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大阪市で蓄電池設備のまわりは何メートル空けるのか|キュービクル式と堺市も比較

大阪市で蓄電池設備のまわりに空ける距離を大阪市火災予防条例と大阪市消防局の運用基準から堺市と比べて解説する記事のアイキャッチ

非常電源や停電対策で、ビルや工場に蓄電池設備を置くことが増えています。
大阪市では、大阪市火災予防条例第14条が蓄電池設備の位置・構造・管理を定めています。
第14条は、自分の規定に加えて、変電設備(第12条)の号を準用して基準を組み立てています。
この記事では、国の省令・大阪市の条例・大阪市消防局の運用基準を分けて読み、保有距離の表と準用の連鎖を順にたどります。
堺市の条例・解説とも比べます。

大阪市のビルの電気室の隣に、蓄電池設備を入れる計画があります。
まわりをどれだけ空ければよいか聞かれました。

大阪市の運用基準に、蓄電池設備の保有距離の表があります。
点検を行う面は0.6m以上です。

蓄電池の部屋は、普通の倉庫のような部屋でよいのですか。

条例は変電設備の号を借りて部屋の条件を決めています。
根拠の順番に見ていきましょう。

この記事の結論
  • 蓄電池設備の位置・構造は、消防法第9条にもとづき、国の省令の基準に従って市町村の火災予防条例で定められます
  • 大阪市火災予防条例第14条の対象は、蓄電池容量10kWhを超える蓄電池設備で、20kWh以下で告示の出火防止措置に当たるものは除かれます
  • 第14条第2項が変電設備の第12条第1項を準用するので、キュービクル式を除き不燃材料で区画し防火戸を設けた室・換気設備・標識・資格者の点検がかかります
  • 大阪市の運用基準は保有距離を、蓄電池の点検を行う面0.6m以上・充電装置の操作を行う面1.0m以上などの表で示しています
  • 堺市の条例第20条も同じ組み立てですが、照明の号を準用しない・キュービクル式の表やシール形の換気の扱いが書かれていないなどの違いがあります

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国の省令から大阪市火災予防条例第14条を経て変電設備の号の準用と運用基準の保有距離と認めるキュービクル式へ大阪市の蓄電池設備の基準が決まる順番を示す図解

大阪市でどの蓄電池設備が条例の対象になるのか

小さい物と中くらいの物と背の高い物の3台の灰色の鋼製の蓄電池の箱が床に並んだイラスト
まず、全国共通の国の法令を確かめます。
火災のおそれのある設備は、消防法第9条で市町村の条例に任されています。
消防法 第九条 かまど、風呂場その他火を使用する設備又はその使用に際し、火災の発生のおそれのある設備の位置、構造及び管理、こんろ、こたつその他火を使用する器具又はその使用に際し、火災の発生のおそれのある器具の取扱いその他火の使用に関し火災の予防のために必要な事項は、政令で定める基準に従い市町村条例でこれを定める。
この「政令で定める基準」が消防法施行令第5条で、細かい中身は総務省令に任されています。
その省令(対象火気設備等の位置、構造及び管理並びに対象火気器具等の取扱いに関する条例の制定に関する基準を定める省令)の第3条が、対象になる設備を並べています。
同省令 第三条第十八号 蓄電池設備(蓄電池容量が十キロワット時以下のもの及び蓄電池容量が十キロワット時を超え二十キロワット時以下のものであって出火防止措置が講じられたものとして消防庁長官が定めるものを除く。以下同じ。)
容量の区切りがキロワット時になった経緯は、蓄電池の規制区分の記事で取り上げています。
このしくみを受けて、大阪市の条例は次のように定めています。
大阪市火災予防条例 第14条第1項 蓄電池設備(蓄電池容量が10キロワット時以下のもの及び蓄電池容量が10キロワット時を超え20キロワット時以下のものであつて「蓄電池設備の出火防止措置及び延焼防止措置に関する基準」(令和5年消防庁告示第7号。以下出火防止措置及び延焼防止措置に関する基準という。)第2に定めるものを除く。以下同じ。)は、地震等により容易に転倒し、亀裂を生じ、又は破損しない構造とすること。この場合において、開放形鉛蓄電池を用いたものにあつては、その電槽は、耐酸性の床上又は台上に設けなければならない。
つまり、10kWh以下はすべて対象外で、10kWhを超え20kWh以下は告示第7号の第2に当たれば対象外です。
告示第7号の第2に当たるものについて、堺市の解説3(1)は、JIS C8715-2・JIS C63115-2のいずれかに適合するもの、またはこれらと同等以上の出火防止措置が講じられたものと書いています。
この「同等以上」を、大阪市の運用基準は規格の名前で示しています。
大阪市「消防用設備等の設置に係る運用基準」第12章 電気設備 第5 蓄電池設備 1 条例第14条第1項に規定する「蓄電池設備の出火防止措置及び延焼防止措置に関する基準(令和5年消防庁告示第7号)第2に定めるもの」で同等以上の出火防止措置が講じられたものとは、次表に掲げる標準規格に適合するものであること
標準規格備考
IEC62619リチウムイオン蓄電池を対象
IEC63115-2ニッケル水素蓄電池を対象
国の通知で、同等以上の規格の例にはその後UL規格も加わっています(標準規格の追加の記事で取り上げています)。
大阪市の運用基準の表に載っていない規格の製品は、消防局に扱いを確かめておくのが確実です。
流れを順番に並べます。
  1. 消防法第9条が、火災のおそれのある設備の基準を市町村の条例に任せています
  2. 消防法施行令第5条と省令第3条第18号が、10kWhを超える蓄電池設備を対象にしています
  3. 大阪市火災予防条例第14条第1項が、同じ範囲を対象にし、転倒・破損しない構造と開放形鉛蓄電池の耐酸性の床を求めています
  4. 20kWh以下で告示第7号の第2に当たるものは対象から外れます
  5. 大阪市の運用基準 第5 1が、同等以上と扱う規格をIEC62619・IEC63115-2と示しています

