BLOG

自家発電設備の始動試験前に何を確認するのか|点検要領の10項目と準備手順

自家発電設備の始動試験前に確認する周囲、原動機と冷却装置、始動装置、制御装置のスイッチ位置、燃料と冷却水の弁を解説した記事のアイキャッチ

非常電源として設置された自家発電設備は、始動ボタンを押す前から点検が始まっています。
消防庁の点検要領第24は、始動前に設備の状態と操作条件を確認する項目を示しています。
始動装置や弁の構成は、設備ごとに同じではありません。
始動できるかだけでなく、始動してよい状態かを順に確かめることが重要です。

発電機は、始動試験のときだけ見ればよいですか。

いいえ。
試験前の確認で、始動条件を整えます。

点検担当者だけで決めて始動してもよいですか。

設備の保安規程と施設の運用を確認し、
関係者と調整して行います。

この記事の結論
  • 始動試験の前に、周囲と操作に支障がないことを確認します。
  • 冷却装置・潤滑油類・付属機器に異常がないことを見ます。
  • 蓄電池・始動用空気・始動用燃料は設備方式に応じて確認します。
  • 自動始動盤と補機のスイッチ位置を点検要領に沿って確認します。
  • 燃料・冷却水・始動空気の弁の状態を確認してから試験に進みます。

実際の操作は、設備仕様書と保安規程を優先して実施してください。

▼

自家発電設備は始動してよい状態かを順に確かめることが重要で、原動機と冷却装置の損傷・漏れ・量、始動装置、自動始動盤と補機の状態、燃料・冷却水の弁を操作手順と照合し、異常や不明点は自己判断で操作しないことをまとめた図

始動試験の前に周囲と設置状況をなぜ確認するのか

パッケージ形の自家発電設備と、前面に何も置かれていない空きの通路を示す発電機室のアイソメ図

点検要領第24は、まず周囲に使用上・点検上の障害がないことを確認するよう定めています。キュービクル式では前面に必要な空地が確保されているかも、始動前に確認する対象です。

扉、換気口、配管まわりや通路に変形・損傷・水の浸透があれば、始動後ではなく確認時点で対応を判断します。操作できることと、安全に点検できることは別の確認項目です。

発電機の前に物が置いてあるだけでも、問題になりますか。

点検と操作の障害になるなら、
始動前に是正を検討します。

原動機と冷却装置ではどこを確認するのか

ラジエータと冷却水ホース、オイルフィルタを備えたディーゼル発電機と、オイル缶のアイソメ図

自家発電装置では、原動機・発電機に変形、損傷、脱落、腐食がないことを確認します。冷却装置はラジエータと配管の損傷・漏れ、冷却水の著しい汚れや腐敗を確認し、冷却ファンの機能も確認対象です。

潤滑油類は、著しい汚れ・変質・漏れがなく必要量が満たされていることを見ます。外観だけで正常と決めず、液量と漏れも確認するのが点検基準です。

始動する前なら、少しのにじみは後回しにできますか。

漏れの状態は設備ごとに判断します。
自己判断で運転継続はしません。

始動装置は設備方式ごとに何を確認するのか

始動用の蓄電池、始動用空気槽、燃料槽を配管でつないだ始動装置まわりのアイソメ図

始動装置の確認は一律ではありません。始動用蓄電池設備は蓄電池設備の点検基準に準じ、空気始動式では空気だめの圧力と空気圧縮機の潤滑油類を確認します。始動方式に合った確認が必要です。

ガスを圧縮して原動機に供給する始動用燃料を使う設備では、燃料容器の変形・損傷・著しい腐食がなく、必要量を保有していることも確認します。すべての設備に同じ始動装置があるわけではありません。

蓄電池だけ確認すれば、どの発電機でも足りますか。

いいえ。
設備の始動方式を先に確認します。

制御装置のスイッチ位置はなぜ始動前に見るのか

選択スイッチと切替スイッチ、表示灯を備えた自動始動盤の制御盤のアイソメ図

点検要領は、始動前の確認事項として自動始動盤のスイッチ、原動機の運転ハンドル、制御電源・補機電源のスイッチの位置を掲げています。始動信号を受ける状態になっているかを確認するためです。

