防火設備が火災時に確実に閉まるかどうかは、感知器や連動制御盤が正しい位置に取り付けられているかどうかで決まります。
検査で作動を確認する前提として、そもそもどこに設置しなければならないかという基準が、告示で細かく定められています。
光電式分離型感知器や連動制御盤のように、種類によって基準の中身も変わります。
この記事では感知器の種別表示から連動制御盤・連動中継器の設置基準までの考え方を解説します。
感知器を交換したときに、専門業者から「元の感知器と種別が違います」と言われたんですが、種別ってどうやって見分けるんですか。
感知器の側面に貼ってある種別表示シールの色で、種別と感度を確認できます。
うちは吹き抜けにシャッターが何枚も並んでいるんですが、感知器は各シャッターに1個ずつ要るんですか。
区画のパターンによって必要な感知器の数と配置が変わります。
- 感知器は種別表示シールの色で、種別と感度を確認できます。
- 光電式分離型感知器は送光部・受光部の位置や光軸の高さにも基準があるため、設置環境を選びます。
- 感知器の設置パターンは竪穴区画か面積区画かで変わります。
- 連動制御盤・連動操作盤は設置場所と操作部の高さまで基準で定められています。
- 連動中継器・危害防止用連動中継器も点検の容易さや防火上の措置を条件に設置場所が決まります。
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目次
感知器の種別と感度はなぜ色分けされたシールで確認できるのか

種類ごとにさらに感度の区分があり、外から判別できるよう工夫がされています。
防火設備と連動する感知器は、昭和48年建設省告示第2563号が定める性能に適合した煙感知器・熱感知器・熱煙複合式感知器のいずれかでなければなりません。
熱感知器はイエローやゴールドを基調に、煙感知器はグリーン・レッド・ブルーを基調にした種別表示シールが貼られ、外側のゴールドリングの有無で自動試験機能付きかどうかも分かります。
検査や交換の際にこのシールを確認すれば、設計時に選んだ種別・感度と違う感知器へ誤って交換されていないかをその場で判定できます。
消防法第21条の2第1項の検定に合格した製品であることも、あわせて確認しておきたいポイントです。
見た目はどれも同じ丸いセンサーに見えるんですが、シールがあれば種類が分かるんですね。
はい、色の組み合わせで種別と感度まで判別できます。
光電式分離型感知器はなぜ送光部と受光部の位置に細かい基準があるのか

こうした場所では、光を使って離れた2点間の煙を検知する光電式分離型感知器が使われます。
送光部が発した赤外線を受光部が受け取る仕組みのため、光軸と呼ばれる2点を結ぶ線の位置そのものが基準の対象になります。
光軸の高さは天井等の高さの80%以上、光軸の長さは公称監視距離(5m〜100mの範囲で機種ごとに決まる)内という条件を両方満たす必要があります。
受光面が日光を受ける向きに設置すると誤作動の原因になるため、採光窓の位置とあわせて設計段階から検討します。
検査では、送光部・受光部がずれて光軸が防火設備からの水平距離10m以内に収まっているかも確認します。
倉庫の天井、結構高いんですが、普通の感知器じゃ駄目なんですか。
高天井では光電式分離型のほうが煙を確実にとらえられます。
感知器は竪穴区画と面積区画でなぜ配置パターンが変わるのか

どちらの区画かによって、感知器の並べ方そのものが変わります。
階段室のような竪穴区画では、防火扉が閉鎖した位置から10m以内の廊下側天井に感知器を設けます。
フロアを仕切る面積区画では、防火設備の両側それぞれに感知器を配置し、複数枚が連続するI型やL型の配置では10m以下ごとに区切って偏りなく設けます。
エスカレーターの周囲のように四方が開口する場所では、四隅それぞれに感知器を配置し、いずれかが作動すれば区画を形成する設備が一斉に閉鎖する設計にします。
検査で防火区画の形成状況を確認する前提として、そもそもこの配置ルールに沿って設計されているかを図面で押さえておくと、現地確認がスムーズになります。
エスカレーターの周りって、感知器がやけにたくさん付いていると思っていました。
四方が開口しているので、四隅すべてに配置するのが基準です。
連動制御盤と連動操作盤はなぜ設置場所と操作部の高さまで決まっているのか

連動制御盤と連動操作盤には、それぞれ設置場所と操作部の高さの基準があります。
連動制御盤は防火上有効な措置を講じた階段付近や準不燃材料で区画された廊下など、火災時の熱で機能に支障が出にくい場所に設置します。
操作部の高さは床面から0.8m以上1.5m以下と定められており、しゃがんだり背伸びしたりせずに操作できる範囲に収めます。
多回線を扱う連動操作盤は、原則として防災センターなど常時人がいる場所に置き、やむを得ず無人の場所に設ける場合は耐熱型を選ばなければなりません。
設置場所には防火設備の設備図面を常時備えておくことも基準に含まれており、検査時にはこの図面の有無もあわせて確認します。
操作盤の高さまで決まっているんですね、しゃがまないと押せない位置だと困りますもんね。
そうです、誰でもすぐ操作できる高さが条件になっています。
連動中継器と危害防止用連動中継器はなぜ設置場所にも基準があるのか

中継器自体も、置き場所を誤ると火災時に機能しなくなるおそれがあります。
連動中継器・危害防止用連動中継器はどちらも金属製ボックスに収めるなどして、熱や物理的な衝撃から保護しなければなりません。
天井裏など隠れた場所に設置する場合は、周囲を準不燃材料で仕上げたうえで、点検口などから容易に点検できる位置を選びます。
危害防止用連動中継器はシャッターの座板感知部などへ電源を供給する役割も持つため、配線の取り回しも含めて機能に支障が出ない場所を確保します。
検査で配線や接続を確認する前提として、そもそも中継器がこうした保護と点検性を満たす場所に設置されているかも、あわせて押さえておきたい基準です。
天井裏に隠れている機械にまで、こんな基準があるとは思いませんでした。
見えない場所こそ、点検できる置き方が大切なんです。
よくある質問
まとめ
感知器のシールから連動制御盤の高さまで、設置の基準がこんなに細かいとは知りませんでした!
設置基準を満たしているかどうかの現地確認も、㈱防災屋でもご相談を承っております。
㈱防災屋 代表取締役/消防設備士
平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!
本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。
詳しい経歴・保有資格を見る
- 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
- 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
- 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
- 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
- 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
- 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
- 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
- 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
- eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了
趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)
参考・出典
- 建築基準法(昭和25年法律第201号)第12条第3項
- 建築基準法施行令(昭和25年政令第338号)第112条第19項
- 昭和48年建設省告示第2563号(防火区画に用いる防火設備等の構造方法を定める件)
- 昭和48年建設省告示第2564号(防火区画に用いる遮煙性能を有する防火設備の構造方法を定める件)
- 消防法(昭和23年法律第186号)第21条の2第1項
※本記事は建築基準法・同施行令及び関係告示の現行規定に基づき、㈱防災屋が独自に解説を作成したものです。感知器や連動制御盤の設置位置・設置基準は、建築物の仕様や機種、所轄の特定行政庁の運用によって異なる場合があります。個別の判断は所轄の特定行政庁または専門の検査資格者にご確認ください。





