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BCPで地震後に発信機の送受話器で受信機と通話できなかったら営業を再開してよいのか|連絡機能と復旧判断を解説

受信機の横に設置された赤い発信機の送受話器と配線を示すアイキャッチ

地震後の設備確認で、発信機に備わる送受話器を取ったのに、受信機側の声が聞こえなかった。
押しボタンとベルは動いたから営業を再開してよいのか、それとも通話できない発信機を使用保留にすべきか迷う場面です。
結論からいえば、明瞭な同時通話ができない状態を正常扱いにせず、発信機側と受信機側の状況を記録して専門点検につなげます。

ベルは鳴りました。
通話できなくても使えますか。

通話装置も点検項目です。

片方の声だけ聞こえればええですか。

両方向の通話を確かめましょう。

この記事の結論
  • 明瞭な同時通話ができない発信機は正常扱いにせず使用を保留します
  • 発信機側だけでなく受信機側の送受話器と呼出し状態も確認します
  • 施設担当者は筐体を開けず専門点検を依頼します
  • 復旧までは火災通報と現場連絡の代替手順を補強します
  • 修理後は呼出しと両方向の音声を一連で確認して記録します

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発信機の送受話器で通話できないとき使用保留から状態記録と専門点検を経て復旧確認へ進む横長インフォグラフィック

発信機の送受話器で受信機と通話できなかったら営業を再開してよいのか

発信機の送受話器と受信機の通話経路が途切れている状態を示す横長アイソメ図

送受話器を備える発信機で受信機側と明瞭に通話できなければ、押しボタンが作動しても異常なしとは判断しません。
火災時に現場と防災センターが状況を伝え合う機能が失われているためです。

総務省消防庁の点検要領は、発信機等側の送受話器から受信機側を呼び出し、明瞭に同時通話できることを判定事項にしています。
一方向だけ聞こえる状態や、音が途切れて内容を判別できない状態は合格扱いにしません。

ただし、火災や煙、焦げ臭さがある場面では試験を優先しません。
人命安全、避難、119番通報を先に行い、設備確認は安全が確保されたあとに実施します。

地震後の計画的な確認で通話不能が分かったら、発信機の場所、設備番号、呼出しの成否、発信機側で聞こえた音、受信機側で聞こえた音を分けて残します。
自己判断で筐体を開けたり端子を触ったりせず、防火管理者と設備担当者へ共有してください。

営業再開は通話装置の異常だけで一律に決めるものではありません。
異常の範囲、火災通報への影響、代替連絡手段、専門家の確認結果を消防計画とBCPに当てはめて判断します。

押しボタンが動けば合格やと思ってました。

通話は別に確認する機能です。

どの発信機と受信機と通話回路を確認対象にするのか

発信機と送受話器と配線経路と受信機を一体で確認する横長アイソメ図

確認対象は、発信機側の送受話器だけではありません。
発信機、送受話器、コード、通話回路、受信機側の送受話器、呼出し機能を一つの系統として整理します。

  • 通話できなかった発信機の位置と設備番号
  • 送受話器とコードの変形、損傷、脱落
  • 受信機側で呼出しを認識したか
  • 発信機側から受信機側へ声が届いたか
  • 受信機側から発信機側へ声が届いたか
  • 二台以上の受信機がある場合の相互通話
  • 地震前後の点検記録と修理履歴

通話は一方向の放送ではなく、発信機側と受信機側が同時に声をやり取りできるかで確認します。

消防庁の点検要領では、二台以上の受信機がある場合は受信機相互間の通話も明瞭であることを確認します。
一つの発信機だけの異常か、受信機を含む通話系統の異常かを切り分けることが必要です。

複数階や複数棟がある施設では、一台の異常を建物全体の状態と混同しないことも大切です。
警戒区域図と設備台帳で対象回線と影響範囲を確認します。

すべての発信機に送受話器が付いているわけではありません。
完成図書と機器仕様で通話装置を備える発信機だけを対象に整理してください。

両側で聞こえ方を記録するんですね。

方向ごとに結果を残します。

発見から使用保留と専門点検までどう進めるのか

えんじ色の上着と黒い長ズボンの防火管理者が待機し専門技術者が送受話器と通話回路を点検する横長アイソメ図

発見、記録、使用保留、連絡、代替措置、専門点検、復旧確認の順で進めます。

  1. 火災や煙がない安全な状態であることを確認する
  2. 発信機の位置と設備番号と確認時刻を記録する
  3. 呼出しと両方向の音声結果を分けて記録する
  4. 防火管理者と設備担当者へ連絡する
  5. 対象の通話装置を使用保留にして代替連絡手順を周知する
  6. 消防設備業者が送受話器とコードと通話回路を点検する
  7. 修理後に呼出しと明瞭な同時通話を確認して復旧する

施設担当者は、発信機の蓋を開けたり端子を締め直したりしません。
発見時の状態を変えず、専門業者が原因を追える記録を残すことが初動の役割です。

専門点検では、送受話器本体、コード、端子、配線、呼出し機能、受信機側の通話装置を確認します。
片側で音が聞こえた事実だけで通話回路全体を正常と判定しません。

復旧までの間は、対象場所の従業員へ異常を周知し、火災発見時は押しボタン、大声、内線、非常放送など施設で決めた連絡手段を組み合わせます。
代替手段ごとに誰が誰へ伝えるかを決め、現場情報が防災センターで止まらないようにします。

