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大阪市で仮設建築物の消防用設備等はどこまで省略できるのか|存続期間6か月の特例を解説

大阪市の仮設建築物で消防用設備等はどこまで省略できるかを解説する記事のアイキャッチ

工事中の仮店舗やイベントの会場のように、数か月だけ使う建物があります。
国の消防法施行令と消防法施行規則の条文には「仮設」という語がなく、短い期間しか使わない建物でも、面積や用途が基準に当たれば消防用設備等の設置が必要です。
大阪市消防局の消防用設備等の設置に係る運用基準には、仮設建築物について、設備ごとの「特例基準」に設置しないことができる場合が書かれています。
この記事では、大阪市の仮設建築物の特例が、どの設備の節からどの節の条件を借りているのかを順にたどり、東大阪市と堺市の基準とも比べます。

大阪市内の店舗で防火管理者をしています。
建替えの間だけ、敷地の中に仮店舗を建てて営業する計画があります。

大阪市の運用基準には、存続期間が6か月以内の仮設建築物についての特例があります。
ただし、条件は設備によって書かれている場所が違います。

半年で取り壊す建物なら、消防用設備等は何も付けなくてよいのですか。
屋内消火栓や自動火災報知設備が必要になる広さです。

すべての設備が対象になるわけではなく、条件も4つあります。
しかも自動的に認められるものではなく、消防長又は消防署長が認めたときに使える特例です。

この記事の結論
  • 大阪市の運用基準は、仮設建築物の特例の条件を屋内消火栓設備の基準の第12 特例基準 2に、(1)から(4)までの4つで書いています
  • スプリンクラー設備や連結送水管など13の節は、この4つの条件に適合することを、それぞれの設備を設置しないことができる条件にしています
  • 自動火災報知設備は存続期間6か月以内と巡回監視等の2つ、非常コンセント設備は6か月以内だけが条件として書かれています
  • 消火器具、誘導灯、避難器具、非常警報設備などの節には、仮設建築物の特例の項目が見当たりません
  • 東大阪市は自動火災報知設備に大阪市と同じ文面の項目があり、堺市の審査基準には仮設建築物を対象にした項目が見当たりません

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大阪市の仮設建築物の特例を各設備の特例基準から屋内消火栓設備の基準と消防法施行令へたどる流れを示す図解

大阪市の運用基準は仮設建築物の消防用設備等をどこに書いているのか

平屋のプレハブの仮設建築物の前に工事用の柵が並ぶイラスト
まず、国の基準と市の運用を分けて整理します。
消防法施行令と消防法施行規則には、仮設の建物だけを対象にした設置基準の条文がありません。
建築基準法には第85条に仮設建築物の制限を緩和する規定がありますが、これは建築基準法令の適用を緩めるもので、消防用設備等の設置基準を変えるものではありません。
国の基準の側で使えるのは、次の消防法施行令第32条です。
消防法施行令第三十二条 この節の規定は、消防用設備等について、消防長又は消防署長が、防火対象物の位置、構造又は設備の状況から判断して、この節の規定による消防用設備等の基準によらなくとも、火災の発生又は延焼のおそれが著しく少なく、かつ、火災等の災害による被害を最少限度に止めることができると認めるときにおいては、適用しない。
国の条文は判断の枠だけを定めています。
どんな建物なら認められるのかは、この条文には書かれていません。
大阪市の運用基準は、設備ごとの節の終わりに「特例基準」を置き、この条文を使える場合を具体的に挙げています。
仮設建築物の条件がまとめて書かれているのは、屋内消火栓設備の節です。
大阪市「消防用設備等の設置に係る運用基準」第1章第2節 屋内消火栓設備 第12 特例基準 屋内消火栓設備を設置しなければならない防火対象物又はその部分のうち、次のいずれかに該当するものについては、令第32条又は条例第47条の規定を適用し、それぞれ当該各項に定めるところによる。
2 仮設建築物のうち次に該当するものについては、屋内消火栓設備を設置しないことができる。
(1) 存続期間が6カ月以内であること
(2) 火災時に容易に避難できると認められる位置及び構造形態であること
(3) 火災を早期に発見し、かつ、報知することができる措置が講じられていること
(4) 初期消火のための措置が講じられていること
条件は、期間、避難、発見と報知、初期消火の4つです。
国の条文と大阪市の特例を並べると、次のようになります。
比べる点国(消防法施行令第32条)大阪市(屋内消火栓設備 第12 特例基準 2)
対象消防用設備等の全般仮設建築物に設ける屋内消火栓設備
期間の条件書かれていない存続期間が6カ月以内
そのほかの条件火災の発生又は延焼のおそれが著しく少なく、被害を最少限度に止めることができること容易に避難できる位置及び構造形態、早期に発見し報知する措置、初期消火のための措置
判断する人消防長又は消防署長令第32条又は条例第47条の規定を適用すると書かれている
(2)から(4)までの条件は、具体的な設備の名前や数値で書かれていません。
どんな措置なら条件に当たるのかは、所轄の消防署に確かめる必要があります。
運用基準には「仮設建築物」の定義も置かれていないため、建築基準法第85条の許可を受ける建物かどうかを含めて、計画の段階で相談してください。
まずは、仮設の建物をいつからいつまで使うのかを、工程表で確かめておきましょう。