10kWhを超えるかどうかが、最初の分かれ目なのですね。

はい、銘板の蓄電池容量をまず確かめます。
20kWh以下なら規格への適合も確かめましょう。

屋内の蓄電池設備は変電設備のどの号を借りているのか

コンクリートの壁と鋼製の扉で囲まれた蓄電池室の中に蓄電池を並べた架台と充電装置の盤があり壁に換気扇と非常用の照明が付いた断面のイラスト
第14条第2項が、ほかの条文を借りる「準用」の規定です。
大阪市火災予防条例 第14条第2項 前項に規定するもののほか、屋内に設ける蓄電池設備の位置、構造及び管理の基準については、第11条第4号並びに第12条第1項第1号、第3号から第6号まで、第9号及び第11号の規定を準用する。
準用は、別の条文を必要な読み替えをして当てはめることです。
借りている号の中身を表にします。
準用する号中身(蓄電池設備に当てはめたもの)
第11条第4号(火花を生ずる設備)室内の整理・清掃に努め、みだりに火気を使用しない
第12条第1項第1号水が浸入し、浸透するおそれのない位置に設ける
第12条第1項第3号不燃材料で区画し、窓・出入口に防火戸、出入口の扉に自動閉鎖装置(キュービクル式を除く)
第12条第1項第3号の2換気・点検・整備に支障のない距離を保つ
第12条第1項第3号の3区画の壁をダクト・ケーブルが貫通する部分のすき間を不燃材料で埋める
第12条第1項第4号屋外に通ずる有効な換気設備を設ける
第12条第1項第5号見やすい箇所に標識を設ける
第12条第1項第6号係員以外の者をみだりに出入りさせない
第12条第1項第9号非常電源を付置した照明設備(これに代わる有効な照明器具でもよい)
第12条第1項第11号消防長が指定する者に点検・測定試験をさせ、結果を記録・保存する
「第3号から第6号まで」には、間にある第3号の2と第3号の3も入ります。
中でも重いのが、室の区画を定める第3号です。
大阪市火災予防条例 第12条第1項第3号 変電設備(消防長が火災予防上支障がないと認める構造を有するキュービクル式のものを除く。)は、不燃材料で造つた壁、柱、床及び天井(天井のない場合にあつては、はり及び屋根)で区画され、かつ、窓及び出入口に防火戸を設置した室内に設けるとともに、当該出入口の扉には、随時開けることができる自動閉鎖装置を設けること
一方、国の省令第17条の表は、蓄電池設備に、消防法施行令第5条第1項第1号から第4号まで(不燃性の床の上・外部への延焼を防止する措置をした室など)を適用しないとしています。
蓄電池設備を不燃の室に入れるという規定は、国の省令には見当たりません。
大阪市では、条例が変電設備の第3号を準用することで、区画した室を求めていることになります。
なお、大阪市の運用基準は、変電室の中に蓄電池設備を置くことを認めています。
大阪市「消防用設備等の設置に係る運用基準」第12章 電気設備 第2 変電設備 2(1) 燃料電池発電設備、急速充電設備、内燃機関を原動力とする発電設備、蓄電池設備及び空気調和設備等当該室の機能上必要なもの並びに変電設備の構造、機能及び維持管理上支障がないと認められる電気設備及び機器にあっては、変電室内に設置することができるものであること
変電室の扉の扱いは、大阪市の変電室の記事で取り上げています。
たどった準用の連鎖を番号で並べます。
  1. 第14条第2項が、変電設備の第12条第1項の7つの号と、第11条第4号を蓄電池設備に準用します
  2. 第12条第1項第3号により、キュービクル式を除き不燃材料の区画・防火戸・扉の自動閉鎖装置が必要になります
  3. 第3号の2により、まわりに換気・点検・整備に支障のない距離が必要になり、その距離は運用基準 第5 2の表で決まります
  4. 第4号の換気設備と第9号の非常電源付きの照明も、蓄電池の室にかかります
  5. 第11号により、消防長が指定する者の点検と記録・保存がかかります

