消防法には、危険物の安全審査や消防用機械器具等の検定を担う特別な法人が登場します。
危険物保安技術協会と日本消防検定協会です。
この協会そのものにも、法律は細かい規律を課しています。
規律に違反すると、協会の役員や職員に過料という罰則が科される仕組みになっています。
危険物保安技術協会や日本消防検定協会って、名前は聞きますが何をしている組織なんですか。
危険物の審査や消防用機械器具の検定を行う法人です。
消防法第46条の2という条文を順に見ていきましょう。
協会そのものが罰金を取られるということですか。
いいえ、罰金ではなく過料で、罰せられるのも協会ではありません。
誰が処罰されるのか、条文で確認していきます。
- 危険物保安技術協会は屋外タンク貯蔵所の審査や危険物の安全試験を、日本消防検定協会は消防用機械器具等の検定を行う法人です(消防法第16条の10・第21条の17)
- 総務大臣の認可を受けずに規定外の業務を行った役員又は職員は、20万円以下の過料に処せられます(消防法第46条の2第3号)
- 協会が政令で定める登記を怠った場合も、同じく役員又は職員が過料の対象になります(同条第2号)
- 総務大臣の監督命令に違反した場合も、役員又は職員が過料の対象になります(同条第4号)
- 過料に処せられるのは協会という法人ではなく、違反行為をした役員や職員個人です
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目次
危険物保安技術協会や日本消防検定協会とはどんな組織なのか

どちらも法律そのものが設立根拠になっている特別な組織です。
危険物保安技術協会は、屋外タンク貯蔵所の審査や危険物の貯蔵・取扱い・運搬の安全確保を担います。
日本消防検定協会は、消防用機械器具等の検定や型式適合検定、特殊消防用設備等の性能評価を担います。
どちらも業務の根拠となる条文が法律で定められているため、その運営にも法律が細かい規律を課しています。
次に、規律に違反した場合の罰則を確認していきます。
役割が全然違う2つの協会なんですね。
はい、危険物側と検定側で役割が分かれています。
罰則の条文はどちらも共通です。
総務大臣の認可を受けずに決められた業務以外を行うとどうなるのか

それ以外の業務を行うには、総務大臣の認可が必要です。
協会は、審査・試験・調査・技術援助・教育などの本来の業務のほかに、機械設備や技術を活用した付随業務を行うこともできますが、そのためには総務大臣の認可が必要です。
認可を受けずに規定外の業務を行った場合、その違反行為をした役員又は職員が20万円以下の過料に処せられます。
これは日本消防検定協会(第21条の36)でも同じ仕組みです。
次に、認可とは別の手続きである登記について確認します。
協会が独自に新しい業務を始めるには、総務大臣の許可が必要なんですね。
はい、認可を受けずに行うと役員や職員が処罰されます。
協会自身は処罰の対象ではありません。
協会が登記を怠るとどうなるのか

この義務を怠っても、過料の対象になります。
第16条の14(日本消防検定協会は第21条の21)は、協会に政令で定める事項の登記を義務付けています。
登記した事項は、登記の後でなければ第三者に対抗できないという効力も定められています。
この登記を怠った場合、業務違反の号と同じ第46条の2の中で、役員又は職員が過料の対象になります。
認可の有無と登記の有無は別の手続きですが、どちらも違反すれば同じ重さの過料が科される点は共通です。
登記を忘れていただけでも過料になるんですか。
はい、怠った事実そのものが過料の対象です。
業務違反と同じ号にまとめられています。
総務大臣の監督命令に従わないとどうなるのか

その命令に従わない場合も、過料の対象です。
日本消防検定協会については第21条の42が同じ仕組みを定めており、総務大臣が協会を監督し、必要な命令を発することができます。
認可・登記・監督命令という3つの手続きのいずれに違反しても、第46条の2が科す過料の重さはすべて同じ20万円以下です。
次に、この過料が実際に誰に向けて科されるのかを確認します。
認可・登記・命令と、違反の種類がいろいろあるんですね。
はい、第46条の2が1つの号にまとめて規律しています。
過料の重さはどの違反でも同じです。
過料に処せられるのは協会なのか役員や職員なのか

第46条の2がこの両罰規定の対象に入っているかを確認します。
第45条が両罰の対象とするのは、第39条の2の2・第39条の3の2・第41条・第42条・第43条・第43条の4・第44条の一部の号に限られます。
これらはいずれも罰金刑を科す刑罰の規定で、第46条の2が科す過料とは法律上の性質が異なります。
過料は刑罰ではなく行政上の秩序罰であるため、そもそも両罰規定が及ぶ対象になりません。
条文がはじめから「協会の役員又は職員は」と名宛てしているとおり、処罰の対象は常に違反行為をした個人で、協会という法人そのものが過料に処せられることはありません。
協会自体にお金を払わせる規定ではないんですね。
はい、過料は違反した役員や職員個人に科されます。
刑罰ではないので前科にもなりません。
よくある質問
まとめ
処罰されるのが協会ではなく役員や職員だということが分かりました。
これで安心です。
消防法第46条の2は役員や職員個人が対象の過料です。
㈱防災屋でもご相談を承っております。
㈱防災屋 代表取締役/消防設備士
平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!
本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。
詳しい経歴・保有資格を見る
- 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
- 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
- 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
- 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
- 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
- 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
- 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
- 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
- eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了
趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)
参考・出典
- 消防法第16条の10・第16条の14・第16条の34・第16条の47
- 消防法第21条の17・第21条の21・第21条の36・第21条の42
- 消防法第45条・第46条の2
- e-Gov法令検索(デジタル庁)
※本記事は公表されている法令に基づく一般的な解説です。条例や運用は市町村ごとに異なる場合があります。個別の判断は所轄消防署にご確認ください。





