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羽生市の祭りは露店何店舗から指定催しになるのか|行田市・鴻巣市・鈴鹿市・四日市市と消防長が定める要件を比べる

羽生市の祭りは露店何店舗から指定催しになるのかを示す川沿いの祭り会場に紅白の露店が並ぶ写真のアイキャッチ

夏祭りや花火大会で露店をたくさん並べると、消防長から指定催しとして指定されることがあります。
指定されると主催者は防火担当者を決め、開催する日の14日前までに計画を出さなければなりません。
ところが何店舗から指定の対象になるかは、火災予防条例ではなく、消防長が別に定める要件に書かれています。
この記事では羽生市の要件を入口に、行田市・鴻巣市・鈴鹿市・四日市市の線引きを原文で比べます。

羽生市で毎年夏祭りを開いていて、今年は露店がちょうど100店舗になりそうです。
これで指定催しになるのでしょうか。

羽生市の要件は露店等の数が100を超えることなので、ちょうど100なら露店の要件には当たりません。
ただ隣の行田市は100店舗「以上」と書いていて、同じ数でも答えが変わります。

市が違うだけで、そこまで変わるものなのですか。

露店の数のほかに、人出や会場を条件にするかどうかも本部ごとに違います。
要件が書かれている場所から順にたどっていきましょう。

この記事の結論
  • 指定催しの要件は火災予防条例の本文ではなく、消防長が別に定める告示・規程・要綱に書かれています
  • 露店等の数は、行田市と四日市市が100店舗以上、羽生市・鈴鹿市・埼玉県央広域が100を超えるもので、ちょうど100の扱いが分かれます
  • 人出の条件は、羽生市と行田市が10万人以上の予想、埼玉県央広域が10万人以上が入場可能な場所で、鈴鹿市と四日市市は人出を要件にしていません
  • 要件に当たっても、火災が起きたときに特に重大な被害を与えるおそれがあると認めるものだけが指定されます
  • 主催者は会場を管轄する消防本部の要件を確かめ、露店の数え方を出店募集の前に相談するのが確実です

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火災予防条例から消防長が別に定める要件、告示・規程・要綱を経て指定催しに至る順番と、露店の数・人出・会場の線引きは本部ごとに違うので会場を管轄する消防本部の要件を先に確かめることを示した図解

指定催しの要件はどこに書かれているのか

市役所の建物と書類の束から消防署を経て川沿いの祭り会場の露店へ点線の道がつながるイラスト
指定催しの仕組みは、消防法第9条を受けた市町村の火災予防条例に置かれています。
ただし条例の本文には、人数も店舗数も書かれていません。
津市火災予防条例 第42条の2第1項
消防長は、祭礼、縁日、花火大会その他の多数の者の集合する屋外での催しのうち、大規模なものとして消防長が別に定める要件に該当するもので、対象火気器具等(令第5条の2第1項に規定する対象火気器具等をいう。以下同じ。)の周囲において火災が発生した場合に人命又は財産に特に重大な被害を与えるおそれがあると認めるものを、指定催しとして指定しなければならない。
数字は消防長の定めにあります。
条例は「大規模なもの」の中身を消防長が別に定める要件に預けていて、その置き場所は本部ごとに形が違います。
羽生市は火災予防要綱の第10条、行田市は火災予防条例施行規程の第5条の2、鴻巣市・桶川市・北本市を受け持つ埼玉県央広域は火災予防規程の第12条に書いています。
鈴鹿市と四日市市は要件だけを定めた消防本部の告示を出していて、四日市市の告示は条例の条番号を第45条の2第1項としています。
津市の条例にも同じ第42条の2がありますが、要件を定めた告示などは例規集と公開資料では見つけられなかったため、この記事では津市の要件を扱いません。
  1. 消防法第9条で、火の使用に関し火災予防に必要な事項を市町村条例で定める
  2. 各市の火災予防条例 第42条の2第1項(四日市市は第45条の2第1項)で、要件を「消防長が別に定める」とする
  3. 羽生市=火災予防要綱 第10条/行田市=火災予防条例施行規程 第5条の2/埼玉県央広域=火災予防規程 第12条/鈴鹿市・四日市市=要件を定めた消防本部告示
  4. 要件に当たり、重大な被害のおそれがあると認めるものを消防長が指定催しとして指定する