照明や点検の記録まで、変電設備の条文から決まるのですね。

はい、第14条第2項の準用でつながります。
号ごとに図面で確かめましょう。

蓄電池のまわりは何メートル空ければよいのか

蓄電池を並べた2列の架台と充電装置の盤のまわりに通路の空間がとられた蓄電池室を上から見たイラスト
準用した第3号の2の「支障のない距離」を、大阪市の運用基準は距離で示しています。
大阪市「消防用設備等の設置に係る運用基準」第12章 電気設備 第5 蓄電池設備 2 条例第14条第2項及び第4項の規定により準用する条例第12条第1項第3号の2に規定する「建築物等の部分との間に換気、点検及び整備に支障のない距離を保つこと」とは、蓄電池設備の周囲に次表に掲げる距離を保有する場合をいうものであること。ただし、特別な工具を用いることその他これに類する方法により容易に点検等を行うことができるものにあっては、この限りでない。
表はキュービクル式以外とキュービクル式の2つに分かれています。
まず、キュービクル式以外の表です。
部分区分保有距離
蓄電池点検を行う面0.6m以上
蓄電池列の相互間0.6m以上(架台等に設ける場合で蓄電池の上端の高さが床面から1.6mを超えるものは1.0m以上)
蓄電池その他の面0.1m以上(電槽相互間は除く)
充電装置操作を行う面1.0m以上
充電装置点検を行う面0.6m以上
充電装置換気口を有する面0.2m以上
次に、キュービクル式の表です。
部分保有距離
前面及び操作を行う面1.0m以上
点検を行う面0.6m以上
換気口を有する面0.2m以上
架台に段積みして上端が床から1.6mを超えると、列の間は1.0m以上に広がります。
その他の面の0.1mは、電槽どうしの間には求められていません。
表のただし書により、特別な工具を用いるなどで容易に点検等ができるものは、この距離によらないことができます。
図面で確かめる順番を並べます。
  1. 蓄電池設備がキュービクル式か、架台に並べる形かで、使う表を選びます
  2. 架台に並べる形なら、蓄電池の点検を行う面に0.6m以上をとります
  3. 列が2列以上なら、上端の高さが1.6mを超えるかを確かめ、列の間を0.6m以上か1.0m以上にします
  4. 充電装置は、操作を行う面1.0m以上・点検を行う面0.6m以上・換気口の面0.2m以上をとります
  5. 特別な工具で点検する製品は、ただし書に当たるかを消防署と確かめます