6か月以内という期間のほかに、条件が3つもあるのですね。
短い期間なら無条件で外せるのだと思っていました。

はい、避難、発見と報知、初期消火の措置がそろって初めて条件に合います。
まずは建物を使う期間を工程表で確かめましょう。

屋内消火栓設備の4つの条件はどの設備の特例から借りられているのか

屋内消火栓箱の横にスプリンクラーヘッドとガス容器と屋外消火栓と動力消防ポンプが並ぶイラスト
この4つの条件は、屋内消火栓設備だけのものではありません。
ほかの設備の節は、自分の節に条件を書かず、屋内消火栓設備の節を指す形で特例を定めています。
たとえばスプリンクラー設備の節には、次のように書かれています。
大阪市「消防用設備等の設置に係る運用基準」第1章第3節 閉鎖型スプリンクラーヘッドを用いるスプリンクラー設備 第14 特例基準 8 仮設建築物で、屋内消火栓設備の基準(第12.2.(1)から(4)まで)に適合するものについては、閉鎖型スプリンクラーヘッドを用いるスプリンクラー設備を設置しないことができる。
条件の中身はスプリンクラー設備の節にはありません。
この項目だけを読んでも、何を満たせばよいのかは分からない書き方です。
同じ書き方で屋内消火栓設備の4つの条件を借りている節は、全部で13あります。
設備節と項目柱書に書かれている条文
閉鎖型スプリンクラーヘッドを用いるスプリンクラー設備第1章第3節 第14 特例基準 8令第32条又は条例第47条
開放型スプリンクラーヘッドを用いるスプリンクラー設備第1章第4節 第14 特例基準 1令第32条又は条例第47条
放水型ヘッド等を用いるスプリンクラー設備第1章第5節 第14 特例基準 5令第32条又は条例第47条
水噴霧消火設備第1章第6節 第13 特例基準 1令第32条又は条例第47条
泡消火設備(低発泡を用いるもの)第1章第7節 第7 特例基準 1令第32条又は条例第47条
不活性ガス消火設備(二酸化炭素を放射するもの)第1章第8節 第7 特例基準 1令第32条又は条例第47条
ハロゲン化物消火設備(ハロン1301を放射するもの)第1章第9節 第8 特例基準 1令第32条又は条例第47条
粉末消火設備第1章第10節 第7 特例基準 1令第32条又は条例第47条
屋外消火栓設備第1章第11節 第11 特例基準 2令第32条
動力消防ポンプ設備第1章第12節 第6 特例基準 2令第32条
消防用水第4章 第5 特例基準 1令第32条
排煙設備第5章第1節 第6 特例基準 2(2)令第32条
連結送水管第5章第3節 第9 特例基準 4令第32条又は条例第47条
自分の建物に必要な設備が表にあるときは、次の順番で読みます。
  1. 設置が必要になる設備の節を開き、節の終わりにある「特例基準」を探す
  2. 特例基準の中から「仮設建築物」で始まる項目を探す。項目がなければ、その設備には仮設建築物の特例が書かれていない
  3. 項目に「屋内消火栓設備の基準(第12.2.(1)から(4)まで)に適合するもの」とあれば、第1章第2節 屋内消火栓設備の第12 特例基準 2を開く
  4. (1)の存続期間が6カ月以内であることを、建物を使う予定の期間と照らす
  5. (2)の避難、(3)の発見と報知、(4)の初期消火について、どんな措置をとるのかを書き出す
  6. 設備の節に戻り、特例基準の柱書に書かれている条文が「令第32条又は条例第47条」か「令第32条」かを確かめる
  7. 消防法施行令第32条を読み、認めるかどうかを判断するのが消防長又は消防署長であることを確かめる
さらに、これらの節の特例基準を、まとめて借りている節もあります。
設備特例基準の書き方借りている先
不活性ガス消火設備(窒素・IG-55・IG-541を放射するもの)第1章第8節の2 第5 特例基準 「不活性ガス消火設備(二酸化炭素を放射するもの)の基準(第7(3を除く。))を準用する。」二酸化炭素の節の第7 特例基準(1が仮設建築物の項目)
ハロゲン化物消火設備(HFC-23等を放射するもの)第1章第9節の2 第5 特例基準 「ハロゲン化物消火設備(ハロン1301を放射するもの)の基準(第8)を準用する。」ハロン1301の節の第8 特例基準(1が仮設建築物の項目)
特定駐車場用泡消火設備第8章第3節 第17 特例基準 1 「泡消火設備の基準(第7.1、2及び3)を準用する。」泡消火設備の節の第7 特例基準 1
パッケージ型消火設備第8章第1節 第4 特例基準 1 「屋内消火栓設備の基準(第12(8から11までを除く。))を準用する。」屋内消火栓設備の節の第12 特例基準(2が仮設建築物の項目)
パッケージ型自動消火設備第8章第2節 第4 特例基準 1 「閉鎖型スプリンクラーヘッドを用いるスプリンクラー設備の基準(第14(5、9、10及び11を除く。))に適合するもの」閉鎖型のスプリンクラー設備の節の第14 特例基準(8が仮設建築物の項目)
加圧防排煙設備第8章第6節 第6 特例基準 「排煙設備の基準(第6.2)に適合するものについては、令第32条を適用し、排煙口を設置しないことができる。」排煙設備の節の第6 特例基準 2((2)が仮設建築物の項目)
たとえば特定駐車場用泡消火設備は、泡消火設備の節を経由して、屋内消火栓設備の節の4つの条件にたどり着きます。
ここでは、条件を2回たどることになります。
準用の範囲から外されている項目の番号に、仮設建築物の項目が入っていないことも確かめてください。
読むときは、設備の節、借りている節、屋内消火栓設備の節の3つを並べて開くと迷いません。