条例を読んでも数字が見つからなかったのは、そういうわけだったのですね。

名前が要綱や規程になっている本部もあるので、条例と並べて探すのがこつです。
まず会場がどの消防本部の管轄かを確かめましょう。

露店の数は100店舗以上なのか100を超えるのか

道路の両側に紺とオレンジの屋根の露店が長く並び右端の1店舗だけ屋根が赤いイラスト
どの本部も露店の数は100を目安にしていますが、書き方が2通りに分かれます。
羽生市と行田市を並べると、その違いがよく分かります。
羽生市火災予防要綱 第10条
条例第42条の2第1項に規定する消防長が別に定める要件は、次の各号のいずれにも該当することとする。
(1) 大規模な催しが開催可能な公園、河川敷、道路その他の場所を会場として開催する催しで、一日当たりの人出予想が10万人以上であること。
(2) 主催する者が出店を認める露店等の数が100を超える規模の催しとして計画されているものであること。
行田市火災予防条例施行規程 第5条の2(抜粋)
(3) 主催者が出店を認める露店等の数が100店舗以上となる催し
境目は100ちょうどの扱いです。
「100を超える」なら101店舗から、「100店舗以上」なら100店舗から露店の要件に当たります。
100店舗以上と書いているのは行田市と四日市市で、100を超えると書いているのは羽生市・鈴鹿市・埼玉県央広域です。
参考に大阪府の堺市は、平成26年の消防局告示第2号で「おおむね100店舗以上」と、これに準ずる規模と消防長が認めるものを要件にしています。
出店数が100前後になりそうなら、計画の段階で会場の消防本部がどちらの書き方かを確かめておくと、指定の見通しが立てやすくなります。

うちの祭りは羽生市なので、100ちょうどなら露店の要件には当たらないわけですね。

条文の上ではそうですが、当日に1店舗増えるだけで線を越えます。
出店数に幅があるなら、多いほうの数で消防署に相談しておきましょう。

人出や会場を要件にしている市はどこなのか

川の堤防の手前に広い芝生の会場が広がり入口に紺色の門と3つの受付ブースと誘導柵が並ぶイラスト
露店の数のほかに、人出と会場の条件を重ねている本部があります。
埼玉県央広域は、同じ10万人でも数え方が羽生市・行田市と違います。
埼玉県央広域消防本部火災予防規程 第12条
条例第42条の2第1項に規定する消防長が定める要件は、公園、河川敷、道路その他の場所を会場として開催する催しで、次の各号のいずれにも該当する催しとする。
(1) 10万人以上が入場可能な場所であること。
(2) 主催者が出店を認める露店等の数が100店舗を超える規模の催しとして計画されている催しであること。
人の数え方が本部ごとに違います。
羽生市は「一日当たりの人出予想が10万人以上」、行田市は「1日当たりの来場者数が10万人以上予想される催し」と、催しに来る人の見込みで線を引いています。
埼玉県央広域は「10万人以上が入場可能な場所」と、会場の広さで線を引いていて、実際の人出の予想ではありません。
鈴鹿市は公園・河川敷・道路その他の場所を会場とすることと露店の数だけを要件にし、四日市市は露店の数の1つだけで、どちらも人出を要件にしていません。
堺市は人出を要件には入れず、指定するかどうかを判断する材料の1つとして「1日あたり10万人程度の人出予想」を挙げています。
消防本部要件を定めたもの会場人出露店等の数
羽生市火災予防要綱 第10条(いずれにも該当)公園・河川敷・道路その他の場所1日当たりの人出予想10万人以上100を超える
行田市火災予防条例施行規程 第5条の2(いずれにも該当)公園・河川敷・道路その他の場所1日当たりの来場者数10万人以上の予想100店舗以上
埼玉県央広域(鴻巣市・桶川市・北本市)火災予防規程 第12条(いずれにも該当)公園・河川敷・道路その他の場所10万人以上が入場可能な場所100店舗を超える
鈴鹿市平成26年 消防本部告示第2号(いずれにも該当)公園・河川敷・道路その他の場所要件なし100店舗を超える
四日市市消防本部告示第4号(平成26年7月3日)要件なし要件なし100店舗以上
津市条例第42条の2はあるが、要件を定めたものは例規集と公開資料で確認できず
(参考)堺市平成26年 消防局告示第2号(いずれかに該当)要件なし判断材料(10万人程度の人出予想)おおむね100店舗以上、又はこれに準ずる規模

