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セルフ給油のE10ガソリンはなぜピンクや紫で塗り分けられるのか|彩色に加わった2色と規則の読み方を解説

セルフ給油のE10ガソリンの色分け彩色アイキャッチ

セルフ式の給油取扱所では、ノズルや注油口に色を付けて油種を見分けやすくしていることがあります。
平成24年3月30日、消防庁は消防危第91号で、この彩色の基準にエタノールを10%混合したガソリン専用の色を追加しました。
新しく加わったのはピンクと紫の2色で、現在は規則の条文にそのまま明記されています。
この記事では、追加された色の内容と、彩色する場合に外れてはいけない基準を、消防庁の通知と現行の規則をもとに解説します。

うちのセルフスタンドのノズルの色がバラバラです。
これって何か決まりがあるんですか?

平成24年に消防庁が消防危第91号で彩色の基準を更新しました。
エタノール混合のガソリン専用に新しい色が加わっています。

うちはハイオクとレギュラーしか置いてないので、関係ないかもしれません。

それでも彩色の基準自体は知っておくと安心です。
これから中身を順に確認していきましょう。

この記事の結論
  • 消防庁は平成24年3月30日の消防危第91号で、セルフスタンドの彩色基準を改正しました。
  • エタノールを10%含有するガソリン(日本工業規格K2202の1号(E)・2号(E))向けに、ピンク(ハイオク(E))と紫(レギュラー(E))の2色が新設されました。
  • 対象は顧客に自ら給油等をさせる給油取扱所の顧客用固定給油設備・顧客用固定注油設備に限られます。
  • この色分けは現在、危険物の規制に関する規則第28条の2の5に直接明記されています。
  • 彩色そのものは任意ですが、彩色する場合は定められた色から外れてはいけません。

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セルフ給油のE10彩色の色分け追加を示す図解

セルフ給油の彩色基準はなぜE10用の色が増えたのか

色の異なるノズルと空の表示板のイラスト
セルフスタンドでは、客が自分の目で油種を見分けて給油します。
平成24年、ここにエタノール10%混合のガソリンが新たに加わりました。
消防危第91号(平成24年3月30日) 今般、顧客に自ら給油等をさせる給油取扱所に係る技術上の基準について、「製造所等の泡消火設備の技術上の基準の細目を定める告示」(平成23年総務省告示第559号)において当該給油取扱所に設置されるパッケージ型固定泡消火設備の技術上の基準が規定されたこと、及び「危険物の規制に関する規則の一部を改正する省令」(平成24年総務省令第12号)においてエタノールを10%含有するガソリン等(日本工業規格K2202「自動車ガソリン」に規定するもののうち1号(E)及び2号(E)に該当するもの。)を取り扱う顧客用固定給油設備に彩色を施す場合の色等が規定されたことから、25号通知を下記のとおり改めることとしましたので通知します。
客が油種を見分けられる仕組みを守るための改正です。
通常のガソリンとエタノール混合のガソリンが見分けにくければ、客がうっかり違う油種のノズルを使ってしまうおそれがあります。
そこで消防庁は、エタノール10%混合ガソリン専用の色を彩色基準に追加しました。
同じ通知で、泡消火設備の基準を独立した告示第559号に移す整理もあわせて行われています。
これが消防危第91号の内容です。