スプリンクラー設備の節だけを読んでも、条件が分からないわけですね。
屋内消火栓設備が要らない建物でも、その節を開くのですか。

はい、条件の中身は屋内消火栓設備の節にしか書かれていません。
必要な設備の節と並べて開いて確かめましょう。

自動火災報知設備と非常コンセント設備の条件はどこが違うのか

プレハブの守衛所の壁に非常ベルが付き手前に懐中電灯と時計が置かれたイラスト
仮設建築物の項目がある節のうち、屋内消火栓設備の節を借りていないものが2つあります。
1つ目は自動火災報知設備で、自分の節に独自の条件を書いています。
大阪市「消防用設備等の設置に係る運用基準」第2章第1節 自動火災報知設備 第12 特例基準 4 仮設建築物のうち次に該当するものについては、自動火災報知設備を設置しないことができる。
(1) 存続期間が6カ月以内であること
(2) 巡回監視装置を設け頻繁に巡視する等容易に火災を感知できる措置が講じられていること
自動火災報知設備の条件は2つです。
2つ目は非常コンセント設備で、期間だけが書かれています。
大阪市「消防用設備等の設置に係る運用基準」第5章第4節 非常コンセント設備 第3 特例基準 1 仮設建築物で、その存する期間が6カ月以内のものは、非常コンセント設備を設置しないことができる。
3つの書き方を並べると、次のとおりです。
設備節と項目書かれている条件柱書に書かれている条文
屋内消火栓設備(13の節が借りる)第1章第2節 第12 特例基準 2存続期間が6カ月以内、容易に避難できる位置及び構造形態、早期に発見し報知する措置、初期消火のための措置令第32条又は条例第47条
自動火災報知設備第2章第1節 第12 特例基準 4存続期間が6カ月以内、巡回監視装置を設け頻繁に巡視する等容易に火災を感知できる措置令第32条又は条例第47条
非常コンセント設備第5章第4節 第3 特例基準 1存する期間が6カ月以内令第32条
屋内消火栓設備の(3)は「発見し、かつ、報知する」措置を求め、自動火災報知設備の(2)は「感知できる」措置を求めています。
似た内容ですが文面は別で、どちらか一方に合えばもう一方にも合うとは書かれていません。
自動火災報知設備の項目は、屋内消火栓設備の(2)の避難や(4)の初期消火を条件に挙げていません。
巡視の間隔や巡回監視装置の種類も書かれていないため、夜間や休業日の体制を含めて消防署に確かめてください。
このほか、パッケージ型消火設備の節には、仮設建築物について次の項目があります。
大阪市「消防用設備等の設置に係る運用基準」第8章第1節 パッケージ型消火設備 第4 特例基準 7 仮設建築物のうち、地階、無窓階又は火災のとき煙が著しく充満するおそれのある場所であることにより、パッケージ型消火設備が設置できない防火対象物又はその部分であっても、屋内消火栓設備の基準(第12.2)に適合するものについては、パッケージ型消火設備を設置することができる。
