連結送水管の点検がひととおり終わっても、点検票への書き方で迷う場面があります。
ブースターポンプの無い建物では、どの欄を書いてどの欄を空けるのか分かりにくいものです。
耐圧試験の欄も、現場で何を測って書けばよいか戸惑いがちです。
この記事では、点検要領が定める連結送水管の点検票の書き方を、現場の手順に沿って解説します。
うちはブースターポンプが無い建物なんですが。
点検票はどこを埋めればいいんでしょうか。
湿式か乾式かを表題に書いてポンプ関連の欄は斜線にしますよ。
耐圧試験の欄には何を書けばいいんですか。
製造年と前回点検年、それに点検圧力値を書きますよ。
順番に見ていきましょう。
- ブースターポンプを持たない建物は、点検票表題に湿式・乾式の別を書き、ポンプ関連の欄と総合点検の欄をまとめて斜線にします
- ホースと配管の耐圧性能欄には、製造年・前回点検年・点検圧力値を記入します
- 耐圧試験機は性能評定が行われているため、測定機器・型式欄に性能評定番号を記入します
- 電動機は回転計で定格負荷運転時の回転数を測定し、軸受部の潤滑方式や軸継手の種別も記入します
- ポンプの性能試験では、テスト弁を開放して定格負荷運転時の指示圧力と吐出量を記入します
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目次
連結送水管の点検票はなぜ湿式と乾式で記入欄が変わるのか

点検票の書き方も、この違いによって変わります。
- ブースターポンプを持たない建物は、点検票表題の右に湿式か乾式かを( )で付記します
- 機器点検のうち電動機の制御装置・起動装置・加圧送水装置・中間水槽等の欄、および総合点検の欄はまとめて斜線にします
ブースターポンプを持たない建物は送水口から配管だけで送水する仕組みのため、ポンプに関わる欄そのものが存在しないからです。
点検票表題の右に湿式か乾式かを付記したうえで、電動機の制御装置・起動装置・加圧送水装置・中間水槽等の欄と総合点検の欄をまとめて斜線にします。
記載事項が多くて各欄に書ききれないときは、適宜備考欄を使って書き足します。
まずこの区別を押さえておくと、このあとの記入欄で迷わずに済みます。
湿式と乾式、どっちも機械点検するものだと思ってました。
ポンプが無ければ欄自体が斜線になりますよ。
次は耐圧試験の欄を見てみましょう。
ホースと配管の耐圧性能はどう記入するのか

書く内容はよく似ていますが、欄によって記入する項目の組み合わせが少し違います。
- ホースの耐圧性能欄には、製造年・前回点検年を記入し、耐圧試験の点検圧力値及び点検本数を記入します
- 配管の耐圧性能欄には、設置年・前回点検年を記入し、耐圧試験の点検圧力値を記入します
ホースは製造年、配管は設置年を起点に、前回いつ点検したかをあわせて書きます。
そのうえで、実際にかけた耐圧試験の点検圧力値を記入し、ホースについてはさらに点検本数も記入します。
耐圧試験機は性能評定が行われているため、測定機器・型式欄には性能評定番号を記入します。
耐圧試験機を持っているだけでなく、評定番号まで控えておくことが記入のポイントです。
測定機器欄に書く番号って。
試験機のシリアル番号のことですか。
いいえ、性能評定番号という別の番号です。
試験機そのものの評定を示す番号ですよ。
起動装置の直接操作部と遠隔操作部には何を記入するのか

書く内容の組み立て方は、どちらも同じです。
- 周囲の状況欄には、起動装置の設置場所を記入します
- 外形欄には、押しボタン・開閉弁等の種別を記入します
点検票の書き方は、この両方について同じ組み立てで記入します。
周囲の状況欄には設置場所を、外形欄には押しボタン式か開閉弁式かといった種別を書きます。
表示欄と機能欄は、特記事項があるときだけ書き込みます。
電動機の制御装置についても、制御盤の設置場所・壁掛形や自立形などの別・電圧計と電流計の指示値まで、同じように欄ごとに記録します。
直接操作部と遠隔操作部で。
別の書き方をするのかと思ってました。
書く項目はどちらも同じですよ。
設置場所と種別を、両方に記入します。
電動機はどこを測って記入するのか

測れるものと、確認して種別を書き込むものが混在しています。
- 回転部は、回転計で定格負荷運転時の回転数を測定し、その値を記入します
- 軸受部はグリス潤滑か油潤滑かの種別を、軸継手は直動式かフランジ式かの種別を記入します
回転計を用いて容易に測定できる場合に限り、定格負荷運転時の回転数をその場で測って書き込みます。
軸受部はグリス潤滑か油潤滑かの種別を、軸継手は直動式かフランジ式等の種別かを確認して記入します。
機能欄の電動機の種別・始動方式・定格出力は、銘板に記載されたとおりに書き写します。
測った回転数が銘板の定格値と大きくずれているときは、電動機そのものの不具合も疑いましょう。
回転数って、毎回測り直す必要があるんですか。
回転計で容易に測れるものに限りますが。
測れるなら定格負荷運転時の値を記入しますよ。
ポンプの性能試験はどう記入するのか

テスト弁を開いて、実際にポンプを動かして確かめる欄です。
- 連成計・圧力計欄には、定格負荷運転時の各計器の指示値を記入します
- 性能欄には、性能試験用配管のテスト弁を開放して、定格負荷運転時の指示圧力及び吐出量を記入します
性能試験用配管に設けられたテスト弁を開放し、定格負荷運転の状態をつくったうえで指示圧力と吐出量を測って記入します。
中間水槽等がある場合は、設置位置・構造・材質・水槽の呼び容量と、水位計の測定値もあわせて記入します。
総合点検では、加圧送水装置・電動機の運転電流・運転状況の欄に、特記事項があれば書き添えます。
テスト弁を閉め忘れたまま点検を終えないよう、記入と一緒に弁の状態も確認しておきましょう。
性能欄って、見た目の点検だけじゃないんですね。
テスト弁を開けて実際に動かす欄ですよ。
圧力と吐出量を測って記入します。
よくある質問
まとめ
湿式と乾式の違いから、点検票の欄まで全部つながって見えました!
記入に迷ったときは、㈱防災屋でもご相談を承っております。
㈱防災屋 代表取締役/消防設備士
平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!
本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。
詳しい経歴・保有資格を見る
- 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
- 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
- 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
- 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
- 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
- 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
- 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
- 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
- eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了
趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)
参考・出典
- 消防法施行規則第31条の6(消防用設備等又は特殊消防用設備等の点検及び報告)
- 消防用設備等の点検の基準及び消防用設備等点検結果報告書に添付する点検票の様式を定める件(昭和50年消防庁告示第14号)別表第20 連結送水管
- 消防用設備等の点検要領(消防庁通知) 第20 連結送水管
※本記事は公表されている法令、告示および消防庁の通知に基づく一般的な解説です。点検票の記載要領は改正されることがあります。個別の判断は、消防設備士や所轄消防署にご確認ください。





