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BCPで地震後に泡消火設備の加圧送水装置から異音がしたら駐車場を再開してよいのか

地震後に異音がした泡消火設備の消防ポンプを示すアイキャッチ

地震後、駐車場の泡消火設備を試運転すると、消防ポンプから普段と違う音がしました。
圧力計の針が動いていても、そのまま駐車場を再開してよいのでしょうか。
加圧送水装置は、消火用水を必要な圧力で放射区域へ送る重要な部分です。
異音を見つけたら再開せず原因と運転性能まで確認します

消防ポンプから、
変な音がします。

運転を続けないでください
原因の確認が先です。

圧力が出ていても
使えませんか。

音だけでなく、
送水機能まで確認します。

この記事の結論
  • 加圧送水装置から異音がすれば運転と駐車場再開を保留する
  • ポンプ室と影響する放射区域を立入管理する
  • ポンプだけでなく水源と配管と制御盤を一つの系統で確認する
  • 修理後は吐出圧力と吐出量の確認まで行う
  • 代替措置と再開承認者をBCPへ決める

泡消火設備の加圧送水装置で異音を発見して運転停止と専門点検を経て復旧確認する流れ

地震後に加圧送水装置から異音がしたら駐車場を再開してよいのか

泡消火設備の消防ポンプと電動機から異音がしている状態

普段と違う音がすれば駐車場を再開しません
消防庁の点検基準は、加圧送水装置のポンプ方式について外形、起動装置、圧力計、バルブ類、配管、電動機などを確認し、機能が正常であることを求めています。

異音の原因は、軸継手、軸受、据付部、配管、電動機など複数の箇所にあり得ます。圧力計の針が動いたことだけで送水性能を判断できません。

地震後にポンプや電動機から金属音、擦過音、不規則音が聞こえた場合は、繰り返し起動して原因を探しません。運転を止めて専門点検へつなぎます。

音がするまま、
回したらあかんのですね。

はい。
止めた状態で引き継ぎます。

どの設備と運転系統を確認対象にするのか

水源から消防ポンプと配管を経て泡放射区域へつながる系統

消防ポンプだけでなく水源から放射区域までを設備図で確認します
加圧送水装置は、水源の消火用水へ必要な圧力を与え、配管を通して泡消火設備へ送るために設けられます。

  • 水源と吸込配管の水量やバルブ位置
  • ポンプ本体、電動機、軸継手、据付部
  • 制御盤、起動装置、電源と表示
  • 吐出配管、圧力計、逆止弁、逃し装置
  • 対応する放射区域とフォームヘッド

設備図と点検票を突き合わせ、ポンプの定格吐出量と全揚程を確認します。ポンプと放射区域の対応が分からない状態で再開しないでください。

同じ駐車場に複数の系統がある場合は、共用する水源や電源も確認します。異音が出た一台だけの問題と決めつけないことが大切です。

ポンプだけ見ても、
足りへんのですね。

水源から放射区域まで、
一つの系統で見ます。

発見から運転停止と専門点検までどう進めるのか

消防ポンプの運転を止めてポンプ室と駐車区画を使用制限する様子

発見者が異音の原因を探すため再起動する必要はありません。まず運転を止め、ポンプ室と影響する駐車区画への立入りを管理し、計器や制御盤の状態を安全な場所から確認します。

  1. 火災や泡放射が発生していないかを確認する
  2. 異音、振動、漏水、焦げ臭などを確認する
  3. ポンプ室と影響する駐車区画を使用制限する
  4. 再起動せず計器と制御盤の表示を記録する
  5. 防火管理者、設備責任者、専門業者へ連絡する
  6. 影響する放射区域の代替措置を決める
  7. 所轄消防署への連絡が必要か確認する

専門担当者は、ポンプ、電動機、軸継手、軸受、据付部、吸込配管、吐出配管、制御盤まで確認します。漏水や発熱がある場合は、立入管理と電源管理も同時に扱います。

点検中は、火気制限、巡回、駐車区画の使用制限などを検討します。消防用設備の代替措置は、所轄消防署と専門業者へ相談し、施設だけで決め切らないことが重要です。

装置には触らず、
区画まで伝えます。

それで十分です。
安全な引継ぎを優先します。

吐出圧力が出ていれば使えると思うと何を見落とすのか

専門業者が消防ポンプの軸継手と軸受と圧力計を点検する図

一時的に圧力が出ても加圧送水装置が正常とは判断できません
異音が軸継手や軸受の異常による場合、短時間は回転しても運転を続けるうちに損傷が広がる可能性があります。

泡消火設備の点検基準では、ポンプの起動性能だけでなく、外形、計器、バルブ、配管、電動機や総合点検の吐出量と全揚程を確認します。地震後は、異音の原因設計性能の両方が確認対象になります。

