マージャン店やゲームセンター、ボウリング場は、消防法令では遊技場として収容人員を数えます。
国の消防法施行規則は、床面積で割るのではなく、遊技のための機械器具を使って遊技できる者の数を足すと書いています。
ところが「マージャン卓1台は何人か」という1台あたりの人数は、国の規則には書かれていません。
埼玉県央広域消防本部の審査基準はこの人数を決めていて、鈴鹿市・四日市市・津市・堺市も少しずつ違う書き方をしています。
鴻巣市でマージャン店を開く予定で、防火管理者が要るかを確かめています。
収容人員は店の広さで割ればよいのでしょうか。
遊技場は広さで割らず、卓や台の数から人数を出します。
国の規則から順にたどってみましょう。
卓が何台なら何人になるのか、決まりがあるのですか。
鴻巣市を管轄する埼玉県央広域の基準は、マージャンを1台につき4人と書いています。
他の市の書き方とも比べます。
- 消防法施行規則第1条の3は、遊技場の収容人員を従業者の数・遊技できる者の数・固定式のいす席の数の合計としている
- 埼玉県央広域はマージャン1台4人・囲碁将棋1枚2人・ビリヤード1台2人・パチンコ1台1人と決めている
- 鈴鹿市は3人麻雀専用の台を1台3人、固定いすのないボウリング場を1レーン4人と書き足している
- 堺市は施設内に設置できる最大の競技卓の数に人数を掛け、算定できなければ卓の数とするとしている
- 数え方の違いで30人の境目をまたぐことがあり、防火管理者の要否が変わりうる
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目次
国の規則では遊技場の収容人員をどう数えるのか

(2)項と(3)項の欄は、遊技場とその他のものに分かれています。
令別表第一(2)項及び(3)項に掲げる防火対象物 遊技場
次に掲げる数を合算して算定する。
一 従業者の数
二 遊技のための機械器具を使用して遊技を行うことができる者の数
三 観覧、飲食又は休憩の用に供する固定式のいす席が設けられている場合は、当該いす席の数に対応する数。この場合において、長いす式のいす席にあつては、当該いす席の正面幅を〇・五メートルで除して得た数(一未満のはしたの数は切り捨てるものとする。)とする。
同じ(2)項・(3)項でも、その他のものは客席のその他の部分を3㎡で割りますが、遊技場の欄には床面積で割る項目がありません。
数えるのは従業者と、機械器具で遊技できる者と、観覧・飲食・休憩用の固定式のいす席です。
ただし二号の「遊技を行うことができる者の数」を、台の種類ごとに何人と数えるかは規則に書かれていません。
その空白を埋めているのが、各消防本部の審査基準です。
明日やることは、店内の台や卓を種類ごとに数えた一覧を作ることです。
卓の数は図面で分かりますが、1卓が何人かは自分で決めてよいのですか。
自分で決めず、管轄の消防本部の基準で数えます。
次に鴻巣市の書き方を見ます。
マージャン卓や囲碁盤は1台を何人と数えるのか

そのうち3⑵イが、規則の二号を台の種類ごとの人数に置き換えた項目です。
イ 「遊技のための機械器具を使用して遊技を行うことができる者の数」については、次によること。なお、遊技人員が明確に限定できるものについては、その数によること。
(ア) ボウリング場は、レーンに付属する固定式のいす席の数とする。
(イ) ビリヤードは、1台につき2人とする。(昭和48年10月23日消防予第140号消防安第42号)
(ウ) 囲碁、将棋は、1枚につき2人、マージャンは、1台につき4人とする。
(エ) パチンコ、スロットマシンは、1台につき1人とする。
(略)
囲碁・将棋は1枚につき2人、ビリヤードは1台2人、パチンコとスロットマシンは1台1人です。
この項目には▲(行政指導)や●の記号が付いておらず、画像でも無印であることを確かめました。
柱書の「遊技人員が明確に限定できるものはその数による」も大事で、人数が決まっている台はその数が優先します。
鈴鹿市は同じ並びの中で、3人麻雀専用の台は1台につき3人と書き足しています。
明日やることは、卓の一覧に「4人打ち」「3人打ち専用」の区別を書き込むことです。
うちは卓が7台なので、7×4で28人に従業者を足すのですね。
はい、従業者が3人なら31人になり、30人以上なので防火管理者が要る規模です。
台数が変わるたびに数え直しましょう。
ボウリング場やゲーム機はどう数えるのか

