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樹脂製窓の防火設備で不正受験が判明したとき消防庁はなぜ通知を出したのか|大臣認定の取消と消防法令の開口部との関係を解説

白い樹脂製の窓と鉄の扉が並ぶ建物の廊下の壁の写真

建物の窓は、火災のときに炎を遮る防火設備として、国土交通大臣の認定を受けたものが使われます。
平成21年1月、樹脂製の防火設備の窓で、不正な試験体を使った認定が明らかになりました。
消防庁は、同月27日の消防予第40号で、この窓が消防法令の開口部に使われている場合があると各地へ伝えました。
この記事では、通知の中身と、防火管理者が確かめる点を解説します。

うちの建物の窓は、認定を受けたものだと聞いています。
認定が取り消されることがあるのですか。

あります。
通知は、認定を取り消された樹脂製窓があったと述べています。
まず、経緯から確かめましょう。

消防の設備にも関係するのでしょうか。

はい、消防法令の区画の開口部に使われている場合があります。
順に見ていきます。

この記事の結論
  • 消防庁予防課長は、平成21年1月27日の消防予第40号で、防火設備(樹脂製窓)が不正に大臣認定を受けていたことを、各地へ知らせました。
  • 国土交通省は、平成21年1月15日付けで、該当する構造方法の認定を取り消したと述べています。
  • 消防庁は、この窓が消防法施行規則第13条の区画の開口部や、特定共同住宅等の外壁に面する開口部に使われている場合があるとして、留意を求めました。
  • 国土交通省は、建築確認の審査中の物件は審査を保留すること、既存の建築物は改修等を確認することを、特定行政庁に求めました。
  • 通知は助言であり、自分の建物の窓が該当するかは、建築の担当部局と所轄の消防本部に確認してください。

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不正な試験体で大臣認定を受けた樹脂製窓の認定が取り消され、消防法令の開口部に使われていないかを確かめる流れを示す図解

樹脂製窓の防火設備で不正受験が判明したとき消防庁はなぜ通知を出したのか

白い窓枠の模型と灰色の試験体と、赤い印の付いた書類が並ぶイラスト
まず、通知の書き出しを確かめます。
次に、国土交通省の文書が述べる中身を見ます。
消防予第40号「防火設備(樹脂製窓)の性能試験における不正受験に関する対応について」(平成21年1月27日、消防庁予防課長)は、次のように述べています。
標記については、(略)の5社が、不正に国土交通大臣の認定を受け、認定を取り消された防火設備(樹脂製窓)があったことが判明しました。
通知は、五つの会社について、不正な認定と取消を述べています。
社名は通知に挙がっていますが、この記事では特定の会社の評価はしません。
この通知は、国土交通省住宅局が各都道府県に出した文書を、別添として付けています。
別添の文書は、各社が申請した仕様と異なる試験体を使って、建築基準法に基づく性能評価を受け、大臣認定を得ていたと述べています。
さらに、別紙に掲げる構造方法の認定を、平成21年1月15日付けで取り消したと述べています。 大臣認定の根拠は、建築基準法にあります。
建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第二条第九号の二ロ
その外壁の開口部で延焼のおそれのある部分に、防火戸その他の政令で定める防火設備(その構造が遮炎性能(通常の火災時における火炎を有効に遮るために防火設備に必要とされる性能をいう。第二十七条第一項において同じ。)に関して政令で定める技術的基準に適合するもので、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたものに限る。)を有すること。
防火設備は、大臣が定めた構造方法か、大臣の認定を受けたものに限られます。
上の条文は、耐火建築物の外壁の開口部について述べた規定の一部です。
認定が取り消されれば、その構造方法は、認定を受けたものとして使えなくなります。
次に、消防法令のどこに関わるのかを確かめましょう。

