公共団体への情報提供を承諾しているものが、都道府県の担当部局を通じて入手できるようになったと書いています。
つまり、設置者の承諾を得ているものが、自治体へ情報が届く対象と読めます。
通知の宛先は各都道府県の消防防災主管部(局)長で、都道府県内の市町村にも周知するよう求めています。
消防組織法第37条は、消防庁長官が都道府県または市町村に助言を与えることを認めており、この通知はその助言として出されたものです。

うちのAEDの情報も、自動的に自治体へ渡るのですか。

通知は、設置者の承諾を得ているものが入手可能になったと書いています。
承諾を得ていない情報の扱いは、通知には書かれていません。

通知は登録情報の活用についてどんな取組を求めているのか

橙色のピンが立つ白紙の地図板と、空白のモニターが並ぶ指令台のイラスト
通知の第2項と第3項が、登録情報の使い道を書いています。
原文を順に確認します。
(AED設置登録情報の有効活用等について 平成27年8月25日消防救第119号 消防庁救急企画室長)2 日本救急医療財団全国AEDマップを用いた情報提供の推進について (略)今般、財団からAED設置登録情報が提供されることを踏まえ、既に住民に対する情報提供を実施している地域にあっては、担当部局等と連携しつつ、日本救急医療財団全国AEDマップを活用した更なる機能の充実について検討をお願いします。また、住民に対する情報提供を実施していない地域にあっても、財団ホームページに掲載される日本救急医療財団全国AEDマップのうち、該当する地域の部分について既存のホームページ上にリンクを設定する等、情報提供に向けた活用について検討していただくようお願いします。
(AED設置登録情報の有効活用等について 平成27年8月25日消防救第119号 消防庁救急企画室長)3 AEDの設置場所に関する情報の通信指令システム及び口頭指導における活用の推進について (略)今般、財団からAED設置登録情報が提供されますので、検討に当たっては、当該情報の活用について検討していただくようお願いします。その際、日本救急医療財団心肺蘇生法委員会において妥当な指標として承認を得た「精度」の活用についても、併せて検討をお願いします。
通知は、財団の登録情報を、住民への情報提供と口頭指導の二つに活かすよう求めています。
第2項は、すでに住民へ情報提供している地域には全国AEDマップを活用した機能の充実を、まだの地域には自治体のホームページへのリンク設定などを検討するよう求めています。
第3項は、通信指令システムへの登録と口頭指導での活用について、財団から提供される登録情報を使うことを検討するよう求めています。
あわせて、財団の心肺蘇生法委員会が妥当な指標として承認した「精度」の活用も検討するよう書かれています。
いずれも「検討をお願いします」という書き方で、都道府県が検討して進めることを求めた項目です。

「精度」とは、何のことなのですか。

通知は、財団の委員会が妥当な指標として承認したものと書いています。
内容は、財団のAEDマップの案内で確認しましょう。

登録した情報を保つために見落としやすいのはどこか

点検札が下がった白い壁掛けの箱と予備の白紙のパッド、白紙の矢印看板のイラスト
第4項は、登録情報を正しい状態に保つことを求めています。
原文を確認します。
(AED設置登録情報の有効活用等について 平成27年8月25日消防救第119号 消防庁救急企画室長)4 AED設置登録情報の適正化と有効活用するための環境整備 (1)消防機関が設置・管理しているAED設置登録情報について、随時最新情報へ更新するとともに、設置管理者による日常点検等、維持管理についても再確認していただくようお願いします。(2)消防機関が設置・管理しているAEDについて、未登録の情報がある場合は適正に登録作業を実施していただくようお願いします。
(AED設置登録情報の有効活用等について 平成27年8月25日消防救第119号 消防庁救急企画室長)(3)消防機関が設置・管理しているAEDが有効に使用されるため、マップ情報のみならずAED設置施設の入り口への明示や設置場所までの誘導表示の充実など、必要な環境整備について検討していただくようお願いします。(4)消防機関以外のAED設置者に対し、AED設置登録情報の財団への登録や適切な情報更新を呼びかけることなどにより、AED設置登録情報の充実に協力していただくようお願いします。
登録したあとも、情報を新しく保つことが通知の求める中心です。
第4項の(1)は、登録情報を随時最新に更新し、設置管理者による日常点検等の維持管理も再確認するよう求めています。
ただし(1)から(3)は、書かれている対象が消防機関が設置・管理しているAEDである点に注意が必要です。
事業所などの設置者に関わるのは(4)で、都道府県が設置者に、財団への登録と適切な情報更新を呼びかけることが求められています。
財団全国AEDマップの案内では、登録後も設置から2年、4年、6年を境にピンの色が青から黄、赤、灰へ順に変わるが、パッドの使用期限とバッテリの有効期限を入力すれば精度を維持・回復できると説明されています。