これは設備を外す項目ではなく、置ける場所を広げる項目です。
ここでも、条件は屋内消火栓設備の節の第12 特例基準 2を指しています。
仮設の建物で夜間に人がいなくなる時間帯があるなら、巡視の体制を先に決めておきましょう。

自動火災報知設備は、巡視の体制が条件に入っているのですね。
うちの仮店舗は、夜間は無人になります。

条件には頻繁に巡視する等の措置と書かれています。
夜間の体制をどうするか、消防署に相談して決めましょう。

仮設建築物でも特例の項目が書かれていない設備はどれか

消火器と誘導灯と非常ベルと避難はしごの箱が横に並ぶイラスト
反対に、仮設建築物の項目が見当たらない節もあります。
大阪市が公開している運用基準の各節を「仮設」という語で検索すると、次の節には該当する箇所がありませんでした。
  • 消火器具(第1章第1節 第4 特例基準)
  • 漏電火災警報器(第5 特例基準)
  • 非常警報設備(非常ベル又は自動式サイレンの第4 特例基準、放送設備の第6 特例基準)
  • ガス漏れ火災警報設備(第11 特例基準)
  • 消防機関へ通報する火災報知設備(第5 特例基準)
  • 避難器具(第8 特例基準)
  • 誘導灯及び誘導標識(各項目の特例)
  • 連結散水設備(第12 特例基準)
これらの設備は6か月以内でも国の基準どおりです。
消火器や誘導灯、避難器具は、仮設の建物でも、面積や用途、収容人員が基準に当たれば設置が必要になります。
特例の項目がある設備とない設備を分けると、次のように整理できます。
区分設備書かれている条件
屋内消火栓設備の4つの条件による屋内消火栓設備、スプリンクラー設備、水噴霧消火設備、泡消火設備、不活性ガス消火設備、ハロゲン化物消火設備、粉末消火設備、屋外消火栓設備、動力消防ポンプ設備、消防用水、排煙設備、連結送水管など存続期間が6カ月以内、避難、発見と報知、初期消火
独自の条件による自動火災報知設備存続期間が6カ月以内、巡回監視等
期間だけによる非常コンセント設備存する期間が6カ月以内
仮設建築物の項目が見当たらない消火器具、漏電火災警報器、非常警報設備、ガス漏れ火災警報設備、消防機関へ通報する火災報知設備、避難器具、誘導灯及び誘導標識、連結散水設備-
項目がないことは、特例が認められないという意味ではありません。
消防法施行令第32条は設備の種類を限っていないので、運用基準に書かれていない場合は、個別に消防署へ相談することになります。
存続期間が6か月を超える仮設建築物についても、運用基準には項目がありません。
期間の数え方も書かれていないため、工期が延びて6か月を超えそうなときは、早めに消防署へ伝えてください。
仮設の建物の計画では、まず消火器、誘導灯、避難器具の要否を、通常の建物と同じ手順で確かめましょう。