段積みの高さで、列の間の距離が変わるのですね。

はい、1.6mを超えると1.0m以上になります。
架台の高さも図面に書いておきましょう。

キュービクル式やシール形の蓄電池はどこが軽くなるのか

コンクリートの壁の小さな部屋に換気ガラリの付いた灰色の鋼製の蓄電池の箱と密閉形の蓄電池を並べた低い架台が置かれたイラスト
準用した第12条第1項第3号は、括弧書きで「消防長が火災予防上支障がないと認める構造を有するキュービクル式のもの」を除いています。
蓄電池設備での読み方を、運用基準 第5 3が示しています。
大阪市「消防用設備等の設置に係る運用基準」第12章 電気設備 第5 蓄電池設備 3 条例第14条第2項の規定により準用する条例第12条第1項第3号及び条例第14条第3項に規定する「消防長が火災予防上支障がないと認める構造を有するキュービクル式のもの(蓄電池設備)」とは、蓄電池設備の基準(昭和48年消防庁告示第2号)に適合するキュービクル式蓄電池設備、一般社団法人電池工業会蓄電池設備認定委員会の認定を受けたキュービクル式蓄電池設備又は次に定めるキュービクル式蓄電池設備の構造に適合するものをいう。
この3つのどれかに当たるキュービクル式は、不燃材料で区画した室に入れなくてよいことになります。
屋外で建物から3m離す規定(第14条第3項)からも除かれます。
「次に定める構造」は(1)から(10)までの10項目で、主なものは次のとおりです。
  • 外箱は鋼板などで、板厚1.6mm以上(屋外用は2.3mm以上)
  • 外箱の開口部(換気口などを除く)に防火戸を設ける
  • 蓄電池・充電装置などを外箱の底面から10cm以上離して収容できる
  • 外箱の内部で、蓄電池を収納する部分とほかの部分を不燃材料で区画する
  • 自然換気口の面積は、外箱の1の面について蓄電池の部分は3分の1以下、充電装置などの部分は3分の2以下
  • 外箱に直径10mmの丸棒が入る穴やすき間がない
外箱の構造の考え方は、キュービクル式蓄電池設備の外箱の記事でも取り上げています。
もう1つの軽くなる扱いが、シール形の蓄電池です。
大阪市「消防用設備等の設置に係る運用基準」第12章 電気設備 第5 蓄電池設備 4 蓄電池を設置する室のうち、シール形蓄電池のみを設置するものについては、条例第14条第2項の規定により準用する条例第12条第1項第4号の規定にかかわらず、換気設備を設置しないことができるものであること
運用基準 第5 3(6)は、シール形蓄電池を「蓄電池から発生するガスを外部に放出しない構造のもの」と説明しています。
室の中がシール形だけなら、準用する第4号の換気設備を設けないことができます。
開放形の蓄電池が1つでも混じれば、この扱いにはなりません。
確かめる順番を並べます。
  1. キュービクル式なら、昭和48年消防庁告示第2号への適合か、電池工業会の認定品かを書類で確かめます
  2. どちらでもなければ、運用基準 第5 3の(1)から(10)の構造に当たるかを確かめます
  3. 当たるキュービクル式は、区画した室と屋外の3mから除かれます
  4. 保有距離は、キュービクル式の表で確かめます
  5. 室の蓄電池がすべてシール形なら、換気設備を設けない計画にできるかを確かめます

