第一種低層住居専用地域は、住宅以外の建物を原則として建てられない、最も規制が厳しい用途地域です。
では、幼稚園や小学校のような学校、大学のような高等教育機関も、同じようにこの地域へ建てられるのでしょうか。
建築基準法別表第二(い)項第四号は「学校」を許容していますが、条文には見過ごせない除外規定が付いています。
この号がどこまでを「学校」として認め、どこからを除外しているのかを正しく理解しておく必要があります
幼稚園を新築したいという相談を受けたのですが、この地域でも建てられますか。
実は別表第二(い)項第四号に、その学校の規定があるんです。
まず条文で仕組みを確認しましょう。
大学や専門学校でも同じように建てられるんですか。
いいえ、条文にはっきりと除外規定があります。
次はその条文を見てみましょう。
- 第一種低層住居専用地域では、建築基準法第48条第1項により別表第二(い)項に掲げる建築物以外は原則建てられません。
- 別表第二(い)項第四号は「学校」を許容する一方、大学・高等専門学校・専修学校・各種学校の四つを条文の括弧内で明示的に除外しています。
- 学校教育法第一条が定める九種類の学校のうち、実際に除外されるのは大学と高等専門学校の二種類だけです。
- 専修学校・各種学校は、学校教育法第一条が定める「学校」にそもそも当たりません。
- 大学や高等専門学校は、一段階規制のゆるい第一種中高層住居専用地域((は)項第二号)であれば建てられます。
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目次
学校は第一種低層住居専用地域に建てられるのか

まず四号の条文を確認します。
除外されるのは大学、高等専門学校、専修学校及び各種学校の四つです。
逆に言えば、この四つに当たらない学校であれば、規模の制限なく建てられるということです。
では、除外される四つと除外されない学校の境界線はどこにあるのでしょうか。
次は、そもそも「学校」という言葉が法律上どこまでを指すのかを確認します。
学校も、この四号の中に入っているんですね。
はい、四号が学校の規定です。
次はどこまでが「学校」かを確認しましょう。
学校教育法上の学校とはどの範囲を指すのか

学校教育法第一条を確認します。
幼稚園から特別支援学校までの七種類は、四号の「学校」にそのまま含まれ、規模の制限なく建てられます。
除外されるのは、大学と高等専門学校という高等教育機関に限られます。
義務教育段階から高校段階までの学校を地域に受け入れつつ、大学規模の施設だけを線引きする条文構造になっています。
次は、条文がもう二つ名指しで除外している専修学校と各種学校を確認します。
幼稚園から高校までは、この号でそのまま学校に含まれるということですか。
はい、大学と高等専門学校だけが除外されます。
次は残り二つの除外を確認しましょう。
専修学校や各種学校はそもそも学校教育法上の学校なのか

この二つの位置づけを学校教育法で確認します。
同法第百三十四条(要旨) 第一条に掲げるもの以外のもので、学校教育に類する教育を行うものは、各種学校とする。
つまり四号が専修学校・各種学校を括弧内で除外しているのは、新たな制限を加えたわけではなく、もともと「学校」に当たらないことを確認的に示したものと読めます。
一方で実務上は、専修学校・各種学校の建物も別表第二(い)項の他の号のいずれにも当てはまらないため、結局この地域には建てられません。
大学・高等専門学校とは除外の性質が異なる点に注意が必要です。
次は、除外された大学や高等専門学校がどの用途地域なら建てられるのかを確認します。
専修学校も各種学校も、結局この地域には建てられないんですか。
はい、他の号にも当てはまらないため建てられません。
次は大学が建てられる地域を確認しましょう。
大学はどの用途地域なら建てられるのか

第一種中高層住居専用地域の号を確認します。
第一種低層住居専用地域で除外された高等教育機関も、一段階規制のゆるい用途地域であれば建築できるということです。
図書館その他これに類するものという四号の後段部分は、(は)項でも別の号で重ねて許容されています。
用途地域の選択は、計画する学校の種別によって選べる範囲が変わる点を押さえておく必要があります。
次は、この違いを踏まえて実務で何を確認すべきかを整理します。
つまり大学を建てたいなら、一段階上の用途地域を探せばいいんですね。
はい、(は)項第二号であれば大学も建てられます。
次は実務での確認手順を整理しましょう。
防火管理者は建てられることを知った先に何をすべきか

確認すべき点を整理します。
- 計画中の施設が学校教育法上どの種別に当たるかを特定行政庁に確認する
- 大学・高等専門学校・専修学校であれば、第一種中高層住居専用地域以上の用途地域を選定する
- 専修学校・各種学校の計画地が別表第二のどの号にも当てはまらないかを事前に確認する
- 用途の区分を確認申請の設計図書に明確に記載し、行政庁と事前協議する
学校は消防法施行令別表第一上も相応の防火管理義務が課される用途区分に当たります。
用途地域上建てられることを確認した後こそ、防火管理者の選任や消防用設備の整備という本題が始まります。
学校の種別と用途地域の対応を早い段階で特定行政庁や所轄消防署に確認しておくことが、計画を円滑に進める近道です。
建てられることが分かっても、それで終わりではないんですね。
はい、防火管理の確認もここからが本題です。
次はよくある質問を見ていきましょう。
よくある質問
まとめ
相談してくれた方には学校の種別を確認するよう伝えてみます!
用途地域の確認まで含めて、㈱防災屋でもご相談を承っております。
㈱防災屋 代表取締役/消防設備士
平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!
本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。
詳しい経歴・保有資格を見る
- 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
- 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
- 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
- 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
- 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
- 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
- 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
- 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
- eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了
趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)
参考・出典
- 建築基準法第48条第1項(e-Gov法令検索)
- 建築基準法別表第二(い)項第四号・(は)項第二号(e-Gov法令検索)
- 学校教育法第一条・第百二十四条・第百三十四条(e-Gov法令検索)
※本記事は公表されている法令に基づく一般的な解説です。該当性の判断は個別の内容によって異なる場合があります。個別の判断は所轄の特定行政庁にご確認ください。