認定の制度が、防火設備の信頼の土台なのですね。

はい、その認定が不正だったため、通知が出されました。
次に、消防法令との関わりを見ましょう。

認定を取り消された樹脂製窓は消防法令のどこで使われている可能性があるのか

二枚の板が並び、白い窓枠の模型と、窓の並んだ建物の模型が並ぶイラスト
消防庁の通知は、二つの場面を挙げています。
まず、通知の該当部分を確かめます。
消防予第40号(平成21年1月27日、消防庁予防課長)は、次のように述べています。
当該防火設備が消防法施行規則(昭和36年自治省令第6号)第13条に規定するスプリンクラーを設置することを要しない階の部分等を区画する壁及び床の開口部及び特定共同住宅等の位置、構造及び設備を定める件(平成17年消防庁告示第2号)第3第3号(2)に規定する特定共同住宅等における住戸等の外壁に面する開口部に使用されている場合があること等にご留意下さい。
通知は、二つの開口部に使われている場合があると述べています。
一つ目は、規則第13条が定める、スプリンクラー設備を設置することを要しない階の部分等を区画する壁や床の開口部です。
二つ目は、特定共同住宅等の、住戸等の外壁に面する開口部です。
現行の条文で、二つの根拠を確かめます。
消防法施行規則(昭和三十六年自治省令第六号)第十三条第一項第一号ニ
ハの開口部には、防火戸(略)を設けたものであること。
特定共同住宅等の位置、構造及び設備を定める件(平成十七年消防庁告示第二号)第三の三(二)イ
上下に設けられた開口部(直径〇・一五メートル以下の換気口等及び相互間の距離が三・六メートル以上である開口部を除く。)に防火設備である防火戸が設けられていること。
現行の規則と告示にも、開口部の防火戸や防火設備の定めがあります。
規則第13条の引用は、区画する壁や床の開口部に、防火戸を設ける部分です。
告示の引用は、通知が挙げた外壁の開口部について、上下の開口部の防火設備を述べた部分です。
したがって、通知が留意を求めた二つの場面は、現在も条文に残っていると読めます。

区画や外壁の開口部の窓が、関係するのですね。

はい、通知は、使われている場合があると述べています。
次に、国土交通省の求めを見ましょう。

建築確認の審査中や既存の建築物で国土交通省は何を求めたのか

白い窓枠が付いた壁と、紺色の階段の模型と、扉の板が並ぶイラスト
国土交通省の別添の文書は、都道府県に二つの対応を求めています。
表で整理します。
場面別添の文書が求めた対応
建築確認の審査中の物件当該防火設備を使っていることが明らかになった場合、審査を保留し、建築主に必要な措置を講じるよう通知する。結果は速やかに国土交通省へ報告する
既存の建築物当該防火設備が使われ、建築基準法の基準に適合しないものについて、各社の報告等を受けて改修等が行われたことを確認し、その内容を国土交通省へ報告する
対応の窓口は、建築の担当部局である特定行政庁です。
別添の文書は、各社に対しても、当該防火設備が使われた建築物のうち基準に適合しないものを特定し、特定行政庁へ順次報告するよう指示していると述べています。
消防庁の通知は、この文書を各都道府県に知らせ、市町村への周知を依頼しています。
改修等の確認の主体は、建築基準法を所管する特定行政庁と読めます。
消防予第40号(平成21年1月27日、消防庁予防課長)は、次のように述べています。
各都道府県消防防災主管部長におかれましては、貴都道府県内の市町村に対し、この旨周知するようお願いします。
消防機関の役割は、消防法令の面から、周知と留意を進めることです。
通知は、消防用設備等の設置の可否を、この文書だけで判断するとは述べていません。
したがって、自分の建物の窓が該当するかは、建築の担当部局の確認が先になります。

建築の側で、審査や改修を確認する仕組みなのですね。

はい、通知は、消防機関へ周知を求めたものです。
次に、見落としやすい点を確かめましょう。

この通知を読むときに見落としやすい点はどこにあるのか

赤い印の付いた許可書と、丸い虫眼鏡と、白い窓枠の模型が並ぶイラスト
この通知には、読み違えやすい点が三つあります。
まず、次の表で確かめます。
読み違えやすい点通知から言えること
取り消された窓が入っていれば、直ちに消防法令違反になるのか通知は、違反になるとは述べていません。使用されている場合があることに、留意を求めています
この通知は、現在の建物にも当てはまるのか通知は平成21年1月のものです。現在の建物の状況は、この通知だけでは分かりません
消防機関が窓の認定の当否を判断するのか認定は、建築基準法に基づく国土交通大臣のものです。通知は、消防機関に周知と留意を求めています
通知は、平成21年の時点の対応を述べたものです。
別添の文書は、当該認定を、平成21年1月15日付けで取り消したと述べています。
対象になった構造方法は、複層ガラス入硬質塩化ビニル樹脂製の窓で、認定を受けたのは、平成15年から平成20年です。
別紙は、それらを、両面防火設備と片面防火設備の区分ごとに、認定番号と認定年月日つきで並べています。
個別の建物の窓が該当するかは、別紙の一覧と、建物の書類を照らして確かめる必要があります。
  • 通知は、消防組織法に基づく助言として出されているため、運用は市町村ごとに違うことがある
  • 消防用設備等の設置の可否は、この通知だけでは決まらない
  • 建築基準法の基準への適合は、特定行政庁の確認の対象である

