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津市で太陽電池などの発電設備をつなぐとき解列用遮断器はどこに付けてよいのか|高圧受電と低圧受電の結線を原文でたどる

ビルの屋上に青い太陽電池のパネルが並び横に灰色の機器箱がある写真

屋上に太陽電池を載せたり、コージェネレーション用の発電設備を置いたりすると、電気室の結線に新しい遮断器が増えます。
消防用設備の非常電源に非常電源専用受電設備を使っている建物では、その遮断器をどこに付けてよいかが問題になります。
消防法施行規則には「解列」も「太陽電池」も出てきません。津市消防本部の基準が、付けてよい場所と付けてはいけない場所を図で示しています。
国の規則から津市の図まで、番号つきの手順でたどり、高圧受電と低圧受電の違いを原文のとおりに見ます。

屋上に太陽光発電を載せる計画があります。
非常電源の受電設備がある電気室に、つないでよいのでしょうか。

つなぎ方は、津市の基準が図で決めています。
ただし、解列用遮断器を付けてはいけない場所があります。

国の規則に、その決まりは書かれていないのですか。

はい、規則に「解列」という語は出てきません。
決まりは、津市の基準の側にあります。

この記事の結論
  • 消防法施行規則は、非常電源専用受電設備が他の電気回路の遮断器で遮断されないことを求めるだけで、解列用遮断器の置き場所は決めていない
  • 津市の基準は、非常電源用以外の発電設備を接続する場合に、一般負荷回路の事故が非常電源回路に影響しないよう、第24-7図の例により設けることを求めている
  • 高圧又は特別高圧で受電する場合、解列箇所は主遮断装置以外とし、非常電源専用の変圧器と共用する変圧器の二次側には解列用遮断器を付けない
  • 低圧で受電する場合は、非常電源回路の一次側に主幹開閉器を設けず、非常電源回路には解列用遮断器も設置しない
  • 商用電源停止時に起動する予備発電設備には解列でなく切替装置の定めがあり、変圧器の二次側に置かない点は同じ向きである。手元の他の本部の基準には「解列」の語が見当たらない

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国の規則と津市の基準と受電の方式の三つの段で、解列用遮断器の置き場所をたどる図解

国の規則は発電設備のつなぎ方まで決めているのか

分厚い本と電気の分電盤と大きな遮断器の箱が並んでいるイメージ
非常電源専用受電設備の構造は、消防法施行規則 第12条 第1項 第4号 イが定めています。
そのうち(ロ)が、他の電気回路との関係を決めた一文です。
消防法施行規則 第十二条 第一項 第四号 イ(ロ)
他の電気回路の開閉器又は遮断器によつて遮断されないこと。
規則が求めるのは、非常電源が他の電気回路の遮断器で止められないことです。
e-Govの現行の規則全文を調べると、「解列」「太陽電池」「太陽光」「コージェネ」「パワーコンディショナ」の語は一つも出てきません。
発電設備をつないだときの遮断器の置き場所は、規則のどこにも書かれていません。
具体的な置き場所を決めているのは、津市消防本部の基準です。 津市の基準は、5-24 2⑸の「非常電源専用受電設備の結線方法」に、この場面の入口を置いています。
高圧で受電する場合がア、低圧で受電する場合がイ、そして発電設備をつなぐ場合がウです。
津市消防本部「津市予防事務審査検査基準」5-24 2⑸ウ(抜粋)
ウ 非常電源用以外の発電設備を接続する場合
非常電源用以外の発電設備を接続する場合は、発電設備を含む一般負荷回路が火災等により、短絡、過負荷、地絡等を生じた場合、当該非常電源回路に影響を与えないようにするため、次の第24-7図の例により設けること。ただし、第24-7図の例に掲げるものと同等以上と認められる性能を有する場合は、この限りでない。
ウが求めるのは、一般負荷回路の事故を非常電源回路へ広げないことです。
規則イ(ロ)が求める「他の電気回路に遮断されない」と、向きが同じ定めと読めます。
数字や図で具体的にするのは、規則ではなく津市の第24-7図です。
図と違う結線にするときは、「同等以上と認められる性能」を示せるかが分かれ目になります。

