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セルフ給油所の条件付自動制御装置はなぜ予防規程への記載が義務になったのか|使用条件と保安のための措置の書き方を解説

セルフ給油所の条件付自動制御装置と予防規程への記載

セルフ給油所で条件付自動制御装置を導入する施設が増えています。
この装置を使えば、係員が常時その場で監視しなくても顧客の給油作業等を見守ることができます。
ただし装置を設置するだけでは手続きが終わりません。
条件付自動制御装置を使うときは、予防規程にその使用条件と保安のための措置を書く義務があります。

うちのセルフ給油所にも条件付自動制御装置を入れたいんですが、設置だけで済みますか。

いいえ、装置を設けるなら予防規程にも書き加えて、認可を受け直す必要がありますよ。

予防規程を直すだけで、届出みたいなものは要らないんでしょうか。

いえ、予防規程の変更も消防法上は認可が必要な手続きです。

この記事の結論
  • セルフ給油所に条件付自動制御装置を設けるときは、予防規程にその使用条件などを書く義務があります。
  • 書くべき内容は使用条件と保安のための措置に関することの2点です。
  • 予防規程は新設だけでなく変更するときも市町村長等の認可が必要です。
  • 条件付自動制御装置そのものの基準は、危険物の規制に関する規則第28条の2の5に定められています。
  • 認可を受けずに運用を始めると、予防規程の不備として指導の対象になります。

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条件付自動制御装置は予防規程への記載が必須であることを示す図解

セルフ給油所の条件付自動制御装置はなぜ予防規程への記載が義務になったのか

セルフ給油所の固定給油設備と監視カメラ付きの条件付自動制御装置
セルフ給油所では、顧客の給油作業等を係員が見守る体制が前提になっています。
条件付自動制御装置は、この見守りを自動的に代替する装置です。
消防危第31号(令和8年2月27日・消防庁次長) 危険物の規制に関する規則の一部を改正する省令(令和8年総務省令第18号)及び危険物の規制に関する技術上の基準の細目を定める告示の一部を改正する件が公布された。顧客に自ら給油等をさせる給油取扱所において条件付自動制御装置を設ける場合の規定を整備するとともに、予防規程に定めなければならない事項を追加した。
条件付自動制御装置の導入にあわせて、予防規程の記載義務も新しく整備されました。
もともと予防規程は、危険物の保安に関する業務の体制や教育などを定める文書です。
しかし装置が係員の監視や制御を自動的に代替するようになると、誰が何を保証するのかが文書上あいまいになりがちです。
そこで装置を設ける施設には、使用条件や保安のための措置を予防規程に書くことが令和8年の改正で義務づけられました。
装置の設置と文書の整備は、セットで進める必要があるということです。

装置を入れるだけでは終わらないというのは、ちょっと意外でした。

はい、装置と文書は一体として整備する必要があるんです。

どの給油取扱所のどの条件付自動制御装置が対象になるのか

条件付自動制御装置付きの給油所と係員だけの給油所を比べる図
この義務が関係するのは、すべてのセルフ給油所ではありません。
対象になる施設の条件を確認しておきましょう。
危険物の規制に関する規則第二十八条の二の五第八号 条件付自動制御装置(当該装置の使用条件を満たす場合において、給油取扱所の係員が行う顧客の給油作業等の監視及び制御を代替して自動的に行う装置であって、告示で定める機能を有するものをいう。)を設ける場合にあつては、次に定めるところによること。
対象になるのは、告示で定める機能を備えた条件付自動制御装置を設けるセルフ給油所だけです。
単にカメラを設置しているだけでは、この装置に当たりません。
監視設備・記録装置・表示の3つを備えて初めて、条件付自動制御装置として扱われます。
係員が常時立ち会う従来型のセルフ給油所は、そもそもこの義務の対象になりません。
装置を設けていない施設まで予防規程を書き直す必要はないということです。

カメラをひとつ付けただけでは対象にならないんですね。

そうです、監視・記録・表示をそろえた装置だけが対象ですよ。

予防規程には何を書けばよいのか

予防規程の文書と条件付自動制御装置の記録装置
対象になる施設が実際に予防規程へ書くべき内容は、法令で決まっています。
抽象的な方針ではなく、具体的な事項を書く必要があります。
危険物の規制に関する規則第六十条の二第八号の七 顧客に自ら給油等をさせる給油取扱所(条件付自動制御装置を設けるものに限る。)にあつては、当該条件付自動制御装置の使用条件その他当該条件付自動制御装置を使用して顧客の給油作業等の監視等を行うときの保安のための措置に関すること。
消防危第31号 第1⑴③ 顧客に自ら給油等をさせる給油取扱所のうち、条件付自動制御装置を設けるものにあつては、当該条件付自動制御装置の使用条件その他…保安のための措置に関する事項を予防規程に定めることとした。(規則第60条の2関係)
書くべき事項は「使用条件」と「保安のための措置」の2点です。
「使用条件」とは、装置が自動で監視等を代替できる前提の状態のことです。
「保安のための措置」とは、条件から外れたときに係員がどう対応するかという手順のことです。
どちらも抽象的な一文で済ませず、自社の装置の仕様に合わせて具体的に書く必要があります。
ひな形をそのまま流用すると、肝心の使用条件が自社の実態と合わないまま提出してしまう恐れがあります。

