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鈴鹿市で消防法の内装制限は床から全部が対象なのか|腰壁と木材10分の1を埼玉県央広域・堺市・津市と比べる

消防法の内装制限は床から1.2m以下の腰壁も対象なのかという見出しと白い石こうボードで内装を改修中の事務所の写真

消防法の基準には、壁と天井の仕上げを難燃材料などにすると、消火器や屋内消火栓、避難器具の基準がゆるむ規定がいくつもあります。
建築基準法の内装制限は居室の壁の床から1.2m以下を除きますが、消防法の規定にはその除外が書かれていません。
鈴鹿市の審査基準は、この仕上げをどこまで数えるかを第3章 第8 内装制限の5項目にまとめています。
この記事では鈴鹿市の基準を入口に、埼玉県央広域・堺市・津市の書き方と比べます。

鈴鹿市の店舗で、消防用設備の基準をゆるめるために内装を難燃材料にする計画です。
腰壁には木の板を張りたいのですが、問題ないでしょうか。

鈴鹿市では腰壁も床から内装制限の対象として扱われます。
建築基準法とは範囲が違うので、まず条文の書き方を確かめましょう。

建築の確認では腰壁は対象外と言われたのですが、消防は別なのですか。

消防法の規定は建築基準法の1.2mの除外を借りていません。
市ごとの書き方も並べて見ていきましょう。

この記事の結論
  • 消防法は内装を義務づけるのではなく、仕上げを難燃材料などにすると設備の基準が緩和される仕組みです
  • 建築基準法は居室の壁の床から1.2m以下を除きますが、消防法令の条文にはその除外がありません
  • 鈴鹿市・埼玉県央広域・堺市はそろって床から規制の対象とし、県央広域は昭和48年の消防予第140号を出典に挙げています
  • 押入やユニットタイプの浴室は対象外で、県央広域は家庭用サウナ器とトイレブースも加えています
  • 鴨居や柱などの木材は各面の10分の1以下なら認められ、天井まで届かない間仕切や壁全面の棚は対象として扱われます

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消防法の内装制限は床から1.2m以下の腰壁も対象で押入とユニットバスは対象外で木材は各面の10分の1以下まで認められることを示した図解

消防法の内装制限はどんな場面で効いてくるのか

壁と天井を明るい灰色のパネルで仕上げた部屋に屋内消火栓の箱と消火器が置かれたイラスト
消防法には、建物に内装制限を義務づける条文はありません。
仕上げを一定の材料にした場合に、設備の基準をゆるめる条文がいくつかあります。
消防法施行規則 第6条第2項
 前項の規定の適用については、同項の表中の面積の数値は、特定主要構造部(略)を耐火構造とし、かつ、壁及び天井(天井のない場合にあっては、屋根)の室内に面する部分(回り縁、窓台その他これらに類する部分を除く。)の仕上げを難燃材料(略)でした防火対象物にあっては、当該数値の二倍の数値とする。
内装は設備の緩和の条件として出てきます。
規則第6条第2項は、消火器の能力単位を数えるときの面積を2倍にする規定です。
同じ「壁及び天井の室内に面する部分の仕上げ」という言い回しは、令第11条第2項(屋内消火栓設備)、規則第13条(スプリンクラー設備を要しない部分)、規則第26条第5項(避難器具を要しない階)にも出てきます。
鈴鹿市は第3章 第8の前書きで、こうした条文の仕上げの取扱いを一つにまとめています。
前書きに挙げる条文は、消防本部ごとに少しずつ違います。
消防本部取扱いをまとめた節前書きなどに挙げる条文
鈴鹿市第3章 第8 内装制限(5項目)令第11条第2項・規則第6条第2項・第12条の2・第13条第1項第2項・第13条の6第1項第2項・第14条・第26条第5項
埼玉県央広域第3章 第8 内装制限(7項目)令第11条第2項・規則第6条第2項・第12条の2・第13条第1項第2項・第26条第5項
堺市第10 内装制限・防火材料 7 消防法令上の内装規制上の条文に加え規則第28条の2(誘導灯を要しない部分)と堺市火災予防条例第65条第1項
津市1-11 内装制限・防火材料の解説消火器・屋内消火栓設備・スプリンクラー設備・動力消防ポンプ設備(令第20条第2項)・避難器具・連結散水設備