消火器や誘導灯は、半年だけの建物でも普通に必要なのですね。
全部まとめて外せるのだと勘違いしていました。

はい、これらの節には仮設建築物の項目が見当たりません。
通常の建物と同じ手順で、必要な数を確かめましょう。

東大阪市や堺市では仮設建築物の扱いはどう書かれているのか

3つの庁舎の前に同じ大きさのプレハブの小屋が1つずつ建つイラスト
最後に、近隣の東大阪市と堺市が公開している基準と比べます。
東大阪市の自動火災報知設備の運用基準には、大阪市と同じ文面の項目があります。
東大阪市「自動火災報知設備の設置に係る運用基準」Ⅱ 細目 9 特例基準 ⑸ 仮設建築物のうち次に該当するものについては、自動火災報知設備を設置しないことができる。
ア 存続期間が6カ月以内であること。
イ 巡回監視装置を設け頻繁に巡視する等容易に火災を感知できる措置が講じられていること。
自動火災報知設備の2つの条件は両市で同じです。
各市の公開資料で確認できた範囲を並べると、次のとおりです。
比べる点大阪市東大阪市堺市
自動火災報知設備ある(第12 特例基準 4)ある(9 特例基準 ⑸)。条件は大阪市と同じ2つ第12 自動火災報知設備の「11 特例適用基準」に見当たらない
非常コンセント設備ある(第3 特例基準 1)。存する期間が6カ月以内非常コンセント設備の設置に係る運用基準の「8 特例基準」に見当たらない見当たらない
連結送水管ある(第9 特例基準 4)。屋内消火栓設備の4つの条件による連結送水管の設置に係る運用基準の「7 特例基準」に見当たらない見当たらない
屋内消火栓設備、スプリンクラー設備などある(屋内消火栓設備 第12 特例基準 2と、これを借りる各節)公開されている6つの運用基準に含まれていないため確認できない見当たらない
特例の根拠として書かれている条文令第32条又は条例第47条(節によっては令第32条)令第32条又は条例第52条(自動火災報知設備 9 特例基準の柱書)-
表の「-」は、該当する項目が見当たらないことを示します。
東大阪市が公開している運用基準は、消火器具、自動火災報知設備、避難器具、誘導灯、非常コンセント設備、連結送水管の6つで、屋内消火栓設備やスプリンクラー設備の基準は公開されていません。
このため、東大阪市で大阪市の4つの条件に当たるものがあるかどうかは、公開資料からは分かりません。
堺市消防局の「堺市消防同意・消防用設備等審査基準」は、公開されている資料を「仮設建築物」という語で検索しても、設備を設置しないことができる項目としては見当たりませんでした。
大阪市と同じ項目がないことは、その市で特例が認められないという意味ではありません。
基準に書かれていない場合は、消防法施行令第32条にもとづいて個別に相談することになります。
複数の市で仮設の建物を建てる場合は、建物ごとに管轄の消防署で扱いを確かめ直してください。

