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パッケージ型自動消火設備の容器弁開放装置はなぜ点検前に電気式を全部外すのか|安全ピンと破開針で確かめる5つの手順を解説

パッケージ型自動消火設備の容器弁開放装置の点検イメージ

パッケージ型自動消火設備の容器弁開放装置は、感知部が火災を検知した信号を受けて容器弁を開き、消火薬剤を放出させる部品です。
手動操作機能を持つものと電気式があり、電気式は破開針又はカッターで容器弁の封板等を突き破る構造になっています。
点検要領には、外形の判定基準から機能点検の手順、点検前に必ず守る留意事項まで細かく定められています。
この記事では、容器弁開放装置の外形4つの判定基準・機能点検の5つの手順・機能の4つの判定基準・点検前に電気式を全部外す理由を、点検要領の原文に沿って解説します。

パッケージ型自動消火設備の容器弁開放装置って、見た目はただの小さい部品ですよね。

いいえ、この部品は容器弁を開いて薬剤を放出させる重要な役割を持っています。
手動操作機能を持つものと電気式の2種類があります。

電気式には何か特別な注意点があるんですか。

はい、点検前には必ず全ての電気式を取り外す必要があります。
順番に見ていきましょう。

この記事の結論
  • 容器弁開放装置は、感知部からの信号を受けて容器弁を開き、消火薬剤を放出させる部品です。
  • 手動操作機能を有するものと電気式があり、電気式は破開針又はカッターで封板等を突き破ります。
  • 外形の判定基準は、変形・損傷・脱落や接続部の緩みの有無、取り付け状態、安全ピン・ロックピン等による封印の有無など4項目です。
  • 機能の点検は、装置を取り外しての目視確認から安全ピン・ロックピンの抜き取り、端子部分の確認、復元の確認まで5つの手順で行います。
  • 手動式作動装置を操作するときは、必ず全ての電気式容器弁開放装置を取り外して行うことが留意事項です。

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容器弁開放装置の点検を破開針の確認・安全ピンの封印確認・手動操作の確認・リード線の確認の4つの観点で示した図解

容器弁開放装置とはそもそも何をする部品なのか

容器弁に取り付けられた容器弁開放装置と破開針部分を確認するイラスト
容器弁開放装置は、パッケージ型自動消火設備の中でも消火薬剤の放出に直結する部品です。
点検要領は、この部品の実際の構造を次のように描写しています。
消防用設備等の点検要領 第29 パッケージ型自動消火設備 容器弁開放装置 機能 ⑴ 容器弁に装着されている容器弁開放装置を取り外し、破開針又はカッターを目視により確認する。
容器弁開放装置は、感知部からの信号を受けて容器弁を開き、消火薬剤を放出させる部品です。
点検要領が示すとおり、取り外した装置には破開針又はカッターという、容器弁の封板等を突き破る部分があります。
このほかに手動起動装置を持つものもあり、鍵等を用いて手動で操作することができます。
つまり容器弁開放装置には、手動操作機能を有するものと電気式の、大きく2つの系統があることになります。
次の章では、この部品の外形をどう判定するのかを見ていきます。

破開針やカッターなんて、初めて聞きました。
電気式ってどういう意味ですか。

電気の力で破開針やカッターを動かし、封板を破る仕組みです。
次は外形の判定基準を見てみましょう。

容器弁開放装置の外形はどこを見て判定するのか

容器弁開放装置の取り付け状態と安全ピンの封印を確認するイラスト
容器弁開放装置の機能点検は、まず外形の確認から始まります。
点検要領は、外形について次の4項目を挙げています。
昭和50年消防庁告示第14号 別表第29 パッケージ型自動消火設備の点検の基準 容器弁開放装置 外形 ア 変形、損傷、脱落、接続部の緩み等がないこと。イ 手動操作機能を有する開放装置にあっては、操作部に著しい錆がないこと。ウ 容器弁開放装置は容器弁本体に確実に取り付けられていること。エ 安全ピン、ロックピン等が装着され、封印されていること。
外形の判定基準は、変形・損傷・脱落や接続部の緩みの有無から、取り付け状態、封印の状態まで4項目に整理されています。
手動操作機能を有する開放装置では、操作部の著しい錆がないことも見ます。
容器弁開放装置は容器弁本体に確実に取り付けられていることが前提で、緩みがあれば放出時に正しく作動しません。
そして安全ピン、ロックピン等による封印がされているかどうかも、外形の判定基準に含まれています。
封印がされているということは、誤って作動していないことの目印にもなります。

