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非常放送が火災放送に切り替わるまでのタイマーは何分か|津市の5分と3分を7つの消防本部の基準で比べる

津市の非常放送で火災放送に移るまでのタイマーは何分かを示したアイキャッチ画像

感知器が作動すると、非常放送はまず女声の感知器発報放送を流し、火災と確かめられると男声の火災放送に切り替わります。
誰からも確認の連絡が来ないときに備えて、一定の時間がたつと自動で火災放送へ移るタイマーが組み込まれています。
国の通知はこの時間をおおむね2分から5分としていますが、津市の審査基準は5分以内と3分以内の2段階に分けています。
この記事では津市の基準をたどり、四日市市・鈴鹿市・埼玉県央広域・大阪市・東大阪市・堺市と分数の決め方を比べます。

津市で3階建ての店舗ビルを管理しています。
非常放送が火災放送に切り替わるまでの時間は、建物ごとに決まるのですか。

津市では、現場を確かめる人と監視者がそろい連絡体制が整っていれば5分以内、それ以外は3分以内です。
国の通知のおおむね2分から5分を、体制で振り分けた形です。

体制しだいで2分も違うのですね。

そうです。
確認の連絡が届くかどうかが分かれ目になります。

この記事の結論
  • 放送設備は消防法施行規則第25条の2第3項により、消防庁長官が定める非常警報設備の基準にも適合しなければなりません
  • 平成6年の消防庁通知は、感知器発報放送から火災放送へ自動で移るタイマーをおおむね2分から5分としています
  • 津市と四日市市は、現場確認と監視の体制が整っていれば5分以内、それ以外は3分以内としています
  • 大阪市は、建物全体にスプリンクラー設備があれば5分以内、それ以外は3分以内としています
  • 鈴鹿市・埼玉県央広域・堺市・東大阪市はおおむね2分から5分を基本とし、延ばせる範囲の書き方がそれぞれ違います

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国の通知から津市と四日市市・大阪市・鈴鹿市などへ火災放送に切り替わるまでのタイマーの決め方をたどった図解

感知器発報放送から火災放送へ切り替わる時間は国の基準で何分なのか

天井の煙感知器とスピーカーと数字のない壁掛け時計が並ぶ事務所のイラスト
津市の基準を読む前に、もとになる国の規則と消防庁の通知を確かめます。
e-Govの現行の消防法施行規則第25条の2第3項と、平成6年の消防庁予防課長通知を読みます。
消防法施行規則 第25条の2第3項
非常警報設備は、前二項に定めるもののほか、消防庁長官が定める基準に適合するものでなければならない。
「放送設備の設置に係る技術上の基準の運用について」(平成6年2月1日 消防予第22号)7
告示基準(略)に定める信号については、感知器発報放送が起動してからタイマーにより作動する一定の時間を経過した旨の信号とし、一定の時間については、防火対象物の規模、利用形態、管理形態、内装制限の実施状況、現場確認に必要な時間等を勘案して、おおむね2分から5分までとするよう指導されたい。
なお、特段の事情がある場合は、消防機関の認める範囲でこれと異なる時間とすることができるものとする。
国の目安はおおむね2分から5分です。
消防庁長官が定める基準は「非常警報設備の基準」(昭和48年消防庁告示第6号)で、感知器発報放送のあとに火災放送へ自動で移るきっかけとなる信号を定めています。
平成6年の通知は、その信号の一つを、感知器発報放送が始まってからタイマーで一定の時間がたった信号と読むよう示しました。
時間の長さは建物の規模・使い方・管理の仕方・内装制限・現場確認にかかる時間を見て決め、その目安がおおむね2分から5分です。
規則には分数が書かれていないので、実際の目安は通知を受けた各消防本部の審査基準で示されています。

