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ガス漏れ火災警報設備の総合点検では何を確かめるのか|2回線の同時作動と非常電源に切り替えた総合作動を解説

ガス漏れ火災警報設備の総合点検では何を確かめるのか|2回線の同時作動と非常電源に切り替えた総合作動を解説

ガス漏れ火災警報設備の点検には、機器点検と総合点検の二つがあるのをご存じでしょうか。
機器点検は部品や機能を一つずつ確かめるものですが、総合点検は設備を実際に動かして全体を確かめます。
点検要領を見ると、総合点検の項目は同時作動、警報装置の音圧、総合作動の三つだけと、意外にすっきりしています。
この記事では、告示と点検要領をもとに、総合点検で何をどう確かめるのかを整理します。

総合点検って、機器点検とどう違うのですか。

機器点検が外観や簡易な操作で確かめるのに対し、総合点検は設備を作動させて総合的な機能を確かめます。
まず全体像から見ていきましょう。

検知器を鳴らして、受信機まで動くかを見るのでしょうか。

それに非常電源に切り替えた状態での確認まで加わります。
順番に見ていきましょう。

この記事の結論
  • 総合点検は、設備を作動させて総合的な機能を確かめる点検で、ガス漏れ火災警報設備は1年ごとに行います。
  • 点検要領の総合点検の項目は、同時作動・音圧・総合作動の三つです。
  • 同時作動は、2回線を同時に作動させて、受信機と警報装置の作動を確かめます。
  • 総合作動は、非常電源に切り替えた状態で任意の検知器を作動させて確かめます。
  • 検知区域警報装置の音圧は、前方1mの位置で70dB以上あることを確かめます。

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ガス漏れ火災警報設備の総合点検で、同時作動、非常電源での総合作動、警報の音圧を確かめることを整理した図解

ガス漏れ火災警報設備の総合点検は機器点検と何が違うのか

壁の左に白いガス漏れ検知器、右に灰色の受信機、その間に丸い警報装置が並び、細い配管で結ばれているイラスト
消防用設備等の点検は、機器点検と総合点検に分かれています。
二つの中身は、告示が次のように定めています。
平成16年消防庁告示第9号 第2
1 機器点検 …(2)消防用設備等の機器の適正な配置、損傷等の有無その他主として外観から判別できる事項 (3)消防用設備等の機能について、外観から又は簡易な操作により判別できる事項
2 総合点検 消防用設備等の全部若しくは一部を作動させ、又は当該消防用設備等を使用することにより、当該消防用設備等の総合的な機能を…確認すること。
機器点検は外観や簡易な操作で確かめ、総合点検は設備を作動させて総合的な機能を確かめます。
点検の期間は、同じ告示の第3で、ガス漏れ火災警報設備の機器点検が6月、総合点検が1年と定められています。
だから、総合点検の日は、機器点検のついでではなく、年に1回の作動確認として日程に入れておくのが安心です。
点検票と報告の考え方は点検票と報告の記事で整理しています。

総合点検の日は、機器点検とは別に組むべきですか。

期間は機器点検が6月、総合点検が1年と別々に定められています。
同じ日にまとめる場合も、両方の項目を漏らさず行ってください。

2回線を同時に作動させると何を確かめるのか

二台の業務用ガスコンロの上の壁にそれぞれ白い検知器があり、細い配管が右の一つの灰色の受信機へつながるイラスト
総合点検の一つ目の項目は、同時作動です。
点検要領には、次のように書かれています。
消防用設備等の点検要領(消防庁通知) 第11の2 ガス漏れ火災警報設備 3 総合点検 同時作動
(点検方法)2回線を同時に作動させ確認する。
(判定方法)中継器、ガス漏れ表示灯及び検知区域警報装置の作動が正常であり、受信機のガス漏れ灯、主音響装置の作動及び警戒区域の表示が適正であること。
2回線を同時に作動させ、受信機と警報装置がそろって正常に動くことを確かめます。
見る先は、中継器・ガス漏れ表示灯・検知区域警報装置の現場側の三つと、受信機のガス漏れ灯・主音響装置・警戒区域の表示の受信機側の三つです。
機器点検のガス漏れ表示の確認では回線ごとに順次操作する手順が示されており、二つの回線が同時に作動したときの動きは、総合点検で確かめる項目です。
点検要領は同時作動の理由までは書いていませんが、複数の検知器が同時に作動する場面を想定した確認と読み取れます。
機器点検の作動試験の数え方は検知器の作動試験の記事で扱っています。

2回線は、どの回線を選んでもよいのですか。

点検要領には、どの回線かまでは書かれていません。
設備の仕様や所轄消防署の指導に沿って選びましょう。

総合作動はなぜ非常電源に切り替えて行うのか

灰色の受信機に白い検知器が並び、右の平たい非常電源の箱が太いケーブルでつながり、間に小さなブレーカーが付くイラスト
二つ目の項目は、総合作動です。
点検方法の書き出しが、他の項目と大きく違います。
消防用設備等の点検要領(消防庁通知) 第11の2 ガス漏れ火災警報設備 3 総合点検 総合作動
(点検方法)非常電源に切り替えた状態で、任意の検知器を作動させ確認する。
※ 非常電源に代えて予備電源で実施してもよい。
(判定方法)燃料用ガスが使用されるものに設けられている場合にあっては、中継器、ガス漏れ表示灯及び検知区域警報装置の作動が正常であり、受信機のガス漏れ灯、主音響装置の作動及び警戒区域の表示が適正であること…
非常電源に切り替えた状態で、任意の検知器を作動させて確かめるのが総合作動です。
検知器は任意のものでよく、非常電源に代えて予備電源で行ってもよいと、留意事項に書かれています。
点検要領は理由を書いていませんが、常用電源が止まった状態でも警報が出ることを確かめる項目と読み取れます。
受信機の予備電源や切替装置は機器点検にも項目があるので、総合点検では実際に鳴らしてみるのが違いです。

