木造の小さなアパートでは、自動火災報知設備は延べ面積がいくらから必要になるのでしょうか。
国の消防法施行令では、共同住宅は延べ面積500平方メートル以上が基本です。
この記事では、八尾市の火災予防条例第47条が、これより小さい200平方メートルから求めている点を、大阪市・東大阪市・堺市・豊中市・吹田市と並べて読みます。
条文に書かれていることと、確かめられなかったことを分けて解説します。
国の基準より小さいアパートでも、必要になることがあるのですか?
八尾市の条例には、延べ200平方メートル以上の号があります。
順に見ていきましょう。
隣の市とは、同じ決まりなのですか?
市によって、条例の書き方が違います。
表で比べます。
- 国の消防法施行令は、共同住宅などの(5)項ロに、延べ面積500平方メートル以上で自動火災報知設備を求めています
- 八尾市の火災予防条例第47条第1項第1号は、(5)項ロに延べ面積200平方メートル以上で求めています。準耐火建築物に当たるものは、括弧書きで除かれています
- 第2項は、国の規則の感知器の設置基準を「例により」借りますが、第23条第4項第1号ヘだけは外して借りています
- 東大阪市と大阪市の条例には同じ型の号があり、堺市の第68条・豊中市・吹田市の条例では見当たりませんでした
- 括弧書きの除外の書き方と、天井裏の別警戒区域の例外は、市ごとに違います。最新は管轄の消防署で確認してください
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目次
国の法令は共同住宅の自動火災報知設備をどこから求めているのか

建物の一部に店舗などが入る場合の扱いは、小規模特定用途複合防火対象物の基準を扱った記事で解説しています。
国の基準だと、小さなアパートは対象外なのですね。
第4号の(5)項ロは、500平方メートル以上です。
八尾市の条例は、ここに上乗せしています。
八尾市の火災予防条例第47条は何を上乗せしているのか

第47条第1項は、次の三つの号を並べています。まず第1号です。
- 対象は、令別表第一の(5)項ロの防火対象物です。延べ面積は200平方メートル以上です。
- 小規模特定用途複合防火対象物も含みますが、(5)項ロの用途の部分が延べ面積の10分の9以上のものに限られます。
- 括弧書きで、建築基準法第2条第9号の3のイまたはロに該当するものが除かれています。
括弧書きの「建築基準法第2条第9号の3」は、準耐火建築物の定義の号です。e-Govで確かめた現行の条文は、次のとおりです。
ただし、耐火建築物の扱いを市がどう運用しているかは、公開資料からは確かめられませんでした。耐火構造の共同住宅は、管轄の消防署で確認してください。
括弧書きの除外は、市によって違うのですか?
はい、書き方が違います。
東大阪市の条例は、特定主要構造部を耐火構造としたものも除いています。
八尾市の条例は国の規則のどこを外して借りているのか

つまり、八尾市の条例で設ける自動火災報知設備は、このヘの感知器を設けなくてよい部分を借りないことになります。第24条の括弧書き(略)も外されていますが、中身は今回、条文ごとには照合していません。
第3項は、天井と天井裏の警戒区域について書いています。
- 国の令 第21条 第1項 第4号が、(5)項ロの共同住宅に延べ500平方メートル以上で求めます。
- 八尾市の条例 第47条 第1項 第1号が、(5)項ロに延べ200平方メートル以上で求めます(準耐火建築物は括弧書きで除外)。
- 第2項が、設置基準を国の令第21条第2項・第3項と規則第23条・第24条・第24条の2の「例により」借ります。
- 借りるとき、規則第23条第4項第1号ヘは外されます。
- 第3項が、延べ600平方メートル(見とおせるものは1,000平方メートル)以上で、天井と天井裏を別の警戒区域にします。
天井裏の警戒区域には、例外もあるのですか?
八尾市の第3項には、例外の但書は書かれていません。
東大阪市の条例には、但書があります。
大阪市・東大阪市・堺市・豊中市・吹田市と比べて何が違うのか

