地盤面下に配管を持つ危険物施設は、消防法第14条の3の2に基づく定期点検の対象です。
点検の対象になるのは、通常点検だけではありません。
地盤面下に設置された配管には漏れそのものを確認する点検も別に定められています。
この記事では危険物の規制に関する規則第62条の5の3が定める地下埋設配管の漏れの点検の対象と周期を確認します。
うちの配管は、地上に出ているところしか点検していません。
実は地盤面下の配管には別の漏れ点検があります。
条件を順番に確認しましょう。
地下に埋めた配管の点検って、いつもの点検と何が違うんですか。
対象と周期にそれぞれ注意が必要です。
まずは条文から見ていきましょう。
- 地下埋設配管を持つ危険物施設の定期点検には、配管そのものの漏れの点検も含まれます
- 対象は地盤面下に設置された配管(地下埋設配管)を有する製造所等で、地上配管は含まれません
- 点検の周期は原則1年(条件を満たせば3年)です
- 危険物の微少な漏れを検知し拡散を防止する告示の措置があれば、そもそも点検自体が不要になります
- 対象外にできるかどうかは、条文の要件を満たしているかで判断し自己判断はできません
▼

目次
地下に埋めた配管になぜ追加の点検が必要なのか

ただし対象になるのは、いつもの点検だけではありません。
配管は地盤面下にあるため、腐食や損傷が目視で気づきにくいという事情があります。
規則第62条の4が定める通常点検とは別に、この漏れの点検が上乗せされています。
対象となるのは地盤面下に設置された配管(地下埋設配管)を有する製造所等です。
次の項目で、具体的にどんな配管が対象になるのかを確認します。
配管の漏れ点検なんて、今まで意識していませんでした。
地盤面下にあるから気づきにくい配管です。
次で対象を確認しましょう。
対象になるのはどんな配管か

まずは条文の定義を確認します。
地下貯蔵タンクや二重殻タンクのように、施設の種類を号ごとに限定していません。
地上の施設でも、配管の一部が地盤面下を通っていれば対象になります。
逆に配管がすべて地上に露出していれば、この点検の対象にはなりません。
次の項目で、点検の周期を確認します。
うちは地上のタンクなので、関係ないですよね。
配管の一部でも地盤面下にあれば対象です。
次で周期を確認しましょう。
点検の周期はなぜ1年と3年に分かれるのか

条文を確認します。
完成検査を受けてから十五年を超えていない新しい配管や、漏れを覚知する告示の措置があれば3年に延びます。
起算日は完成検査済証の交付日か直近の点検日のいずれかです。
延長の条件は「新しさ」と「検知措置」の2種類あり、どちらか一方を満たせば足ります。
次の項目で、点検そのものが不要になるケースを確認します。
うちの配管は新しいので、点検は不要ですよね。
十五年以内でも周期が3年に延びるだけです。
免除にはなりません。
点検をしなくてよい配管もあるのか

条文の但し書きを確認します。
この検知措置は、前の項目で見た「十五年以内なら3年に延びる」という緩和とは別の規定です。
第1項の検知措置は点検そのものを不要にし、第2項の検知措置は周期を3年に延ばすという扱いの違いがあります。
「新しいから」「検知装置があるから」といった自己判断での対象外扱いはできません。
次の項目で、実務で確認すべき点をまとめます。
検知装置さえ付ければ、点検自体が要らなくなりますか。
告示で定める要件を満たす検知措置だけが対象外になります。
自己判断は避けましょう。
明日からなにを確認すればよいのか

自己判断せず、記録と条文をもとに確かめることが大切です。
- 保有する配管のうち、地盤面下に設置されている区間を図面等で洗い出しているか
- 点検の起算日を、完成検査済証の交付日と直近の点検日のどちらを基準にしているか確認する
- 周期が1年か3年かを、完成検査からの経過年数と告示の検知措置の有無で確かめる
- 告示で定める検知措置が講じられている配管を対象外として扱ってよいか、条文の要件と照らして確認する
- 判断に迷う場合は、自己判断せず所轄の消防署(市町村長等)に相談する
まずは配管が地盤面下を通っているか、図面で確認してみます。
はい、地盤面下の区間の有無で対象かどうかが決まります。
不明な点は所轄消防署にご相談ください。
よくある質問
まとめ
配管の区分と周期を、今日から確認します!
配管の漏れ点検の見落としを防ぐいちばんの近道です。
㈱防災屋でもご相談を承っております。
㈱防災屋 代表取締役/消防設備士
平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!
本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。
詳しい経歴・保有資格を見る
- 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
- 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
- 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
- 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
- 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
- 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
- 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
- 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
- eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了
趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)
参考・出典
- 消防法第14条の3の2
- 危険物の規制に関する規則第62条の4
- 危険物の規制に関する規則第62条の5の3
- e-Gov 法令検索
※本記事は公表されている法令および消防庁等の資料に基づく一般的な解説です。条例や運用は市町村ごとに異なる場合があります。個別の判断は所轄消防署にご確認ください。





