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大阪市で天井裏にも感知器がある建物の警戒区域はどう分けるのか|7つの項目を解説

大阪市で天井裏にも感知器がある建物の警戒区域はどう分けるのかを解説する記事のアイキャッチ

自動火災報知設備の受信機には、火災が起きた場所を示す表示窓が並んでいます。
窓の1つ1つに対応する範囲を警戒区域といい、国の消防法施行令第21条第2項が、階や面積や一辺の長さの決まりを定めています。
大阪市消防局の消防用設備等の設置に係る運用基準は、自動火災報知設備の節で、国の決まりに加えて、天井裏や階段などの分け方を7つの項目にまとめています。
この記事では、国の基準と大阪市の運用を分けて整理し、天井裏の500平方メートルの項目を中心に、東大阪市や堺市の基準とも比べます。

大阪市内の木造2階建ての店舗で防火管理者をしています。
天井裏にも感知器があるのですが、受信機の表示は室内と別になるのでしょうか。

大阪市の運用基準には、天井裏と室内の面積の合計で決まる項目があります。
国の決まりとは別の場所に書かれています。

国の決まりは600平方メートルだと聞いたことがあります。
天井裏も同じ数字で考えてよいのですか。

天井裏の項目に出てくる数字は500平方メートルです。
国の基準、市の条例、市の運用基準の順に分けて読むと整理できます。

この記事の結論
  • 国の消防法施行令第21条第2項は、警戒区域を2以上の階にわたらないこと、面積を600平方メートル以下、一辺の長さを50メートル以下とすることを定めています
  • 大阪市の運用基準は、国の令と規則に加えて条例第42条第3項も根拠に挙げ、警戒区域の項目を1から7まで並べています
  • 項目3は、感知器が必要な天井裏の面積と天井の屋内に面する部分の面積の合計が500平方メートル以下なら、条例第42条第3項の規定にかかわらず1つの警戒区域にできるとしています
  • 階段や昇降路などのたて穴は、高さ45メートルと水平距離50メートルを目安にした項目4から6で分け方が決まります
  • 同じ趣旨の項目が東大阪市と堺市にもありますが、天井裏の面積の合計はどちらも600平方メートル以下で、堺市は点検口等も条件にしています

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大阪市の警戒区域の基準を消防法施行令から大阪市火災予防条例と運用基準へたどる流れを示す図解

自動火災報知設備の警戒区域は国の基準でどう決まっているのか

2階建ての建物の上の階と下の階が別の色で塗り分けられたイラスト
まず、国の基準を整理します。
警戒区域の決まりは、消防法施行令第21条第2項の第1号と第2号に置かれています。
消防法施行令第二十一条第二項 一 自動火災報知設備の警戒区域(火災の発生した区域を他の区域と区別して識別することができる最小単位の区域をいう。次号において同じ。)は、防火対象物の二以上の階にわたらないものとすること。ただし、総務省令で定める場合は、この限りでない。
二 一の警戒区域の面積は、六百平方メートル以下とし、その一辺の長さは、五十メートル以下(別表第三に定める光電式分離型感知器を設置する場合にあつては、百メートル以下)とすること。ただし、当該防火対象物の主要な出入口からその内部を見通すことができる場合にあつては、その面積を千平方メートル以下とすることができる。
第1号のただし書が指している総務省令は、消防法施行規則第23条第1項です。
消防法施行規則第二十三条第一項 令第二十一条第二項第一号ただし書の総務省令で定める場合は、自動火災報知設備の一の警戒区域の面積が五百平方メートル以下であり、かつ、当該警戒区域が防火対象物の二の階にわたる場合又は第五項(第一号及び第三号に限る。)の規定により煙感知器を設ける場合とする。
国の基準は階と面積と一辺の長さの3つで決まります。
規則第23条第5項の第1号は階段及び傾斜路、第3号はエレベーターの昇降路、リネンシュート、パイプダクトその他これらに類するものです。
整理すると、次のとおりです。
決まり内容根拠
階2以上の階にわたらない令第21条第2項第1号
階の例外警戒区域の面積が500平方メートル以下で、2の階にわたる場合。階段及び傾斜路や、エレベーターの昇降路などに煙感知器を設ける場合規則第23条第1項
面積600平方メートル以下。主要な出入口から内部を見通すことができる場合は1,000平方メートル以下令第21条第2項第2号
一辺の長さ50メートル以下。光電式分離型感知器を設置する場合は100メートル以下令第21条第2項第2号
感知器を設ける場所は、同じ第2項の第3号に定められていて、天井又は壁の屋内に面する部分のほか、天井裏の部分も対象です。
ただし、警戒区域を定めた第1号と第2号、規則第23条第1項には、天井裏という言葉は出てきません。
天井裏に感知器があるとき、室内と同じ警戒区域にしてよいのかどうかは、国のこの3つの条文を読んでも決まらないということです。
ここまでが、全国どこでも同じ国の基準です。
まずは警戒区域一覧図を開いて、区域ごとの階と面積を確かめてみましょう。