停止が長引く場合や影響範囲が広い場合は、所轄消防署へ相談します。
施設用途、在館者、営業時間、他の防火設備の状態を合わせて再開条件を決めます。

何度も呼び出して試してええですか。

状態を変えず専門点検へつなぎます。

片側だけ声が聞こえれば通話機能は正常と思うと何を見落とすのか

発信機と受信機の正常な双方向通話と片方向だけの通話不良を比較する横長アイソメ図

点検要領が求めるのは、発信機側と受信機側が互いに話せる明瞭な同時通話です。
発信機側で受信機の声が聞こえたことだけでは、発信機から受信機へ声が届く機能の確認になりません。

  • 呼出し音だけで通話できたと判断している
  • 発信機側から受信機側への音声を確かめていない
  • 受信機側から発信機側への音声を確かめていない
  • 雑音や音切れで内容が不明瞭なのに合格としている
  • コードの引張りや端子の緩みを見落としている
  • 二台以上の受信機相互の通話を確認していない
  • 修理後の再確認結果を記録していない

呼出し、発信機から受信機への音声、受信機から発信機への音声を三つに分けて確認します。

雑音や音量低下があると、平常時は聞き取れても火災時の騒音下では要点が伝わらないおそれがあります。
言葉の内容を相互に復唱できる明瞭さまで専門点検で確かめます。

押しボタンや地区音響装置が正常でも、通話回路の異常は別に残ります。
火災表示、鳴動、通話の結果を一枚の記録に並べて抜けを防ぎます。

機器の経年劣化だけでなく、地震によるコードの損傷、端子の緩み、受信機側の切替状態も原因になり得ます。
聞こえ方だけで原因を断定せず通話経路全体を確認してもらいましょう。

こちらには声が聞こえていました。

逆方向の声も確認します。

明日から通話不能にどう備えるのか

発信機の位置図と通話確認記録と代替連絡手順を平常時にそろえる横長アイソメ図

異常が起きてから発信機の場所や通話先を探すと、復旧判断が遅れます。
平常時に設備番号、警戒区域、送受話器の有無、受信機側の担当場所、代替連絡手順を一枚に整理します。

  1. 送受話器付き発信機の位置と設備番号を台帳へ記録する
  2. 発信機側と受信機側の通話担当を決める
  3. 呼出しと双方向音声の記録欄を作る
  4. 二台以上の受信機がある場合は相互通話も確認する
  5. 異常時の使用保留札と代替連絡手順を用意する
  6. 設備担当者と消防設備業者の連絡先を更新する
  7. 計画的な訓練で記録と引継ぎを見直す

消防用設備等の点検記録と地震後のBCP記録を結び付けると、正常時との違いを早く共有できます。

訓練や点検で発信機と受信機の通話を確認するときは、館内放送や関係者への周知を行い、消防設備業者の管理下で実施します。
無断操作による混乱や消防機関への誤報を防ぎます。

消防法第十七条は消防用設備等の設置と維持を、同法第十七条の三の三は点検と報告を定めています。
法定点検の結果を復旧判断と再発防止へつなげることがBCP上の実務です。

内閣府の事業継続ガイドラインが示す重要業務と資源の整理に、発信機を含む防火設備の使用可否と代替手順を加えます。
担当者が交代しても同じ基準で通話結果と再開可否を判断できる状態を目指しましょう。

通話結果を方向別に残すんですね。

再発時の切り分けに効きます。

よくある質問

Q押しボタンとベルが動けば通話できなくても使えますか?
A正常扱いにはしません。呼出しと明瞭な同時通話を専門点検して復旧を判断します。
Q片側の声だけ聞こえれば通話機能は正常ですか?
A正常とはいえません。発信機側と受信機側の双方向で明瞭に話せることを確認します。
Q施設担当者が送受話器や端子を分解してもよいですか?
A分解や端子調整は行いません。方向別の通話結果と外観を記録して消防設備業者へ依頼します。
Q復旧まで施設は営業できますか?
A異常の範囲、在館者、代替措置、他の設備の状態で判断が変わります。消防計画に沿って所轄消防署と専門家へ相談してください。

まとめ

✔明瞭な同時通話ができなければ正常扱いにせず使用を保留します
✔呼出しと双方向の音声を区別して確認します
✔発信機側と受信機側の結果を方向別に記録します
✔施設担当者は分解や連続操作をしません
✔復旧までは対象場所の監視と代替通報を補強します
✔修理後は呼出しと明瞭な同時通話を確認します
✔設備台帳と代替連絡手順を平常時に更新します

両方向の声を記録します!

明瞭な同時通話まで復旧確認します。
㈱防災屋でもご相談を承っております。

防火管理はプロにお任せ下さい

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お問い合わせ

監修・編集者
青木 俊輔
青木 俊輔

㈱防災屋 代表取締役/消防設備士

平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!

本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。

詳しい経歴・保有資格を見る
学歴
  • 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
  • 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
  • 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
保有資格
  • 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
  • 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
  • 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
  • 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
  • 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
  • eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了

趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)

主な活動

参考・出典

※本記事は公表されている法令および公的資料に基づく一般的な解説です。発信機の送受話器で明瞭な同時通話ができない場合は、施設担当者が分解、端子調整、連続操作を行わず、防火管理者、設備担当者、消防設備業者へ連絡してください。火災、煙、焦げ臭さなどがある場合は設備試験より避難と119番通報を優先してください。個別の点検、代替措置、営業再開、復旧判断は、設備の仕様と施設の運用状況に応じて所轄消防署や専門家へご確認ください。

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