シール形だけの部屋なら、換気扇がいらない場合があるのですね。

はい、運用基準 第5 4の扱いです。
蓄電池の形式を仕様書で確かめましょう。

屋外に置くときと堺市の基準はどこが違うのか

小さなビルの窓のある壁から離して置かれた屋外の蓄電池の箱と窓のない側面の壁の近くに置かれたもう1つの蓄電池の箱のイラスト
屋外に置く蓄電池設備は、第14条第3項で定められています。
大阪市火災予防条例 第14条第3項 第1項に規定するもののほか、屋外に設ける蓄電池設備(柱上及び道路上に設ける電気事業者用のもの、出火防止措置及び延焼防止措置に関する基準第3に定めるもの並びに消防長が火災予防上支障がないと認める構造を有するキュービクル式のものを除く。)にあつては、建築物から3メートル以上の距離を保たなければならない。ただし、不燃材料で造り、又は覆われた外壁で開口部のないものに面するときは、この限りでない。
屋外の蓄電池設備は建物から3m以上離すのが原則です。
国の省令第16条第4号も同じ3mを定め、延焼防止措置が講じられたものやキュービクル式などを除いています。
第14条第4項は、屋外でも整理・清掃(第11条第4号)、保有距離(第12条第1項第3号の2)・標識・係員以外の出入り・点検の号と、急速充電設備の筐体の雨水等の浸入防止の号を準用しています。
告示第7号の第3(延焼防止措置)と同等以上のものを、運用基準 第5 5が規格で示しています。
大阪市「消防用設備等の設置に係る運用基準」第12章 電気設備 第5 蓄電池設備 5 条例第14条第3項に規定する「出火防止措置及び延焼防止措置に関する基準第3に定めるもの」で同等以上の延焼防止措置が講じられたものとは、次表に掲げる標準規格に適合するものであること
標準規格備考
JISC4412-1
JISC4412-2JISC4412-1で求められる安全要求事項について適合しているものに限る
IEC62040-1
IEC62933-5-2
堺市では、堺市火災予防条例第20条が同じ設備を定め、第1項と第3項は大阪市とほぼ同じ文です。
違いが出るのは、屋内で準用する号です。
堺市火災予防条例 第20条第2項 前項に規定するもののほか、屋内に設ける蓄電池設備の位置、構造及び管理の基準については、第16条第4号並びに第18条第1項第1号、第3号から第8号まで及び第13号の規定を準用する。
堺市の第18条第1項は、第3号が区画、第4号が距離、第5号が貫通部、第6号が換気、第7号が標識、第8号が係員以外の出入り、第13号が点検と記録です。
大阪市が準用する非常電源付きの照明(大阪市の第12条第1項第9号)に当たる堺市の第11号は、準用されていません。
また、堺市の第18条第1項第3号には、変電設備の周囲に有効な空間を保有するなどのただし書があります。
蓄電池設備にこのただし書を当てはめる具体的な条件は、第20条の解説には書かれていないので、使う計画は所轄の消防署と確かめます。
堺市の保有距離は、解説5(1)の第2-20-1表で、数値は大阪市のキュービクル式以外の表と同じです。
主な違いを表にします。
項目大阪市堺市
条例大阪市火災予防条例第14条堺市火災予防条例第20条
屋内で準用する変電設備の号第12条第1項第1号・第3号〜第6号・第9号・第11号第18条第1項第1号・第3号〜第8号・第13号
非常電源付きの照明準用する(第9号)準用しない
室の区画扉に自動閉鎖装置・ただし書なしただし書あり(第18条第1項第3号)
保有距離の表キュービクル式以外とキュービクル式の2つ・特別な工具のただし書第2-20-1表の1つ(数値はキュービクル式以外と同じ)
認めるキュービクル式昭和48年消防庁告示第2号に適合・電池工業会の認定品・運用基準(1)〜(10)の構造平成20年消防局告示第5号に適合(電池工業会の認定品は適合するものとする)
シール形だけの室の換気換気設備を設置しないことができる第20条の解説に記載なし
告示第2と同等以上の規格IEC62619・IEC63115-2を表で示す規格名の例示なし
屋外の3m第14条第3項第20条第3項(同じ)
堺市の条則別表1は、蓄電池設備の標識を「蓄電池設備である旨」・白地に黒文字・幅15cm以上・長さ30cm以上としています。
東大阪市消防局の公開資料(消火器具・自動火災報知設備・誘導灯・避難器具・連結送水管・非常コンセントの6基準)には、蓄電池設備の位置・構造の節はありません。
東大阪市火災予防条例の蓄電池設備の条文は、今回は確かめていません。
大阪市と堺市で計画するときの確かめ方を整理します。
  1. 建物のある市の条例の条番号(大阪市は第14条・堺市は第20条)を確かめます
  2. 蓄電池容量が10kWhを超えるか、20kWh以下なら告示第7号の第2に当たるかを確かめます
  3. 屋内なら、準用する変電設備の号を並べ、大阪市は照明、堺市は区画のただし書の違いに注意します
  4. 保有距離は、大阪市はキュービクル式かどうかで表を選び、堺市は第2-20-1表で確かめます
  5. 屋外なら建物から3m以上とれるか、除かれるキュービクル式や規格に当たるかを書類で確かめます