規則に書いていないなら、何を見て置き場所を決めればよいのでしょう。

管轄の消防本部の基準を見ます。
津市なら、5-24の2⑸ウです。

高圧又は特別高圧で受電するとき解列用遮断器はどこに付けてよいのか

低い台の上に青い太陽電池が三枚並び細いケーブルで遮断器の箱と変圧器につながっているイメージ
ウの(ア)は、常用発電設備を設ける場合です。
太陽電池発電設備、風力発電設備又はコジェネレーション用発電設備等を、非常電源専用受電設備と接続する場合が対象で、まず高圧又は特別高圧で受電する場合から見ます。
津市消防本部「津市予防事務審査検査基準」5-24 2⑸ウ(ア)a(抜粋)
a 高圧又は特別高圧で受電する場合
⒜ 解列箇所(遮断装置や遮断器を用いて発電設備を商用電力系統から切り離すことができる箇所。以下同じ。)は、主遮断装置以外の箇所とすること。
⒝ 非常電源専用の変圧器及び非常電源と一般負荷とを共用する変圧器の二次側には解列用遮断器を設置しないこと。
⒞ 解列用遮断器は、十分な遮断性能があるとともに、非常電源専用受電設備の保護装置と保護協調を図ること。
⒟ 高圧受電設備の保護装置は、発電設備の設置に伴う遮断容量の増加に対応したものであること。
⒠ 結線方法は第24-7図aによること。
解列用遮断器を付けてよい場所は、図の※で示されています。
「解列箇所」とは、遮断装置や遮断器で発電設備を商用電力系統から切り離せる箇所のことで、津市の基準が自分で定義しています。
第24-7図aの※は、パワーコンディショナーの中の二つの配線用遮断器と、発電装置を一般負荷の母線につなぐ配線用遮断器の三か所です。
主遮断装置のCB、変圧器の手前のLBS、消防用設備等へ出る配線用遮断器には、※がありません。 図で発電装置がつながるのは、一般負荷だけがぶら下がる上側の変圧器の二次側です。
消防用設備等の配線用遮断器がある下側の変圧器には、つながっていません。
⒞と⒟は、遮断の性能の定めで、解列用遮断器には十分な遮断性能と保護協調、受電側の保護装置には発電設備で増える遮断容量への対応を求めています。
遮断容量が増える理由までは、基準に書かれていません。

主遮断装置は、解列箇所にはできないのですね。

はい、解列箇所は主遮断装置以外と決まっています。
付けてよい場所は、図の※の位置で確かめましょう。

低圧で受電するときは高圧と何が違うのか

丸い目盛りの電力量計の箱と二枚の配電盤が細いケーブルでつながっているイメージ
低圧で受電する場合は、同じ(ア)のbにまとめられています。
結線は第24-7図bで、積算電力量計が買電用と売電用の二つ描かれています。
津市消防本部「津市予防事務審査検査基準」5-24 2⑸ウ(ア)b(抜粋)
b 低圧で受電する場合
⒜ 非常電源回路の一次側には、主幹開閉器を設けないこと。
⒝ 非常電源回路には解列用遮断器を設置しないこと。
⒞ 結線方法は第24-7図bによること。
第24-7図b(注) 積算電力量計(買電用及び売電用)及び配線は、2⑶に定める非常電源回路の保護を行なうこと。
低圧では、非常電源回路そのものに解列用遮断器を付けません。
高圧のように「解列箇所は主遮断装置以外」とは書かず、非常電源回路には置かない、と言い切る形です。
図bの※は、一般負荷用配電盤の配線用遮断器と、パワーコンディショナーの中の配線用遮断器に付いています。
非常電源用配電盤の二つの配線用遮断器には、※がありません。 図で発電装置がつながるのは、一般負荷用配電盤です。
非常電源用配電盤には、直接つながっていません。
図の注は、買電用と売電用の積算電力量計と配線にも、2⑶に定める非常電源回路の保護を行うよう求めています。
2⑶の中身は、この記事では扱いません。 高圧と低圧の書き方を、原文の範囲で表に並べます。
項目高圧又は特別高圧で受電(第24-7図a)低圧で受電(第24-7図b)
解列用遮断器の置き場所解列箇所は主遮断装置以外。専用の変圧器と共用の変圧器の二次側には設置しない非常電源回路には設置しない
主遮断装置と主幹開閉器主遮断装置を解列箇所にしない(図のCBに※なし)非常電源回路の一次側に主幹開閉器を設けない
遮断性能と保護協調解列用遮断器に十分な遮断性能と保護協調を求める記載は見当たらない
受電側の保護装置高圧受電設備の保護装置は、遮断容量の増加に対応したもの記載は見当たらない
計量器まわり記載は見当たらない積算電力量計(買電用・売電用)と配線にも、2⑶の保護を行う
結線の図第24-7図a第24-7図b
高圧は置いてはいけない場所を並べ、低圧は非常電源回路に置かないと言い切る形です。
低圧の項に「解列箇所」の語や、遮断性能と保護協調の定めは見当たりません。
高圧と低圧では、書き方が違うことを先に知っておきましょう。