国の条文には、天井裏の区域の分け方までは書かれていないのですね。
600平方メートルだけ覚えていました。

はい、国が決めているのは階と面積と一辺の長さです。
天井裏の分け方は、次の大阪市の基準に出てきます。

大阪市の運用基準は警戒区域にどんな項目を足しているのか

壁に取り付けられた受信機の表示灯が並び1つだけ赤く光っているイラスト
ここからは大阪市の運用です。
大阪市の運用基準は、自動火災報知設備の節の第2に、警戒区域の項目を置いています。
大阪市「消防用設備等の設置に係る運用基準」第2章 第1節 自動火災報知設備 第2 警戒区域 警戒区域は、令第21条第2項第1号及び第2号並びに規則第23条第1項並びに条例第42条第3項の規定により設定するほか、次による。
1 1の警戒区域は、2以上の独立した建築物にまたがらないものとする。
2 規則第23条第1項に規定する「警戒区域の面積が500平方メートル以下であり、かつ、当該警戒区域が2の階にわたる場合」にあっては、当該警戒区域内に階段が設けられていること◆
根拠は国の令と規則に市の条例を加えた3つです。
国の基準はそのまま適用され、大阪市火災予防条例第42条第3項が重なり、そのうえに運用基準の項目が並ぶという読み方になります。
項目は1から7までの7つです。
項目内容◆印
11つの警戒区域は、2以上の独立した建築物にまたがらないなし
2500平方メートル以下で2の階にわたる警戒区域には、区域内に階段が設けられていることあり
3感知器が必要な天井裏の面積と、その天井の屋内に面する部分の面積の合計が500平方メートル以下なら、条例第42条第3項の規定にかかわらず1つの警戒区域にできるなし
4階段、傾斜路は高さ45メートル以下ごとに1つの警戒区域とする。地階の階段、傾斜路(地下1階までのものを除く)は別の警戒区域とするあり
5階段、傾斜路、エレベーターの昇降路などのたて穴部分は、各階の廊下、通路、居室等とは別の警戒区域とする。階数が2以下の防火対象物の階段部分は、2階の廊下、通路、居室等と同一にできるあり
6たて穴部分が2以上ある場合、その1つから水平距離50メートルの範囲内にあるものは同一の警戒区域にできる。放送設備が設置される場合は、原則としてたて穴部分ごとに1つの警戒区域とするあり
7主要な避難口から内部を容易に見とおすことができる場合は、令第21条第2項第2号の規定にかかわらず、警戒区域の一辺の長さを100メートル以下にできるあり
◆印は、運用基準の凡例で、行政手続法上の行政指導に該当する事項とされています。
印のない項目は法令基準で、消防庁の通知などで示された法令の解釈を含むと説明されています。
7つのうち、印がないのは項目1と項目3の2つです。
項目2は、国の規則が認めている「500平方メートル以下で2の階にわたる警戒区域」に、区域の中に階段があることという条件を足しています。
1階と2階を1つの警戒区域にしている小さな建物では、その区域の中に階段が入っているかを図面で確かめましょう。