うちは消火器の本数を減らしたいだけなので、屋内消火栓とは関係ないと思っていました。

消火器の能力単位を数える面積の緩和にも同じ言い回しが使われています。
どの緩和を使うかを先に決めておきましょう。

床から1.2m以下の腰壁は消防法でも外れるのか

部屋の壁の床から腰の高さまでをオレンジ色で示し上の壁と天井を灰色にしたイラスト
建築基準法の内装制限と消防法の緩和の規定では、壁の数え方が違います。
まず建築基準法施行令の条文と鈴鹿市の1を並べます。
建築基準法施行令 第128条の5第1項(抜粋)
 (略)当該各用途に供する居室(略)の壁(床面からの高さが一・二メートル以下の部分を除く。(略))及び天井(略)の室内に面する部分(回り縁、窓台その他これらに類する部分を除く。(略))の仕上げを(略)としなければならない。
鈴鹿市消防本部「鈴鹿市消防用設備等に関する審査基準」第3章 第8 内装制限
1 建基法令上、床面からの高さが1.2m以下の部分は除かれているが、消防法令上にあっては、床面から規制の対象範囲とする。
消防法では腰壁も数えます。
規則第6条第2項や令第11条第2項の括弧書きが除いているのは回り縁や窓台などだけで、1.2m以下の除外はe-Govの現行条文にも書かれていません。
鈴鹿市の1はこの違いをはっきり書いた項目で、PDFのページ画像で▲や●の記号が付いていないことを確かめました。
鈴鹿市の凡例では、無印は法令の基準を示します。
埼玉県央広域と堺市も同じ書き方で、県央広域は出典として昭和48年10月23日の消防予第140号・消防安第42号を挙げています。
津市は「内装制限・防火材料の解説」で、消防用設備等の緩和を受ける場合は1.2m以下の部分も対象になると説明し、キッチンパネルも対象になると書いています。

腰壁に木の板を張ると、消防の緩和は受けられなくなるのですね。

板の面積が各面の10分の1を超えると、原則として認められない書き方です。
腰壁の材料を図面で確かめておきましょう。

押入やユニットバスの中まで仕上げを確かめるのか

襖を開けた押入とユニットタイプの浴室が並ぶ集合住宅の部屋のイラスト
「室内に面する部分」がどこまでかも、各本部が言葉で決めています。
鈴鹿市の2は、屋内のすべての部分という考え方です。
鈴鹿市消防本部「鈴鹿市消防用設備等に関する審査基準」第3章 第8 内装制限
2 「室内に面する部分」とは、建基法第2条第4号に規定する居室及び風呂、便所、洗面所、駐車場、機械室、倉庫その他これらに相当する室並びに廊下、階段その他の通路の壁及び天井の室内に面する部分をいう。すなわち屋内のすべての部分をいう。ただし、収納のために人が出入りする形態を有しない収納庫内及びユニットタイプの浴室内の壁及び天井は、この限りでない。
除かれるのは人が入らない収納とユニットバスです。
鈴鹿市は居室だけでなく、風呂・便所・洗面所・駐車場・機械室・倉庫・廊下・階段まで含めています。
除外は、収納のために人が出入りする形を持たない収納庫と、ユニットタイプの浴室の内側です。
埼玉県央広域は同じ文に家庭用サウナ器とトイレブースを加えています。
堺市は押入・物入と、ユニットタイプの浴室とそれに付随する便所を挙げています。
除外されるもの鈴鹿市埼玉県央広域堺市津市(解説)
収納人が出入りする形態を有しない収納庫同じ押入・物入など(人が内部に出入りする規模・形態でないもの)押入のような部分は除かれる
浴室などユニットタイプの浴室ユニットタイプの浴室・家庭用サウナ器・トイレブースユニットタイプの浴室とそれに付随する便所記載なし