つまり、同じ半年の仮店舗でも、市によって基準に書かれている範囲が違うのですね。

はい、大阪市のように設備ごとに書いている市もあれば、項目がない市もあります。
建物ごとに管轄の消防署で確かめるのが確実です。

よくある質問

Q大阪市で存続期間が6か月以内の仮設建築物なら、屋内消火栓設備は自動的に不要になりますか?
A自動的には不要になりません。大阪市の特例基準は、存続期間のほかに避難、発見と報知、初期消火の3つの条件を挙げています。そのうえで、消防法施行令第32条により消防長又は消防署長が認めたときに、設置しないことができます。
Q仮設建築物でも消火器や誘導灯は必要ですか?
A面積や用途が国の基準に当たれば必要です。大阪市の運用基準の消火器具や誘導灯の節には、仮設建築物を対象にした特例の項目が見当たりません。個別の事情がある場合は、所轄の消防署に相談してください。
Qスプリンクラー設備の特例の条件は、どこを読めば分かりますか?
A第1章第2節 屋内消火栓設備の第12 特例基準 2です。スプリンクラー設備の節の第14 特例基準 8は、この(1)から(4)までに適合することを条件としており、条件の中身は屋内消火栓設備の節にしか書かれていません。
Q工期が延びて6か月を超えそうなときは、どうなりますか?
A大阪市の運用基準には、6か月を超える仮設建築物についての項目がありません。期間の数え方も書かれていないため、延びることが分かった時点で、所轄の消防署に相談してください。

まとめ

✔消防法施行令と消防法施行規則には、仮設の建物だけを対象にした設置基準の条文がありません
✔大阪市の運用基準は、仮設建築物の特例の条件を屋内消火栓設備の第12 特例基準 2に4つで書いています
✔4つの条件は、存続期間が6か月以内、避難、発見と報知、初期消火です
✔スプリンクラー設備や連結送水管など13の節が、この条件をそのまま借りています
✔自動火災報知設備は6か月以内と巡回監視等、非常コンセント設備は6か月以内だけが条件です
✔消火器具、誘導灯、避難器具などの節には、仮設建築物の項目が見当たりません
✔東大阪市は自動火災報知設備に同じ文面の項目があり、堺市の審査基準には項目が見当たりません

仮設の建物でも、設備ごとに条件の場所が違うことが分かってすっきりしました。
まずは工程表で建物を使う期間を確かめてみます!

期間と図面がそろっていれば、消防署への相談もスムーズに進みます。
㈱防災屋でもご相談を承っております。

防火管理はプロにお任せ下さい

まずはWebで無料お見積りを!

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監修・編集者
青木 俊輔
青木 俊輔

㈱防災屋 代表取締役/消防設備士

平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!

本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。

詳しい経歴・保有資格を見る
学歴
  • 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
  • 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
  • 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
保有資格
  • 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
  • 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
  • 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
  • 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
  • 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
  • eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了

趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)

主な活動

参考・出典

  • 大阪市消防局「消防用設備等の設置に係る運用基準」第1章第2節 屋内消火栓設備 第12 特例基準 2、第1章第3節 閉鎖型スプリンクラーヘッドを用いるスプリンクラー設備 第14 特例基準 8、第2章第1節 自動火災報知設備 第12 特例基準 4、第5章第3節 連結送水管 第9 特例基準 4、第5章第4節 非常コンセント設備 第3 特例基準 1、第8章第1節 パッケージ型消火設備 第4 特例基準 1、7 ほか各節の特例基準 https://www.city.osaka.lg.jp/shobo/page/0000350878.html
  • 東大阪市「自動火災報知設備の設置に係る運用基準」Ⅱ 細目 9 特例基準 ⑸、「非常コンセント設備の設置に係る運用基準」8 特例基準、「連結送水管の設置に係る運用基準」7 特例基準 https://www.city.higashiosaka.lg.jp/0000041303.html
  • 堺市消防局「堺市消防同意・消防用設備等審査基準」第12 自動火災報知設備 Ⅱ 細目 11 特例適用基準 ほか https://www.city.sakai.lg.jp/kurashi/bosai/shobo/shokai/reiki/kijyun/index.html
  • 消防法施行令第32条
  • 建築基準法第85条

※本記事は公表されている法令および各市消防局の公開資料に基づく一般的な解説です。運用基準は改正されることがあるため、最新の内容は管轄の消防署・消防局で確認してください。特例を使えるかどうかの個別の判断は、所轄消防署にご確認ください。

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