鴻巣市の河川敷で開くと、人出が少なくても会場の広さで当たるかもしれないのですね。

露店の数も満たしたときに限りますが、県央広域は会場の広さで見ています。
会場の面積と入場できる人数の見込みを、主催者側でも把握しておきましょう。

要件に当たれば必ず指定催しになるのか

露店に挟まれた狭い通路の露店の中に発電機と赤い燃料缶が置かれ通路の入口が柵でふさがれて消防車が外で止まっているイラスト
条例は、要件に当たる催しのうち、さらに一定のおそれがあるものを指定するとしています。
埼玉県央広域は、そのおそれの中身も規程に書いています。
埼玉県央広域消防本部火災予防規程 第12条の2
条例第42条の2第1項に規定する火災が発生した場合に人命又は財産に特に重大な被害を与えるおそれがあると認めるものとは、次の各号のいずれかに該当する場合とする。
(1) 避難が容易にできないと認める場合
(2) 初期消火を実施しなければ、延焼による被害拡大のおそれが大きいと認める場合
(3) 消防隊の進入が困難で、主催する者による初期消火が不可欠であると認める場合
要件の次におそれを見ます。
条例は要件に当たることに加えて、対象火気器具等の周囲で火災が起きたときに特に重大な被害を与えるおそれがあると認めるものを指定するとしています。
埼玉県央広域はそのおそれを、避難が容易にできない、初期消火をしないと延焼で被害が広がる、消防隊が入りにくく主催者の初期消火が欠かせない、の3つのいずれかとしています。
堺市も同じ3つの事項に1日あたり10万人程度の人出予想を加え、避難経路の道幅や経路の数、実施面積、朝昼夜の時間帯、飲酒の有無といった客層から総合的に判断するとしています。
指定しようとするときはあらかじめ主催者の意見を聴くことになっていて、主催者のほうから指定を求めたときはこの手続が省かれます。

つまり会場の通路の広さや消防車の入り方も見られるということですね。

その通りで、通路と消防隊の進入路は配置図で一目で分かるようにしておくと話が早いです。
露店の区画を割る前に、通路の幅を先に決めましょう。

主催者は露店の数え方をどう確かめればよいのか

左に机と配置図の板を置いた主催者の紺色のテントがあり右に並ぶ3つの露店それぞれの前に赤い消火器が置かれたイラスト
100前後の線引きでは、何を1店舗と数えるかで結果が変わります。
数え方まで書いているのは、今回読んだ中では堺市の運用だけでした。
堺市消防同意・消防用設備等審査基準 火災予防条例の解説 第83条の2【運用】(抜粋)
3 対象となる露店等は、屋外に出店されるもので、対象火気器具等を使用しない露店等も含む。なお、開設者が同一でかつ、営業形態が一体となっているブースについては、1店舗とみなし店舗数を算定できるものとする。
火を使わない店も数に入ります。
堺市の運用は、露店等に移動販売車や模擬店、炊き出しや広報チラシの配布ブース、展示や体験のブースまで含め、火を使わない露店等も数えるとしています。
同じ開設者が一体で営業するブースは1店舗とみなして数えられるとしていますが、羽生市・行田市・鴻巣市・鈴鹿市・四日市市の要件には数え方の定めが見当たりません。
数え方が書かれていない本部では、出店者の一覧を持って消防署で数え方を確かめるのが確実です。
指定を受けたら防火担当者を定め、開催する日の14日前までに計画を出すことになり、行田市は施行規則で計画提出書の様式第1号の4を定めています。