誰も確認の連絡をしなくても、時間がたてば火災放送になるのですか。

はい、タイマーが確認の遅れを補う役目です。
何分にするかは、消防本部ごとに決め方が違います。

津市と四日市市はなぜ5分と3分の2段階にしているのか

監視室の操作卓と電話が廊下のインターホンとケーブルでつながったイラスト
津市の「予防事務審査検査基準」は、5-15 非常警報設備の2「操作要領及び管理運用」でタイマーの時間を定めています。
四日市市の「消防同意事務審査基準」第2章 第14 非常警報設備の(5)も、ほぼ同じ文で定めています。
津市消防本部「津市予防事務審査検査基準」5-15 非常警報設備 2⑵
(略)一定の時間については、防火対象物の規模、利用形態、管理形態、内装制限の実施状況、現場確認に必要な時間等を勘案して、次のとおりとする。
なお、設定については消防検査時に行うこと。
ア 現場確認者と防災センター等の監視者が確保され、現場確認者等から内線電話等により現場確認の通報が当該防災センター等に伝達される体制が整っている場合は、5分以内とする。
イ ア以外の場合は、3分以内とする。
連絡体制があれば長めに待てます。
津市は、現場へ確かめに行く人と防災センター等で受ける監視者がそろい、内線電話などで結果が伝わる体制なら5分以内、そうでなければ3分以内としています。
確認の連絡が見込めるなら長めに待って誤った火災放送を避け、見込めないなら早めに火災放送へ移すという考え方と読めます。
四日市市の(5)も同じ2段階で、通報が伝わる先を「操作部付近」と書いている点だけが違い、行政指導を示す下線は付いていません。
津市は凡例の記号を使っていませんが、タイマーの設定を消防検査のときに行うと明記しているのが特徴です。

夜に監視者がいなくなる建物は、3分以内のほうに当たりそうですね。

基準は体制の有無で分けているので、そう読める余地があります。
夜間の体制も含めて予防課に確かめましょう。

大阪市はスプリンクラー設備の有無でなぜ分けているのか

すべての階の天井にスプリンクラーヘッドがある建物と放送設備の増幅器のイラスト
大阪市消防局の運用基準は、第2章 第6節 非常警報設備(放送設備)で同じタイマーを定めています。
大阪市はこれを「火災放送移行タイマー」と呼び、振り分けの物差しが津市と違います。
大阪市消防局「消防用設備等の設置に係る運用基準」第2章 第6節 非常警報設備(放送設備)
シ 感知器発報放送が起動してからタイマーの遅延により火災放送を開始するまでの時間(以下「火災放送移行タイマー」という。)は、原則として、防火対象物全体にスプリンクラー設備が設置されている場合は5分以内とし、それ以外の場合は3分以内とすること◆
ス 規則第25条の2第2項第3号チに規定する「一定の時間」とは、(略)最大10分以内の時間(火災放送移行タイマーの時間を含む。)で設定できるものとする。◆
大阪市は設備で分けています。
大阪市は、建物全体にスプリンクラー設備があれば5分以内、なければ3分以内としており、分数は津市と同じでも振り分けの物差しが違います。
人の体制ではなく、初期の火災を抑える設備があるかどうかで待てる時間を決めていると読めます。
スは区分鳴動から全館へ広げるまでの一定の時間の上限で、そこに火災放送移行タイマーの時間を含めて最大10分以内と書いています。
どちらにも大阪市の凡例で行政指導を示す◆が付いているので、建物の事情は予防課と相談しながら決めることになります。