低圧は、非常電源回路に解列用遮断器を置かない、ということですね。

はい、あわせて主幹開閉器も一次側に設けません。
売電する設備は、電力量計の配線にも注意しましょう。

停電時に起動する予備発電設備では何が変わるのか

オレンジ色の発電機の箱と切替装置の箱と配電盤が細いケーブルでつながっているイメージ
常用発電設備とは別に、停電時に起動する予備発電設備のつなぎ方も、同じ2⑸ウにあります。
ここでは「解列」ではなく、「切替装置」という言葉が使われます。
津市消防本部「津市予防事務審査検査基準」5-24 2⑸ウ(イ)(抜粋)
(イ) 商用電源停止時に起動する予備発電設備を設ける場合は、次によること。
a 非常電源専用の変圧器及び非常電源と一般負荷とを共用する変圧器の二次側には、切替装置を設置しないこと。
b 切替装置は十分な開閉能力を有すること。
c 商用電源停止時に適切な切替えができること。
d 結線方法は、第24-7図c又はdによること。
予備発電設備の切替装置も、変圧器の二次側には置きません。
置いてはいけない場所は、解列用遮断器の(ア)a⒝と同じです。
違うのは求める性能で、解列用遮断器は遮断性能、切替装置は開閉能力と書かれています。 図c(高圧又は特別高圧)と図d(低圧)には、双投式電磁接触器(DTS)と不足電圧継電器(UV)が描かれています。
図では、発電機Gは双投式電磁接触器を通して一般負荷だけにつながり、消防用設備等の配線用遮断器にはつながっていません。
図の注は、不足電圧継電器を、図cは双投式電磁接触器の一次側から変圧器の二次側までの間に、図dは一次側からMCB0までの間に設けるよう求めています。
規則ロ(ロ)の自動切替は、非常電源として使う自家発電設備の定めで、ここで扱う予備発電設備とは別の話です。

予備発電設備でも、変圧器の二次側がだめなのは同じですね。

はい、切替装置も変圧器の二次側には置きません。
求める性能が、遮断性能から開閉能力に変わります。

設計や改修では何を確かめればよいのか

三つの同じ遮断器の箱が並び真ん中の箱の上にオレンジ色の小さな旗が立っているイメージ
発電設備を電気室につなぐ前に、津市の基準を次の順で確かめます。
  1. 発電設備の種類を決める。太陽電池・風力・コージェネレーションなら(ア)、停電時に起動する予備発電設備なら(イ)
  2. 受電が高圧又は特別高圧か低圧かを確かめ、図a・b(常用発電設備)か図c・d(予備発電設備)を選ぶ
  3. 図の※の位置に、解列用遮断器の計画を重ねる
  4. 高圧は、主遮断装置と、専用の変圧器と共用の変圧器の二次側に、解列用遮断器を付けていないか確かめる
  5. 低圧は、非常電源回路の一次側に主幹開閉器が無いか、非常電源回路に解列用遮断器が無いか、積算電力量計の配線の保護はどうかを確かめる
  6. 高圧は、解列用遮断器の遮断性能と保護協調、受電側の保護装置の遮断容量を、設計者に確かめる
図と違う結線にするなら、同等以上と認められる性能を示せるか、先に津市消防本部へ相談します。
津市以外の管轄では、基準に「解列」の語が見当たらないこともあります。
手元の鈴鹿市・四日市市・埼玉県央広域・堺市・大阪市・東大阪市の基準を全文検索した範囲では、この語は出てきませんでした。
基準は改正されることがあるので、最新の版を所轄の消防署で確かめましょう。