ウォークインクローゼットの中も、壁の仕上げを確かめないといけませんか。

人が出入りする形の収納なら、除外に当たらない読み方になります。
管轄の消防本部に図面で確かめましょう。

柱や鴨居の木や照明のカバーはどこまで認められるのか

木の柱と鴨居とさお縁の天井のある和室と壁一面に木の棚を固定した壁が並ぶイラスト
仕上げの一部に木材などの可燃材料を使うと、原則として内装制限を満たしたことになりません。
そのうえで、小さな部分だけは認める例外があります。
鈴鹿市消防本部「鈴鹿市消防用設備等に関する審査基準」第3章 第8 内装制限
3 室内に面する天井又は壁の一部に木材その他の可燃材料を用いた場合は、原則として内装制限を適用することはできない。ただし、鴨居、柱、はり、天井のさお縁等の木材が露出する部分又は照明器具のカバー、家具等を固定するための合板、壁の一部を装飾する木材等の部分で、当該部分の室内に面する面積が各面の面積の10分の1以下の場合は、この限りでない。
5 容易に取り外しできないよう木材その他の可燃材料を用いた棚を壁全面に取り付けた場合は、内装制限を適用することはできない。
目安は各面の10分の1以下です。
鈴鹿市は鴨居・柱・はり・さお縁の露出に加え、照明器具のカバー、家具を固定する合板、壁の一部を飾る木材まで例に挙げています。
埼玉県央広域の例は照明器具のカバー等までで、家具を固定する合板と飾りの木材は書かれていません。
堺市は同じ第10の5で建設省の通知を引き、照明器具のカバー等が1/10を超えれば対象とし、装飾用の小規模な角材とさお縁は対象外にできるとしています。
取り外せない木の棚を壁全面に付けた場合は、鈴鹿市と県央広域のどちらも内装制限を適用できないとしています。
項目鈴鹿市埼玉県央広域堺市
10分の1以下で認める例鴨居・柱・はり・さお縁・照明器具のカバー・家具固定の合板・装飾の木材鴨居・柱・はり・さお縁・照明器具のカバー等照明器具のカバー等は1/10を超えると対象・装飾用の小規模な角材とさお縁は対象外にできる
壁全面の作り付けの木の棚適用できない適用できない記載なし

壁一面の作り付けの木の棚は、取り外せないなら仕上げと同じ扱いなのですね。

鈴鹿市と県央広域はそう書いています。
不燃材料の棚にするか、取り外せる棚にするかを設計の段階で決めましょう。

天井まで届かない間仕切や冷蔵室の内張りはどう扱うのか

天井まで届かない間仕切で囲んだ打合せブースと内側を合板で張った冷蔵室が並ぶイラスト
最後は、壁らしくない部分の扱いです。
鈴鹿市と埼玉県央広域は、天井まで達しない間仕切壁を2つの場合に分けています。
鈴鹿市消防本部「鈴鹿市消防用設備等に関する審査基準」第3章 第8 内装制限
4 天井まで達しない間仕切壁で、次に掲げる場合は、内装制限の対象として取り扱う。
⑴ 床に固定又は固定はされていないが、常時同一場所に置かれ、かつ、容易に移動することができないもの
⑵ 床面からの高さが1.5m以上で、用途の形態により、別空間となるよう設けられた室を形成するもの
埼玉県央広域消防本部「消防用設備等に関する審査基準」第3章 第8 内装制限
7 冷凍、冷蔵、恒温又は低温室の内側のベニヤ板等については、小売店舗等の場合は内装仕上げとみない。ただし、冷凍、冷蔵等を業としている「室」の場合は内装仕上げである。
別の部屋に見えれば仕上げを確かめます。
床に固定されたり容易に動かせない間仕切と、高さ1.5m以上で別空間の室をつくる間仕切は、内装制限の対象として扱います。
冷蔵室などの内側のベニヤ板は、県央広域では小売店舗等なら仕上げとみず、冷凍・冷蔵を業とする室なら仕上げとみます。
鈴鹿市の第8にはこの冷蔵室の項目がありません。
改装の前は、次の順に確かめると手戻りが減ります。
  1. 消火器・屋内消火栓設備・スプリンクラー設備・避難器具のどの緩和を使っているかを、設置したときの届出の書類で確かめる
  2. 壁は床から天井まで、天井は全面の仕上げ材を、不燃材料などの認定番号で確かめる
  3. 柱・鴨居・照明器具のカバーなどの面積が各面の10分の1以下かを測る
  4. 間仕切・作り付けの棚・冷蔵室の内張りを図面に書き出す
  5. 管轄の消防本部の審査基準で該当する節を開き、事前に相談する