豊中市と吹田市の条例で「自動火災報知設備」が出てくるのは、住宅用防災機器を設けなくてよい場合の規定などで、延べ面積による付加基準の条は見当たりませんでした。
| 確かめる項目 | 八尾市(第47条) | 大阪市(第42条) | 東大阪市(第48条) | 堺市(第68条) |
|---|---|---|---|---|
| (5)項ロに延べ200平方メートル以上 | あり(第1号) | あり(第1号) | あり(第1号) | 第68条にこの号はない |
| 括弧書きで除く構造 | 建築基準法第2条第9号の3イ・ロ | 同左 | 特定主要構造部を耐火構造としたもの・同号イ・ロ | 特定主要構造部を耐火構造としたもの・同号イ・ロ |
| 小規模特定用途複合防火対象物を含む | あり((5)項ロが10分の9以上のもの) | 含む | (16)項ロのみ | 含む |
| 規則第23条第4項第1号ヘ | 外す | 外す | 外さない(第4項から第9項まで借りる) | 外す |
| 天井裏を別警戒区域にする規定 | 第3項(但書なし) | 第3項(延べ600平方メートル以上) | 第3項(天井裏250平方メートル以下は除く) | この項はない |
八尾市の特徴として、読み取れたのは三つです。一つ目は、小規模特定用途複合防火対象物を第1号にも含め、(5)項ロの部分が10分の9以上のものに限っている点です。二つ目は、第2号の上階が(5)項全体で、東大阪市・堺市の(5)項ロより広く書かれている点です。三つ目は、天井裏の別警戒区域の規定に例外の但書がない点で、東大阪市は250平方メートル以下を除いています。
大阪市の第2号の「上階」の書き方は、今回は原文を取り直していないため、比べていません。
同じ府内でも、条例で差が出るのですね。
はい、条例の上乗せは市ごとに違います。
建築場所の市の条例で確認しましょう。
明日から自分の共同住宅で何を確かめればよいのか

- 建物の用途が、共同住宅や寄宿舎などの(5)項ロかを確かめます。
- 延べ面積を測り、200平方メートル以上かを確かめます。500平方メートル以上なら、国の令でも対象です。
- 建物が、建築基準法上の準耐火建築物に当たるかを、設計図書や確認済証で確かめます。耐火建築物の扱いは消防署で確認します。
- 店舗などが同じ建物に入るときは、小規模特定用途複合防火対象物の条件((5)項ロの部分が延べ面積の10分の9以上か)を確かめます。
八尾市の条例の条番号や括弧書きは、改正で変わることがあります。この記事は、八尾市例規集の火災予防条例の本文を読んで書いています。
用途・延べ面積・構造の三つを確かめればよいのですね。
はい、まずはこの三つです。
迷ったら、消防署に図面を持って聞きましょう。
よくある質問
まとめ
まず用途と延べ面積を確かめます。
そのうえで消防署に相談します!
構造の区分は図面で確認しましょう。
㈱防災屋でもご相談を承っております。
㈱防災屋 代表取締役/消防設備士
平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!
本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。
詳しい経歴・保有資格を見る
- 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
- 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
- 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
- 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
- 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
- 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
- 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
- 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
- eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了
趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)
参考・出典
- 八尾市火災予防条例 第47条(自動火災報知設備に関する基準)(八尾市例規集) https://ops-jg.d1-law.com/opensearch/SrMjF01/init?jctcd=8A85C0D651
- 消防法施行令 第21条(e-Gov法令検索) https://laws.e-gov.go.jp/law/336CO0000000037
- 消防法施行規則 第23条(e-Gov法令検索) https://laws.e-gov.go.jp/law/336M50000008006
- 建築基準法 第2条 第9号の3(e-Gov法令検索) https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000201
- 大阪市・東大阪市・堺市・豊中市・吹田市の火災予防条例(各市の例規集)
※本記事は公表されている法令および八尾市・大阪市・東大阪市・堺市・豊中市・吹田市の公開資料に基づく一般的な解説です。条例は改正されることがあるため、最新は管轄の消防署・消防局で確認してください。






