無線通信補助設備は、地下街や高層階など消防隊の無線が届きにくい場所に設けられる設備です。
点検要領では、保護箱の色や表示、無線機接続端子のキャップ、漏洩同軸ケーブルの防湿措置まで、細かく基準が定められています。
ふだん目にする機会が少ない設備だからこそ、点検でどこを見ているのかを知っておくと安心です。
この記事では、無線通信補助設備の保護箱まわりで点検要領が定める基準を確認します。
無線通信補助設備は、うちのビルにもあるはずですが、どんな見た目か正直分かりません。
実は保護箱は赤色と決まっていて、中の表示まで基準があるんですよ。
まずは保護箱の色と表示から見ていきましょう。
色まで決まっているとは知りませんでした。
はい、開閉できない構造や収納物まで決まっています。
順番に確認していきましょう。
- 無線通信補助設備の保護箱は赤色とし、表面に「無線機接続端子」である旨の表示をすることとされています。
- 保護箱内の見やすい位置には最大許容入力・使用できる周波数帯・注意事項の表示も必要です。
- 無線機接続端子は、使わないときも無反射終端抵抗器又はキャップを端子に付けておきます。
- 地上に設けてある保護箱は、みだりに開閉できない構造であることが求められます。
- 漏洩同軸ケーブルの接続部分には防湿措置・耐熱保護・可とう性という点検基準があります。
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目次
保護箱はなぜ赤色にして表示までするのか

まずは箱そのものを見たときに分かる基準を確認します。
遠くからでも無線機接続端子だとひと目で分かるようにするためです。
箱の表面には「無線機接続端子」の表示があり、箱を開けた内側には最大許容入力・使用できる周波数帯・注意事項まで表示されています。
表示が汚れて読めなくなっていたり、銘板がはがれていたりすると、現場で正しい使い方が伝わりません。
点検では、色・表示・銘板のそれぞれを目視で確認します。
赤いだけなのかと思っていました。
いいえ、表示の中身まで細かく決まっています。
次は端子そのものを見てみましょう。
無線機接続端子は使わないときどうしておくのか

コネクターの着脱のしやすさもあわせて確認します。
使っていない端子をむき出しのままにしておくと、ごみや湿気が入り込み、いざというときに無線がつながらなくなるおそれがあります。
コネクターは確実かつ容易に着脱できることも点検項目です。
固くて外れない、あるいは緩んで外れやすいコネクターは、どちらも現場の支障になります。
変形や著しい腐食が無いかも、あわせて目視で確認します。
キャップが無いと、それだけで不良になるんですか。
はい、無反射終端抵抗器又はキャップのどちらかが無いと指摘対象です。
次は保護箱の構造を見ましょう。
地上に設ける保護箱はなぜ自由に開けられない構造にするのか

地上に近い位置にあるものならではの基準を確認します。
誰でも手が届く高さにあるぶん、いたずらや無断の開閉を防ぐ構造が必要になるためです。
あわせて、保護箱の内部に塵や水が浸入していないかも確認します。
錆が出ていたり、扉の開閉がスムーズにできなかったりすると、いざ使うときに手間取ります。
高い位置の保護箱と比べて、地上設置のものは点検で見る視点が一つ増えると考えておきます。
低い位置にあるものは、いたずらされやすいですもんね。
はい、みだりに開閉できない構造かどうかも点検で見ます。
次は箱の中身を確認しましょう。
保護箱の中には何を一緒にしまっておくのか

開けたときにまず目に入る項目を確認します。
無線機を実際につなぐときに使うケーブルで、保護箱の外に置いておくと紛失や劣化の原因になります。
ケーブルが収納されているかは、保護箱を開けたときにまず目に入る項目です。
端子だけでなく、使うための付属品がそろっているかまで点検の対象になっています。
いざというときに探し回らずに済むよう、決まった場所に戻しておくことが大切です。
ケーブルまで点検されているとは思いませんでした。
はい、接続用ケーブルの収納も確認項目の一つです。
最後に漏洩同軸ケーブルを見ましょう。
漏洩同軸ケーブルの接続部分はどこまで保護されているのか

接続部分には、見た目だけでは分かりにくい基準があります。
接栓(接続部分の金具)に変形や緩みがあると、そこから湿気が入り込み、通信が不安定になるおそれがあります。
耐熱保護は原則として必要ですが、不燃材料の天井裏や耐熱型のケーブルでは、耐熱保護そのものが無い場合もあると留意事項に明記されています。
接栓用の同軸ケーブルには可とう性も求められ、適度なゆるみを持たせて接続します。
支持金具が緩んでいないかも、あわせて目視で確認します。
天井裏のケーブルまで、そんなに細かく見るんですね。
はい、防湿措置から可とう性まで確認します。
最後に整理しましょう。
よくある質問
まとめ
赤色の表示からケーブルの収納まで、確認してみます!
はい、保護箱全体を見ておけば安心です。
㈱防災屋でもご相談を承っております。
㈱防災屋 代表取締役/消防設備士
平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!
本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。
詳しい経歴・保有資格を見る
- 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
- 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
- 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
- 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
- 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
- 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
- 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
- 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
- eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了
趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)
参考・出典
- 消防法施行令第29条の3(無線通信補助設備に関する基準)
- 消防法施行規則第31条の6(消防用設備等又は特殊消防用設備等の点検及び報告)
- 消防用設備等の点検の基準及び消防用設備等点検結果報告書に添付する点検票の様式を定める件(昭和50年消防庁告示第14号)別表第22
- 消防用設備等の点検要領の全部改正について(平成14年消防予第172号)第22 無線通信補助設備
※本記事は公表されている告示および消防庁の通知に基づく一般的な解説です。点検要領は改正されることがあります。個別の判断は、消防設備士や所轄消防署にご確認ください。