任意の検知器って、全部を鳴らさなくてよいのですか。

総合作動は任意の検知器を作動させて確かめます。
検知器ごとの試験は、機器点検の作動試験で行います。

検知区域警報装置の音圧はどう測るのか

壁の丸い警報装置の前に、床の点線を挟んで三脚に載った小さな騒音計が向き合うイラスト
三つ目の項目は、検知区域警報装置の音圧です。
測る位置と器具まで、細かく決まっています。
消防用設備等の点検要領(消防庁通知) 第11の2 ガス漏れ火災警報設備 3 総合点検 検知区域警報装置の音圧
(点検方法)検知器を作動させ、検知区域警報装置を鳴動した場合に、当該装置の中心から前方1m離れた位置で指示騒音計(A特性)を用いて、規定の音圧が得られるか確認する。この場合、ボックス等に内蔵されたものは、その状態で測定すること。
(判定方法)音圧は、70dB以上であること。
装置の中心から前方1mの位置で、指示騒音計のA特性を使い、70dB以上を確かめます。
箱に内蔵された装置は、箱に入れたまま測ることになっています。
音圧の基準がどこから来るのかは検知区域警報装置の記事で扱っています。

箱から出したほうが、測りやすいのではないですか。

点検要領は、内蔵されたものはその状態で測定するとしています。
取り外さずに測りましょう。

温泉の採取のための設備があるときは何を確かめるのか

左にフランジ付きの太い鋼管、奥の壁に白い検知器、右に丸い文字盤の濃度指示装置があるイラスト
総合作動の判定方法には、かっこ書きが付いています。
温泉の採取のための設備に設けたガス漏れ火災警報設備の場合です。
消防用設備等の点検要領(消防庁通知) 第11の2 ガス漏れ火災警報設備 3 総合点検 総合作動(判定方法)
…(温泉の採取のための設備が設置されているものに設けられている場合にあっては、ガスの濃度を指示するための装置、ガス漏れ表示灯及び検知区域警報装置の作動が正常であること。)
温泉の採取のための設備では、ガスの濃度を指示する装置の作動も確かめます。
規則は、温泉の採取のための設備に検知器を設けるときは、ガスの濃度を指示するための装置を防災センター等に設けることとしています。
だから、判定方法でも受信機の代わりに濃度指示装置が並ぶのです。
対象になる場合の考え方は温泉の採取のための設備の記事にまとめています。
消防法施行規則第24条の2の3第1項第1号イ(ロ)
…温泉の採取のための設備の周囲の長さ10メートルにつき1個以上当該温泉の採取のための設備の付近でガスを有効に検知できる場所…に設けるとともに、ガスの濃度を指示するための装置を設けること。この場合において、当該装置は、防災センター等に設けること。

温泉の設備がない建物には、関係のない話ですか。

そのとおりです。
燃料用ガスを使う建物では、中継器と表示灯と警報装置の作動を確かめます。

よくある質問

Qガス漏れ火災警報設備の総合点検は、どのくらいの間隔で行いますか?
A告示で、機器点検は6月、総合点検は1年と定められています。
Q総合点検の項目は、いくつありますか?
A点検要領の表に並ぶのは、同時作動・検知区域警報装置の音圧・総合作動の三つです。
Q総合作動は、非常電源の代わりに何で行えますか?
A留意事項で、非常電源に代えて予備電源で実施してもよいとされています。
Q検知区域警報装置の音圧の判定は何dBですか?
A装置の中心から前方1mの位置で、70dB以上であることです。

まとめ

✔総合点検は、設備を作動させて総合的な機能を確かめる点検である
✔ガス漏れ火災警報設備の点検期間は、機器点検が6月、総合点検が1年
✔総合点検の項目は、同時作動・音圧・総合作動の三つ
✔同時作動は、2回線を同時に作動させて受信機側と現場側の作動を確かめる
✔総合作動は、非常電源に切り替えた状態で任意の検知器を作動させる(予備電源でもよい)
✔検知区域警報装置の音圧は、前方1mで指示騒音計のA特性により70dB以上を確かめる
✔温泉の採取のための設備では、ガスの濃度を指示する装置の作動も確かめる

まず前回の総合点検の記録を確かめて、次の日程を決めます!

年に1回の点検を抜けなく行うことが大切です。
㈱防災屋でもご相談を承っております。

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監修・編集者
青木 俊輔
青木 俊輔

㈱防災屋 代表取締役/消防設備士

平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!

本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。

詳しい経歴・保有資格を見る
学歴
  • 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
  • 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
  • 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
保有資格
  • 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
  • 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
  • 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
  • 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
  • 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
  • eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了

趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)

主な活動

参考・出典

  • 消防法施行規則第31条の6(消防用設備等の点検及び報告)、第24条の2の3(ガス漏れ火災警報設備に関する基準の細目)
  • 消防法施行規則の規定に基づき、消防用設備等又は特殊消防用設備等の種類及び点検内容に応じて行う点検の期間、点検の方法並びに点検の結果についての報告書の様式を定める件(平成16年消防庁告示第9号)
  • 消防用設備等の点検要領(消防庁通知) 第11の2 ガス漏れ火災警報設備

※本記事は公表されている法令および消防庁の通知に基づく一般的な解説です。点検要領は改正されることがあります。個別の判断は、消防設備士や所轄消防署にご確認ください。

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