どれも無印で、鈴鹿市にもほぼ同じ文があります。
(カ) ゲーム機械では、機械を使用して遊べる者の数とする。
(キ) アミューズメント施設内に設けるスポーツ施設は、当該スポーツ施設を使用できる者の数とする。
ウ ボウリング場内にゲームコーナーがある場合は、当該ゲームコーナーのゲーム機械を使用して遊べる者の数を合算して収容人員を算定すること。
1人用の機械なら1人、2人で遊ぶ機械なら2人というように、機械ごとの人数を足します。
ボウリング場はレーンに付属する固定式のいす席の数で数え、館内のゲームコーナーの人数はそこに足します。
鈴鹿市はレーンに固定式のいす席がない場合を補い、1レーンあたり4人と書いています。
アミューズメント施設の中のスポーツ施設は、そのスポーツ施設を使える者の数で数えます。
明日やることは、ゲーム機ごとに何人で遊べる機械かを取扱説明書や仕様書で確かめることです。
ゲームコーナーを足し忘れると、人数が少なく出てしまうのですね。
そのとおりで、合算すると決めている本部があります。
ボウリング場は館内のゲーム機も一覧に入れましょう。
人数が決まっていない遊技はどう数えるのか

各本部はこの場合、台の縁の長さで数えると書いています。
イ 「遊技のための機械器具を使用して遊技を行うことができる者の数」とは、施設内に設置できる最大の競技卓、盤、機械等に次の人数を掛け合わせて得られた数とすること。
(ア) パチンコ等は1、囲碁、将棋、ビリヤード等は2、マージャン等は4
(イ) ボーリングは、レーンに付属するいすの数
(ウ) ゲーム機械では、機械を使用して遊べる者の数
(エ) ルーレットゲーム等で人数に制限のないものについては、ゲーム台等の寄付き部分の幅を0.5mで除して得た数
(オ) 前(ア)~(エ)以外で遊技人数が明確に限定できるものにあっては、その数
(カ) 前(ア)~(オ)により遊技人数を算定できない場合には、競技卓、盤、機械等の数
人数に制限のない台は、客が近づける寄り付き部分の幅を0.5mで割り、幅3mなら6人です。
この0.5mは埼玉県央広域・鈴鹿市・四日市市・津市・堺市の5本部がそろって書いています。
堺市はさらに、今置いている台ではなく設置できる最大の卓の数で数えると書き、どれにも当てはまらなければ卓や機械の数とする逃げ道まで用意しています。
四日市市の表には、立見席(競技部分を含む)は床面積3㎡で1人という一文もあります。
明日やることは、人数の決まらない台の縁の長さを図面で測っておくことです。
つまり、人数が決まらない台は縁の長さを測ればよいのですね。
そうです、0.5mで1人が目安です。
堺市なら置ける最大の台数も確かめましょう。
ほかの市では遊技場の数え方をどう書いているのか