使用条件と保安のための措置、どちらも自社の装置に合わせて書くんですね。

はい、装置の仕様書を見ながら具体的に書くのが確実です。

予防規程の変更届で見落としやすいのはどこか

市町村の窓口で認可を受ける予防規程の変更手続き
予防規程を書き直しただけで手続きが完了すると思われがちですが、それでは終わりません。
現場でつまずきやすいのが、この先の手続きです。
消防法第十四条の二第一項 政令で定める製造所、貯蔵所又は取扱所の所有者、管理者又は占有者は、…予防規程を定め、市町村長等の認可を受けなければならない。これを変更するときも、同様とする。
予防規程は新設するときだけでなく、変更するときも市町村長等の認可が必要です。
社内で予防規程の条文を書き加えただけで運用を始めてしまうと、無認可の変更になってしまいます。
条件付自動制御装置を先に設置し、予防規程の変更認可を後回しにする順番も避けるべきです。
認可を受ける前に装置の運用を始めると、保安体制が整っていない状態での営業とみなされる恐れがあります。
変更の届出・認可は、装置の工事計画と同じタイミングで進めるのが安全です。

装置を先に動かしてから、あとで予防規程を直すのはダメなんですね。

はい、認可を受けてから運用を始めるのが正しい順番です。

明日から何を確認すればよいのか

チェックリストを手に条件付自動制御装置を確認する担当者
法令の建付けは専門的ですが、実際に確認する手順はそれほど多くありません。
自社の状況に当てはめて、順番に確認していきましょう。
消防危第31号 第2 施行期日に関する事項 この省令は、公布の日の翌日から施行することとした。
まず自社のセルフ給油所に条件付自動制御装置があるかどうかを確認します。
装置がある場合は、既存の予防規程に使用条件と保安のための措置が書かれているかを見直しましょう。
書かれていなければ、予防規程の変更案を作成して所轄消防署に相談します。
認可の申請から認可までには一定の期間がかかるため、工事や導入のスケジュールより前倒しで動くのが安全です。
認可を受けるまでは、装置による監視等の代替運用を本格的に始めないようにしましょう。

まずは今の予防規程に記載があるかどうかを確認してみます。

はい、記載の有無と認可の時期の2点から始めるとスムーズですよ。

よくある質問

Q係員が常時立ち会うセルフ給油所でも予防規程の記載は必要ですか?
A不要です。義務が関係するのは条件付自動制御装置を設けるセルフ給油所に限られています。
Q予防規程の変更は社内決裁だけで済ませてもよいですか?
A済ませられません。市町村長等の認可を受けなければ変更は成立しません。
Q装置を先に設置して、あとから予防規程を直すのでもよいですか?
Aおすすめできません。認可を受ける前に装置の運用を本格化させると、保安体制が整っていない状態になります。
Q使用条件と保安のための措置は、どの程度具体的に書けばよいですか?
A装置の仕様に合わせて個別に書きます。ひな形の抽象的な一文のまま提出すると不十分と判断される恐れがあります。

まとめ

✔セルフ給油所に条件付自動制御装置を設けるときは、予防規程への記載が義務になった。
✔対象になるのは告示で定める機能を備えた条件付自動制御装置を設ける施設だけ。
✔書くべき事項は使用条件と保安のための措置の2点。
✔ひな形の一文のまま流用せず、装置の仕様に合わせて具体的に書く。
✔予防規程は新設だけでなく変更するときも市町村長等の認可が必要。
✔装置の設置と認可の順番を取り違えると、無認可運用になりかねない。
✔認可申請は工事・導入のスケジュールより前倒しで進めるのが安全。

装置と予防規程をセットで整えれば、安心して導入できそうです!

予防規程の整備でお困りなら、㈱防災屋でもご相談を承っております。

防火管理はプロにお任せ下さい

まずはWebで無料お見積りを!

お問い合わせ

監修・編集者
青木 俊輔
青木 俊輔

㈱防災屋 代表取締役/消防設備士

平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!

本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。

詳しい経歴・保有資格を見る
学歴
  • 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
  • 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
  • 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
保有資格
  • 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
  • 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
  • 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
  • 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
  • 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
  • eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了

趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)

主な活動

参考・出典

  • 消防危第31号「危険物の規制に関する規則の一部を改正する省令等の公布について」(通知)(令和8年2月27日・消防庁次長)
  • 消防法(昭和23年法律第186号)第14条の2第1項
  • 危険物の規制に関する規則(昭和34年総理府令第55号)第28条の2の5第8号・第60条の2第8号の7

※本記事は公表されている法令および消防庁の通知に基づく一般的な解説です。条例や運用は市町村ごとに異なる場合があります。個別の判断は所轄消防署にご確認ください。

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