地震後の点検で、誘導灯を開けると内蔵蓄電池が膨らんでいることがあります。
表示面が点灯していても、停電時に必要な時間だけ避難方向を示せるとは限りません。
膨らんだ蓄電池を押し戻したり、そのまま充電を続けたりすると、状態を悪化させるおそれがあります。
BCPでは触れずに周囲を管理する、避難方向を代替表示する、専門点検の結果で再開を判断するという順番を決めます。
誘導灯の電池が膨らんでいます。
点いていれば使ってええですか?
触らず状態を保存してください。
避難案内はどう続けますか?
代替表示と人員配置で補います。
- 膨らんだ蓄電池を押したり外したりしません
- 誘導灯の外形と避難経路への影響を確認します
- 周囲を管理し異常発熱や臭いを監視します
- 仮設表示と案内員で避難方向を補います
- 外形・表示・機能の点検結果で業務再開を判断します
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目次
地震後に誘導灯の内蔵蓄電池が膨らんでいたら使い続けてよいのか

点灯していても膨らんだ蓄電池を正常とは判断できません。
内蔵蓄電池の変形は、誘導灯の非常電源に外形異常がある状態です。
膨らみ、変色、異臭、異常な熱、液漏れが見える場合は、施設担当者が器具を分解したり蓄電池を外したりしません。
煙や焦げ臭さがある場合は、誘導灯の確認より通報、避難誘導、初期消火を優先します。
初動は人を近づけない、状態を変えず記録する、専門業者へ連絡するの三つです。
点いていても正常とは限らないんですね。
そうです。
非常電源の外形も点検項目です。
どの誘導灯と避難経路を対象に確認するのか

異常がある一台だけでなく避難方向が連続して分かるかを確認します。
避難口誘導灯、通路誘導灯、階段通路誘導灯の種類と、実際に案内する経路を結び付けて見ます。
- 誘導灯の種類、型式、設置場所
- 内蔵蓄電池の膨らみ、変色、液漏れ
- 外箱、表示面、取付部の変形や損傷
- 点検スイッチによる非常点灯への切替え
- 避難口までの通路と表示の見え方
- 同じ電源系統や同時期に設置した誘導灯
- 点検記録と蓄電池の交換履歴
消防法施行令第26条は、避難口誘導灯や通路誘導灯などを防火対象物の条件に応じて設ける枠組みを定めています。
一台を停止すると曲がり角や階段入口で方向が途切れる場合は、先に代替案内を配置してください。
確認結果は異常器具の位置、影響する避難経路、代替案内の責任者に分けて記録します。
一台だけ見ればええと思ってました。
避難方向の連続性まで見ます。
発見から代替案内と専門点検までどう進めるのか

状態を保存して避難方向を補ってから専門点検へ引き継ぎます。
異常器具を外す前に、その誘導灯が無い状態でも避難口まで迷わず進めるかを確認します。
- 煙、焦げ臭さ、異常発熱、液漏れを確認する
- 誘導灯と内蔵蓄電池の状態を記録する
- 避難経路図で影響する区間を確認する
- 器具の周囲を管理して人が触れないようにする
- 仮設表示と案内員で避難方向を補う
- 状態と代替措置を消防設備士へ引き継ぐ
- 外形、表示、機能の確認結果で再開を判断する
煙や火がある場合はその場に留まらず、119番通報と避難誘導を優先します。
仮設表示は、既存の誘導灯と矛盾する方向を示さず、通行の妨げにならない位置に設けます。
発見から復旧までを一つの時系列にまとめ、代替案内の開始時刻と終了条件を明記してください。
先に避難方向を補うんですね。
ええですね。
案内を切らさず引継ぎます。
常時点灯していれば正常と思うと何を見落とすのか

常用電源で点いているだけでは非常時の機能まで確認できません。
誘導灯は停電時に非常電源へ切り替わり、必要な時間だけ点灯を続ける役割があります。
- 常用電源では点灯していても非常電源へ切り替わらない
- 蓄電池の変形で器具内部へ圧力が加わっている
- 端子の緩みや結線の損傷が生じている
- 点検スイッチや切替機能が正常に働かない
- 表示面の汚損や劣化で方向が見えにくい
- 必要な点灯時間を維持できない
専門点検では、外箱、表示面、取付部、内蔵蓄電池、点検スイッチ、結線接続を設備構成に沿って確認します。
蓄電池を交換したあとは、常時点灯だけでなく非常点灯への切替えと必要な機能を確認します。
復旧判断は外形異常がないこと、避難方向が明瞭なこと、非常電源の機能が正常なことを記録して行います。
点灯だけでは足りないんですね。
はい。
外形・切替え・機能を確認します。
明日から内蔵蓄電池の変形にどう備えるのか

誘導灯の配置と交換履歴と代替案内を一枚にまとめます。
内閣府の事業継続ガイドラインは、重要な要素や資源の把握、代替策、教育と訓練、点検と是正を継続する考え方を示しています。
- 誘導灯の種類、型式、設置場所を記録する
- 避難経路図と各誘導灯の役割を照合する
- 蓄電池の交換年月と点検結果を残す
- 異常器具の周囲を管理する方法を決める
- 仮設表示と案内員の配置を決める
- 消防設備士や保守事業者の連絡先を複線化する
- 外形、表示、機能の確認を再開条件にする
消防計画には火災時の通報、初期消火、避難誘導を、BCPには設備不良時の代替案内と業務再開判断を整理します。
訓練では実機を分解せず、蓄電池が膨らんだ誘導灯の写真カードを使って報告から案内員配置まで確認できます。
状態保存、影響確認、周囲管理、代替案内、専門点検、結果受領までを一連の流れで通してください。
訓練後は避難経路図と連絡網、交換履歴の保管場所を更新します。
写真カードなら安全に訓練できますね。
ええですね。
代替案内と再開条件まで確認しましょう。
よくある質問
まとめ
誘導灯の蓄電池異常を想定した訓練をやってみます!
状態保存・代替案内・専門点検・再開判断を一緒に確認しましょう。
㈱防災屋でもご相談を承っております。
㈱防災屋 代表取締役/消防設備士
平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!
本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。
詳しい経歴・保有資格を見る
- 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
- 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
- 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
- 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
- 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
- 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
- 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
- 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
- eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了
趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)
参考・出典
- e-Gov法令検索 消防法第17条・第17条の3の3
- e-Gov法令検索 消防法施行令第26条
- e-Gov法令検索 消防法施行規則第28条の3
- 消防庁 消防用設備等の点検基準 点検要領 点検票
- 消防庁 別表第16 誘導灯及び誘導標識の点検の基準
- 消防庁 第16 誘導灯及び誘導標識 点検要領
- 内閣府 事業継続ガイドライン 令和5年3月
※本記事は公表されている法令および消防庁、内閣府の資料に基づく一般的な解説です。誘導灯の内蔵蓄電池、点検方法、代替案内、交換方法、業務再開条件は建物と機器ごとに異なります。実際の応急対応、停止、交換、点検、営業や業務の再開は管理権原者、防火管理者、消防設備士、消防設備点検資格者、保守事業者、所轄消防署へご確認ください。