7つのうち5つに印が付いているのですね。
印がある項目とない項目で、扱いは変わるのですか。

凡例では、印のある項目は行政指導、印のない項目は法令基準と分けられています。
項目ごとに印の有無を確かめましょう。

天井裏と室内を1つの警戒区域にできるのはどんな場合か

部屋の天井の下と天井裏の両方に丸い感知器が付いている建物の断面のイラスト
7つの中で、条例が関わっているのが項目3です。
大阪市「消防用設備等の設置に係る運用基準」第2章 第1節 自動火災報知設備 第2 警戒区域 3 感知器を設置しなければならない天井裏の部分の面積と当該天井の屋内に面する部分の面積の合計が500平方メートル以下の場合にあっては、条例第42条第3項の規定にかかわらず1の警戒区域とすることができる。
項目3は条例の規定にかかわらずという書き方です。
第2の柱書は、警戒区域を条例第42条第3項の規定によっても設定するとしていました。
そのうえで項目3が「条例第42条第3項の規定にかかわらず1の警戒区域とすることができる」と書いているので、条例のこの項は、天井裏の部分と天井の屋内に面する部分の警戒区域の分け方に関わる規定だと読み取れます。
条例第42条第3項がどの規模の建物にかかるのかは、運用基準には書かれていません。
大阪市火災予防条例の原文は、大阪市例規データベースで確かめてください。
項目3には◆印がなく、特例基準の節のような「令第32条又は条例第47条の規定を適用し」という言葉も付いていません。 項目3を使うには、まず天井裏に感知器が必要かどうかを確かめます。
国の令第21条第2項第3号のただし書は、特定主要構造部を耐火構造とした建築物では、天井裏の部分に感知器を設けないことができるとしています。
規則第23条第4項第1号ハは、天井と上階の床との間の距離が0.5メートル未満の天井裏を、感知器を設ける部分から外しています。
このどちらにも当たらない天井裏が、項目3のいう「感知器を設置しなければならない天井裏」です。
次に、面積を足します。
天井の屋内に面する部分の面積感知器が必要な天井裏の面積合計大阪市の項目3
250平方メートル250平方メートル500平方メートル合計が500平方メートル以下なので、1つの警戒区域にできる
300平方メートル300平方メートル600平方メートル合計が500平方メートルを超えるので、項目3には当たらない
この表は、項目3の数字を当てはめただけの計算例です。
500平方メートルという数字は、国の規則第23条第1項が「2の階にわたる警戒区域」に使っている数字と同じです。
国の第2号の600平方メートルとは別の数字なので、天井裏のある階では500平方メートルで線を引く点に注意してください。
天井裏の感知器については、規則第23条第4項第1号の柱書が、感知器を「点検その他の維持管理ができる場所」に設けることを求めています。
天井裏のある階について、室内の面積と天井裏の面積を図面から拾い、合計を出してみましょう。

