誘導灯や誘導標識は、ただ点灯していれば合格というわけではありません。
点検要領では、避難口誘導灯や通路誘導灯の「機種の組み合わせ」まで判定の対象になっています。
さらに、誘導灯の周りに置かれた衝立やロッカーが視認障害になっていないか、パネルの色が変わっていないかも見ます。
この記事では、誘導灯及び誘導標識の点検基準を、機種の組み合わせから信号装置等の確認方法まで整理します。
誘導灯の点検って、点灯するかどうかを見るだけですよね。
いいえ、機種の組み合わせや周りの障害物まで点検要領で定められています。
まずは誘導灯そのものの判定から見ていきましょう。
衝立やロッカーが点検の対象になるのは意外です。
はい、視認障害という項目で明確に点検します。
順番に見ていきましょう。
- 避難口誘導灯・通路誘導灯は、用途や設置場所に適正な機種か、機種の組み合わせと距離が適正か、誘導方向に誤りがないかまで点検します。
- 誘導灯の周囲に間仕切り・衝立・ロッカー等があって視認障害になっていないか、まぎらわしい灯火・広告物・掲示物がないかも判定項目です。
- 表面の緑色が青色に、白色が茶色等に変色している場合は速やかにパネルを交換します。
- 誘導標識は外形・視認障害等に加え、高輝度蓄光式に限り表示面の輝度と設置場所の照度も点検します。
- 信号装置等(消灯・点滅・誘導音・減光機能の移報装置)は、手動及び自動火災報知設備の感知器の作動等により機能を確認します。
▼
目次
避難口誘導灯や通路誘導灯はなぜ機種の組み合わせまで点検するのか

機種どうしの組み合わせや、誘導灯から誘導灯までの距離まで判定の対象です。
客席通路誘導灯は劇場等の客席に設けるもので、判定は適正な距離が保たれているかだけです。
方向を示す矢印付きの誘導灯は、誘導方向に誤りがないかまで目視で確認します。
改装や設備の入れ替えで機種がちぐはぐになっていないかを、点検のたびに確かめる項目です。
矢印の向きまで点検のたびに確認するんですね。
はい、誘導方向の誤りは避難の混乱に直結します。
次は周りの障害物について見ましょう。
誘導灯の周りに衝立やロッカーがあるとなぜ不良になるのか

点検要領は「視認障害等」という項目で、周囲の状況まで確認します。
誘導灯と紛らわしい灯火・広告物・掲示物で表示がさえぎられていないかも判定項目です。
テナントの改装や模様替えで間取りが変わり、設置個数が足りなくなっていないかまで点検で確かめます。
設置したときは問題がなくても、使われ方が変わると視認障害は後から生まれます。
改装のあとに誘導灯が足りなくなることもあるんですね。
はい、設置個数の不足も点検のたびに見ます。
次はパネルそのものの変化を見てみましょう。
誘導灯の色が緑から青に変わったらなぜ交換のサインなのか

点検要領には、この変色を交換の目安にする具体的な記載があります。
変形・損傷・脱落・著しい汚損等がないかに加え、取付状態が適正かも外形点検の対象です。
色の変化は紫外線や経年劣化による樹脂パネルの退色が主な原因とされています。
点灯していても、パネルの色が変わっていれば交換のサインとして見逃さないようにします。
点灯していれば大丈夫だと思っていました。
いいえ、色の変化も交換のサインとして見ます。
次は誘導標識について見てみましょう。
誘導標識はなぜ採光や照度まで点検するのか

だからこそ、採光や照度まで点検要領に書き込まれています。
蓄光式の中でも高輝度蓄光式誘導標識に限り、輝度計で劣化による輝度の減衰、照度計で設置場所の照度まで測ります。
蓄光式は自ら発光するのではなく、周囲の光を蓄えて光るしくみのため、明るさの確保そのものが点検対象になります。
誘導灯のように電源や配線を持たない分、置かれている環境ごと点検する発想です。
誘導標識は電源が無いから、周りの明るさが頼りなんですね。
はい、高輝度蓄光式は輝度と照度の両方を測ります。
最後に信号装置等の点検を見ましょう。
誘導灯の信号装置等はどうやって点検するのか

この信号装置等は、単体では確認できず、感知器を実際に作動させて点検します。
移報装置と呼ばれるこの装置は、消灯・点滅・誘導音・減光という機能ごとに作動のしかたが違います。
点滅形は正常に点滅するか、誘導音装置付きは正常な音声等が鳴動するかを見ます。
消灯型・減光型は、感知器の作動を受けて正常に点灯することまで確認する項目です。
感知器を作動させないと信号装置等は確認できないんですね。
はい、自動火災報知設備との連動で確認します。
最後に整理しましょう。
よくある質問
まとめ
誘導灯と誘導標識の点検ポイントがこれで整理できました!
はい、周囲の障害物とパネルの変色は日常点検でも気づけます。
㈱防災屋でもご相談を承っております。
㈱防災屋 代表取締役/消防設備士
平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!
本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。
詳しい経歴・保有資格を見る
- 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
- 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
- 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
- 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
- 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
- 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
- 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
- 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
- eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了
趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)
参考・出典
- 消防用設備等の点検要領(消防予第172号)第16 誘導灯及び誘導標識
- 消防法施行規則第28条の2・第28条の3(誘導灯及び誘導標識に関する基準)
- 誘導灯及び誘導標識の基準(平成11年消防庁告示第2号)
- 消防法施行規則第31条の6(消防用設備等又は特殊消防用設備等の点検及び報告)
※本記事は公表されている告示および消防庁の通知に基づく一般的な解説です。点検要領は改正されることがあります。個別の判断は、消防設備士や所轄消防署にご確認ください。