大阪市・東大阪市は、今回確かめた公開の基準に収容人員の章が見当たらないため、表に入れていません。
| マージャン | 囲碁・将棋 | ビリヤード | パチンコ等 | ボウリング | |
|---|---|---|---|---|---|
| 国の規則 | 定めなし | 定めなし | 定めなし | 定めなし | 定めなし |
| 埼玉県央広域 | 1台4人 | 1枚2人 | 1台2人 | 1台1人 | レーンに付属する固定式のいす席の数 |
| 鈴鹿市 | 1台4人(3人麻雀専用台は3人) | 1枚2人 | 1台2人 | 1台1人 | 固定式のいす席の数(ない場合は1レーン4人) |
| 四日市市 | 1台4人 | 1枚2人 | 1台2人 | 1台1人 | レーンに付属する固定いすの数 |
| 津市 | 1台4人 | 記載なし | 1台2人 | 記載なし | レーンに付属する固定式のいす席の数 |
| 堺市 | 4人(設置できる最大の卓数に掛ける) | 2人 | 2人 | 1人 | レーンに付属するいすの数 |
| ゲーム機・人数の決まらない台 | その他の書き足し | 従業者の扱い | |
|---|---|---|---|
| 埼玉県央広域 | 遊べる者の数・寄り付き幅÷0.5m | ボウリング場のゲームコーナーは合算・スポーツ施設は使用できる者の数 | ホステスは従業者・派遣の芸者等は従業者にしない |
| 鈴鹿市 | 遊べる者の数・寄り付き幅÷0.5m | ボウリング場のゲームコーナーは合算・スポーツ施設は使用できる者の数 | ホステスは従業者(台帳より実員が少なければ実員)・派遣の芸者等は従業者にしない |
| 四日市市 | 寄り付き部分0.5mにつき1人 | 立見席(競技部分を含む)は床面積3㎡で1人 | - |
| 津市 | 遊技を行うことができる者の数・寄り付き部分0.5mにつき1人 | カラオケボックスは固定いす席の数 | 派遣の芸者・コンパニオン等は従業員にしない |
| 堺市 | 遊べる者の数・寄付き部分の幅÷0.5m | 算定できなければ競技卓・盤・機械等の数 | - |
違いが出るのは、鈴鹿市の3人麻雀専用台と、堺市の「設置できる最大の卓数」で数えるという書き方です。
たとえば卓7台・従業者3人の店(仮の数字)なら、1台4人で31人ですが、全部が3人専用台なら24人になり、防火管理者が要る30人の境目をまたぎます。
収容人員は、非常ベル等が要る50人(地階・無窓階は20人)や、放送設備も要る300人の判定にも使われます。
埼玉県央広域の審査基準は、鴻巣市・桶川市・北本市で同じものが使われます。
同じ店でも、市によって防火管理者が要るかどうかが変わることがあるのですね。
はい、まず店のある市の審査基準を開いて数えましょう。
迷うときは卓の一覧を持って所轄の消防署に相談すると確実です。
よくある質問
まとめ
まずは店の卓の種類と数を一覧にしてみます!
鴻巣市なら1台4人で数えて30人の境目を確かめましょう。
㈱防災屋でもご相談を承っております。
㈱防災屋 代表取締役/消防設備士
平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!
本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。
詳しい経歴・保有資格を見る
- 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
- 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
- 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
- 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
- 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
- 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
- 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
- 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
- eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了
趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)
参考・出典
- 消防法施行令 第1条の2・第24条(e-Gov法令検索)
- 消防法施行規則 第1条の3(e-Gov法令検索)
- 埼玉県央広域消防本部消防用設備等に関する審査基準 第2章 第2 収容人員の算定(埼玉県央広域消防本部)
- 鈴鹿市消防用設備等に関する審査基準 第2章 第2 収容人員の算定(鈴鹿市消防本部)
- 四日市市消防同意事務審査基準 第1章 第2 用途の判定及び収容人員の算定(四日市市消防本部)
- 津市予防事務審査検査基準 1-2 収容人員の算定(津市消防本部)
- 堺市消防同意・消防用設備等審査基準 第7 収容人員の算定(堺市消防局)
※本記事は各消防本部が公表している審査基準と消防法施行令・施行規則に基づく一般的な解説です。運用基準・条例は改正されることがあるため、最新は管轄の消防署・消防本部で確認してください。個別の判断は所轄消防署にご確認ください。