安全ピンやロックピンって、封印の意味もあるんですね。
外れていたら危ないということですか。

はい、封印が外れているのは誤作動のおそれがある状態です。
次は機能点検の手順を見てみましょう。

容器弁開放装置の機能点検はどんな手順で確認するのか

鍵で手動起動装置を操作し端子部分を確認するイラスト
外形を確認したあとは、実際に機能を点検します。
点検要領は、機能の点検方法を次の5つの手順で示しています。
消防用設備等の点検要領 第29 パッケージ型自動消火設備 容器弁開放装置 機能 ⑴ 容器弁に装着されている容器弁開放装置を取り外し、破開針又はカッターを目視により確認する。⑵ 手動起動装置を有するものにあっては、鍵等を用いて手動で操作して電気的作動の状態を確認する。⑶ 安全ピン又はロックピン等を抜き取り、手動で操作して確認する。⑷ 端子部分のカバーを外し、ドライバー等により確認する。⑸ 作動後の復元は、通電を遮断又は復旧操作により確認する。
機能の点検は、装置を取り外して目視で確認したあと、手動と電気の両方の作動を実際に試す5つの手順で進みます。
まず容器弁開放装置を取り外し、破開針又はカッターに異常がないかを目視で確認します。
手動起動装置があるものは、鍵等を使って手動で操作し、電気的作動の状態まで確認します。
続いて安全ピン又はロックピン等を抜き取り、手動で操作して確かめ、端子部分のカバーを外してドライバー等で確認します。
最後に作動後の復元を、通電の遮断又は復旧操作によって確認し、点検前の状態に戻します。

鍵で手動操作もするし、電気の作動も確認するし、結構手順が多いですね。

はい、手動と電気の両方を確かめる手順です。
次は機能の判定基準を見てみましょう。

機能の判定基準はどこを見れば分かるのか

破開針の状態と端子のリード線を確認するイラスト
5つの手順で確認したあと、合否を判断する基準があります。
点検要領は、機能の判定基準を次の4項目で示しています。
消防用設備等の点検要領 第29 パッケージ型自動消火設備 容器弁開放装置 機能 ア 破開針又はカッター等に変形、損傷等がないこと。イ 端子の緩み、リード線の損傷、断線等がないこと。ウ 規定の電圧により円滑に作動し、手動操作が確実に行えること。エ 復元作業が正常であること。
機能の判定基準は、破開針やカッターの状態から電気系統、作動と復元まで4項目で判断します。
破開針又はカッター等に変形、損傷等がないことが、まず確認する項目です。
端子の緩みやリード線の損傷、断線等がないことも、電気式では欠かせない確認です。
規定の電圧により円滑に作動し、手動操作も確実に行えることが条件になります。
そして復元作業が正常であることまで確認して、はじめて機能点検は完了します。