同じ大阪府内でも、借りている号が少しずつ違うのですね。

はい、照明やキュービクル式の扱いが違います。
建物のある市の基準で確かめましょう。

よくある質問

Q大阪市で家庭用くらいの小さな蓄電池にも火災予防条例の基準はかかりますか?
A大阪市火災予防条例第14条は、蓄電池容量が10kWh以下のものを対象から除いています。10kWhを超え20kWh以下でも、告示第7号の第2に当たるもの(大阪市の運用基準ではIEC62619・IEC63115-2に適合するものも含む)は除かれます。
Q大阪市で蓄電池の架台のまわりは何メートル空ければよいですか?
A大阪市の運用基準 第5 2の表では、蓄電池の点検を行う面は0.6m以上、列の相互間は0.6m以上(上端が床から1.6mを超えるものは1.0m以上)、その他の面は0.1m以上です。充電装置の操作を行う面は1.0m以上です。
Q蓄電池設備は防火戸のある専用の室にする必要がありますか?
A大阪市の条例第14条第2項が変電設備の第12条第1項第3号を準用するので、認めるキュービクル式を除き不燃材料で区画し、窓と出入口に防火戸を設けた室が必要です。変電室の中に置くことも運用基準で認められています。
Q堺市や東大阪市でも同じ扱いですか?
A堺市の条例第20条も同じ組み立てで保有距離の数値も同じですが、照明の号を準用しないなどの違いがあります。東大阪市の公開6基準には蓄電池設備の位置・構造の節がありません。所轄の消防署で確認してください。

まとめ

✔蓄電池設備の位置・構造は、消防法第9条にもとづき市町村の火災予防条例で定められます
✔大阪市の条例第14条の対象は10kWhを超える蓄電池設備で、20kWh以下で告示の出火防止措置に当たるものは除かれます
✔第14条第2項の準用で、区画した室・換気設備・標識・非常電源付きの照明・資格者の点検がかかります
✔保有距離は、蓄電池の点検を行う面0.6m以上・充電装置の操作を行う面1.0m以上などと表で示されています
✔認めるキュービクル式は区画した室と屋外の3mから除かれ、シール形だけの室は換気設備を設けないことができます
✔堺市の条例第20条も同じ組み立てで、照明の号やキュービクル式の扱いが違います
✔運用基準は改正されることがあるので、計画の段階で管轄の消防署・消防局に確かめましょう

まず、銘板の蓄電池容量と架台の高さを確かめて、保有距離を図面に書き込みます。
蓄電池室の区画と照明を消防署に相談します!

準用の号まで図面で押さえれば、蓄電池室の計画が早く固まります。
㈱防災屋でもご相談を承っております。

防火管理はプロにお任せ下さい

まずはWebで無料お見積りを!

お問い合わせ

監修・編集者
青木 俊輔
青木 俊輔

㈱防災屋 代表取締役/消防設備士

平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!

本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。

詳しい経歴・保有資格を見る
学歴
  • 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
  • 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
  • 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
保有資格
  • 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
  • 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
  • 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
  • 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
  • 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
  • eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了

趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)

主な活動

参考・出典

  • 大阪市消防局「消防用設備等の設置に係る運用基準」第12章 電気設備 第2 変電設備、第5 蓄電池設備 https://www.city.osaka.lg.jp/shobo/page/0000350878.html
  • 大阪市火災予防条例 第11条、第12条、第12条の2、第14条(大阪市例規データベース)
  • 堺市消防局 審査基準(堺市火災予防条例 第2章 第16条、第18条、第20条【解説及び運用】、条則別表1) https://www.city.sakai.lg.jp/kurashi/bosai/shobo/shokai/reiki/kijyun/index.html
  • 東大阪市消防局 消防用設備等の運用基準(公開6基準) https://www.city.higashiosaka.lg.jp/0000041303.html
  • 消防法 第9条、消防法施行令 第5条
  • 対象火気設備等の位置、構造及び管理並びに対象火気器具等の取扱いに関する条例の制定に関する基準を定める省令 第3条、第12条、第14条、第16条、第17条

※本記事は公表されている法令および大阪市・堺市・東大阪市の公開資料に基づく一般的な解説です。運用基準は改正されることがあるため、最新の内容は管轄の消防署・消防局で確認してください。個々の建物の扱いは、所轄の消防署にご確認ください。

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