地下にある危険物タンクは、消防法第14条の3の2に基づく定期点検の対象です。
点検の対象になるのは、タンクの中身だけではありません。
地下貯蔵タンクや二重殻タンクには外殻そのものの漏れを確認する点検も別に定められています。
この記事では危険物の規制に関する規則第62条の5の2が定める外殻の漏れの点検の対象と周期を確認します。
うちの地下タンクも、去年ちゃんと点検を受けたので大丈夫ですよね。
実はタンクの中身とは別に外殻の点検があります。
条件を順番に確認しましょう。
外殻の点検って、いつもの点検と何が違うんですか。
対象と周期にそれぞれ注意が必要です。
まずは条文から見ていきましょう。
- 地下タンクの定期点検には、内部だけでなく外殻自体の漏れの点検も含まれます
- 対象は地下貯蔵タンクと二重殻タンクの強化プラスチック製の外殻で、移動タンク貯蔵所は含まれません
- 点検の周期は地下貯蔵タンクが原則1年(条件を満たせば3年)、二重殻タンクの外殻は一律3年です
- 二重殻タンクの内殻や告示で定める検知措置があるタンクは対象から外れます
- 対象外にできるかどうかは、条文の要件を満たしているかで判断し自己判断はできません
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目次
地下タンクの外殻にもなぜ点検が必要なのか

ただし対象になるのは、タンクの内部だけではありません。
規則第62条の4が定める通常点検とは別に、この外殻の漏れの点検が上乗せされています。
対象となるのは地下貯蔵タンクと二重殻タンクの強化プラスチック製の外殻です。
外殻は腐食対策として設けられていますが、そこにも劣化や損傷のリスクがあります。
次の項目で、具体的にどの施設のどのタンクが対象になるのかを確認します。
外殻の点検なんて、今まで聞いたことがなかったです。
古いタンクの腐食対策として設けられた外殻です。
次で対象を確認しましょう。
どんな地下タンクが対象になるのか

まずは根拠となる政令の規定を確認します。
政令は号ごとに施設の種類を列挙しており、移動タンク貯蔵所(タンクローリー)はここには含まれません。
移動タンク貯蔵所には別の号と別の周期が定められています。
つまり地下に固定されたタンクを持つ施設だけが、この外殻の漏れの点検の対象です。
次の項目で、具体的な点検の周期を確認します。
うちのタンクローリーも同じ扱いになりますか。
移動タンク貯蔵所は対象が別です。
ここでの対象は地下に固定されたタンクに限られます。
点検の周期はなぜ1年と3年に分かれるのか

条文を確認します。
完成検査を受けてから十五年を超えていない新しいタンクや、漏れを検知する告示の措置があるタンクは3年に延びます。
一方で二重殻タンクの強化プラスチック製の外殻は、一律で3年ごとです。
同じ「外殻」でも、地下貯蔵タンクか二重殻タンクかで数え方の入口が変わります。
次の項目で、点検そのものが不要になるケースを確認します。
うちのタンクは新しいので、点検は不要ですよね。
十五年以内でも周期が3年に延びるだけです。
免除にはなりません。
点検をしなくてよい地下タンクもあるのか

条文の但し書きを確認します。
二重殻タンクの内殻は、外殻そのものが保護しているため対象外になります。
また告示で定める検知措置や、間げきに検知液を満たした二重殻タンクの外殻も対象外です。
「古いから」「使っていないから」といった自己判断での対象外扱いはできません。
次の項目で、実務で確認すべき点をまとめます。
うちのタンクが対象外かどうか、自分で判断してよいですか。
条文に定める要件に当てはまるかを確認する必要があります。
自己判断は避けましょう。
明日からなにを確認すればよいのか

自己判断せず、記録と条文をもとに確かめることが大切です。
- 保有する地下タンクが、地下貯蔵タンクか二重殻タンクかを区分して記録しているか
- 点検の起算日を、完成検査済証の交付日と直近の点検日のどちらを基準にしているか確認する
- 周期が1年か3年かを、完成検査からの経過年数と告示の検知措置の有無で確かめる
- 二重殻タンクの内殻や検知措置付きのタンクを対象外として扱ってよいか、条文の要件と照らして確認する
- 判断に迷う場合は、自己判断せず所轄の消防署(市町村長等)に相談する
まずは自社の地下タンクの区分から確認してみます。
はい、地下貯蔵タンクか二重殻タンクかで周期が変わります。
不明な点は所轄消防署にご相談ください。
よくある質問
まとめ
タンクの区分と周期を、今日から確認します!
外殻の点検の見落としを防ぐいちばんの近道です。
㈱防災屋でもご相談を承っております。
㈱防災屋 代表取締役/消防設備士
平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!
本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。
詳しい経歴・保有資格を見る
- 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
- 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
- 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
- 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
- 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
- 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
- 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
- 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
- eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了
趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)
参考・出典
- 消防法第14条の3の2
- 危険物の規制に関する政令第8条の5
- 危険物の規制に関する規則第62条の4
- 危険物の規制に関する規則第62条の5の2
- e-Gov 法令検索
※本記事は公表されている法令および消防庁等の資料に基づく一般的な解説です。条例や運用は市町村ごとに異なる場合があります。個別の判断は所轄消防署にご確認ください。





