高さ27メートルのローディングアームがあります。
政令は高さ20メートル以上の場所で石油を取り扱う工作物に普通高所放水車を求めています。
形だけ見れば当てはまりそうです。
ところが回答は含まれないものと解するとしました。
高さ27メートルのローディングアームには、高所放水車が要るのでしょうか。
その火災発生危険や燃焼継続性等から、政令第11条に規定する工作物には含まれないものと解するとされました。
設置しなくても差しつかえありません。
タンク内の検査中に爆発があり負傷者が出ました。
異常現象の通報が要るのでしょうか。
燃焼継続がなく消火の必要もなく設備の破損もない場合は、法第23条の異常現象に該当しないとされました。
- 都市ガスの整圧器および導管はガス事業法第2条第7項のガス工作物に該当します
- 当該都市ガスは、石油コンビナート等災害防止法施行令第3条第2項第5号の高圧ガス以外の可燃性ガスに該当します
- 屋外給水施設の水を他の消火設備に用いることは、施設省令第11条後段の但し書きを満足する限り認められます
- 高さ27メートルのローディングアームは、政令第11条の工作物には含まれないものと解されます
- タンク内の爆発でも燃焼継続や設備の破損がない場合は、法第23条の異常現象に該当しません
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目次
都市ガスの整圧器と導管の扱い

構内に都市ガスを引いている事業所があります。
その整圧器と導管は何に当たるのか。またその都市ガスは石油コンビナート等災害防止法上どう扱われるのか。
2つの問いに、それぞれ別の法律で答えています。
設備としてはガス事業法のガス工作物。物質としては石油コンビナート等災害防止法の高圧ガス以外の可燃性ガス。
高圧ガス以外という括りが効いています。都市ガスは高圧ガス保安法の高圧ガスではありませんが、可燃性であることに変わりはありません。数から漏れないよう受け皿が用意されています。
この記事の最初に置いた記事で見たとおり、石油コンビナート等災害防止法の入口は量の計算です。都市ガスを引いているなら、その量も算定の対象になります。
2つの法律にまたがる設備もあるのですね。
問いごとに別の法令で答えられています。
構内の設備を、根拠の法令別に整理してください。
屋外給水施設の水を他の消火設備に使えるか

あわせて、連結する配管を配管総延長に含めるのかが問われました。
後段 お見込のとおり。なお、配管総延長には連結配管を含む。
条件付きで認められました。施設省令第11条後段の但し書きを満足する限り、という限定です。
前の記事で見た加圧ポンプの共用と同じ考え方です。設備を1つにまとめてよいが、能力は足し算のまま。屋外給水施設に必要な水量が確保されることが前提になります。
後段が見落としやすい点です。連結配管は配管総延長に含まれます。検査手数料の計算に効いてきます。
他の消火設備につなぐと、水が回せるようになる代わりに配管総延長が伸びます。工事の計画段階で両方を見ておく必要があります。
水を他の設備に回すこともできるのですね。
但し書きの範囲に限られます。
配管の系統を、図で確かめてください。
高さ27メートルのローディングアーム

高さ27メートルのローディングアームは、これに当たるのか。
高さは足りています。石油も取り扱っています。それでも該当しないとされました。
理由が2つ挙げられています。火災発生危険。燃焼継続性。
ローディングアームは、船やタンクローリーへ油を送るときだけ石油が通ります。常時そこに油が溜まっているわけではありません。火が出ても続けて燃えるものが上にない、ということです。
前の記事で見た蒸留塔の話と同じ筋です。塔の高さが20メートル以上でも、20メートル以上の部分に石油がなければ該当しないとされました。
条文の言葉に当てはまるかどうかではなく、その規定が何を防ごうとしているかで判断されています。
高さが足りていても、該当しない場合があるのですね。
危険性で判断されました。
設備の性格を、説明できるようにしてください。
特別防災区域を通過する高架道路

道路とコンビナート施設が近接することになります。何を確かめればよいか。
可否を答えるのではなく、手順を示した回答です。
まず、高架道路とコンビナート施設相互の安全性を事前に災害想定等により十分検討します。不可欠であるという強い言い方です。
評価の方法は平成元年6月9日付けの消防特第109号によります。そのうえで、詳細なアセスメントを権威ある第三者機関に委託する等、万全を期す必要があるとされました。
第三者機関として財団法人消防科学総合センターが名指しされています。自前の評価だけでは足りないという含みです。
安全性が相互のものとされている点も要点です。道路が施設に及ぼす影響と、施設が道路に及ぼす影響の両方を見ます。
高架道路の計画では、事前の想定が要るのですね。
相互の安全性を見ます。
周辺の計画は、早めに情報を集めてください。
タンク内の爆発は異常現象か

燃焼は続かず、消火の必要もありませんでした。設備の破損もありません。ただし2名が負傷しています。
これは法第23条の異常現象に当たるのか。
爆発があり、負傷者も出ています。それでも異常現象には当たらないとされました。
判断の材料として問いに並べられているのは、燃焼継続がないこと、消火の必要がないこと、設備の破損がないことです。
法第23条の通報は、消防機関に対応してもらうための仕組みです。消すものがなく、壊れた設備もないなら、その仕組みが働く場面ではありません。
ただし労働災害としての扱いは別です。この回答は石油コンビナート等災害防止法上の異常現象に当たるかだけを述べています。労働安全衛生法に基づく報告や社内の事故処理は当然に必要です。
前の記事で見た、送油中の船からの油漏出は事業所の異常現象とされた回答と読み比べると、線の引き方が見えます。外へ広がるものがあるかどうかで分かれています。
負傷者が出ても、該当しない場合があるのですね。
燃焼が続いたかどうかで分かれます。
労働安全衛生法の報告は、別に必要です。
よくある質問
まとめ
- 都市ガスの整圧器と導管はガス事業法のガス工作物に該当します
- 当該都市ガスは高圧ガス以外の可燃性ガスに該当します
- 屋外給水施設の水は施設省令第11条後段の但し書きを満足する限り他の消火設備に使えます
- 配管総延長には連結配管を含みます
- 高さ27メートルのローディングアームは火災発生危険と燃焼継続性等から該当しません
- 特別防災区域を通過する高架道路は事前に災害想定等を実施し第三者機関への委託等で万全を期します
- 燃焼継続も設備の破損もない爆発は法第23条の異常現象に該当しません
条文の言葉ではなく、何を防ぐための規定かで判断されているのですね。
すっきりしました。
異常現象に当たらない場合でも、社内の事故処理と労働安全衛生法の報告は別に要ります。
㈱防災屋でもご相談を承っています。
参考・出典
- 石油コンビナート等災害防止法の運用に係る資料の送付について(平成4年5月25日 消防特第98号)
- 石油コンビナート等の防災アセスメント指針について(平成元年6月9日 消防特第109号)
- 石油コンビナート等災害防止法第23条
- 石油コンビナート等災害防止法施行令第3条第2項第5号・第11条
- 石油コンビナート等における特定防災施設等及び防災組織等に関する省令第11条
- ガス事業法第2条第7項
- 消防実務六法 質疑応答編
※本記事は公表されている法令および通達に基づく一般的な解説です。掲載した回答には平成初期のものが含まれ、条番号や機関の名称等は当時のものです。個別の事案についての適用は、所轄消防署または自治体にご確認ください。




