消防用設備等の点検で、配線は設備の外に見えにくく、だれが点検するのか迷いやすい部分です。
通知には、配線を一次側と二次側に分けて、点検する人を決める定めがあります。
そのうえ、配線の点検票は、機器点検の欄がなく総合点検だけの様式です。
この記事では、配線の点検の分担と、配線点検票の欄を、告示と通知から整理します。
配線の点検は、設備の点検者が全部まとめて行うのですか。
いいえ、通知は一次側と二次側で点検する人を分けています。
順番に見ていきましょう。
配線の点検票には、どんな欄があるのですか。
告示の別記様式第26に、欄の名前が決まっています。
書き方も、あわせて整理します。
- 配線の点検は、告示で総合点検のみ、期間は1年と定められています。
- 通知は、電気的作動による事故を防ぐため、一次側配線と二次側配線で点検する人を分けています。
- 一次側配線は非常電源専用受電設備等の点検に準じ、二次側配線は当該設備の点検者が行います。
- 配線点検票は別記様式第26で、専用回路・開閉器及び遮断器・ヒューズ類・絶縁抵抗・耐熱保護の欄があります。
- 他の消防用設備等と範囲が重なるときは、その点検実施者と連絡をとって点検します。
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目次
配線の点検は機器点検と総合点検のどちらで行うのか

告示の第3には、次の定めがあります。
(表の抜粋)配線 総合点検 1年
| 消防用設備等の種類等 | 点検の内容及び方法 | 点検の期間 |
|---|---|---|
| 非常電源(配線の部分を除く)・総合操作盤など | 機器点検 | 6月 |
| 非常電源(配線の部分を除く)・総合操作盤など | 総合点検 | 1年 |
| 配線 | 総合点検 | 1年 |
期間は、機器点検が6月ごとの設備と違い、1年です。
告示の第1は、消防用設備等の種類等を、非常電源・配線・総合操作盤を除いた設備の種類と、非常電源の種別、配線・総合操作盤の別と定めています。
つまり配線は、設備の本体とは別の点検の対象として、告示で数えられています。
配線の点検項目そのものは、消防用設備等の配線もなぜ点検の対象になるのか|専用回路や絶縁抵抗など5つの基準を解説で解説しています。
だから点検の前に、配線の総合点検を、年に一度の日程へ入れておきましょう。
配線は、半年ごとの機器点検では見なくてよいのですか。
告示の表で、配線に定められているのは総合点検だけです。
機器点検の欄は、配線の行にありません。
一次側配線と二次側配線はだれが点検するのか

通知の文は、次のとおりです。
消防用設備等に含まれる配線の点検にあたっては、電気的作動による消火剤の放射及び放出等の事故を防止するため、当該設備の一次側配線については〔前の項目〕に準じて行い、二次側配線については当該設備の点検者がそれぞれ行う必要があること。
分ける理由は、電気的作動による消火剤の放射や放出などの事故を防ぐためと、通知に書かれています。
一次側は、通知の直前の項目、つまり非常電源専用受電設備等の点検に準じて行います。
二次側は、当該設備の点検者がそれぞれ行うと定められています。
一次側と二次側の境目を、図面のどこに引くかは、通知には書かれていません。
だから点検の前に、設備ごとの配線の境目を、図面で確かめておきましょう。
一次側と二次側は、どちらの点検者が決めるのですか。
通知は、それぞれ行うと書いていますが、境目の決め方までは書いていません。
関係者で、図面をもとに確かめておきましょう。
電気的に危険な設備の点検では何に気をつけるのか

通知の文は、次のとおりです。
非常電源専用受電設備、自家発電設備及び蓄電池設備は、電気的に危険性の高い設備であるので、これらの設備に係る点検を行う場合は、電気主任技術者の協力を得ることにより感電事故等の発生の防止に努められたいこと。なお、当該設備の点検については、電気事業法による保安規程に基づき、6ヶ月以内ごとに行う点検と合わせて行うことが望ましいこと。
目的は、感電事故等の発生を防ぐことです。
電気事業法の保安規程に基づく、6ヶ月以内ごとの点検と合わせて行うことが、望ましいとされています。
義務でなく「望ましい」と書かれている点にも、注意が必要です。
点検票の非常電源の欄の作り方は、消防用設備等の点検はなぜ機器点検と総合点検の両方を報告するのか|点検要領が定める点検票の作り方と報告の期間を解説で解説しています。
だから点検の前に、電気主任技術者へ連絡して、停電の時間や範囲を、調整しておきましょう。
一次側配線の点検にも、電気主任技術者の協力が必要なのですか。
通知は、一次側配線は前の項目に準じて行うと書いています。
どこまで協力を求めるかは、設備の状況で確かめましょう。
配線点検票にはどんな欄があるのか