ただし、盤面表示や操作方法は機種・施設の運用で異なります。一般的な表示名だけで操作せず、仕様書と保安規程で確認する必要があります。

自動に戻しておけば、ほかは確認不要ですか。

自動始動盤だけでなく、
関連する補機も確認します。

燃料と冷却水の弁はどこまで確認するのか

燃料槽と発電機と冷却用ラジエータを配管でつなぎ、赤いハンドルの弁を備えた配管のアイソメ図

始動前の確認事項には、燃料容器の出口弁、冷却水タンクの出入口弁、空気始動式における始動空気だめの主弁・充気弁などが含まれます。弁の開閉状態は、設備が必要な燃料・冷却水・始動空気を受けられるかに関わります。

弁の扱いは設備の構成で異なるため、現場で一律の開閉操作を示すものではありません。点検要領の確認事項と、個別設備の操作手順を照合することが大切です。

弁が閉まっていたら、その場で開ければよいですか。

理由を確認し、
正規の手順で対応します。

よくある質問

Q始動前確認は誰が行いますか?
A点検要領は、電気主任技術者と防火管理者の立会いのもとで行うことが望ましいとしています。役割分担は施設の保安規程で確認します。
Q始動用蓄電池がある設備は空気だめを確認しませんか?
A始動装置は設備方式で異なります。設置されている始動方式に対応した点検項目を確認します。
Q弁が閉まっている理由はどう判断しますか?
A保守作業中などの理由があり得ます。独断で操作せず、操作手順と管理者への確認を優先します。
Q始動に成功すれば事前確認は十分ですか?
Aいいえ。始動後の運転性能、切替性能なども別の確認項目です。記録を分けて確認します。
まとめ

自家発電設備の始動前に確認すること

✔ 周囲と通路に点検・操作の障害がないかを確認します。

✔ 原動機と冷却装置の損傷・漏れ・量を確認します。

✔ 始動装置は設備方式に合わせて確認します。

✔ 自動始動盤と補機の状態を確認します。

✔ 燃料・冷却水の弁を操作手順と照合します。

✔ 異常や不明点は、自己判断で操作しません。

✔ 始動後の性能確認とは、記録を分けて管理します。

日常の管理でも、始動前の状態を確認しておきます。

㈱防災屋でもご相談を承っております。

防火管理はプロにお任せ下さい

まずはWebで無料お見積りを!

お問い合わせ

監修・編集者
青木 俊輔
青木 俊輔

㈱防災屋 代表取締役/消防設備士

平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!

本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。

詳しい経歴・保有資格を見る
学歴
  • 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
  • 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
  • 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
保有資格
  • 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
  • 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
  • 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
  • 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
  • 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
  • eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了

趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)

主な活動

監修:㈱防災屋

参考・出典

※本記事は一般的な確認事項を解説したものです。実際の点検・操作は、設備仕様書、保安規程及び所轄消防機関の指導に従ってください。

BLOGカテゴリ
最新の記事
防火管理者代行サービス 強欲な青木 協業プラン(YouTube出演・ショート動画制作) 消防設備士・予防技術検定・危険物取扱者の過去問テスト 全類対応
無料1分概算見積
自家発電設備の始動試験前に確認する周囲、原動機と冷却装置、始動装置、制御装置のスイッチ位置、燃料と冷却水の弁を解説した記事のアイキャッチ
非常電源として設置された自家発電設備は、始動ボタンを押す前から点検が始まっています。消防庁の点検要領第24は、始動前に設備の状態と操作条件を確認する項目を示しています。始動装置や弁の構成は、設備ごとに同じではありません。...
リクルート 採用情報はこちら →
採用ページ 一緒に働く仲間を募集中 → フランチャイズ (株)防災屋と一緒に開業する → 協力業者 協力業者さん募集中 →