  • 軸継手や軸受にずれや損傷が残っている
  • 据付部や配管支持部へ応力がかかっている
  • 吸込側へ空気を巻き込んでいる可能性がある
  • 圧力は出ても吐出量が不足している可能性がある
  • 修理後の定格性能と自動起動を確認していない

復旧判断には、原因の特定、必要な修理、回転状態、吐出量、全揚程、自動起動、放射区域の確認が必要です。圧力計の一時的な指示だけで再使用を決めないでください。

圧力が出ていても、
見逃せへんのですね。

はい。
定格性能の確認までが復旧です。

明日から加圧送水装置の復旧手順をどう確認するのか

修理後に消防ポンプの性能と駐車場の再開条件を確認する図

加圧送水装置の位置と異音時の停止条件を一枚へまとめます
平常時に水源、ポンプ、配管、放射区域、担当者を確認しておくと、災害直後の判断で迷いません。

  1. 泡消火設備の系統図と放射区域図を用意する
  2. 水源、ポンプ、吸込配管、吐出配管の位置を確認する
  3. 異音、振動、漏水、発熱を再開保留条件に定める
  4. 立入管理と駐車区画の使用制限を決める
  5. 防火管理者、設備責任者、専門業者の連絡順を決める
  6. 代替措置と所轄消防署への相談手順を決める
  7. 修理、性能確認、再開承認の結果を設備台帳へ残す

消防法第17条の3の3に基づく定期点検に加え、災害直後の確認を同じ台帳へ残すと、異音発見から送水機能の復旧までの経過を追えます。

誰が使用を制限し、誰が代替措置を決め、誰が点検し、誰が再開を承認するかまでBCPへ書き込みます。内閣府の事業継続ガイドラインが示す教育、訓練、点検、改善にもつなげてください。

送水系統まで、
先に見るんですね。

平常時の系統図が、
再開判断の材料になります。

よくある質問

Q加圧送水装置は何をする設備ですか?
A水源の消火用水へ圧力を与え、配管を通して放射区域へ送るための送水系統の設備です。
Q異音が消えたら施設担当者が再起動してよいですか?
A再起動しないでください。原因が残る可能性があるため、停止状態のまま専門業者へ引き継ぎます。
Q圧力計が正常なら駐車場を再開できますか?
A再開できません。原因、回転状態、吐出量、全揚程、自動起動の確認を終えてから判断します。
Q復旧後は何を記録すればよいですか?
A異音の状態、停止時刻、原因、修理、性能確認、代替措置、再開承認者と日時を残します。

まとめ

異音がすれば運転と駐車場再開を保留します
ポンプ室と影響区画の周囲を立入管理します
ポンプだけでなく水源から放射区域まで確認します
軸継手と軸受・据付部・吸込配管・吐出配管を確認します
修理後に吐出量と全揚程を確認します
点検中の代替措置を決めます
再開承認者と復旧記録を残します

加圧送水装置は、消火用水を必要な圧力で放射区域へ送る重要な設備です。異音が消えただけでは、設計どおりの吐出量と全揚程を確保できる状態へ戻ったとはいえません。

運転を止める、影響区画を管理する、送水系統を点検するという順序をBCPへ組み込み、災害後も現場が迷わないようにしてください。

異音を見つけたら再起動せず
専門点検へつなぎます!

使用制限と復旧条件まで決めましょう。
㈱防災屋でもご相談を承っております。

防火管理はプロにお任せ下さい

まずはWebで無料お見積りを!

お問い合わせ

監修・編集者
青木 俊輔
青木 俊輔

㈱防災屋 代表取締役/消防設備士

平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!

本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。

詳しい経歴・保有資格を見る
学歴
  • 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
  • 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
  • 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
保有資格
  • 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
  • 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
  • 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
  • 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
  • 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
  • eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了

趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)

主な活動

参考・出典

※本記事は公表されている法令および公的資料に基づく一般的な解説です。泡消火設備の加圧送水装置から異音がする場合は自己判断で再起動せず専門業者へ相談してください。漏水、焦げ臭、異常な振動、著しい変形があるなど危険な場合は近づかず、施設の緊急手順に従ってください。個別の停止、代替措置、点検、復旧、業務再開は、設備方式と現場状況に応じて所轄消防署や専門家へご確認ください。

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