うちの2階は室内が200平方メートルほどで、天井裏も同じ広さです。
合計すると400平方メートルになります。

合計が500平方メートル以下なら、項目3に当たる数字です。
天井裏に感知器が必要な造りかどうかも、図面で確かめましょう。

階段やエレベーターの昇降路の警戒区域はどう分けるのか

5階建ての建物の左端に階段のたて穴があり右端に昇降路のたて穴があるイラスト
項目4から6は、階をまたいで上下につながる部分の分け方です。
国の規則第23条第1項は、階段及び傾斜路やエレベーターの昇降路などに煙感知器を設ける場合を、2以上の階にわたってよい例外にしていました。
大阪市の運用基準は、その先の分け方を具体的に書いています。
大阪市「消防用設備等の設置に係る運用基準」第2章 第1節 自動火災報知設備 第2 警戒区域 4 階段、傾斜路にあっては、高さ45メートル以下ごとに1の警戒区域とする。ただし、地階の階段、傾斜路(地下1階までのものを除く。)は、別の警戒区域とする。◆
5 階段、傾斜路、エレベーターの昇降路その他これらに類するたて穴部分(吹き抜けとなっているパイプダクト等を含む。以下同じ。)は各階の廊下、通路、居室等とは、別の警戒区域とする。ただし、階数が2以下の防火対象物の階段部分の警戒区域は、2階の廊下、通路、居室等と同一の警戒区域とすることができる。◆
6 階段、傾斜路、エレベーターの昇降路その他これらに類するたて穴部分が同一防火対象物に2以上ある場合は、それらの1から水平距離50メートルの範囲内にあるものにあっては、同一の警戒区域とすることができる。ただし、非常警報設備(放送設備)(以下この節において「放送設備」という。)が設置される場合は、原則として階段、傾斜路、エレベーターの昇降路その他これらに類するたて穴部分ごとに1の警戒区域とする。◆
たて穴は居室と分け、高さと水平距離でまとめます。
3つとも◆印が付いた行政指導の項目です。
項目6のただし書により、放送設備のある建物では、階段や昇降路を1つずつ別の警戒区域にするのが原則になります。
項目7は、国の第2号と見比べて読む項目です。
国の第2号のただし書は、主要な出入口から内部を見通すことができる場合に、面積を1,000平方メートル以下まで広げています。
大阪市の項目7は、主要な避難口から内部を容易に見とおすことができる場合に、一辺の長さを100メートル以下にできると書いています。
項目7には◆印が付いていて、根拠にする条文は項目の中に書かれていません。
体育館や倉庫のような見とおしのよい建物でこの項目を使うときは、所轄の消防署に確かめてください。
この第2の項目は、同じ運用基準のほかの節からも借りられています。
大阪市「消防用設備等の設置に係る運用基準」第8章 第4節 特定小規模施設用自動火災報知設備 第3 警戒区域◆ 特定小規模施設用自動火災報知設備のうち受信機を設置するものの警戒区域は、特定小規模自火報省令第3条第2項第1号の規定によるほか、自動火災報知設備の基準(第2(3及び7を除く。))を準用する。
大阪市「消防用設備等の設置に係る運用基準」第8章 第5節 複合型居住施設用自動火災報知設備 第2 警戒区域◆ 警戒区域は、複合型自火報省令第3条第2項の規定及び自動火災報知設備の基準(第2)を準用するほか、特定小規模施設用自動火災報知設備を設置するものにあっては、特定小規模施設用自動火災報知設備の基準(第3)を準用する。
特定小規模施設用自動火災報知設備の節は、「3及び7を除く」と書いて、天井裏の項目3と一辺100メートルの項目7を借りる範囲から外しています。
複合型居住施設用自動火災報知設備の節は第2の全体を借り、特定小規模施設用の設備を設置するものは、さらにその節の第3を借ります。
その第3は、いま見たとおり自動火災報知設備の第2を一部を除いて借りているので、2段でつながっていることになります。
借りている関係をまとめると、次のとおりです。
借りている節借りている範囲外している項目
特定小規模施設用自動火災報知設備 第3 警戒区域自動火災報知設備の基準 第2項目3(天井裏)と項目7(一辺100メートル)
複合型居住施設用自動火災報知設備 第2 警戒区域自動火災報知設備の基準 第2。特定小規模施設用の設備を設置するものは、特定小規模施設用自動火災報知設備の基準 第3第2を借りる部分には、外している項目は書かれていない
ここまでの読み方を、手順として並べます。
  1. 消防法施行令第21条第2項第1号を読み、警戒区域が2以上の階にわたっていないかを確かめる
  2. 消防法施行規則第23条第1項を読み、500平方メートル以下で2の階にわたる場合か、階段や昇降路などに煙感知器を設ける場合に当たるかを確かめる
  3. 消防法施行令第21条第2項第2号を読み、面積が600平方メートル以下、一辺の長さが50メートル以下に収まっているかを確かめる
  4. 運用基準の第2の柱書を開き、条例第42条第3項も根拠に挙げられていることを確かめ、条例の原文に当たる
  5. 天井裏に感知器が必要な階があれば項目3を開き、天井裏の面積と天井の屋内に面する部分の面積の合計が500平方メートル以下かを確かめる
  6. 1つの警戒区域が2の階にわたっていれば項目2を開き、区域の中に階段があるかを確かめる
  7. 階段や昇降路などのたて穴は項目4から6を開き、高さ45メートル、居室等との区別、水平距離50メートル、放送設備の有無を確かめる
  8. 特定小規模施設用や複合型居住施設用の設備なら、その節の警戒区域の項目を開き、第2のどの項目を借りているかを確かめる
  9. 項目ごとに◆印の有無を確かめ、迷う点は所轄の消防署に相談する
手順の4と5が、天井裏のある建物で特に大事な部分です。
放送設備のある建物では、手順の7で、階段や昇降路がたて穴ごとに別の警戒区域になっているかを見ておきましょう。