うちのAEDは消防機関の設置ではないのですが、この項目は関係ないのですか。

(1)から(3)は消防機関の設置分ですが、(4)は設置者への呼びかけを求めています。
登録と更新は、設置者自身で確認しましょう。

事業所は明日から何を確認すればよいのか

空欄のチェック欄がある白紙のクリップボードと虫眼鏡、壁掛けの白い箱がある小さな事務所ビルの模型のイラスト
平成27年の通知は、事業所に義務を課す書き方ではありません。
設置者として確認するなら、通知と財団の案内を合わせて読みます。 確認したいのは、登録の有無・登録内容の新しさ・使える時間の3点です。
1点目は、AEDが財団全国AEDマップに登録されているかです。財団の案内では、国内で販売されるAEDには出荷時に登録書が同梱されているとされ、登録書が見当たらないときは、販売・貸与業者や設置を委託した相手に照会するよう案内されています。
2点目は、パッドの使用期限とバッテリの有効期限が登録内容に入っているか、設置年月日が古いままになっていないかです。
3点目は、設置場所の概要や使用可能日・使用可能時間帯など、登録内容が今の実態と合っているかです。
更新や廃棄があったときは、販売店または財団へ問い合わせるよう案内されています。

公開に同意するかどうかは、どう決めればよいのでしょうか。

財団は、設置者と設置管理者の同意を得たものを公開すると案内しています。
まず社内の管理者と相談しましょう。

よくある質問

QAEDの設置登録は、この通知で義務づけられているのですか?
A通知は消防組織法第37条に基づく助言で、都道府県に登録を呼びかけることを求める文面です。事業所に登録義務を課す文言は書かれておらず、個別の場面は所轄消防署や自治体にご確認ください。
Q設置者が承諾しなければ、自治体はAEDの情報を得られないのですか?
A通知は、承諾を得ているものについて都道府県の担当部局を通じて入手が可能になったと書いています。承諾を得ていない情報の扱いは、通知には書かれていません。
QAEDマップの「精度」とは何のことですか?
A通知は、財団の心肺蘇生法委員会が妥当な指標として承認したものと書いています。財団の案内では、パッドとバッテリの入力の有無、設置年月日からの年数で精度が区分されています。
QAEDを入れ替えたり廃棄したりしたら、登録はどうなるのですか?
A財団の案内では、更新や廃棄があったときは販売店または財団へ問い合わせるとされています。

まとめ

✔平成27年8月25日の消防庁救急企画室長通知(消防救第119号)は、AED設置登録情報の有効活用を都道府県に求めた
✔財団に登録された情報のうち、設置者が承諾したものは、都道府県の担当部局を通じて入手できるようになった
✔通知は、財団全国AEDマップの活用と、通信指令システム・口頭指導での登録情報の活用を検討するよう求めている
✔「精度」の活用も、財団の委員会が妥当な指標として承認したものとして検討対象に挙げられている
✔(1)から(3)は消防機関の設置分で、事業所などの設置者に関わるのは(4)の登録と更新の呼びかけである
✔財団の案内では、パッドの使用期限とバッテリの有効期限を入力すると精度を維持・回復できる
✔事業所は、登録の有無と登録内容の新しさの確認から始める

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AEDの管理も、㈱防災屋でもご相談を承っております。

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お問い合わせ

監修・編集者
青木 俊輔
青木 俊輔

㈱防災屋 代表取締役/消防設備士

平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!

本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。

詳しい経歴・保有資格を見る
学歴
  • 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
  • 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
  • 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
保有資格
  • 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
  • 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
  • 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
  • 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
  • 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
  • eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了

趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)

主な活動

参考・出典

  • AED設置登録情報の有効活用等について(平成27年8月25日 消防救第119号 消防庁救急企画室長)
  • 消防組織法(昭和22年法律第226号)第37条
  • 財団全国AEDマップの案内(一般財団法人日本救急医療財団)

※本記事は公表されている法令および消防庁の通知に基づく一般的な解説です。条例や運用は市町村ごとに異なる場合があります。個別の判断は所轄消防署にご確認ください。

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