電圧のことまで判定基準に入っているんですね。
電気式は結構細かく見るんですね。

はい、電気式は細かい確認が必要です。
最後に、点検前の大事な注意点を見てみましょう。

なぜ点検前に電気式の容器弁開放装置を全部取り外すのか

電気式容器弁開放装置を取り外してから手動で操作するイラスト
ここまでの手順には、手動式作動装置を操作する場面がありました。
その操作の前に、必ず守らなければならない留意事項があります。
消防用設備等の点検要領 第29 パッケージ型自動消火設備 容器弁開放装置 機能 ※(ア) 手動式作動装置を操作するときは、必ず全ての電気式容器弁開放装置を取り外して行うこと。(イ) 点検時の放出事故防止のため、強い衝撃を与えないこと。
手動式作動装置を操作するときは、必ず全ての電気式容器弁開放装置を取り外して行うことが留意事項として定められています。
電気式を取り付けたまま手動で操作すると、電気的な誤作動によって同時に容器弁が開いてしまうおそれがあります。
つながっている配管の先には消火薬剤の誤放出という結果が待っており、点検中の人や設備に被害が及びかねません。
もう一つの留意事項は、強い衝撃を与えないことです。点検時の放出事故を防ぐためのものです。
点検の順番を守ることが、そのまま誤放出を防ぐ安全対策になっています。

確かに、電気と手動を同時に試したら危ないですね。
順番を守ることが安全につながるんですね。

はい、電気式を外してから手動を試すのが安全な順番です。
最後に整理しましょう。

よくある質問

Q容器弁開放装置には、手動操作機能が無い電気式専用のものもありますか?
Aはい。点検要領の外形イは「手動操作機能を有する開放装置にあっては」という書き方になっており、手動操作機能を持たない電気式専用のものが存在することを前提にしています。
Q安全ピンやロックピンは点検のたびに新しいものに交換しますか?
A点検要領には交換についての規定はなく、抜き取って手動で操作し、点検後に復元することが定められています。交換の要否は設置されている機器の仕様によります。
Q端子部分のカバーを外す点検は、どの容器弁開放装置でも行いますか?
A端子部分の確認は電気式の容器弁開放装置が対象です。手動操作機能のみの開放装置では、安全ピン又はロックピン等を抜き取って手動で操作する手順が中心になります。
Q強い衝撃を与えないという留意事項は、どの作業のときに特に注意しますか?
A点検要領は点検時の放出事故防止のためとしており、容器弁開放装置の取り外しや取り付け、点検全体を通して注意すべき事項です。

まとめ

✔容器弁開放装置は、感知部からの信号を受けて容器弁を開き、消火薬剤を放出させる部品です
✔手動操作機能を有するものと電気式があり、電気式は破開針又はカッターで封板等を突き破ります
✔外形の判定基準は、変形・損傷・脱落・緩みの有無、取り付け状態、安全ピン・ロックピン等による封印の有無など4項目です
✔機能の点検は、装置の取り外しから手動・電気の作動確認、端子部分の確認、復元の確認まで5つの手順で行います
✔機能の判定基準は、破開針やカッターの状態、端子やリード線、規定電圧での作動、復元作業の正常性という4項目です
✔手動式作動装置を操作するときは、必ず全ての電気式容器弁開放装置を取り外して行うことが留意事項です
✔もう一つの留意事項は、点検時の放出事故防止のために強い衝撃を与えないことです

容器弁開放装置の点検、取り外す順番まで決まっているんですね!

はい、電気式を外してから手動を試すのが安全な順番です。
㈱防災屋でもご相談を承っております。

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監修・編集者
青木 俊輔
青木 俊輔

㈱防災屋 代表取締役/消防設備士

平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!

本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。

詳しい経歴・保有資格を見る
学歴
  • 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
  • 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
  • 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
保有資格
  • 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
  • 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
  • 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
  • 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
  • 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
  • eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了

趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)

主な活動

参考・出典

  • 消防法施行規則第31条の6(消防用設備等又は特殊消防用設備等の点検及び報告)
  • 消防用設備等の点検の基準及び消防用設備等点検結果報告書に添付する点検票の様式を定める件(昭和50年消防庁告示第14号)別表第29 パッケージ型自動消火設備の点検の基準
  • 消防用設備等の点検要領(消防庁通知) 第29 パッケージ型自動消火設備

※本記事は公表されている法令、告示および消防庁の通知に基づく一般的な解説です。点検の基準や点検要領は改正されることがあります。個別の判断は、消防設備士や所轄消防署にご確認ください。

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