副防災管理者は1人でなければならないのか。
担当者を全員選任してしまえば、誰かは必ず構内にいる状態を作れます。
回答はそれを認めました。ただし条件が付いています。
必要なのは代行する順位をあらかじめ定めておくことです。
担当者を全員まとめて副防災管理者に選任してもよいでしょうか。
防災管理者を補佐し、かつ防災管理者に代わつて自衛防災組織を統括できると認められる者については選任することができるとされました。
届出を現地の代表者の名前で行うことはできるでしょうか。
特定事業者を代表する者から当該届出に関する委任状の提出等、委任関係が明確にされていればさしつかえないとされています。
- 防災管理者を補佐し代わって自衛防災組織を統括できると認められる者は、複数を副防災管理者に選任できます
- その場合、防災管理者の業務を代行する順位をあらかじめ定めておく必要があります
- 共同防災業務以外の業務を行わない限り、防災業務の委託には該当しません
- 改正施設省令に係る別葉は、防災規程変更届出書に添付して届け出ます。この場合、防災規程の本文は添付しないことができます
- 届出は、委任関係が明確にされていれば現地の代表者名で行ってさしつかえありません
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目次
担当者全員を副防災管理者にできるか

前の記事で見たとおり、防災管理者か副防災管理者のいずれかは常駐しなければなりません。
その常駐を確実にするため、担当者を全員まとめて副防災管理者に選任したい。
人数の上限は示されていません。代わりに、1人ずつが要件を満たすかどうかで判断されます。
要件は2つです。防災管理者を補佐できること。防災管理者に代わって自衛防災組織を統括できると認められること。前の記事で見た管理的又は監督的地位にある者という条件と重なります。
そのうえで、この回答の要点が後半にあります。代行する順位をあらかじめ定めることです。
複数いれば誰かは構内にいます。しかし2人同時にいる場面で、どちらが統括するのかが決まっていなければ現場は止まります。
名簿を作るときは、氏名と地位だけでなく順位の欄を設けておく必要があります。
順位を決めておくのですね。
統括できることが要件です。
名簿に、順位の欄を足しておいてください。
防災業務の委託に当たるかどうか

その会社に業務をさせることは、防災業務の委託に当たるのか。
条件付きで該当しないとされました。
分かれ目は、その会社が何をしているかです。共同防災業務だけをしているなら、構成事業所が自分たちで作った器にすぎません。委託ではなく自前の組織の一部と見られます。
ところが構成事業所以外の防災業務を受託し始めると、話が変わります。独立した事業者になるからです。
共同防災組織の運営会社を作るときは、定款の目的や受託の範囲を、この線に沿って書いておく必要があります。あとから業務を広げると、位置づけが変わります。
外の仕事を受けると、扱いが変わるのですね。
業務の範囲で分かれます。
委託の内容を、契約書で確かめてください。
改正省令に係る別葉の届出

その別葉の扱いについて、根拠の書き方と届出の方法が問われました。
後段 防災規程変更届出書に別葉を添付して届出させること。この場合、防災規程の本文は添付しないことができる。
実務的な緩和です。
根拠そのものは本文に規定します。ただし届出のときは、防災規程変更届出書に別葉を添付すれば足ります。本文まで付け直す必要はありません。
防災規程は分厚い文書です。1か所直すたびに全文を提出していては、事業者にも行政にも負担がかかります。
ただし本文に根拠を規定すること自体は省けません。手元の規程は完全な形に保ちます。提出書類が軽くなるだけで、社内で管理する文書が軽くなるわけではありません。
届出のときは、別葉を添えれば足りるのですね。
実務的な緩和です。
規程の改正の手順を、確認しておきましょう。
届出は現地の代表者名でできるか

しかし実際に書類を扱うのは現地の事業所です。現地の代表者名で出せないか。
できます。ただし委任関係が明確にされていることが条件です。
方法として委任状の提出等が挙げられています。等とあるので、委任状に限られるわけではありません。社内規程で権限が明示されている場合なども含まれると読めます。
前の記事で見たとおり、業務を全面的に委託していても特定事業者は設置している者のままでした。ここでも同じ構造です。名義人は動かず代理の関係を示します。
現地で書類を回す体制にするなら、委任の範囲と期間を最初に決めて書面にしておくのが確実です。
委任の関係を示せば、現地の名前で出せるのですね。
委任状などで明確にします。
委任の書面を、あらかじめ用意してください。
2つの市町にまたがる共同防災組織の届出

届出はどちらに出すのか。
原則は両方です。それぞれの市町長へ届け出ます。
ただし2市町間で調整すれば、いずれかへの届出で足ります。
調整するのは市町の側だという点に注意してください。事業者が勝手に選ぶのではありません。
前の記事で見た2市町にまたがる検査の話と同じ構造です。あちらも3つの方法のいずれかによるかを市町が定めるべきものとされ、手数料は一の検査ぶんでした。
またがる事業所を持つときは、早い段階で両方の市町に相談して、どちらに出すかを決めてもらうのが結局いちばん早く進みます。
調整すれば、1か所で済む場合もあるのですね。
調整するのは市町の側です。
事前に窓口へ相談しておきましょう。
よくある質問
まとめ
- 副防災管理者は要件を満たす者なら複数選任できます
- その場合は代行する順位をあらかじめ定めます
- 共同防災業務以外を行わない限り防災業務の委託に該当しません
- 別葉は防災規程変更届出書に添付し、本文は添付しないことができます
- ただし根拠を本文に規定することは必要です
- 届出は委任関係が明確にされていれば現地の代表者名で行えます
- 2市町にまたがる場合は原則両方ですが、市町間の調整でいずれかに絞れます
人を増やすだけでなく、順位まで決めておくのが要点なのですね。
すっきりしました。
名簿に順位の欄を足すところから始めてください。
㈱防災屋でもご相談を承っています。
参考・出典
- 石油コンビナート等災害防止法の運用に係る資料の送付について(平成2年5月31日 消防特第120号)
- 石油コンビナート等災害防止法第17条・第18条・第19条
- 石油コンビナート等における特定防災施設等及び防災組織等に関する省令
- 消防実務六法 質疑応答編
※本記事は公表されている法令および通達に基づく一般的な解説です。掲載した回答には平成初期のものが含まれ、条番号や機関の名称等は当時のものです。個別の事案についての適用は、所轄消防署または自治体にご確認ください。
㈱防災屋 代表取締役/消防設備士
平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!
本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。
詳しい経歴・保有資格を見る
- 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
- 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
- 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
- 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
- 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
- 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
- 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
- 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
- eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了
趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)