該当するかどうかは、別に確かめるのですね。

はい、通知が述べるのは、留意の依頼までです。
最後に、確認する手順をまとめます。

明日から何を確認すればよいのか

何も書かれていないチェックリストの板と、白い窓枠の模型と、三冊の綴じ込みが並ぶイラスト
確かめる順番は、次のとおりです。
どれも、建物の書類と、建築の担当部局への確認が中心になります。
  • 区画の壁や外壁に、樹脂製の窓が使われていないかを、図面や施工の記録で確かめる
  • 使われていれば、その窓の認定番号を書類で確かめ、認定の取消に当たらないかを、施工者や設計者に問い合わせる
  • 取消の対象かどうかの判断は、特定行政庁に相談する
  • 消防用設備等の設置に関わる場合は、所轄の消防本部にも状況を伝える
  • 確認した結果と、相談した内容を、防火管理の記録に残しておく
この通知は、窓を疑うためのものではなく、確かめる手順を持つためのものです。
取消の対象になった構造方法は、別紙で特定されています。
書類が見つからない場合は、施工者と特定行政庁に問い合わせてください。
迷ったときは、所轄の消防本部に確認してください。

うちの建物の窓の認定番号を、書類で確かめます。

まず、図面と施工の記録を探しましょう。
見つからないときは、施工者と建築の担当部局に相談します。

よくある質問

Q樹脂製の窓は、すべて認定を取り消されたのですか?
Aいいえ。別添の文書が取り消したのは、別紙に掲げる構造方法の認定です。樹脂製の窓の全般ではありません。
Q取り消された窓が入っていると、消防法令違反になりますか?
A通知は、違反になるとは述べていません。使用されている場合があることに留意するよう求めています。
Q自分の建物が該当するかは、誰に聞けばよいですか?
A基準への適合は、建築基準法を所管する特定行政庁が確認します。消防用設備等の関わりは、所轄の消防本部にも確認してください。
Qこの通知は、今も有効なのですか?
A通知は、平成21年1月の時点の対応を述べたものです。現在の運用は、所轄の消防本部と特定行政庁に確認してください。

まとめ

✔消防予第40号は、防火設備(樹脂製窓)の不正受験を、各地に知らせた通知である
✔国土交通省は、該当する構造方法の認定を、平成21年1月15日付けで取り消したと述べている
✔防火設備は、大臣が定めた構造方法か、大臣の認定を受けたものに限られる
✔消防庁は、規則第13条の区画の開口部と、特定共同住宅等の外壁の開口部に、使われている場合があると述べた
✔建築確認の審査中は審査の保留、既存の建築物は改修等の確認を、特定行政庁に求めた
✔取り消された窓が入っていても、通知は違反になるとは述べていない
✔自分の建物の窓は、書類の確認と、特定行政庁や所轄の消防本部への相談で確かめる

窓の認定番号を、書類で確かめておきます!

防火設備や区画の確認の相談は、㈱防災屋でもご相談を承っております。

防火管理はプロにお任せ下さい

まずはWebで無料お見積りを!

お問い合わせ

監修・編集者
青木 俊輔
青木 俊輔

㈱防災屋 代表取締役/消防設備士

平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!

本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。

詳しい経歴・保有資格を見る
学歴
  • 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
  • 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
  • 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
保有資格
  • 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
  • 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
  • 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
  • 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
  • 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
  • eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了

趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)

主な活動

参考・出典

  • 消防予第40号「防火設備(樹脂製窓)の性能試験における不正受験に関する対応について」(平成21年1月27日 消防庁予防課長)と別添の国土交通省住宅局の通知(平成21年1月15日付け)
  • 消防法施行規則(昭和36年自治省令第6号)第13条 e-Gov法令検索
  • 特定共同住宅等の位置、構造及び設備を定める件(平成17年消防庁告示第2号) 総務省消防庁
  • 建築基準法(昭和25年法律第201号)第2条第9号の2 e-Gov法令検索

※本記事は公表されている法令および消防庁の通知に基づく一般的な解説です。条例や運用は市町村ごとに異なる場合があります。個別の判断は所轄消防署にご確認ください。

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