なるほど、E10が増えたから色も増えたんですね。

そうです。
見分けやすくすることが目的です。

対象になるのはどの給油取扱所のどの設備か

セルフ給油所の給油機と自動車のイラスト
彩色の基準が効くのは、すべての給油取扱所ではありません。
対象になる施設と設備を条文で確認します。
危険物の規制に関する規則第28条の2の5 顧客用固定給油設備及び顧客用固定注油設備にあっては、その給油ホース等の直近その他の見やすい箇所に、ホース機器等の使用方法及び危険物の品目を表示すること。この場合において、危険物の品目の表示は、次の表の上欄に掲げる取り扱う危険物の種類に応じそれぞれ同表の中欄に定める文字を表示するとともに、文字及び地並びに給油ホース等その他危険物を取り扱うために顧客が使用する設備に彩色を施す場合には、それぞれ同表の下欄に定める色とすること。
対象は客が自分で操作する設備だけです。
条文がいう「顧客用固定給油設備及び顧客用固定注油設備」とは、顧客に自ら給油等をさせる給油取扱所に置かれた、客が自分で操作するノズルや注油口のことです。
スタッフだけが操作する設備は、この彩色基準の対象には入りません。
対象油種は、ハイオク・レギュラー・軽油・灯油と、それぞれのエタノール10%混合版です。
自分の施設がセルフスタンドかどうかが、最初の分かれ道になります。

うちはスタッフ対応なので関係ないかもしれません。

対象はセルフスタンドの顧客用設備だけです。
該当するかどうかは施設の形態で決まります。

彩色の基準はどのように改められたのか

色見本と給油ノズルのイラスト
改正前は、ハイオク・レギュラー・軽油・灯油の4色でした。
改正でここにエタノール10%混合ガソリン用の色が加わりました。
消防危第91号 25号通知の第2、5(2)中の表を次のように改める。自動車ガソリン(日本工業規格K2202「自動車ガソリン」に規定するもののうち1号(E)に限る。)の文字は「ハイオクガソリン(E)」又は「ハイオク(E)」、色はピンクとすること。自動車ガソリン(同2号(E)に限る。)の文字は「レギュラーガソリン(E)」又は「レギュラー(E)」、色は紫とすること。
新しく増えたのはピンクと紫の2色です。
改正後の色の組み合わせは、次の表のとおりです。
取り扱う危険物の種類文字色
ハイオクガソリン「ハイオクガソリン」又は「ハイオク」黄
ハイオクガソリン(E)「ハイオクガソリン(E)」又は「ハイオク(E)」ピンク
レギュラーガソリン「レギュラーガソリン」又は「レギュラー」赤
レギュラーガソリン(E)「レギュラーガソリン(E)」又は「レギュラー(E)」紫
軽油「軽油」緑
灯油「灯油」青
現在の危険物の規制に関する規則第28条の2の5にも、この表がそのまま明記されています。
同じ通知では、セルフスタンドに置く泡消火設備の技術基準が告示第559号に独立したことも伝えられ、25号通知にあった運用指針の該当部分は削除されました。

色の種類、思っていたより多いです。

表を見ながら確認すれば大丈夫です。
今は規則にそのまま書かれています。

見落としやすいのはどこか

似た色見本を虫眼鏡で比べるイラスト
彩色は任意ですが、色の選び方は自由ではありません。
特に見落としやすいのが、軽油の仲間の色です。
「顧客に自ら給油等をさせる給油取扱所に係る運用について」(平成10年3月13日消防危第25号) 顧客用…彩色の制限の対象とはならないものであること。また、エンジン清浄剤等を添加した軽油を別品目として販売する場合において、これを軽油の範囲で区別するときには、文字に「プレミアム軽油」を、色に黄緑を用いて差し支えないものであること。
彩色は任意でも色の選び方は自由ではありません。
一度彩色すると決めたら、規則の表にある色から外れてはいけません。
黄緑は軽油の仲間として、プレミアム軽油を区別したいときに使ってよいとされる色で、必須の色ではありません。
ピンクと紫も同じように、E10専用の色として扱います。
発注時に緑と黄緑、赤とピンク、紫と似た色を取り違えないよう、表の色名を確認してから手配することが実務のポイントです。