一部の階にしかスプリンクラーがない建物は、3分以内ということですね。

基準は防火対象物全体と書いているので、そう読めます。
設置範囲を図面で確かめておきましょう。

鈴鹿市と埼玉県央広域はタイマーをどこまで延ばせるのか

天井の高い大きな売場とタイマーのつまみが付いた放送設備の増幅器のイラスト
鈴鹿市と埼玉県央広域の審査基準は、どちらも第4章 第14 非常警報設備の⑻イでタイマーを定めています。
目安は国の通知と同じおおむね2分から5分ですが、延ばすときの書き方が違います。
鈴鹿市消防本部「鈴鹿市消防用設備等に関する審査基準」第4章 第14 ⑻イ
(略)当該一定の時間は、防火対象物の規模、利用形態、管理形態、内装制限の実施状況、現場確認に必要な時間等を勘案して、おおむね2分から5分以内とする。●ただし、特段の事情がある場合は、政令第32条の規定を適用して、最大10分以内とすることができる。
なお、防火対象物の規模等により、全館一斉の火災放送の移行時間を設けない取り扱いとしても差し支えない。
埼玉県央広域消防本部「消防用設備等に関する審査基準」第4章 第14 ⑻イ
(略)一定の時間については、(略)おおむね2分から5分までとすること。●
なお、特段の事情がある場合は、消防機関の認める範囲でこれと異なる時間とすることができる。
また、防火対象物の規模等により、全館一斉の火災放送の移行時間を0分又は設けないこととすることもできること。
延ばす根拠の書き方が違います。
鈴鹿市は、特段の事情があれば消防法施行令第32条を当てはめて最大10分以内まで延ばせると、上限と根拠をはっきり書いています。
埼玉県央広域は国の通知と同じく「消防機関の認める範囲」とだけ書き、上限の分数は示していません。
両本部とも法令の基準と行政指導の両方を含む●が付き、区分放送から全館一斉の火災放送へ移る時間を設けない扱いも認めています。
鴻巣市・桶川市・北本市や鈴鹿市の建物で5分を超える設定を考えるなら、まず特段の事情に当たるかを予防課に相談します。

10分まで延ばせるのは、どんな建物なのですか。

基準には特段の事情としか書かれていません。
延ばしたい理由を整理してから相談しましょう。

堺市と東大阪市はどう書いていて自分の建物では何を確かめればよいのか

扉を開けた放送設備の増幅器のタイマーのつまみと白紙の点検表のイラスト
堺市と東大阪市は、火災放送への移行を確認信号とタイマーの2本立てで書いています。
最後に7つの消防本部の分数を表にまとめます。
堺市消防局「堺市消防同意・消防用設備等審査基準」第16 非常警報設備(3)ウ(イ)
感知器発報放送が鳴動してから、一定の時間が経過した場合には、前(ア)の確認信号の入力がない場合でも、自動的に火災放送へ移行すること。なお、一定の時間とは、(略)概ね2分から5分までとすること。◆①
ただし、特段の事情がある場合については、最大で10分以内とすることができるものとする。★
消防本部目安の時間分け方・延ばし方記号
国(平成6年 消防予第22号)おおむね2分から5分特段の事情は消防機関の認める範囲―
津市5分以内/3分以内現場確認と監視の体制で分ける・設定は消防検査時凡例の記号なし
四日市市5分以内/3分以内現場確認と監視の体制で分ける下線なし
大阪市5分以内/3分以内建物全体のスプリンクラー設備の有無で分ける(原則)◆
鈴鹿市おおむね2分から5分以内特段の事情は令第32条で最大10分以内●
埼玉県央広域おおむね2分から5分特段の事情は消防機関の認める範囲●
堺市概ね2分から5分特段の事情は最大10分以内◆①(延長は★)
東大阪市概ね2分から5分最大10分以内この項目の末尾に記号なし
まず設定値と体制を確かめます。
堺市は国の通知を参考にした◆①で2分から5分とし、10分以内への延長には堺市独自の基準を示す★を付けています。
東大阪市は自動火災報知設備の運用基準の中で、地区音響を放送と連動させる場合として概ね2分から5分・最大10分以内と書いています。
自分の建物では、放送設備のタイマー設定値と、防災センター等の監視体制が管轄の基準に合っているかを確かめます。
区分鳴動から全館鳴動へ広げる一定の時間は別の時間なので、混同しないよう分けて確認します。

