火災通報装置の電源は、電話回線とは別に確認が必要です。
原則は、他の配線を分岐させない電源から取ります。
ただし小規模な病院・福祉施設等には、条件を満たすときの例外があります。
面積だけでなく配線の状態まで同時に確かめることが要点です。
火災通報装置の電源は、分電盤から取れば何でもよいのでしょうか。
原則と例外を分け、配線図で確認しましょう。
小さな福祉施設なら、例外だけを見れば足りますか。
いいえ。用途・面積・配線条件を一組で照合します。
- 火災通報装置の電源は、原則として専用の取り方にします。
- 蓄電池または交流低圧屋内幹線から、他の配線を分岐させずに取ります。
- 小規模な(6)項イ・ロ用途でも、500㎡未満だけでは例外になりません。
- 分電盤との間に開閉器がないことも同時に必要です。
- 接続部の緩み防止と、開閉器・接続部の表示まで確認します。
▼

目次
火災通報装置の電源はなぜ専用の取り方が原則なのか

火災通報装置は、押しボタン操作等で消防機関へ通報する設備です。
通報時に他の負荷や配線の状態に左右されないよう、電源の取り方が定められています。
原則は専用の取り方です。
ここでいう確認は、電話回線をどこへ接続するかとは別の話です。
電源回路が途中で別の機器へ分かれていないかを、系統図と現場の両方で見ます。
設備の電源を分けて考えることで、通報機能を安定して維持しやすくなります。
改修時は、既設の分岐が残っていないかも施工者と確認しましょう。
電話回線が専用なら、電源まで確認しなくてよいと思っていました。
回線と電源は別々に、図面で追うのが確実です。
小規模な病院や福祉施設ではどんな例外があるのか

規則には、すべての施設に同じ取り方を求めない例外があります。
ただし、対象用途と延べ面積の両方を満たすことが入口です。
例外は対象を限定しています。
病院・社会福祉施設等に当たるかは、実際の用途区分で確認します。
500㎡未満であることは必要条件ですが、それだけで通常の取り方を外せるわけではありません。
用途が複合している建物は、どの部分を含めて判定するかを所轄消防署へ確認します。
面積の計算と電源工事の判断を別日に分けず、同じ資料で照合することが実務的です。
小規模なら自動的に例外、という意味ではないのですね。
はい。用途・面積・配線を順番に確認します。
例外を使うときに開閉器があってはいけないのはなぜか

例外を使う場合でも、分電盤から火災通報装置までの配線状態が問われます。
途中の開閉器や緩みやすい接続は、通報機能に影響するおそれがあります。
途中の開閉器を置かないことが条件です。
分電盤の近くにある機器でも、途中に開閉器があればこのただし書の条件には当たりません。
専用回路かどうかだけを口頭で確認せず、盤から装置までをたどります。
電源工事の図面と現場の構成が異なるときは、工事完了前に是正方法を相談しましょう。
例外を使う判断は、設備の安全性を下げるためのものではありません。
盤の近くに小さな開閉器があれば、先に確認が必要ですね。
そのとおりです。経路全体を確認して判断します。
接続部の緩み防止と表示では何を見落としやすいのか

例外では、配線の接続部が振動や衝撃で緩まない措置も求められます。
通常の原則の取り方でも、電源の開閉器と接続部には表示が必要です。
固定と表示を一緒に見ます。
接続部とは、装置本体との接続部を除いた配線上の接続部です。
表示は、保守時に別用途の回路と誤認しないための手掛かりになります。
表示の有無だけで終えず、接続部に緩み・損傷がないかを点検時に確認します。
工事写真、盤内表示、系統図をまとめて残すと次回の確認に役立ちます。
表示だけでなく、接続部の固定状態も記録しておきます。
写真と図面を残すと、次回の点検で迷いません。
改修前後はどの順番で確認すればよいのか

電源工事を予定するときは、設備だけを単独で見ないことが大切です。
用途・面積・電源経路・表示を、施工前と施工後で同じ順番に確かめます。
確認順を固定すると漏れを防げます。
まず用途区分と延べ面積を整理し、例外を検討できるかを判断します。
次に分電盤から装置までの経路を図面と現場で確認します。
最後に開閉器、接続部、表示を確認し、試験の記録を保管します。
所轄消防署の運用に関わる判断は、工事着手前に確認してください。
面積から表示まで、同じチェック表で確認します。
工事前に所轄消防署へ確認するのも大切です。
よくある質問
まとめ
電源経路を図面で確認してから、工事を進めます!
㈱防災屋でもご相談を承っております。
㈱防災屋 代表取締役/消防設備士
平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!
本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。
詳しい経歴・保有資格を見る
- 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
- 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
- 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
- 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
- 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
- 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
- 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
- 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
- eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了
趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)
監修:㈱防災屋
参考・出典
※本記事は公表されている法令および消防庁等の資料に基づく一般的な解説です。条例や運用は市町村ごとに異なる場合があります。個別の判断は所轄消防署にご確認ください。