黄緑は必須だと思っていました。

黄緑は使ってもよい色というだけです。
必須なのはピンクと紫のほうです。

明日からなにを確認すればよいのか

点検表と色見本を確認するイラスト
最後に、現場で確認する手順を整理します。
条文と通知の内容を順になぞれば、抜けなく点検できます。
消防危第91号 2 運用期日について この通知による改正後の25号通知は、平成24年4月1日から施行する。
確認の手順は順番どおりに進めます。
まず自分の施設が顧客に自ら給油等をさせる給油取扱所に該当するかを確認します。
該当するなら、ハイオク(E)・レギュラー(E)、つまりエタノール10%混合ガソリンを扱っているかを確認します。
彩色をしている場合は、ピンク・紫・黄緑を含めて規則の表どおりの色になっているかを点検します。
泡消火設備があるときは、告示第559号の基準に適合しているかを所轄の消防署に相談すると確実です。

今日中に自分の施設を確認してみます。

まずは該当するかどうかからで大丈夫です。
順番に見ていきましょう。

よくある質問

QE10を扱っていないセルフスタンドでも彩色基準を確認する必要がありますか?
A彩色そのものは任意なので、彩色しない場合は色の基準自体を気にする必要はありません。ただし文字表示は彩色の有無にかかわらず常に必須なので、取り扱う危険物の種類に応じた文字の表示は確認してください。
Qプレミアム軽油の黄緑は必ず使わなければなりませんか?
Aいいえ、黄緑は軽油と区別したいときに使ってよい任意の色で、プレミアム軽油を別品目として販売しない場合は通常の軽油の緑だけで問題ありません。
Q既にハイオクとレギュラーだけ色分けしている施設がE10を扱い始めたら、色を変える義務がありますか?
A彩色そのものが任意のため、彩色をやめて文字表示だけにする選択もできます。彩色を続ける場合は、E10に該当する油種にはピンクまたは紫を用いる必要があります。
Q泡消火設備の基準が告示に移ったことで、既存の設備を交換する必要がありますか?
Aこの改正は、泡消火設備の技術基準をどの文書に書くかを整理したもので、基準の中身自体を変更するものではありません。新設・改修の際は告示第559号の基準に適合しているかを確認してください。

まとめ

✔消防庁は平成24年3月30日の消防危第91号で、セルフスタンドの彩色基準を改正しました。
✔エタノールを10%含有するガソリン(日本工業規格K2202の1号(E)・2号(E))向けに、ピンク(ハイオク(E))と紫(レギュラー(E))の2色が新設されました。
✔対象は顧客に自ら給油等をさせる給油取扱所の顧客用固定給油設備・顧客用固定注油設備に限られます。
✔この色分けは現在、危険物の規制に関する規則第28条の2の5に直接明記されています。
✔彩色そのものは任意ですが、彩色する場合は定められた色から外れてはいけません。
✔プレミアム軽油を区別する黄緑は、必須ではなく使ってよい任意の色です。
✔同じ通知で、泡消火設備の技術基準は告示第559号へ独立し、25号通知の該当する別紙は削除されました。

色分けの意味がよくわかりました!

彩色の色や泡消火設備の基準で気になることがあれば、お気軽にご相談ください。
㈱防災屋でもご相談を承っております。

防火管理はプロにお任せ下さい

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お問い合わせ

監修・編集者
青木 俊輔
青木 俊輔

㈱防災屋 代表取締役/消防設備士

平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!

本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。

詳しい経歴・保有資格を見る
学歴
  • 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
  • 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
  • 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
保有資格
  • 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
  • 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
  • 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
  • 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
  • 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
  • eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了

趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)

主な活動

参考・出典

  • 消防危第91号「『顧客に自ら給油等をさせる給油取扱所に係る運用について』の一部改正について」(平成24年3月30日・消防庁危険物保安室長)
  • 「顧客に自ら給油等をさせる給油取扱所に係る運用について」(平成10年3月13日・消防危第25号)
  • 危険物の規制に関する規則第28条の2の5
  • 「危険物の規制に関する規則の一部を改正する省令」(平成24年総務省令第12号)
  • 「製造所等の泡消火設備の技術上の基準の細目を定める告示」(平成23年総務省告示第559号)

※本記事は公表されている法令および消防庁の通知に基づく一般的な解説です。条例や運用は市町村ごとに異なる場合があります。個別の判断は所轄消防署にご確認ください。

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