壁紙を貼り替えるときも、緩和を受けている建物なら材料を確かめるのですね。

壁紙は下地との組合せで認定されていることが多いです。
津市の解説もその点に注意を促しています。

よくある質問

Q四日市市や大阪市にも同じ取扱いはありますか?
A今回確認した四日市市・大阪市・東大阪市の公開基準の範囲では、内装の仕上げの取扱いをまとめた節は見当たりませんでした。条文の書き方は国で共通なので、管轄の消防本部に確かめてください。
Q鴻巣市ではどうなりますか?
A鴻巣市・桶川市・北本市を受け持つ埼玉県央広域消防本部の審査基準 第3章 第8に7つの項目があり、腰壁は床から対象です。記号の付いていない項目です。
Q回り縁や窓台も仕上げを確かめる必要がありますか?
A令第11条第2項や規則第6条第2項の括弧書きは、回り縁、窓台その他これらに類する部分を除いています。除かれるのはこの種の部分で、腰壁そのものは除かれません。
Q冷蔵庫の内張りのベニヤは内装に入りますか?
A埼玉県央広域は、小売店舗等の冷凍・冷蔵室なら内装仕上げとみないとし、冷凍・冷蔵を業とする室は仕上げとしています。鈴鹿市の第8にはこの項目がないので、管轄に確かめてください。

まとめ

✔消防法の内装は義務ではなく、設備の緩和を受けるための条件です
✔建築基準法が除く床から1.2m以下の腰壁も、消防法令では対象になります
✔鈴鹿市・埼玉県央広域・堺市の基準は床から規制の対象と書き、津市の解説も同じ説明です
✔押入やユニットバスの中は対象外で、県央広域は家庭用サウナ器とトイレブースも挙げています
✔鴨居や柱、照明器具のカバーなどの木材は各面の10分の1以下なら認められます
✔壁全面の作り付けの木の棚や、高さ1.5m以上で別空間をつくる間仕切は対象として扱われます
✔改装の前はどの緩和を使っているかと仕上げの範囲を確かめ、管轄に相談します

腰壁の材料と作り付けの棚の扱いを図面に書いてから相談します!

使っている緩和の条文も一緒に示すと話が早いです。
㈱防災屋でもご相談を承っております。

防火管理はプロにお任せ下さい

まずはWebで無料お見積りを!

お問い合わせ

監修・編集者
青木 俊輔
青木 俊輔

㈱防災屋 代表取締役/消防設備士

平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!

本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。

詳しい経歴・保有資格を見る
学歴
  • 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
  • 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
  • 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
保有資格
  • 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
  • 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
  • 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
  • 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
  • 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
  • eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了

趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)

主な活動

参考・出典

  • 消防法施行令 第11条第2項・第20条第2項、消防法施行規則 第6条第2項・第13条・第26条第5項(e-Gov法令検索)
  • 建築基準法施行令 第128条の5第1項(e-Gov法令検索)
  • 鈴鹿市消防本部「鈴鹿市消防用設備等に関する審査基準」第3章 第8 内装制限 第8のPDF
  • 埼玉県央広域消防本部「消防用設備等に関する審査基準」第3章 第8 内装制限 第8のPDF
  • 堺市消防局「堺市消防同意・消防用設備等審査基準」第10 内装制限・防火材料 5・7 https://www.city.sakai.lg.jp/kurashi/bosai/shobo/shokai/reiki/kijyun/index.html
  • 津市消防本部「津市予防事務審査検査基準」1-11 内装制限・防火材料の解説 1-11のPDF

※本記事は各消防本部が公開している審査基準と国の法令に基づく一般的な解説です。運用基準・条例は改正されることがあるため、最新の内容は管轄の消防署・消防本部で確認してください。各本部の資料は2026年10月時点の公開版で確認しています。個々の建物で緩和が認められるかは、所轄の消防本部が判断します。

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