特定小規模施設用の設備では、天井裏の項目が外されているのですね。
同じ自動火災報知設備でも、借り方が違うとは思いませんでした。

はい、かっこ書の除くまで読むのが大事です。
設備の種類ごとに、警戒区域の項目を開いて確かめましょう。

東大阪市や堺市では天井裏の警戒区域がどう書かれているのか

3つの庁舎の入口の横に同じ大きさの受信機の箱が1つずつ付いたイラスト
最後に、近隣の東大阪市と堺市が公開している基準と比べます。
東大阪市の運用基準は、受信機の項目の中に警戒区域を置き、柱書で「令第21条第2項第1号及び第2号、規則第23条第1項、条例第48条第3項の規定によるほか」としています。
条例の条番号は違いますが、国の令と規則に市の条例を加えるという組み立ては大阪市と同じです。
天井裏の項目は、次のように書かれています。
東大阪市「自動火災報知設備の設置に係る運用基準」Ⅱ 細目 1 受信機 ⑶ 警戒区域 オ 天井裏等を有する階で、警戒する必要がある場合は、当該階と天井裏等はそれぞれ別の警戒区域とすること。ただし、警戒区域の面積の合計が600平方メートル以下の場合にあっては、条例第48条第3項の規定にかかわらず1の警戒区域とすることができる。
大阪市の項目3とよく似た文面ですが、合計の面積は600平方メートル以下です。
この項目には●印が付いていて、東大阪市の凡例では行政指導基準を表します。
次に堺市です。
堺市消防局の審査基準は、柱書で「政令第21条第2項第1号及び第2号並びに省令第23条第1項の規定によるほか」としていて、条例は挙げていません。
堺市消防局「堺市消防同意・消防用設備等審査基準」第12 自動火災報知設備 Ⅱ 細目 1 受信機 (6) 警戒区域 エ 天井裏等を有する階で、天井裏等を警戒する必要がある場合は、当該階と天井裏等はそれぞれ別の警戒区域とすること。ただし、当該階と天井裏等の面積の合計が600㎡以下で、天井裏部分の感知器の作動状況を容易に確認できる点検口等を設けた場合は、同一の警戒区域とすることができる。★
堺市は面積に加えて点検口等を条件にしています。
堺市の審査基準では、★は堺市消防局として定めた指導基準、◆は消防庁の通知等を参考に定めた指導基準を表します。
堺市の図には、天井裏は階ではないため面積は発生しないが、2階と同一の警戒区域にする場合は警戒区域の面積に便宜的に算入する、という説明が添えられています。
各市の公開資料で確認できた範囲を並べると、次のとおりです。
比べる点大阪市東大阪市堺市
警戒区域が書かれている場所自動火災報知設備 第2 警戒区域Ⅱ 細目 1 受信機 ⑶ 警戒区域第12 自動火災報知設備 Ⅱ 細目 1 受信機 (6) 警戒区域
柱書が挙げる根拠令第21条第2項第1号及び第2号、規則第23条第1項、条例第42条第3項令第21条第2項第1号及び第2号、規則第23条第1項、条例第48条第3項政令第21条第2項第1号及び第2号、省令第23条第1項
天井裏と室内を1つにできる面積の合計500平方メートル以下(項目3。印なし)600平方メートル以下(オ。●)600平方メートル以下で、点検口等を設けた場合(エ。★)
2の階にわたる500平方メートル以下の警戒区域区域内に階段が設けられていること(◆)区域内に階段が設けられていること。地階は原則として地上階と別(▲)感知器等の作動状況を容易に確認できる階段が設けられていること。地階は原則として地上階と別(★)
階段、傾斜路の高さ45メートル以下ごと。地階の階段、傾斜路(地下1階までのものを除く)は別(◆)45メートル以下ごと。地階の階段、傾斜路(地下1階までのものを除く)は別45メートル以下ごと(◆)。地下2階以上にわたる階段、傾斜路は別(★)
2以上あるたて穴水平距離50メートルの範囲内は同一にできる。放送設備が設置される場合は原則としてたて穴ごと(◆)水平距離50メートルの範囲内は同一にできる。頂部が3階層以上異なる場合又は放送設備が設置される場合は別水平距離50メートルの範囲内は同一にできる(◆)。頂部が3階層以上異なる場合は別(★)
階数が2以下の建物の階段2階の廊下、通路、居室等と同一にできる(◆)2階の廊下、通路、居室等と600平方メートル以下の範囲で同一にできる(●)2階の居室と600平方メートル以下の範囲で同一にできる(★)
見とおせる場合の一辺100メートルある(項目7。◆)警戒区域の項目には見当たらない警戒区域の項目には見当たらない
3市とも、たて穴の45メートルと50メートルは同じ数字です。
違いがはっきりしているのは、天井裏の面積の合計と、階数が2以下の建物の階段に付く面積の条件です。
大阪市で通った警戒区域の分け方が、ほかの市でもそのまま通るとは限りません。
複数の市に建物があるときは、建物のある市の基準を開いて、管轄の消防署で確かめ直してください。