図と違う結線にしたいときは、どうすればよいでしょう。

「同等以上」と認められるかが分かれ目です。
事前の相談が欠かせません。

よくある質問

Q消防法施行規則に、解列用遮断器の置き場所の決まりはありますか?
A第12条第1項第4号イ(ロ)は、他の電気回路の開閉器又は遮断器によって遮断されないこととだけ書き、「解列」などの語は出てきません。置き場所は、津市の場合、津市消防本部の基準が図で決めています。
Q解列箇所とは何のことですか?
A津市の基準は、遮断装置や遮断器を用いて発電設備を商用電力系統から切り離すことができる箇所と書いています。高圧又は特別高圧で受電する場合は、その箇所を主遮断装置以外にします。
Q低圧で受電するなら、解列用遮断器はまったく付けられないのですか?
A津市の基準が書いているのは、非常電源回路には解列用遮断器を設置しないことです。第24-7図bでは、※が一般負荷用配電盤の側と発電装置の中に付いています。個別の設計は、津市消防本部にご確認ください。
Q津市以外でも同じ決まりがありますか?
A手元の鈴鹿市・四日市市・埼玉県央広域・堺市・大阪市・東大阪市の基準を全文検索した範囲では、「解列」の語は見当たりませんでした。管轄の本部の扱いは、消防署にご確認ください。

まとめ

✔規則第12条第1項第4号イ(ロ)は、他の電気回路の遮断器で遮断されないことだけを求め、解列用遮断器の置き場所は決めていない
✔「解列」「太陽電池」などの語は、e-Govの現行の規則全文に出てこない
✔津市の基準は、非常電源用以外の発電設備を接続する場合に、第24-7図の例により設けることを求め、同等以上の性能ならこの限りでないとする
✔高圧又は特別高圧の受電では、解列箇所は主遮断装置以外とし、専用の変圧器と共用の変圧器の二次側に解列用遮断器を付けない
✔低圧の受電では、非常電源回路の一次側に主幹開閉器を設けず、非常電源回路に解列用遮断器も置かない
✔予備発電設備には解列でなく切替装置の定めがあり、変圧器の二次側に置かない点は同じ
✔手元の他の本部の基準に「解列」の語は見当たらず、管轄の本部の基準で図を確かめる

設計図に、津市の図の※の位置を重ねて確かめます!

迷う点は、早めに消防署へ相談しましょう。
㈱防災屋でもご相談を承っております。

防火管理はプロにお任せ下さい

まずはWebで無料お見積りを!

お問い合わせ

監修・編集者
青木 俊輔
青木 俊輔

㈱防災屋 代表取締役/消防設備士

平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!

本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。

詳しい経歴・保有資格を見る
学歴
  • 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
  • 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
  • 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
保有資格
  • 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
  • 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
  • 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
  • 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
  • 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
  • eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了

趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)

主な活動

参考・出典

  • 消防法施行規則 第12条(e-Gov法令検索)
  • 津市消防本部「津市予防事務審査検査基準」5-24 消防用設備等の非常電源(津市消防本部)

※本記事は津市消防本部が公表している基準と、消防法令に基づく一般的な解説です。表は要旨を自分の言葉でまとめたもので、「見当たらない」としたものは公表資料を確認した範囲の結果です。図の読み取りは本文の説明のとおりで、実際の設計の判断ではありません。運用基準・条例は改正されることがあるため、最新は管轄の消防署・消防本部で確認してください。個別の判断は所轄消防署にご確認ください。

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