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消防用設備等の絶縁抵抗点検は他法令の測定値を使えるか|配線と記録を照合する条件

消防用設備等の絶縁抵抗点検で既存の測定記録を照合するイメージ

消防用設備等の配線点検では、絶縁抵抗を測定します。
ただし、同じ配線について他の法令による点検が実施済みなら、その測定値を充てることができます。
これは測定を省いてよいという意味ではなく、対象・測定条件・記録の照合が必要な例外です。
この記事では既存の測定値を使える条件と点検票に残す確認順を解説します

電気点検の結果があれば、また測らなくてよいのですか。

同じ測定対象かを先に照合します。

数値だけ同じなら大丈夫でしょうか。

回路と条件が一致して初めて判断できます。

この記事の結論
  • 他法令で実施済みの点検値を充てられる例外があります
  • 対象は消防用設備等の配線であることを確認します
  • 同じ回路と測定箇所かを図面と記録で照合します
  • 測定電圧と判定基準を確認できない値はそのまま使いません
  • 点検票には採用した根拠記録を追える形で残します

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消防用設備等の絶縁抵抗点検で既存の測定値を充てるための照合手順の図解

他法令の測定値を充てられるのはどんな場合か

消防用設備等の配線と絶縁抵抗計と点検記録を照合するイメージ
消防庁の配線点検要領は、絶縁抵抗の測定について、他の法令により点検が実施されている場合は、その測定値をもって充てることができるとしています。
既存記録を使えるのは、測定を省略するための一般的な許可ではありません。消防用設備等の配線として必要な確認に足りるかを、個別に判断する必要があります。
消防用設備等の点検要領 第26 配線:他の法令により点検が実施されている場合は、その測定値をもってあてることができる。

報告書があるだけでは足りないのですね。

対象の一致を記録で確かめます。

まずどの配線の測定値かを照合する

配線図と二つの点検記録を並べて対象回路を照合するイメージ
確認の起点は、記録にある回路が消防用設備等へ至る配線と特定できるかです。分電盤の名称、回路番号、系統図、接続先を突き合わせます。
建物全体の点検記録でも、対象の消防用回路が読めなければ充てる判断はできません。図面と記録のどちらかが更新されている場合も、現況を確認してから扱います。
消防用設備等の点検要領 第26:低圧電路は開閉器又は遮断器の分岐回路ごとに大地間及び配線相互間の絶縁抵抗を測定する。

回路番号が読めない記録は使いにくいですね。

図面との対応を残しておきます。

測定方法と電圧区分は何を確認するか

遮断器と電圧表示と測定記録を照合するイメージ
既存値を使う前に、測定箇所と使用電圧の区分を確認します。消防用設備等の配線では、低圧電路は分岐回路ごとに測定し、高圧電路は電源回路相互間及び大地間を測定します。
記録の測定条件が消防用設備点検で求める対象と異なるなら、値だけを転記しません。数値の大小ではなく、どこをどの条件で測ったかが判断の土台です。
消防用設備等の点検要領 第26:低圧電路は100V、125V、250V又は500Vの絶縁抵抗計を用い、高圧電路は1,000V、2,000V又は5,000Vの絶縁抵抗計を用いて測定する。

測定器の種類も確認するのですね。

測定条件を数値と一緒に見ます。

記録にない項目を推測してはいけない理由

開放した遮断器と検電器で無充電を確認して絶縁抵抗を測定するイメージ
絶縁抵抗測定は、電源を遮断し、検電器等で充電の有無を確認してから行います。測定値だけが残り、対象や方法が分からない記録では、この手順を満たしたか確認できません。
条件を推測して充てると、消防用設備等の点検として確認すべき範囲が抜けます。不明な項目があれば、今回の点検で必要な測定を実施し、記録を整える判断が安全です。
消防用設備等の点検要領 第26:測定電路の電源を遮断し、検電器等で更に充電の有無を確認してから絶縁抵抗を確認する。

古い数値だけでは判断しないほうがよいですね。

確認不能な部分は測定で補います。

点検票には何を残しておくとよいか

絶縁抵抗計と点検票に測定値の根拠を記録するイメージ
採用した測定値は、元になった点検記録を後からたどれるようにします。記録の名称、実施日、対象回路、測定条件、判定の根拠を一緒に確認しておくと、次回点検や改修時の説明が途切れません。
「他法令の測定値を充てた」という結論だけでなく、照合した内容を残すことが実務上の要点です。

次の点検者にも判断の理由が伝わりますね。

㈱防災屋でもご相談を承っております。

よくある質問

Q他の点検記録があれば必ず充てられますか?
Aいいえ。対象回路と測定条件を確認できる場合に限って判断します。
Q値だけが記載された報告書は使えますか?
A対象・方法を追えない値は、そのまま採用しないで確認を補います。
Q低圧と高圧で確認は変わりますか?
A変わります。電圧区分と測定箇所に合う記録かを確かめます。
Q元記録のどこを残せばよいですか?
A記録名、実施日、対象回路、測定条件と照合の根拠を残します。

まとめ

✔ 他法令の測定値を充てる例外があります
✔ 消防用回路と特定できるかを確認します
✔ 測定箇所と電圧区分を照合します
✔ 条件が不明な値は推測で使いません
✔ 元記録の実施日を残します
✔ 点検票で判断の根拠を追えるようにします
✔ 照合内容を次回へ引き継ぎます

根拠記録まで確認しておけば安心です。

㈱防災屋でもご相談を承っております。

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監修・編集者
青木 俊輔
青木 俊輔

㈱防災屋 代表取締役/消防設備士

平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!

本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。

詳しい経歴・保有資格を見る
学歴
  • 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
  • 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
  • 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
保有資格
  • 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
  • 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
  • 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
  • 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
  • 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
  • eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了

趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)

主な活動

参考・出典

※実際の点検方法や記録の取扱いは、設備の構成と所轄消防機関の運用を確認してください。

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