告示の別記様式第26が、配線点検票です。
| 欄 | 様式にある内容 |
|---|---|
| 上段 | 名称・防火管理者・所在・立会者・点検種別(総合)・点検年月日 |
| 点検者 | 氏名・所属会社の社名・電話番号・住所 |
| 点検項目 | 専用回路・開閉器及び遮断器・ヒューズ類・絶縁抵抗(常用・非常)・耐熱保護 |
| 点検結果 | 種別・容量等の内容・判定・不良内容・措置内容 |
| 備考 | 測定機器の機器名・型式・校正年月日・製造者名 |
3 判定欄は、正常の場合は○印、不良の場合は×印を記入し、不良内容欄にその内容を記入すること。
4 措置内容欄には、点検の際措置した内容を記入すること。
判定は、正常なら○印、不良なら×印を付け、不良内容の欄にその内容を書きます。
絶縁抵抗の行には、常用と非常の区分があり、備考には使った測定機器の校正年月日を書く欄があります。
総括表の判定が「良」「不良」を選ぶ形なのとは、印の付け方が違います。
総括表の書き方は、点検結果総括表には何を書くのか|点検実施責任者と措置内容と立会者の欄を告示の様式で解説で解説しています。
だから点検の前に、絶縁抵抗計の校正年月日を、控えておきましょう。
点検票の絶縁抵抗の判定値も、様式に書いてあるのですか。
様式にあるのは記入の欄だけで、判定値の表は点検要領の側にあります。
詳しくは、配線の基準の記事で整理しています。
他の消防用設備と重なるときや点検のあとは何をするのか

通知には、次の文があります。
他の消防用設備等の範囲と重複する場合(スプリンクラー設備の感知装置として用いられる自動火災報知設備の感知器等)は、当該消防用設備等の機能維持の完璧を期するため、他の消防用設備等の点検実施者等と連絡をとり、点検を行うこと。
点検終了後は、電源電圧、スイッチ類の位置及び収納状態等を再度確認することにより必ず元の状態に復旧しておくこと。
通知が例に挙げているのは、スプリンクラー設備の感知装置として使われる自動火災報知設備の感知器です。
点検が終わったら、電源電圧・スイッチ類の位置・収納状態を確かめて、必ず元の状態に復旧すると通知にあります。
点検の前には、設置届・試験結果報告書・設置時の図書を準備するよう、同じ通知が求めています。
点検結果を出すときの報告書の書類は、点検者一覧表には何を書くのか|告示の様式が定める資格の欄と誘導灯の備考を解説で解説しています。
だから点検の当日は、関係する設備の点検者と、作業の順番と連絡の方法を、決めておきましょう。
復旧の確認は、点検票に書く欄があるのですか。
配線点検票に、復旧の確認専用の欄はありません。
通知の求める確認は、点検の作業として行います。
よくある質問
まとめ
まず一次側と二次側の境目を図面で確かめて、点検する人を決めるところから始めます!
配線の点検は、分担と連絡で安全に進める点検です。
㈱防災屋でもご相談を承っております。
㈱防災屋 代表取締役/消防設備士
平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!
本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。
詳しい経歴・保有資格を見る
- 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
- 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
- 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
- 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
- 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
- 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
- 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
- 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
- eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了
趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)
参考・出典
- 消防法第17条の3の3(消防用設備等の定期点検及び報告)
- 消防法施行規則第31条の6(消防用設備等又は特殊消防用設備等の点検及び報告)
- 消防法施行規則の規定に基づき、消防用設備等又は特殊消防用設備等の種類及び点検内容に応じて行う点検の期間、点検の方法並びに点検の結果についての報告書の様式を定める件(平成16年消防庁告示第9号) 第1、第3
- 消防用設備等の点検の基準及び消防用設備等点検結果報告書に添付する点検票の様式を定める件(昭和50年消防庁告示第14号) 別記様式第26
- 消防用設備等の点検に係る運用について(平成14年6月11日消防予第173号)
※本記事は公表されている法令・告示および消防庁の通知に基づく一般的な解説です。通知は助言であり、点検の実際の分担は設備の状況と所轄消防署の指導によります。個別の判断は、消防設備士や所轄消防署にご確認ください。