キッチンカーや体験ブースも数に入るかもしれないのですね。

本部によって扱いが違いうるので、出店者の一覧を種類別に作っておくと相談がはかどります。
火を使う店には消火器の準備も伝えておきましょう。

よくある質問

Q露店が100店舗を超えても人出が少なければ指定されませんか?
A羽生市と行田市は人出の予想も「いずれにも該当」の要件に入れているので、10万人に届かない見込みなら要件に当たりません。一方で鈴鹿市と四日市市は人出を要件にしていないため、露店の数などの要件を満たせば人出にかかわらず対象になりえます。
Q屋内の展示会でも指定催しになりますか?
A条例第42条の2第1項は屋外での催しを対象にしています。屋内の催しは、劇場等以外の建物で催物を開くときの届出など別の規定で扱われます。
Q指定されたことはどうやって分かりますか?
A消防長から主催者に通知が届き、あわせて公示されます。埼玉県央広域は火災予防規程第13条で、指定通知書で通知し、開催場所・名称・開催期間などを組合の掲示場に掲示して公示するとしています。
Q指定されない祭りなら消防への手続は要りませんか?
A消防法施行令第5条の2第1項第6号を受けて、催しで対象火気器具等を使うときは規模にかかわらず消火器の準備が必要です。火を使う露店等の開設の届出も別にあり、行田市は施行規則で露店等の開設届出書の様式を定めています。

まとめ

✔指定催しの数字は条例ではなく消防長が別に定める要件に書かれています
✔羽生市は要綱、行田市は施行規程、埼玉県央広域は火災予防規程、鈴鹿市と四日市市は告示に置いています
✔露店等の数は、行田市と四日市市が100店舗以上、羽生市・鈴鹿市・埼玉県央広域が100を超えるものです
✔羽生市と行田市は人出の予想、埼玉県央広域は入場可能な人数で10万人の線を引いています
✔鈴鹿市と四日市市は人出を要件にしていません
✔要件に当たり、特に重大な被害のおそれがあると認めるものが指定されます
✔出店者の一覧を作り、露店の数え方を出店募集の前に管轄の消防署で確かめます

出店者の一覧を作って、羽生市の消防本部に数え方を聞いてきます!

指定に備えて防火担当者の候補と会場の配置図も用意しておくと安心です。
㈱防災屋でもご相談を承っております。

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お問い合わせ

監修・編集者
青木 俊輔
青木 俊輔

㈱防災屋 代表取締役/消防設備士

平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!

本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。

詳しい経歴・保有資格を見る
学歴
  • 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
  • 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
  • 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
保有資格
  • 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
  • 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
  • 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
  • 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
  • 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
  • eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了

趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)

主な活動

参考・出典

  • 消防法第9条、消防法施行令第5条の2第1項第6号
  • 羽生市火災予防要綱(平成16年消防本部告示第2号)第10条 羽生市例規集
  • 行田市火災予防条例施行規程(平成4年消防本部告示第1号)第5条の2、行田市火災予防条例施行規則 第3条の2・第3条の3・第6条 行田市例規集
  • 埼玉県央広域消防本部火災予防規程(平成20年消防本部告示第1号)第12条・第12条の2・第13条 埼玉県央広域事務組合例規集
  • 鈴鹿市火災予防条例第42条の2第1項に規定する消防長が別に定める要件(平成26年7月23日消防本部告示第2号) 鈴鹿市例規集
  • 四日市市消防本部告示第4号(平成26年7月3日) 四日市市消防本部「審査基準・告示・ガイドライン」のページ
  • 津市火災予防条例 第42条の2・第42条の3 津市例規集
  • 堺市消防局「堺市消防同意・消防用設備等審査基準」火災予防条例の解説 第83条の2(平成26年消防局告示第2号を含む) https://www.city.sakai.lg.jp/kurashi/bosai/shobo/shokai/reiki/kijyun/index.html

※本記事は各市・各消防本部が公開している例規と審査基準に基づく一般的な解説です。運用基準・条例は改正されることがあるため、最新の内容は管轄の消防署・消防本部で確認してください。羽生市・行田市・鈴鹿市・埼玉県央広域・津市は2026年10月時点の例規集で、四日市市は消防本部サイトに掲載の告示で確認しています。津市の指定催しの要件は確認できなかったため比較に含めていません。

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