まずは今のタイマーが何分になっているかを確かめます。

点検のときに業者へ設定値を確かめてもらうと確実です。
監視体制を変えたときも見直しましょう。

よくある質問

Q感知器発報放送のあと、タイマーを待たずに火災放送になることはありますか?
Aあります。堺市と東大阪市の基準は、別の警戒区域の感知器からの火災信号や発信機からの信号などを受けたら、タイマーを待たずに火災放送へ移ると定めています。
Q津市の5分以内と3分以内は、どちらに当たるかをどう判断するのですか?
A基準は、現場確認者と防災センター等の監視者が確保され、内線電話等で通報が伝わる体制かどうかで分けています。津市は設定を消防検査時に行うと定めているので、検査の前に体制を整理して予防課に伝えておくと確実です。
Qタイマーを10分に設定してもよいのですか?
A鈴鹿市は特段の事情があれば令第32条で最大10分以内、堺市も特段の事情があれば最大10分以内とできますが、特段の事情の中身は基準に書かれていません。津市・四日市市は5分以内、大阪市は原則5分以内が上限なので、所轄の消防署に相談してください。
Q区分鳴動の一定の時間と、火災放送移行タイマーは同じものですか?
A別のものです。火災放送移行タイマーは感知器発報放送から火災放送へ移るまでの時間で、区分鳴動の一定の時間は出火階などに限った警報を全館へ広げるまでの時間です。大阪市は区分鳴動の最大10分以内にこのタイマーの時間を含めると書いています。

まとめ

✔規則第25条の2第3項により、放送設備は消防庁長官が定める非常警報設備の基準にも適合させます
✔平成6年の消防庁通知は、火災放送へ移るタイマーをおおむね2分から5分としています
✔津市と四日市市は、現場確認と監視の体制が整っていれば5分以内、それ以外は3分以内です
✔津市はタイマーの設定を消防検査のときに行うと定めています
✔大阪市は建物全体のスプリンクラー設備の有無で5分以内と3分以内を分けています
✔鈴鹿市は令第32条で最大10分以内、埼玉県央広域は消防機関の認める範囲で延長を認めます
✔堺市と東大阪市は概ね2分から5分・最大10分以内とし、区分鳴動の一定の時間とは分けて確かめます

まずは今のタイマー設定と、夜間の監視体制を確かめてみます!

体制に合った分数にしておけば検査でも慌てません。
㈱防災屋でもご相談を承っております。

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監修・編集者
青木 俊輔
青木 俊輔

㈱防災屋 代表取締役/消防設備士

平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!

本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。

詳しい経歴・保有資格を見る
学歴
  • 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
  • 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
  • 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
保有資格
  • 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
  • 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
  • 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
  • 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
  • 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
  • eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了

趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)

主な活動

参考・出典

  • 消防法施行規則 第25条の2第3項(e-Gov法令検索)
  • 消防庁予防課長通知「放送設備の設置に係る技術上の基準の運用について」(平成6年2月1日 消防予第22号)7 通知のPDF
  • 津市消防本部「津市予防事務審査検査基準」5-15 非常警報設備 2⑵ 5-15のPDF
  • 四日市市消防本部「四日市市消防同意事務審査基準」凡例、第2章 第14 非常警報設備(5) 警報設備のPDF
  • 鈴鹿市消防本部「鈴鹿市消防用設備等に関する審査基準」第1章 凡例、第4章 第14 非常警報設備 ⑻イ 第4章 第14のPDF
  • 埼玉県央広域消防本部「消防用設備等に関する審査基準」第1章 凡例、第4章 第14 非常警報設備 ⑻イ 第14 非常警報設備のPDF
  • 大阪市消防局「消防用設備等の設置に係る運用基準」第2章 第6節 非常警報設備(放送設備)シ・ス https://www.city.osaka.lg.jp/shobo/page/0000350878.html
  • 堺市消防局「堺市消防同意・消防用設備等審査基準」総則(凡例)、第16 非常警報設備(3)ウ https://www.city.sakai.lg.jp/kurashi/bosai/shobo/shokai/reiki/kijyun/index.html
  • 東大阪市消防局「自動火災報知設備の設置に係る運用基準」Ⅱ 細目 4 音響装置 ⑷ 鳴動方法 エ(ウ) https://www.city.higashiosaka.lg.jp/0000041303.html

※本記事は各消防本部が公開している審査基準・運用基準と国の法令・通知に基づく一般的な解説です。運用基準・条例は改正されることがあるため、最新の内容は管轄の消防署・消防本部で確認してください。各本部の資料は2026年10月時点の公開版で確認しています。行田市・羽生市は審査基準を公開していないため比較に含めていません。個々の建物でタイマーを何分にするかは、所轄の消防署にご確認ください。

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