つまり、天井裏と室内をまとめられる面積は、大阪市のほうが小さいのですね。

はい、公開されている基準では大阪市が500平方メートル、東大阪市と堺市が600平方メートルです。
建物ごとに管轄の消防署で確かめるのが確実です。

よくある質問

Q大阪市では、天井裏に感知器があれば必ず室内と別の警戒区域になりますか?
A運用基準の項目3は、感知器が必要な天井裏の面積と天井の屋内に面する部分の面積の合計が500平方メートル以下なら、条例第42条第3項の規定にかかわらず1つの警戒区域にできるとしています。合計が500平方メートルを超える場合の扱いは、条例の原文と所轄の消防署で確かめてください。
Q天井裏の500平方メートルと、国の600平方メートルはどう違いますか?
A600平方メートルは、消防法施行令第21条第2項第2号が定める1つの警戒区域の面積の上限です。500平方メートルは、大阪市の運用基準の項目3が、天井裏と室内を1つにまとめられる面積の合計として書いている数字です。
Q階段の警戒区域は、廊下や居室と同じにしてよいですか?
A大阪市の運用基準の項目5は、階段やエレベーターの昇降路などのたて穴部分を、各階の廊下、通路、居室等とは別の警戒区域にするとしています。ただし、階数が2以下の防火対象物の階段部分は、2階の廊下、通路、居室等と同一にできます。
Q東大阪市や堺市でも、天井裏の合計は500平方メートルですか?
A公開されている基準では、東大阪市も堺市も600平方メートル以下です。堺市は、天井裏部分の感知器の作動状況を容易に確認できる点検口等を設けることも条件にしています。

まとめ

✔国の消防法施行令第21条第2項は、警戒区域を2以上の階にわたらないこと、面積600平方メートル以下、一辺50メートル以下と定めています
✔大阪市の運用基準は、国の令と規則に条例第42条第3項を加えて根拠にし、警戒区域の項目を7つ並べています
✔項目3は、天井裏と室内の面積の合計が500平方メートル以下なら1つの警戒区域にできるとしています
✔階段や昇降路などのたて穴は、居室等とは別の警戒区域にし、高さ45メートルと水平距離50メートルでまとめます
✔特定小規模施設用自動火災報知設備の節は、項目3と項目7を除いて第2を借りています
✔東大阪市と堺市の天井裏の面積の合計は600平方メートル以下で、堺市は点検口等も条件です
✔7つのうち5つは◆印の付いた行政指導の項目で、迷う点は所轄の消防署に確かめます

国の基準と条例と運用基準を分けて読むと、天井裏の数字の意味がはっきりしました。
まずは面積の合計を図面から出してみます!

図面と警戒区域一覧図がそろっていれば、消防署への相談もスムーズに進みます。
㈱防災屋でもご相談を承っております。

防火管理はプロにお任せ下さい

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監修・編集者
青木 俊輔
青木 俊輔

㈱防災屋 代表取締役/消防設備士

平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!

本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。

詳しい経歴・保有資格を見る
学歴
  • 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
  • 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
  • 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
保有資格
  • 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
  • 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
  • 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
  • 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
  • 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
  • eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了

趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)

主な活動

参考・出典

  • 大阪市消防局「消防用設備等の設置に係る運用基準」凡例、第2章 第1節 自動火災報知設備 第2 警戒区域 1から7、第8章 第4節 特定小規模施設用自動火災報知設備 第3 警戒区域、第8章 第5節 複合型居住施設用自動火災報知設備 第2 警戒区域 https://www.city.osaka.lg.jp/shobo/page/0000350878.html
  • 東大阪市「自動火災報知設備の設置に係る運用基準」凡例、Ⅱ 細目 1 受信機 ⑶ 警戒区域 アからシ https://www.city.higashiosaka.lg.jp/0000041303.html
  • 堺市消防局「堺市消防同意・消防用設備等審査基準」第12 自動火災報知設備 Ⅱ 細目 1 受信機 (6) 警戒区域 アからサ https://www.city.sakai.lg.jp/kurashi/bosai/shobo/shokai/reiki/kijyun/index.html
  • 消防法施行令第21条第2項第1号から第3号
  • 消防法施行規則第23条第1項、第4項第1号、第5項第1号、第3号

※本記事は公表されている法令および各市消防局の公開資料に基づく一般的な解説です。運用基準は改正されることがあるため、最新の内容は管轄の消防署・消防局で確認してください。警戒区域の設定についての個別の判断は、所轄消防署にご確認ください。

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